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2013年1月24日 (木)

気圧の「落差」

1月14日に東京ではかなりの雪が降りました。
ふと気づいて、翌15日の天気図を気象庁のサイトからダウンロードしておきました。
↓これです
13011509
1月15日午前9時です。
まず大陸の方を見て下さい。
1040hPaと1028hPaの高気圧があって、その間に1024hPaの低気圧(!)があります。
1040というのは冬にしかお目にかからない、かなりの「高」気圧です。
で、標準の1気圧は1013hPaなのに、それより高い1024hPaあっても低気圧になっていますね。高気圧・低気圧というのは相対的なものですから、両側に比べれば低いので低気圧なんですね。
ある値以上は高気圧で、それ以下は低気圧、というようなものではありません。

さて、日本の東の低気圧ですが。
944hPaまでいってしまいました。
これってもう、台風「並み」を超えて、台風みたいなものです。構造が台風とは違いますから台風とはいえませんが、日本に接近する時に940hPaくらいの気圧でやってくる台風は普通です。
これが雪を降らせた原因の低気圧です。

さて
1040-944=96 hPa
これって、ものすごい気圧の落差です。
たとえて言えば山のてっぺんと谷底の「落差」です。

同じ落差でも、途中「緩斜面」や「急斜面」がありえますよね。
スキーヤーが斜面を滑走する時には、全体の落差そのものより、途中の斜面の傾斜の方を感じていますね。

似たような話で、風を吹かせる原動力は気圧傾度力といいまして、高気圧と低気圧の全体の落差そのものより、途中の斜面の傾きが風の原動力になります。

とはいえ、全体の落差の間で空気が移動するのですから、空気という質量のあるものの移動のエネルギーはこの落差が供給しています。
台風が運んで来る「雨の質量」ってものすごいでしょ。
冬の低気圧が運んで来る「雪の質量」ってものすごいでしょ。
とんでもないエネルギーが必要ですよね。
このエネルギーが気圧の落差の間で供給されるわけですね。

96hPaの圧力差というのは、ものすごい。
普通の1気圧=1013hPaから96hPa下がったら、917hPaですよ。
これ、超大型の台風の気圧じゃないですか。
そういうスケールで今回の低気圧は発達しながら進んでいって、大質量の雪を「落として」いったんですね。

前の記事で、1200トンの鉄の板を持ち上げるのに23.5hPa加圧すればいいという話をしました。面積5000平方mに対してね。

日本列島の上に高さ10kmくらいの板を立て、その両側で圧力差が96hPaあったら、いったいどういうことになるのでしょう。
とんでもない力だということが想像できると思います。
気象現象ってすごい。
そのなかに浸りきって生きていますので、あまり実感がわかないのですが、気象現象の中で動いているエネルギーの量って、とてつもないものですね。
それがみんな太陽から供給されるわけですからして、太陽エネルギーのすごさも分かります。

ふとね、天気図を見て、いろいろ考えてしまいました。
参考までに、1月22日の天気図も下に載せます。
13012209
ある意味で似たような気圧配置ですが、最大の落差で28hPaですか、おだやかですね。

低気圧単独で見るだけでなく、周囲の高気圧なども一緒に見ると天気の構造が見やすくなりますよ。

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