偏光器の話
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-4295.html
2013年2月20日 (水)「反射率のグラフ」
↑ここで、チラっとブリュースター角のことに触れました。
★どのグラフでもRpがゼロになる入射角があります。
この角度をブリュースター角といって、面白い活用ができるのですが、それはまた次に回しましょう。
私が説明するよりちゃんとした解説を読んでいただいた方がいい↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%A7%92
ブリュースター角
ブリュースター角(ブリュースターかく、Brewster's angle)、または偏光角(へんこうかく、polarization angle)は屈折率の異なる物質の界面においてp偏光の反射率が0となる入射角である。非偏光がブリュースター角で入射したとき、反射光は完全に偏光となる。発見者のディヴィッド・ブリュースターの名前からブリュースター角と呼ばれる。
・・・
θ=arctan(n2/n1)
ここでは空気中からの入射しか考えませんから、n1=1とすれば
θ=arctan(n)
でいいです。
水の屈折率が1.33とすると θ=53.1度
ガラスの屈折率を1.5とすると θ=56.3度
この角度で入射すると、反射光にはp偏光という偏光が全くなくなってしまうのです。
反射率のグラフのところで、曲線が下に凸である角度で0になっていますね。この角度です。
★これを利用して「偏光器」を作ることができます。
偏光の実験をするというと、以前は「ニコル・プリズム」をよく使ったものです。
方解石の複屈折という現象を使って、偏光プリズムが作られていました。。
http://kotobank.jp/word/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
ここに、簡略な解説があります。図が分かりやすい。
★どこにでもあるガラス板を使って、ブリュースター角を利用して偏光器を作った話を、私のHP「理科おじさんの部屋」に載せてあります。
↓ここです。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/freestdy/plarizr.htm
「偏光器を作ろう!」
ここに書いたのは、岩波のKAGAKU no GAKKOという本に載っていたものの再現です。
「KAGAKU no GAKKO Ⅲ 物質・熱・光」
1955年 5月10日 第1刷発行
1961年11月30日 第6刷発行
岩波書店
・「光と波2」という章で、三角の箱の底にガラス板を置き、56.3度で反射してくる光を見るように作っています。
この作り方をHPに載せてあります。
・また、顕微鏡のスライドグラスを56.3度に傾けて何枚も重ねると、透過光は偏光になるという偏光器の作り方も、HPでそれを再現しています。
興味がありましたら是非ご覧ください。
私の科学の基礎は岩波によるものです。小学校の頃、岩波科学映画を4チャンネルで、日曜の午後6時過ぎの、今ならゴールデン・タイムにやっていました。これをもう、真剣に見ました。これが私の素地になっています。その映画とオーバーラップする部分もあるKAGAKU no GAKKOも良書です。
思えば50年以上前の理科ガキが、今や理科おじさんから理科爺さんになりましたねぇ。
なんと一貫した人生だったろう!
おもしろかったなぁ。
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