立方体の展開図から四面体を折る:2
★通常は立方体の展開図であるものから、四面体ができたのは、まぁ、それはそれで、めでたしめでたし、ですが。
いったん四面体が出来あがってみると、今度は次の好奇心が湧いてきました。
この四面体の「普通の展開図」はどんなものなんだろう?
「普通の」というのは、立体の辺を切り開いて展開する、という意味です。
当然いろいろな切り開き方が可能です。
四面体を平らな面において、その時上に出ている3つの辺を切ればいいのです。
どう置くのが一番面白いかな。
最初のイメージとしては、鳥が羽を広げたような図になるのかなぁ、とも思いました。
出来あがった四面体を手にとって、つらつらと眺むるに。
{表面を無地にせず、罫線がある方を表にして作ったのが幸いでした。}
長い三角形が、底辺が2単位、高さが2単位だなぁ。そこに直角三角形がくっついているなぁ。
まさか!?
イメージが頭の中で組み上がって、手元のノートに、展開していった時の図をフリーハンドで描いて見たら。えっ!そうなの!?
こうなんですね。
上に置いた四面体と、下の展開図を比べて眺めて下さい。
面積もちゃんと6だし。
間違ってないよなぁ、と、この展開図を折ってみたら
間違ってませんでした。
立方体の展開図から作った四面体が上、長方形型の展開図から作った四面体が下、です。
同じなんだぁ。マイッタナ。
実は、妻と二人で、それぞれがこの一連の展開図の遊びをやっていたのですが、この四面体の長方形の展開図に行きついたのは私が先。で、ひらひらと長方形を持っていって、折ってごらんよ。
折ってみた妻も、わぁ、と声を上げていました。
二人して、なんだか、感動というか、びっくりというか、面白い経験でした。
★
これ見て下さい。
a と b は既出です。同じ展開図から二つの立体が作れるというところで出した図です。
b’が今回、四面体の辺を切り開いて得た長方形型の展開図です。
b’の1を1’の場所へ90度左へ回して、置きます。
b’の2は回転せずに2’の場所へ置きます。
そうすると、bと同じものになるのですねぇ。
なるほど。
しっかしまぁ、この斜め線の、面を折る展開図を最初に考えたのは誰だ?
数セミの記事には、オリジナルの出典はありませんでしたので、よく分かりませんが、上原さんが知っているということは、上原さんオリジナルか、あるいは数学界ではよく知られた事実であるのか。なのでしょうね。
数学を外野席から見て楽しんでいる私にはちょっとそこまではわからないのでした。
四面体の辺を切り開いて長方形に展開した図です。
右下の2単位を切り離します。
移動すると。
ほらね、転換できたでしょ。
数学者は頭の中でこういうのができちゃうのかな。
紙を切って、手を動かして、やっと納得するというのは、やっぱり私は理科屋だなぁ。
それにしても、いやはや、なのでした。
不思議だし面白いし、いい知的興奮を味わいました。
ありがたいことです。
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