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2012年6月13日 (水)

理科ガキから理科爺さんへ

★ここに一冊の本があります。
やさしい物理学」竹内菊雄 著、山海堂、昭和33年1月30日 初版発行
です。

渋谷の「大盛堂(たいせいどう)」という本屋の紙カバーをかけてありますが、そこに購入年月日が書き込んであって
   昭和35年1月31日 です。
私が12歳になるちょっと前に買ってもらった本ですね。小学校5年生ですか。
定価はナント「200円」。
バスに10円くらいで乗れたのではなかったか。記憶が定かではない。
「はしがき」によりますと、対象は中学生くらいのようです。

理科ガキの私が熱心に読んだ本です。
理科ガキが成長し、年齢を重ねて理科おじさんになり、今はもう理科爺さんになったのですね。

★私の読書歴では、小学校にあがる前の年に、岩波少年文庫の「ファーブル昆虫記」を読んだのが、決定的な影響を及ぼしました。

それから、「少年博物館」という12巻シリーズがありました。
中西悟堂さんが著者で、昆虫の話や、爬虫類、植物、恐竜など、わくわくして読み、次の巻が出るのを心待ちにしましたっけ。小学校の低学年から中学年にかけてだったと思いますが。
ポプラ社刊で、1冊300円
手元にある第6巻「地球と生物の歴史」は昭和30年になってますから、1年生か。
挿絵の恐竜に感動して、ケント紙に鉛筆で模写して学校へ持っていったら褒められたような、あいまいな記憶がありますね。
かなりすさまじい「理科餓鬼」でしたね。

★で、「やさしい物理学」ですが
目次から(太字は本の章題のまま。その下の細い字は私が書き込んだ内容紹介です。)

1:影法師のたわむれ
 この章では、本影・半影の話があります。
 柱の影に頭の影を近づけると、半影が重なって濃くなりこぶができたように見える。
 というような導入です。細い電線の影が見えないわけ、そして日食と月食の話が来ます。
2:ものの遠近はどうしてわかるか
 視差とか、立体写真とか・・・
3:山彦の利用
 音で距離を測る、電波の「山彦」(レーダー)・・・
4:すだれの魔術
 昼のすだれは、外から室内は見えないが室内から外は見える。夜は逆に、室内から外は見えないが、外から室内は見える。なぜ?
5:走っている汽車のなかで物を落としたら
6:残像
7:木の下の光の模様
 木漏れ日やピンホールカメラの実験、光は波の一種である、というところまで。
8:汽車の汽笛の音の高さ
 ドップラー効果の話です。
 光も波である、宇宙の膨張、なんてとこまで。
9:煙の色・空の色
 散乱の話ですね
10:レールのつなぎ目
 膨張の話。バイメタルの話まで出てきます。
11:空気の中の水蒸気
 湿度の話です。
12:熱の動きかたのいろいろ
 伝導、対流、放射の話
13:光の屈折
14:虹
15:近視・遠視・老眼・乱視
16:浮かせる力
17:露と霜
18:反作用
 普通に作用・反作用の話のほかに、飛行機とロケットとか、車の中で車を押して動かそうとするというような運動量保存の話も。

こんな構成の本です。
面白かったよなぁ。
いかがでしょう。
私の根っこが見えますでしょ。

★このごろふと思うんですが。
日々、チョウの飼育を楽しんでいたりして、蛹化、羽化と何度接しても驚きが稀薄化することなんかないんです。

そのうち、私ら夫婦は「羽化登仙」して、「理科仙人」になっちゃうんじゃないか。
理科仙人って、なんだか、想像できませんが、霞を食いながら、虫や花や自然現象を愛でるんでしょうねぇ。きっと。

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