バラセメント
★前の記事で「かさ比重」「真比重」という言葉を、あたかも以前から私が知っていたかのような書き方をしましたが、告白すると実は違うんです。
エアログラファイトの件を頭の中にペンディングなままにして生活しておりましたら、別のところからヒントが飛びこんで来たんですね。
{物事をすぐ決着つけようとせず、ペンディングなままに保持しておくというのは、科学では非常に重要なことです。もちろん他の分野でもね。ある時突然、あっそうか!というひらめきが頭の中を走ることが可能になるのはそういうペンディングな状態に耐えられる人だけです。セレンディピティというのもほぼ同じ事。ペンディングな状態をたくさんためこんでおける人の頭の中に「発見」はひらめくのです。}
2012.7.25
「バラセメント」を積んだタンクローリーの後ろです。
最大積載容量 13.1m^3
最大積載量 13100kg
13100/13.1=1000kg/m^3=1.00g/cm^3
比重としては1.0
なるほど表示通りです。
全体としての比重は1だけれど、個々のセメントの粒々はもっと比重は大きいはず。
それでちょっと検索してみたのです。
★そもそも「バラセメント」って何だ?
「袋詰めしていないセメント」のことだそうです。
広辞苑第五版では
ばら‐づみ【散積】
石炭・鉱石・穀物などを荷造りしないままで船や車に積み込むこと。「―貨物船」
これですね、「バラ積みのセメント」のようです。
英語でいうとしたら「bulk cement」らしいです。
★で、
「セメントの比重は種類によっていくらかかわるが、普通ポルトランドセメントは真比重3.15、かさ比重1.5程度のようです。」
という記述を見つけました。
なるほど「真比重」「かさ比重」という概念があるのか。と知ったわけです。
バラセメントの真比重を大雑把に3とすると
13100/3000≒4.4m^3
13.1-4.4=8.7m^3
ですから、セメントの固体部分が占める体積が約4.4m^3で
隙間が8.7m^3あることになりますね。
隙間を含めた見かけの体積での比重、ということなのでした。
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