鏡の話:1
★正の数の世界を鏡に映すと負の数の世界が現れますよ、という話をしました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-06ff.html
2012年10月26日 (金) 「言葉遊び」
★ここで鏡像の話をしたので、ちょっと遊びたい気分。
化学をやっていますと、「光学異性体」というのが必ず出てきます。2種の分子が互いに「鏡像」の関係にあるような異性体です。そこでは「鏡像体」「鏡像異性体(エナンチオマー)」なんていう言葉が飛び交います。
★2001年のノーベル化学賞受賞者、野依良治さんの研究は「キラル触媒による不斉反応の研究」というのですが、ここに「キラル」という言葉が出てきますね。これも「鏡像異性体」の話なのです。
受賞が発表された時、同僚の英語の先生に「キラル」ってなんのことか、と質問されました。「キラル」は英語ですが、通常の英会話に登場することはないですものね。
ギリシャ語で「手」を意味する「χειρ (cheir) 」が語源です。
「キラル(カイラル)」を強引に日本語にしようと思うと「手のひら的」とでもいうことになりましょうか。
名詞で「キラリティ(chirality、カイラリティ)」となると「手のひら性」とでも訳せるでしょうか。
{「カイロプラクティック」というのがありますね。私は全く全然自分がやってほしいとは思いませんが、耳にする言葉ではあります。この「カイロ」は「手」で、「プラクティック」は「技」とでもいいますか。手技ですね。背骨を手で押すんでしょうね。}
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC
ウィキペディアから引用しますと
キラリティー (chirality) は、3次元の図形や物体や現象が、その鏡像と重ね合わすことができない性質。掌性。
なのです。
ね、鏡像が出てきたでしょ。
「掌性」という言葉があるんだ。へぇ、これは知らなかったぞ。私が個人的に考えて作った「てのひら性」と同じ言葉ですね。
★考え考え、鏡の話をしばらく続けます。
何をどう組み立てたらいいのか、よくわからないので、とりとめもなくいきます。
なにやってんだかね、と眺めていて下さい、よろしく。
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