Keep your options open.
★月曜日は「資源ごみ」の回収日。
2月4日に1月の分の新聞をくくって集積所に持っていきました。
新聞をまとめていたら、元日のもありまして、ひょいと見て、あっ、と思い出してしまった。
スポーツ特集版かな、こんな記事があったのです。
ジャンプの高梨沙羅とサッカー20歳以下日本代表・猶本光の紙上対談を取材していて、ひとつのキーワードがくっきりと浮かび上がってきた。
それは「選択肢を狭めない」だ。
16歳の高梨は昨春、インターナショナルスクールに進学し、数カ月で高卒認定試験に合格した。なぜなのか。少女はよどみのない口調で答えた。「3年間でやる勉強をまとめるのは難しかった。でも、いま、やってしまった方が楽になって、いろんな選択肢ができるから」
猶本は18歳。筑波大学に通いながら、浦和レッズレディースに所属する。どうしてサッカーだけに専念しないのか。彼女の答えも明確だった。「サッカーをやめた後の人生の方が長い。だから。しっかり選択肢を残しておきたい。大学生とはそういう時期だと思う」
彼女たちが同じ単語を口にするのを聞いて、思うことがあった。若さとは年齢をさすのではない。選択肢を捨てないことなのではないだろうか。
何歳になっても、人生に多くのオプションを持つ人は若い。
一方で、彼女たちは選択肢を幅広く持ちながら、競技の中で一瞬のうちに、なすべきアクションを選び取る。高梨のジャンプ台での踏み切りのタイミング。猶本の動き出しの一歩目と寄せのスピード。そこに迷いはない。選択肢と決断。生きるヒントを若い2人は与えてくれる。
★「選択肢を狭めない」
これってものすごく大事なことです。
努力すれば夢は必ずかなう。将来の夢を持って、夢に向かって努力しよう。
一概にわるいこととは言いませんが、こんなことを小中学生に勧めない方がいいですよ。
むしろ悪影響の方が大きいと思うな。
人間の築いてきた文化の幅広さと奥行き、社会の構造など知らないうちに、なんかの拍子に「これ好きだ」「好きな先生にあこがれて」「たまたまテストの点数がいつも高めにとれるから」なんてことで、自分はそれに向いている、その方向で夢を持って行こう、なんて考えない方がいい。
さらに、思い込んだ「夢」に「役立つこと」だけを学んで、役立たないと思ったことは捨ててしまう。
そういう態度が広まってしまいました。役立つことばっかり考えている。
役立たないことは無駄だ、といってしまう。
ホント?
人間の奥行きが浅いよな。
積み重ねた無駄から「創造力」が生まれるんですよ。
無駄のない役立つことしか知らなかったら、新しいチャレンジなんてできませんよ。薄っぺらな人間になってしまいます。
うんと、たくさん無駄を積み重ねて下さいね。
と、私は言いたい。
私は高校教師をしていたわけですが、私の自己紹介プリントにこういうメッセージも載せていたのです↓
[自己紹介 2004年度版]から
何かを選択するということは、何かを捨てることです。人生を生きていくということは可能性を 実現するとともに可能性を削ぎ落としていくことでもあるのです。いずれ「選択」しなければ生きてはいけません。ならば常に、選択の幅は可能な限り幅広く保持し続けて下さい。Keep your options open.
自己紹介の全文は↓ここで読めます。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/profile.htm
「努力すれば夢がかなう」なんてウソだよ。
夢のかなった人が、そんなことをいうのは無責任だ。
すべての人がチャンピオンになれるわけじゃないのは、当たり前。
夢がかなわなかったら本人の努力が足りないんだ、なんて、なんという無責任な発言だろう。
かなわないのが夢。
ただね、夢を持つことは大事だ。40年50年生きてみるとね、夢を軸にして生きてきた、ということは確実に言える。
ストレートに役立つと思うことだけではなく、なんでも面白いものはどんどん吸収しなさい。そうすれば夢を軸にして生きられます。
私は、それを君たちに保証できるよ。
夢はかなわないが、夢を軸にして生きることはできるよ。
私はいつも生徒たちにこう話してきたのです。
私自身、高校生の頃にいろいろ考え悩んだこと、それをやっぱり人生の軸にして生きてきたのです。
Keep your options open.
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