鏡の話:9:余話6
サイコロと鏡
★久しぶりに鏡に帰ってきましたよ。
ごく普通のサイコロです。
各面の「目」は「裏表足して7」ということは多分ご存知のことと思います。
さて、サイコロを鏡に映したらどうなるのでしょう?
右が実物。左が鏡像です。
なんたって、x、y、zの3本の軸がありますからね。カイラリティが発生します。
サイコロを、1・2・3という三つの目が同時に見えるように目の前に置きます。
で、1→2→3という回転方向が反時計回りのものが普通のサイコロです。
これが写真の実物の方です。あるいは最初の写真。
鏡像の方は時計回りですね。
これは重なりあわないのです。
「足して7」ルールだけではサイコロというものは「一意に(ユニークに)」定まらない
のですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD
ウィキペディアの「サイコロ」という項目から
サイコロの目の割り振りは「天一地六東五西二南三北四」と決まっており、方角を示す道具としても使われる(つまり1の目がある面が上である)。「南三」でなく「北三」になっているサイコロもあり、「南三」を雌サイコロ、「北三」を雄サイコロと呼ぶこともある。また、舟になぞらえて「天一地六表三艫四面舵二取舵五」とも言う。サイコロの雌雄の見分け方は、1・2・3の面が集まる頂点を正面に置き、1→2→3の順に見たときに時計回りになるのが雄サイコロ、反時計回りになるのが雌サイコロである。
「天一地六東五西二南三北四」を図にしてみました。
南西の方角、少し上からこのさいころを見下ろしたとイメージしてみて下さい。
「1→2→3」が反時計回りになっていますね。
これは「雌のサイコロ」です。
サイコロにカイラリティがあるのは当然知っていましたが、「サイコロの雌雄」というのは今回調べてみて初めて知ったことでした。
賭場なんて男の世界だろうし、昔のことだからきっと、賭場では雄のサイコロを使ったのかな、と思って調べてみると、どうも、昔から雌のサイコロの方が正式なサイコロであるらしいです。
◆余計なつぶやき
・メスは実体的な存在だが、オスは実体のない「虚」ろなものでしかないのだなぁ。{鏡像だから}
・「男と女の間には深くて暗い川がある・・・♪」いや「男と女の間には虚実を分かつ鏡がある・・・♪」
・ヒトの世界は「男と女の大騒ぎ」。 虚実皮膜のあわい、に過ぎないのだ。
★バカなこといってないで。
ウィキペディアには次のような記述もありました。
目と重心
サイコロの目は、もとの六面体を凹ませることで作るため、目の分だけ各面から質量が取り除かれることになり、重心に偏りを生ませる。特に、最も数の差が大きい1の面と6の面が向かい合っているため、目の大きさが全て同一のサイコロは1の面側に重心が偏り、転がした際に6の面がもっとも上になりやすく、乱数発生に不都合が生じる。そのため、このことを考慮したサイコロでは、各面に刻む目の容積をその数に反比例させ、1の目が最も大きく、2はその半分、3は3分の1、…6は6分の1、という具合に徐々に小さくなるようにし、各面が失う質量を等しくすることにより、重心の偏りを避ける工夫がなされている。ただし、市販のサイコロの大部分はそこまで行わず、1の面の目だけが大きく他は同じ大きさといった程度である。この場合、最も上になりやすいのは5の面である。
また、各々の面において目の配置が点対称あるいは左右対称なのも、配置による重心の偏りをなくすための工夫である。
さらに、カジノゲームのクラップスや競技バックギャモンで使われるダイスでは、少しでも重心の偏りをなくすため、目を凹ませた後に素材と同比重の塗料(もしくは本体と同材質異色の材料)で埋めてある。また角も丸められてはいない。これらをプリシジョン・ダイス(precision dice、精密ダイス)という。
また、各目に穴を空けずに塗装するだけのサイコロもある。もちろん、このようなサイコロには重心の偏りがない。
あの「目のくぼみ」による重心のズレなんて考えたことがありませんでした。
なるほど、1の目は大きいよなぁ。
そこまで厳密な乱数性が私には必要ないし。
★こんなことを考えていたら、
サイコロの出目を調べた論文がありました。ご紹介します。関心がおありでしたらどうぞ。
http://www.nagano-c.ed.jp/seiho/risuka/2009/2009-1.pdf
「サイコロの確率~各目の出る確率は本当に6分の1なのか~」
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