的を狙う:追追記
★まだ気になるんです。
滞空時間の間の「落下分」ばかり気にしていて、それを求めました。
ところが、滞空時間そのものを検討することを忘れてますね。
t=L/v
ですから、計算は簡単。
1:アーチェリーの矢を60m/s
2:エアガンの弾丸を180m/s
3:火薬の銃の弾丸を340m/s
としましょう。(番号は、これ以降添え字として対応させて使います。)
すると滞空時間は
t1=1.17s
t2=0.39s
t3=0.21s
こうなります。
(空気抵抗は無視です。)
t1=1として比をとると
t1:t2:t3=1 : 0.33 : 0.18
こうなります。
矢の滞空時間に対して、33%、18%という感じですね。
さて、滞空時間内にどれだけ落ちるかは
d=(1/2)・g・t^2
です。
落下距離は滞空時間の自乗に比例しています。
滞空時間そのものに比例しているのではないのですね。
ですから、落下距離は33%、18%になるのではないのです。
自乗にしてやると
d1:d2:d3=1 : 0.11 : 0.032
こうなるのです。
エアガンでも矢の落下距離の11%です。
火薬の銃弾だと3%しか落ちません。
これが、アーチェリーの場合に弧を描いて矢が飛んでいくのに対して、射撃では弾丸は真っ直ぐ飛んでいくようだ、という差になるのですね。
★比を逆に取ると
d1:d2:d3=31 : 3.5 : 1
こう取ることもできます。
矢の落下分は火薬の銃弾の落下分の31倍なんだ。
この方が直感的かな。
★落下距離そのものではなく、滞空時間を使っての比を考えることにすると、こんな風に説明できるかと思います。
★高校物理で、水平投射とか、斜めの打ち上げとかいろいろやりましたが、こういう落下分の比較、なんてやってみたのは実は初めて。すごく面白かったです。
★これで「ひっかかり」は解消したかな。ひっかかっている間は、頭の中で無意識のうちに「ひっかかり」が回転を続けていましてね、たまに、こんなのどうだ、と顔を出すんですよ。面白いことです。「授業を創る」というのはそういう作業でしてね。生徒に理解しやすい方法や教材を作るのはもちろんなのですが、教師自身の認識や理解方法が変革されるんですね。これがたまらなく楽しい。教材研究とか授業研究とかいうと、見落としてしまいがちな、教師自身の変化・変革というのが実は大事なのです。授業をするというのは自分を変えていく、ということなのです。
私は根っからの授業屋だからなぁ。授業を作るのは楽しかったなぁ。
« ヒゲナガカメムシ | トップページ | アゲハ羽化 »
「理科おじさん」カテゴリの記事
- 化学の日(2022.10.26)
- 秒速→時速(2022.09.01)
- 風速75メートル(2022.08.31)
- 「ウクライナで生まれた科学者たち」(2022.05.31)
- 反射光(2022.05.09)
« ヒゲナガカメムシ | トップページ | アゲハ羽化 »
コメント