ちょっと計算
↓こんな記事がありました。
小惑星アポフィス、想定外の重さ 地球衝突の確率に影響(朝日新聞 13年1月10日)
2036年に25万分の1の確率で地球に衝突する小惑星「アポフィス」が従来考えられていたより質量で1・75倍とみられることがわかった。地球衝突の確率の計算に影響を与える可能性がありそうだ。
9日夜(日本時間)に地球から約1450万キロまで最接近したアポフィスを観測していた欧州宇宙機関(ESA)が、発表した。
ESAのハーシェル宇宙望遠鏡の観測によると、アポフィスの直径は約325メートル(誤差±15メートル)あり、これまで考えられてきた270メートルより約2割大きかった。分析に当たったドイツの研究者は「直径で2割大きければ体積あるいは質量で75%増えることになる」とした。アポフィスは次は29年にいったん地球に約3万6千キロまで接近するとみられ、このとき、地球の重力の影響で軌道が変わる可能性がある。
04年に発見されたアポフィスは、米航空宇宙局(NASA)が当初、「29年に地球に衝突する可能性が2.7%」と発表して話題になった。その後の再計算で、29年に衝突する可能性はなくなり、09年の時点で36年4月13日に衝突する可能性は「25万分の1」とされた。
今回の観測で直径が325±15mだそうで。
310~340mくらいということですね。
270で割ってみると
1.15~1.26倍。1.2~1.3倍と考えればいいでしょう。
測定には必ず誤差がありますので、どのくらいの正確さなのかは常に意識する必要があるのですね。
「直径で2割大きければ体積あるいは質量で75%増えることになる」というのはどういうことかといいますと。
立体の寸法を2倍にすると、体積は8倍、3倍にすると体積は27倍・・・
というように、3乗倍になるんですね。
立方体や直方体、球・・・何でもそうです。
あるいは、身長1.7mの私が体の比率そのものを変えずに2倍の3.4mの身長になると、体重が8倍、約400kgになってしまうわけですね。
これが、ウルトラマンは立てたか?というような議論を生むわけです。
さて、直径が1.2倍になると、体積は1.2の3乗=1.728倍になります。
1.728≒1.73
ゆるい話ですから、1.73≒1.75
で「75%増える」といっているわけですね。
密度が均一なら質量も同じ割合で増えるわけです。
「質量で1・75倍」というより、私の感覚では「1.7倍程度」でいいのではないかと思いますがね。
ちょこっと封筒の裏にでも計算してみる癖をつけると、それなりに面白い発見もできるようになります。
★おまけ
コピー機でA4→A3とかB5→B4というように、面積を2倍にする時は、辺の長さを√2倍にすればいいのですね。ですから、1.41倍=141%とするわけです。
逆に、A3→A4とかB4→B5というように、面積を半分にする時は、辺の長さを(1/√2)倍すればいい。
1/√2=√2/2=1.414/2=0.707≒0.71
ということで、71%の縮小をかければいい。
お気づきでしたでしょうか。
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