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2012年12月13日 (木)

ノーベル生理学・医学賞

★ちょっと気になる記事を読みました。
朝日新聞夕刊の「論説委員室から 窓」というコラムです。

[窓]ノーベルの思い(12/10)
 ノーベル賞の授賞式が行われる今日10日は、ダイナマイト王アルフレッド・ノーベルの命日である。 ノーベル賞の対象を定めた遺言を改めて読んでみた。
 「物理学の分野で最も重要な発見または発明をした者」とあり、「最も重要な化学的発見または改良をした者」「生理学または医学の領域で最も重要な発見をした者」と続く。
 発見に加えて、物理は発明、化学は改良、生理学または医学は発見だけ、と、明確に区別されている。
 「ノーベルは科学の各分野の特徴をよく理解していた」。かつてこう指摘したのは、ノーベル化学賞を受賞した故福井謙一博士だ。
 山中伸弥・京大教授への授賞理由は「成熟細胞が初期化され多能性をもつこと」の「発見」である。教科書を書き換え、病気の治療にも新たな可能性を開いた、とする。
 新聞などでは医学生理学賞と訳されることが多いが、正確にはまず基礎研究である生理学、そして応用としての医学がくる。科学によって人類を疾病から救う、というノーベルの思いがうかがえる。
 山中さんのiPS細胞はまさに、そんなノーベルの思いに応える研究成果だといっていい。
 だが、科学から生身の人間を相手にする医学へ、隔たりは小さくない。長い目で見守りたい。

そうなんだ。まったく何の意識もなく「医学・生理学賞」と言っていましたが、「生理学・医学賞」なんですね。
調べたら英語では「Nobel Prize in Physiology or Medicine」だそうです。
日本では基礎科学としての生理学という学問分野がよく知られていないことが一因ではないでしょうか。実学に偏ってきた歴史があって、更にまた、「役に立つ」ことばかり強調される社会になっていますので、医学の方が先に来ちゃうんだろうな。生理学なんて、医学の一分野、あるいは、生物学の一分野くらいにしか認識されていないのではないかな。

★ネットで普段よく見ている新聞関連のサイトを改めて見てみました。
12月11日の記事でみると

読売新聞のYOMIURI ONLINEだけが「生理学・医学賞」と表記していました。
毎日新聞は自社取材で「医学生理学賞」
東京新聞は自社取材だろうという記事と共同通信の配信記事とがあって、どちらも「医学生理学賞」
日本経済新聞は共同通信の配信記事で「医学生理学賞」
NHKは自社取材で、「医学・生理学賞」
朝日新聞は自社取材で「医学生理学賞」

でした。
なるほどね。
各社の科学部の姿勢がちょぴっと垣間見えますね。
初耳だったので、少ししつこく調べてみました。

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