におい
★広辞苑第五版のCD-ROMから、引用。
におい【匂】ニホヒ
③かおり。香気。狭衣物語3「かうばしき―」。「香水の―」
④(「臭」と書く) くさいかおり。臭気。「すえた―」
におい【臭】ニホヒ
におい(匂)→④
かおり【薫・香】カヲリ
①よいにおい。香カ。源氏物語花散里「近き橘の―、なつかしうにほひて」。「香水の―」「―の高い花」
くさ・い【臭い】 形 くさ・し(ク)
①いやなにおいがする。源氏物語帚木「極熱ゴクネチの草薬を服して、いと―・きによりてなむ」。「靴下が―・い」
か・ぐ【嗅ぐ】 他五
鼻でにおいを感ずる。においを弁別する。古今和歌集夏「五月まつ花橘の香を―・げば昔の人の袖の香ぞする」。「匂いを―・ぐ」
しゅう‐き【臭気】シウ
くさいにおい。不快なにおい。悪臭。くさみ。「―が鼻をつく」
こう‐き【香気】カウ
よいにおい。香り。「―がただよう」
きゅう‐かく【嗅覚】キウ
においの感覚。揮発性物質が嗅覚器の感覚細胞に化学的刺激を及ぼすことによって生ずる化学感覚。
ほう‐こう【芳香】ハウカウ
よいかおり。
あく‐しゅう【悪臭】 シウ
いやなにおい。不快なにおい。「―を放つ」
★基本的に「臭」は不快な感覚に使いますね。
ところが、このごろ「臭い」と書いて「におい」と読ませることが多くって。イヤなんです。
臭わないタクアン作れます:野菜茶業研究所など:辛みゼロの大根開発(1/9)
白くて臭わないたくあんが作れる大根の新品種を、農業。食品産業技術総合研究機構の野菜茶業研究所(津市)とお茶の水女子大が開発した。最近はたくあん独特の臭いが苦手という人も多く、こうしたニーズに応えようと研究を進めてきた。
この品種は「だいこん中間母本農5号」。切ったり、おろしたりすると、時間がたつにつれて大根に含まれる辛み成分が分解されて独特のにおいを放つ物質になる。同研究所が辛み成分のほとんどない品種を育て、そのなかでも最も辛み成分が少ない大根の種を選んでそれを育て……と繰り返した結果、5世代目に含有量ゼロの品種ができた。
大根が変色するのもこの辛み成分のせいだ。この品種は変色しないので、色むらを防ぐための着色料を使わずにすむ。長期間冷凍保存する業務用の大根おろしやさしみのつまなども白いまま保つことができるという。
同研究所の研究員は「傷んでいなくても、臭いや色でたくあんを嫌う消費者が多い。今回の品種は白くて臭いがないたくあんや、フレッシュ感が損なわれない高品質の大根加工品をつくることができる」と話す。
「臭い」という言葉が3回くらい出てきますね。どれも「におい」と読ませるようです。
これではまるで、鼻で感じる感覚(嗅覚です。断じて臭覚じゃありません)のすべてが不快だ、ということになりそうじゃありませんか。
そりゃないよな。
家がくさい、靴がくさい、布団も枕もくさい、洗濯物すぐ干さないとくさい・・・
なんでもかんでも「くさい」といって、人工の香りばかりがよい香りのように宣伝するのはやめてほしい。脅迫広告はやめませんか?
私は、化粧品の強い「におい」が鼻をつくことを「不快臭」と感じる性質です。
ビルの空調になにか、香料を流すことが話題になったことがありますが、どんなに「よい香り」とされるものであっても、それを強引に選択の余地なく嗅がされることは非常に不快です。
二酸化炭素入浴剤も、すべて香料入りになったので使うことをやめました。無香性の商品があった頃は、結構好きで使っていたのですが。あの香料は「臭気」と呼べると思います。
感覚表現が薄っぺらくなってしまって、哀しいことですね。
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