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2012年11月16日 (金)

現象だけ話して

★朝日新聞の読者投稿欄「声」です。

[声]「現象だけ話して」という医師(11/7)   主婦(54)
 「症状の現象だけを話しなさい。あなたの考えを話されると診断の邪魔になります」。先日、新潟市内の診療所で医師にひどく怒られました。結局、気になる症状の治療は受けられず、ふに落ちない理由で怒られたショックからさらに不安となり、他の病院で診てもらいました。
 それ以来、「現象だけを話しなさい」という言葉が頭から離れません。医師は疲れていて、私の話にイライラしたのかもしれませんが、患者が心身の不安を訴えるのはごく普通のことではないでしょうか。
 患者が診断をしてもらうのは、症状とそれに伴う不安な気持ちがあるからなのに、医師はその気持ちは聞きたくないという。そんな医師にとって病とは何なのか考えあぐねる日々です。
 ・・・

 医者も忙しいかもしれませんがそういうことじゃなくって、医者が診断を下すためには、患者の正確な状態を知らなければなりません。診断ができて初めて、いろいろな対処法が可能になるのです。

 現在の自分の「状況」「現象」「現状」をできるだけ正確に、自分の判断を差しはさまず、客観的に医師に伝えることが患者のなすべき最大のことではないか、と考えています。

 患者の訴えを聞き、その上で診察すべきポイントを絞り、必要ならX線や、血液検査や、MRIだなんだと、機器による検査もして、患者さんの状況を正確に把握して、診断ができる。診断ができればそれなりの対処法を考え実行する。
そういう手順ですよね。まず一番に大事なのは、患者さんの「症状の現象」の申告です。

 かかりつけの医者に行くと、私が元理科教師であることを知っていますし、自分の体の状況を好奇心を持って観察し、その状況を正確に言葉で表現するタイプの人間だということを医者は知っていますので、まずじっくり私の「レポート」を聞いてくれて、それだけで診断がついてしまうこともあるし、確認のための最小限の診察で診断をしてくれます。
 なるべく自分の考えを差しはさまないのが患者のマナーでしょうね。

「現象だけ話して」といわれて傷つくことはないです。ごく当たり前のことを言われただけだと思います。

★と、こんなことを考えていたら

[声]症状は正確に短時間で伝えて(11/13)  主婦(44)
 「『現象だけ話して』という医師」(7日)を読みました。投稿者の方は医師の言葉や態度に傷つき立腹されたようで、お気の毒だと思います。しかし、患者も医師が診察しやすいよう協力するのが良い関係ではないかと私は考えます。
 患者は症状だけでなく、自分の気持ちも医師に受け止めてほしいと思います。しかし、今の医療現場にそんな余裕はありません。少ない医師に全員の患者が平等に診察してもらうには、診察しやすい「現象」を一番先に伝えることが患者のマナーではないでしょうか。
 いつから、どこが、どのように、ピークを100とすると今はどの程度の痛み・症状なのか、などをわかりやすく短時間で伝えることこそ、より良いコミュニケーションだと考えます。
 医師は不安を受け止める家族ではありません。診断・治療の責任があります。患者はメモを用意するなどして限られた時間で症状を正確に伝えるべきでしょう。

医者は忙しい、ということをこの方は強調しておられます。
でもなぁ、医者の仕事は患者の状況を正確に把握して診断すること、ですから、時間にゆとりがあっても、診断に不必要な患者の自己判断を聞かされるのはたまらないでしょうね。

診断して、病名が確定したら、どう対処したらいいか、どのような治療をすべきか、現在の苦痛はどうやったら取り除けるか・・・いろいろ相談に乗ることに、医者とてやぶさかではありますまい。
診断したらハイおしまい、という医者はそうそういないでしょう。
まずは、正確に病状を伝えること、それが医療の一番大事なところでしょう。

★この当初の横に、もう一つ、ありまして。

[声]医師のハグで心身癒される(11/13)  会社員(40)
 「現象だけ……」を読み、最近かかった診療所での出来事を思い出した。私はへんとう炎をこじらせ、点滴が必要だと診断された。質素な施設で、診察スペースと点滴を受ける簡易ベッドの間に仕切りもなかったので、他の患者さんと医師のやりとりが聞こえた。
 90代の女性患者が入ってきた。女性は自らの体調について一通り話をした後、医師から「どこにも問題ありませんよ」と言われ待合室に出ていった。しかし、しばらくして戻ってきて「せっかく来たのだから、どこか悪いと言ってもらわないと張り合いがない」と食い下がった。医師は笑いながら「その年でどこも悪くないなんて幸せなのよ」。それで女性は出ていったが、数分後再び入ってきて、今度は「耳鳴りがするの」と訴えた。
 医師はやおら椅子から立ち上がり、「ヤブだから何もできなくて御免ね!元気になるように私がハグしてあげる!」と、その女性をギューッと抱きしめた。女性は一瞬おどろいたように両手をバタバタさせ、その後、なんとも満たされた顔で出ていき、今度こそ戻ってこなかった。

これはこれで、たまらないなぁ。
「せっかく来たのだから、どこか悪いと言ってもらわないと張り合いがない」って。
なんだかなぁ。
整形外科などに高齢者が集まりますが、病院で「今日は○○さん、こないわねぇ。どこか具合が悪いのかしら」というようなジョークがあります。医者に来られるほど元気ならいいので、医者に来られないほど具合が悪かったら、そりゃまぁ、大変ですわねぇ。
90代で、元気に病院に来られるのだから、大したものです。
ハグでおさまる「気持ち」まで診断しなければなりませんか。
お医者さんも大変だなぁ。
御同情申し上げます。

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