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2013年3月 4日 (月)

PCR法

★こんな記事がありました。(朝日新聞 2013年3月3日)

マダニ媒介の感染症検査、月内にも全国で 試薬や手順書配布 1~2日で診断可
 野外のマダニを介して感染するとみられる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、国立感染症研究所(感染研)が今月中旬にも、すべての都道府県と政令指定都市に検査に使う試薬やマニュアルなどを配布することになった。感染の有無を全国どこでも検査でき、実態把握が進むことになる。

 感染研によると、「PCR法」と呼ばれる技術で、患者の血液などにあるウイルスの遺伝子の一部を、試薬で大量にコピーして増やす。そのコピーが、これまでに国内で見つかった遺伝子と同じかどうかで感染が判断できる。
(後略)

なにをいまさら、という気分なんですよね。「PCR法」という新規の技術が開発されたみたいな書き方。
PCRというのはolymerase hain eaction の略記。

遺伝子を扱う分野で、今やこのPCR法が使われないことの方が珍しい。
血液の中にわずかにいるかもしれないウイルスを、鶏卵とか、何か生きた細胞に植え付けて培養して増やして・・・というようなことではないのです。
血液の中にある、遺伝子群を丸ごとPCR法で増幅して、検出しようという話です。その中からウイルスの遺伝子を見つけようという話でしょう。

病原菌などの話が出ると、培養して増やしてということが多いのですが、人間が培養できる微生物など、全体のほんの何%かしかない。後は、いることは分かっていても培養できなかった。それを、遺伝子群としてまとめてPCRで増幅して、どのような遺伝子が存在するか、という研究ができるのです。

犯罪捜査で「遺伝子型鑑定」という言葉もありますね。あれもPCRを使う。

元となる遺伝子を、2倍、4倍、8倍・・・と増やしていく方法なのです。
10回繰り返せば、1000倍に増え、20回もやったら100万倍にも増えます。(2^20)
逆に、あまりに敏感ですから、コンタミネーション(汚染というとちょっとニュアンスが違うような・・・)に気をつけないと、何を見ているのかわけがわからなくなります。

★ごく簡単な説明をお読みください
http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/koutou/seibutu/se18/PCR/PCR.htm
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応 Polymerase Chain Reaction)法

  マリス(Kary Babks Mullis、アメリカ)は、1983年にPCR法を開発し、1993年に、この業績に対してノーベル化学賞が贈られた。PCR法は、その後の遺伝子工学の進歩に大きく貢献した。

原理が分かりやすく示されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E9%80%A3%E9%8E%96%E5%8F%8D%E5%BF%9C
ポリメラーゼ連鎖反応

ヒトゲノム解析とか、色々な生物のゲノム解析も行われていますが、このPCR法抜きには不可能なことなのです。

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