お寒うございます
2013.1.4
今朝も庭の池に氷が張りました。
だんだん地熱も奪われていき、凍りやすくなるでしょうね。
北の方では、一日中「冷凍庫」状態が続きますが、そこまではいかないにしても東京も「冷蔵庫」状態です。冷蔵庫の温度設定は3~4℃。朝はそれより低く、予報による最高気温は6℃。ね、冷蔵庫状態ですね。
子らが家にいて正月にたくさんの食料を買い込んでいた時期には、生もの以外は屋外の物置において保存したこともありましたっけ。
すっかり裸になったイチョウの木が青空にすっくと立っています。
代謝活動による発熱はほとんどないでしょうから、おそらく「芯まで冷えて」いるでしょう。
外気温とほぼ同じ。
細胞内の液体は、純水ではないから、凝固点降下で氷点が下がる。
これは高校化学でよくいうのですが、それだけではないですね。
細胞外の液が凍ればかえって細胞内の濃度が上がって凍りにくくなる。
「過冷却」というのもあります。
さらに、不凍たんぱく質というものを作って、たとえ細胞内に氷ができ始めても、結晶が大きく長く成長して細胞を突き破ることがないように、たんぱく質が氷を微結晶で押さえ込むという方法もあります。
それでも強烈な低温では木が凍ってしまい、液体の水から氷への体積膨張で木が裂けることがあるそうですね。
すさまじいことです。
昆虫の越冬でも、同様で、凝固点降下、過冷却、不凍たんぱく質などで、凍結に対抗します。
越冬している蛹をみると、しみじみ、すごい能力だなぁ、と感心します。
東京あたりでは余り極端な低温にはなりませんが、寒い地方では蛹も凍ってしまうことがあります。一番怖いのは、蛹表面に水がついて、その水が凍り、蛹に傷をつけたりして、蛹の内部に氷を誘導してしまうことですね。低温でも、体表面はむしろ乾燥していた方がいい。
冬場、あまり掃除しないでください。落ち葉は積もったままの方がいい。
落ち葉が発酵するということもあるでしょう。発酵で発熱するかもしれません。
落ち葉の間には空気層があって断熱性がいい。
落ち葉の下でなんとか越冬している昆虫のために、そっとしておいてあげてほしいと願うものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%87%8D%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA
ウィキペディアの「不凍タンパク質」という項目です。参考にどうぞ。
★別件ですが。
カマキリの卵の高さがその冬の積雪量を予想している、というのは誤りです。
おそらく、雪深い場所で、雪から突き出た木の枝にカマキリの卵がついているのを見て、おお、カマキリは卵を守るためにその冬の積雪量を予測して雪に埋もれない高さに産卵したのか、と思った方々がおられるのです。
それは素直な感想ですが、誤りであることが分かっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%AA
雪国のカマキリの卵は毎年雪に埋もれない高さに産み付けられていて、その年の雪の高さを予知しているという言い伝えがあり、それを実証する研究がなされている[1]。しかし、昆虫写真家の海野和男は雪に埋もれるカマキリの卵を観察できることからその説に疑問を呈し[2][3]、また、弘前大学名誉教授の安藤喜一は、検証の結果「カマキリの積雪量予知は誤りである」との結論を出している[4][5]。
http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/diary/200509/1128080016.html
「オオカマキリの産卵」
小諸ではちゃんとデータをとったわけではないが、オオカマキリに関する限り低いところから高いところまで、年による違いはあまりないように思う。小諸は雪 は比較的少なく、冬は乾燥も激しく、気温もマイナス10度以下に下がるから、雪の中に卵が埋もれた方がかえって暖かく、鳥にも襲われにくいので安全である と思う。
安藤喜一 「オオカマキリの耐雪性」『耐性の昆虫学』 田中誠二・小滝豊美・田中一裕編著、東海大学出版会、2008年
この本を三省堂書店で見かけたことがあるのですが、いくら虫好きでも素人の私が購入して読むには手ごわいし高価でした。
雪の中に埋もれる、というのは断熱性もあり、意外と温かなものらしいですね。
{「イグルー」や「かまくら」は雪の断熱性を利用しますね}
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