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2012年12月 7日 (金)

鏡の話:10の4

ナメクジの話の続き

★私が子どもの頃の少年雑誌に「児雷也(じらいや)」というのがありました。
あの話の中に「三すくみ」があったのは覚えていますが、そこにナメクジが入っていたのは今回の読書で思い出しました。
ナメクジ・ヘビ・カエルの三すくみ、だったんですねぇ。

ヘビはカエルを呑む。
カエルはナメクジを食う。
ナメクジにはヘビ毒が効かず、粘液でヘビを溶かしてしまう。

というのです。
ナメクジもここではヘビに勝つのですね。パワフルなんだ。
児雷也はガマに化けるんです、ガマに乗って現れたりね。印を結ぶんだったかな、子どもの頃そんな遊びをしたっけ。
児雷也の妻はナメクジの妖術を使う。
宿敵は大蛇丸(おろちまる)でヘビの妖術を使う。
と、まぁ、他愛もない話なんですが。

★話が、全く吹っ飛びまして。ミミズへ!!
ナメクジの話をしていたら、そして、
   多年負屋一蝸牛
   化做蛞蝓得自由
   火宅最惶涎沫尽
   追尋法雨入林丘

こんな詩をご紹介していたら、「蚯蚓礼賛」を思い出してしまった。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/lst_msg3.htm

   蚯蚓礼讃
自ら進んで釣魚の餌たるを辞せざるも 虚名を干支に列ぬるの累を避く
「鈍くしておかしげなる」との世評に甘んじ
悠悠自適 泥土を食ひ黄泉を飲み 敢えて利欲を地表に求めず
汲汲相励みて荒野を拓き 矻矻相勉めて沃土を作る
其体は蓋し研学の材たるべく
其屍は猶ほ霊薬の素たるべし
然れば蔡邕の知遇を得て勧学の篇に入り
透谷の詩眼に映じて跟影を紙帛に止む
祖先世に現はれて既に幾億歳
巨象の蹄を逃れ氷河の流れを避く
時に地殻の激震に厄せられ 血縁離散の悲しみに遇ふも
慈雨の降下に恵まれて繁栄の喜びを受く
年を送り歳を迎へて眷属益々蕃く
争はず犯さず 倶に天分を楽しみ共に苦楽を味ふ
是れ蚯蚓の偉とする所なり
世の懶婪憤怒の人 亦以て鑑とするに足らん乎
   昭和六年一月五日       畑 井 新 喜 司 

復刻「みみず」
 著者:畑井新喜司
 発行日:1997年6月15日 初版第4刷

嘱託員も終わる時に、私が生徒に贈ったラスト・メッセージで引用したものです。

争はず犯さず 倶に天分を楽しみ共に苦楽を味ふ
是れ蚯蚓の偉とする所なり
世の懶婪憤怒の人 亦以て鑑とするに足らん乎

ね。世の「懶婪憤怒の人」って誰でしょうね。
蚯蚓を「鑑(かがみ)」としてください。
ナメクジもね、「鑑」としてください。

★ついでに思い出した言葉「歌女」。
「歌女」って、ナ~ンダ?
かかしさんの窓で書いたことがあるんですよ。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-8a4d.html

毎日新聞 2012年2月8日の「余録」です。
さて、「歌女(かじょ)」と呼ばれるのはどんな生き物だろうか。ウグイスやスズムシなどを思い浮かべる方も多いだろうが、これ実はミミズのことという

よかったら、全文読んでみて下さい。

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理科おじさん」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、かかしさん。
お茶では、お釜の煮える音で、ミミズがなく音『蚯音』というのがありますよ。
http://www.shizecon.net/sakuhin/48jhs_1.html

「蚯音」ですか、知らなかった。「松風」は知っていましたが。この話、とても面白いので、記事として改めて書いてみようと思っています。ありがとうございました。

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