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2012年6月12日 (火)

惑星の恒星面通過

★6月6日に金星の太陽面通過がありました。
 それはそれとしまして。

★翌日、下のような記事がありました。

光に浮かぶ金星 太陽面通過、「ひので」がとらえる(朝日新聞 2012年6月7日03時00分)
 金星が太陽の前を横切る「太陽面通過」の模様を、地上680キロの軌道を周回する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の太陽観測衛星「ひので」がとらえた。国立天文台と同機構が6日、画像を公開した。
 2006年11月にあった水星の太陽面通過も観測している「ひので」は今回、金星が太陽の内側に入って見える「内蝕(ないしょく)」が始まる前後を撮影。金星の大気で屈折した太陽光でできた光の輪が金星を縁取る様子や、太陽の表面からガスが噴き出す様子がとらえられている。
 金星の太陽面通過は、1639年にヨーロッパで初めて観測されて以来、今回が7回目。次は105年後となる。

写真はJAXAのHPで見られます↓
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2012/0606.shtml

金星が太陽の北東の縁から太陽面に入り込む直前に太陽光が金星大気で屈折して金星の縁が光の輪のように光る現象が捉えられています。

これを見ていて、あっと思ったんですね。
これって、太陽系外惑星の探査法なんだっ!と。

★太陽系外惑星の報道は最近よく聞きます。
近いところでは今年の1月の記事がありました。

日本経済新聞(2012/1/12 20:55)

NASA、太陽系外で最小の惑星発見 火星並み 生命の存在には適さず
 【ワシントン=共同】地球から130光年離れた赤色矮星(わいせい)の周りで、これまで太陽系外で見つかった中で最も小さい惑星を見つけたと、米航空宇宙局(NASA)が11日発表した。
 研究チームは、ケプラー宇宙望遠鏡を使って木星の1.7倍の大きさの赤色矮星「KOI―961」を観測。岩石でできた、地球より小さな3つの惑星が周囲を回っているのを発見した。うち1つは火星ほどの大きさで、これまでに確認された700個以上の太陽系外惑星の中で最も小さい。
 いずれも赤色矮星に近いために温度が高く、生命の存在には適さないという。
 研究者らは、惑星が恒星の前を横切ったときに少し暗くなる現象をケプラー望遠鏡で検知することで、生命が存在する可能性がある太陽系外の惑星を探している。

ね、母星の前を惑星が横切る時に、わずかに、本当にわずかに「暗くなる」。これを利用して惑星の存在を探知するんですね。
これって、金星の太陽面通過と同じ現象ですね。
さらに、「太陽光が金星大気で屈折して金星の縁が光の輪のように光る現象」があれば、金星大気内を通過した光も観測されるでしょう。そうすると、背景の恒星のスペクトルとは、ほんのわずかに異なるスペクトルが観測できるかもしれません。もし観測できれば、それは惑星の大気の成分についての情報をもたらしてくれますね。

恒星が揺らぐという現象で、惑星の存在を推定できますが、その場合、惑星はかなり大きくなければならない。太陽系でいえば、木星は太陽の軌道を揺るがせているかもしれませんが、地球じゃねぇ、ちょっと質量不足でしょう。
地球から見ていて、恒星の前面を惑星が「横切って」も恒星の揺れは検出できません。
地球からの視線方向に惑星が恒星の脇を「縦切る」ような動きの時に、恒星が地球からの視線方向に動き、それが恒星の光のドップラーシフトとして観測されるという原理です。わずかなものですよ、これも。

恒星の減光というのもほんのわずかなものでしょうが、有力な方法です。

こんな記事もあったんですよ。

太陽系外惑星に水蒸気初確認? 米天文台(朝日新聞 2007年04月23日15時02分)
 太陽系外の惑星に水が存在している有力な証拠が初めて見つかったと、ローウェル天文台(米アリゾナ州)が発表した。ハッブル宇宙望遠鏡のデータを分析したもので、有力天文誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載される。
 惑星はペガスス座の方向にあり、地球から150光年ほど離れている。同天文台のトラビス・バーマン博士らは、太陽にあたる恒星の手前を惑星が通過する際、恒星の光の波長が微妙に変化する様子を、ハッブルのデータをもとに詳しく分析。惑星の大気中に水の分子が存在していると、データ分析の矛盾点がなくなることを確かめた。
 バーマン博士は「太陽系外惑星の一つに水蒸気が見つかったということは、ほかにも水蒸気が存在する系外惑星があると考えていい」と説明する。ただ、この惑星はガスでできた木星型惑星なので、生命の存在は期待できそうにない。
 同じ系外惑星をスピッツァー宇宙望遠鏡で観測した米航空宇宙局(NASA)などのチームは2月、「予想に反して水分子を確認できなかった」と発表したばかり。今回のバーマン博士らの研究について、慎重な意見も出てきそうだ。

「光の波長が微妙に変化する」といってますが、これはドップラーシフトではないでしょう。
おそらく、スペクトルの観測結果でしょう。

金星の太陽面通過もすごい天文現象ですが、太陽系外惑星の探査ともつながるものだ、と考えると更に興味深いものになると思うのですが、いかがでしょうか。

★おそろしくいい加減な見積もりを。
何光年も先から観測するのですから、主星と惑星の距離など無視しまして。
主星の断面全体から一様に光が出るものと、仮定して。
主星の断面全体から出る光の量を1とした時に、惑星の断面積の分だけ光の出る面積が減る、と考えます。
そうすると
Mensekihi
こんなことになりますか?
太陽の赤道半径をR=696000km、地球の赤道半径をr=6378kmとしてこの式に入れると
式の値=0.999916

こんな感じ。
太陽の前を地球が横切る時、宇宙人が観測していると、太陽の明るさが本来の明るさの10万分の1だけ暗くなる。
わぁ、ですね。
こういう変化を測ろうという話なんですね。

天文学ってすごいですね。

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