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2012年7月 4日 (水)

思い出話:カマキリの交尾

★前の記事で、ササグモの求愛について書いていたら、昔、子らと6年もやったオオカマキリの継代飼育を思い出してしまいました。
同じように肉食性ですから、交尾の管理には気を使いました。

・大きな空の水槽に、足場として板でふたをし、さらに木の枝をいれて、水槽内空間を歩き回れるようにします。
・オスを先に入れて落ち着かせます。
・オスが落ち着いたら、そっとメスを入れます。
メスは環境が変わったので、大抵、天井にした板に上って落ち着こうとします。
オスはメスが入って来たことに気づいていて、構え始めます。

・メスの後ろから近付ける場合は、後ろから接近して、飛び乗って、メスの「肩」のあたりをカマで押さえます。すると、メスは抵抗せずに交尾を受け入れます。
・メスの前からしか接近できない場合、オスは正面から近づいて行って、メスと顔を向き合わせる形で静止してから、腹部を左右に振ります。
・その直後、オスは、ぱっと前から急襲してメスの背中に飛び乗り交尾に入ります。

・その意味なんですが。
以前は、オスが腹部を左右に振る行動がメスの攻撃本能を抑制するのかな、と考えていたのです。
その後の読書によって、カマキリは、両眼視によって遠近感を測定し、カマの攻撃範囲内に入ったと視認できた時にカマを伸ばして相手を捕獲するということを知りました。カマの攻撃範囲内でない時は近づくまで待つようです。
また、動いていた虫が停止してしまって動きが消えた時、カマキリは自らの体を左右に振って、視差を作り出して、距離を測定するそうです。
オオカマキリが、ゆったりと体を左右に振る動作はよく知っていました。迫力があるんですよ。
その動作の意味が視差を作ることだったとは、本当に驚きました。

さて、ということは、オスが腹を振るとそれは「遠くに」見えるのではないでしょうか。
動くものが遠くにある、まだ攻撃できる距離ではない、と思わせておいて一挙に接近して交尾に入るのではないか、と今は想像しています。

・交尾は長ければ2時間3時間と続きます。
その間、カマキリへの分散的な集中力を維持しながら、食事をしたり、人の側の生活を続けます。

・交尾が終わると、オスはメスの背中からパッと飛びおります。
野外でしたらこの一跳びで、1mくらいは離れることができるでしょう。
水槽の中ですから、30~40cmくらいしか離れることができません。
家族全員で反応して、ふたを開ける、メスを出す、オスを出す、と分担して終了。
いつもの飼育ケースに戻して、ご苦労さん疲れたでしょ、と餌を与えるのです。

・我が家での交尾で、オスがメスに食べられてしまったことはありません。
野外でもおそらく、オスが元気であるならば、そうやすやすと食べられてしまうことはないだろうと想像されます。
ただ、秋に入って、気温が下がり、オスの行動力が落ちてしまったらメスにつかまってしまうかもしれませんね。
交尾後に離れることに失敗した、交尾のために飛び乗る直前にメスにつかまったが、交尾は続行した、そういうことも起こるのでしょう。

カマキリのメスはオスを食う、ということが広く流布されて、嫌悪感を持つ方も多いようですが、それは最後の非常=つねならざること。
「つね」にはそうそう食べられやしません。オスだって一回きりの交尾で食べられてしまったら、種族の保存に支障をきたします。

・そういう観察を、毎年毎年繰り返しました。
今でも私たち夫婦がカマキリファンなのはそのせいです。
思い起こせば、すんごい「子育て」だったよなぁ。

・「飼育力」の基盤は、母である妻と、子らにありまして、父はなんとなく、一応「司令塔」をやっていましたが、こまめさには欠けていましたね。

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