冬至のニュースで
★こんな記事がありました。
長い影も日本一?通天閣届け 大阪・あべのハルカス(朝日新聞 2012年12月21日16時27分)
写真:あべのハルカスの影が通天閣の方向に長く伸びた=21日午前8時7分、大阪市阿倍野区、朝日新聞社ヘリから
【飯塚晋一】21日は冬至。太陽の高さが一年で一番低く、昼が最も短くなる日だ。ビルとして日本一の高さ300メートルを誇る大阪市阿倍野区の「あべのハルカス」では、午前8時すぎ、長い影が通天閣の近くへ伸びていた。
太陽が真南に来た時の高度は21日が31.9度で、影の長さは約482メートルになる計算。来年6月21日の夏至の約59メートルに向かって、影は徐々に短くなっていく。
説明はしませんが、ごく簡単な図を描いてみればわかります。
冬至のときの太陽の南中高度(度) = 90 - (その場所の緯度) - 23.4
このように計算できるのです。
東京は北緯35.7度として計算すると
90-(35.7+23.4)=30.9
約31度ですね。この値をこの間使いました。
式を逆に使って、「南中高度が31.9度」から
大阪は北緯34.7度くらいですか。
理科年表で、「各地の日出入」という表を見ると、大阪は北緯34度41分となっています。
大阪のどこなのかはよく知りませんけど。
41/60=0.68ですから、北緯34.7度ですね。
なるほど。
300m÷tan(31.9)=482m
ふむふむ。
夏至の時には
太陽の南中高度(度) = 90 - (その場所の緯度) + 23.4
こうなりますから、南中高度は78.7度
300m÷tan(78.7)=59.9m
ちょっとノートの端っこなどで、大雑把な計算をして見る習慣をつけると、面白いですよ。
★そうかあ。東京スカイツリーだとどうなるのかな。
634mでしたよね。
冬至の時の南中高度が30.9度で影の長さは1059.3m
夏至の時の南中高度は77.7度で影の長さは 138.2m
冬至の日の影の長さは1kmを超えているのか、スゴイ。
実はこういう記事もあったのです。
冬至の朝、スカイツリーに長い影(朝日新聞 2012年12月21日11時50分)
写真:冬至の朝、隅田川をこえて長く伸びる東京スカイツリーの影=21日午前8時18分、東京都墨田区、朝日新聞社ヘリから
21日は一年で太陽の高さが最も低く、日照時間が最短となる冬至。今年開業した東京都墨田区の東京スカイツリー(高さ634メートル)を上空から眺めると、朝日を浴びた長い影が、隅田川を越えて台東区まで届いていた。
前の記事もこの記事も、両方とも朝8時過ぎに撮影しています。
せっかくですから、頑張って南中時刻にヘリを飛ばせばよかったのにね。
そうすれば
大阪では「この影の長さが482m」、東京では「この影の長さは約1060m」と書けたのにね。
お日様が出て影が撮影できた朝に先ず飛んで(保険をかけておいて)、もう一回昼に飛ばせばよかったのに。と思うかかしです。
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