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2012年8月 7日 (火)

的を狙う:追追記

★まだ気になるんです。
滞空時間の間の「落下分」ばかり気にしていて、それを求めました。

ところが、滞空時間そのものを検討することを忘れてますね。
t=L/v
ですから、計算は簡単。
   1:アーチェリーの矢を60m/s
   2:エアガンの弾丸を180m/s
   3:火薬の銃の弾丸を340m/s
としましょう。(番号は、これ以降添え字として対応させて使います。)

すると滞空時間は
=1.17s
=0.39s
=0.21s
こうなります。
(空気抵抗は無視です。)

=1として比をとると
:t:t=1 : 0.33 : 0.18
こうなります。
矢の滞空時間に対して、33%、18%という感じですね。

さて、滞空時間内にどれだけ落ちるかは
d=(1/2)・g・t^2
です。
落下距離は滞空時間の自乗に比例しています。
滞空時間そのものに比例しているのではないのですね。
ですから、落下距離は33%、18%になるのではないのです。

自乗にしてやると
:d:d=1 : 0.11 : 0.032
こうなるのです。
エアガンでも矢の落下距離の11%です。
火薬の銃弾だと3%しか落ちません。

これが、アーチェリーの場合に弧を描いて矢が飛んでいくのに対して、射撃では弾丸は真っ直ぐ飛んでいくようだ、という差になるのですね。

★比を逆に取ると
:d:d=31 : 3.5 : 1
こう取ることもできます。
矢の落下分は火薬の銃弾の落下分の31倍なんだ。
この方が直感的かな。

★落下距離そのものではなく、滞空時間を使っての比を考えることにすると、こんな風に説明できるかと思います。

★高校物理で、水平投射とか、斜めの打ち上げとかいろいろやりましたが、こういう落下分の比較、なんてやってみたのは実は初めて。すごく面白かったです。

★これで「ひっかかり」は解消したかな。ひっかかっている間は、頭の中で無意識のうちに「ひっかかり」が回転を続けていましてね、たまに、こんなのどうだ、と顔を出すんですよ。面白いことです。「授業を創る」というのはそういう作業でしてね。生徒に理解しやすい方法や教材を作るのはもちろんなのですが、教師自身の認識や理解方法が変革されるんですね。これがたまらなく楽しい。教材研究とか授業研究とかいうと、見落としてしまいがちな、教師自身の変化・変革というのが実は大事なのです。授業をするというのは自分を変えていく、ということなのです。
私は根っからの授業屋だからなぁ。授業を作るのは楽しかったなぁ。

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