アゲハ幼虫
2012.9.7
見慣れた姿ではあるのですが、例の蛇に擬態したビロードスズメとの対比が頭に浮かんで、眺めてしまいました。
目玉模様はアゲハにも明瞭にありますね。
知らない人は、目玉だと思うでしょ。そこが「頭」だと思いますよね。
本当の頭は先端の下の方に曲げているのですが。
緑色の蛇に見えないこともない。
ですから、アゲハも、ビロードスズメも、基本的に同じような擬態をしているわけです。
この能力は多分チョウ目昆虫はひろく持っているのでしょうね。
ちょっと不思議な感じがするのが、2本の「帯」のうち前の方の帯。
これ二つの体節にまたがって一つの模様を作っていますよね。
各体節ごとに同じ基本形を変化させて大きくしたり小さくしたり作らなかったりしながら、模様を形成するのは分かりやすい。
でも、こういう風に、体節をまたいで一つの模様にする、というのはかなり「複雑な技」のような気もします。
よくよくみると、すごいものですね。
別の幼虫ですが、葉をむしゃむしゃ食べているところ。
本物の頭が出てきて、脚3対があって、その3対目の背側に目玉模様があるのが分かります。
これは頭部の拡大。
片側6個の側単眼がちゃんと見えます。
ほとんど明暗しか分からないといわれますが、「葉の縁」を検出することはできます。
蛹になる前にウォンダリングといって、長い距離を歩いて、蛹になる場所を探しますから、そういう情報だって得られるのだと思います。どんな色の蛹になるべきかの情報も得ているのでしょう。
不思議な眼ですね。
ヒトが「見る」世界だけが「世界」なのではない。
チョウの幼虫はこの側単眼で自分の「世界」を見て認識しているのです。
ヒトという生物は思い上がりが激しくってね、自分の見る世界が世界のすべてだなんて思っている。そんなことはないのにね。
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