虚数(その2)
図中、複素平面上のA点は(a+bi)という複素数です。
これに「i をかける」と90度回って、B点に移ります。
計算は図中に書いておきました。
さらに、もう一回「i をかける」と、C点(-a-bi)に移ります。
Bからは90度ですが、最初のAからは180度回りました。
180度回るのは「-1をかける」操作。(a+bi)に「-1」をかければ、確かにC点に移りますね。
そして
(a+bi)+(-a-bi)=0
ですので、逆元の関係にありますね。
「-1をかける」という操作は、数直線上でも、数平面上でも「逆元へ移行する」操作であることは同じなのです。
2回「i をかける」操作=「-1をかける」操作。
したがって
i×i=-1
なのですね。
★質問!
2回「-1」をかけると、360度回って、元に戻ってくる。
4回「 i」 をかけると、360度回って、元に戻ってくる。
じゃあ、3回かけたら360度回って元に戻ってくる、という操作はないんですか?
あります。
原点を中心として、360度を3等分する角度ならいいのです。
1から出発して3回かけると戻ってきますね。
これは
x^3-1=0
という3次方程式の解なのです。
ですね。
この数は有名で「ω(オメガ)」という記号までもらっています。
複素平面上では、1を頂点とする正n角形を描くと、x^n-1=0 のn個の解が描けるんですね。
個別に名前を与える必要はありません。
実数と虚数の「複合した」数ですべて表すことができるからです。
★今回のお話はここまで。
複素数の四則演算やその他諸々、について立ち入ることはしません。
ただ、複素数では、掛け算に「回転」が入ってくることを頭の隅っこに入れておいていただくといいかな。なにかと。
「理科おじさん」カテゴリの記事
- 化学の日(2022.10.26)
- 秒速→時速(2022.09.01)
- 風速75メートル(2022.08.31)
- 「ウクライナで生まれた科学者たち」(2022.05.31)
- 反射光(2022.05.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント