濃硫酸が走ってました
品名:濃硫酸
最大積載容量:5600L
最大積載量:10300Kg
ここまでは見えますが、その下はホースで隠れてる。
次の信号で。
成分:H2SO4
なるほど。
10300kg÷5600L=1.839Kg/L=1.839g/cm^3
手元の化学辞典をみましたら
密度は「1.84g/cm^3」
だそうで、ぴったりですね。
LPガスの時とは違って、濃硫酸の場合は、タンク内に空間を残してちゃぷちゃぷさせたくないんじゃないか。運ぶ時は空間を残さず詰めているのではないでしょうか。そんな想像をしています。
タンクローリーを見たら、何を運んでいるのか、確認すると面白いですよ。
ビックリするようなものを運んでいることがあります。
★濃硫酸というとやたらと怖がる人がいます。
確かに危険な薬品ではあります。
でも、皮膚についたら洗えばいい。
酸は硝酸のような酸化力のある酸以外は、過剰に怖がらず、眼を防御さえすれば大事には至りません。もちろん可能な限り早く洗わなければいけませんが。
一方、アルカリは怖い。
これはたんぱく質を分解しますからね。短時間でも皮膚に接触すれば、ぬるぬるに皮膚が溶けます。大量の水でひたすら洗う、ぬるぬる感がなくなるまで洗うしかない。
眼に入れることは絶対避けなければいけない。酸よりやっぱり怖い。角膜の表面が溶けますからね。
実験室で濃硫酸を扱う時は炭酸水素ナトリウム(重曹)を用意しておいてください。
手についたら重曹を握って擦りこむ。中和します。
垂らしたら。
重曹をまいて泡が出なくなったらぬれぞうきんでふく。
きちんとした対応を準備して冷静に実験すれば危険は非常に減ります。
正しく怖がること。冷静であること。が大事。
あわてて大騒ぎすると、事故が連鎖・拡大して悲惨なことになります。
元化学教師のワン・ポイント・アドバイス。
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酸よりもアルカリの方が怖いとは知りませんでした。いろいろ教えて頂いてありがとうございます。それからご存知かとは思いますがタンクローリーのタンクの中は何室かにわかれています。大昔タンクローリーやクレーンの製造会社の設計課でちょこっと絵を描いていたので少し知っているんですよ。詳しいことは殆んど忘れてしまいましたがたぶん安全のためだと思います。今でも会社のタンクローリーを見るとうれしくなるんですよ(^^;
投稿: 桔梗 | 2012年7月22日 (日) 19時22分
タンク内部が一体でちゃぷちゃぷすると、スロッシングというのでしょうか、振動の周期によっては液体の揺れが同期して共振し、異常な揺れが生じるのですよね。いくつかに仕切って、通常の揺れでは共振しないようにしているのでしょう。
もちろん、ガソリンと灯油、のような別商品を分けて摘まなければならないタイプのタンクローリーでは仕切りは必須ですね。
投稿: かかし | 2012年7月23日 (月) 13時55分