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2012年5月29日 (火)

金環食:3

◆さて、私のブログの、日食関連の記事のすぐ前の記事にコメントを頂きました。

先ほど金環日食を見ることが出来ました!・・・7時34分ごろ完全に金環になりましたよ。驚いたのは自分の影でした。影が二重になっているのです。本体の影の周りに薄い影がありました、不思議ですね。

これなんですが、直観的には分かるんです。で、なんとか「一見してわかる図」というものを描けないものか、と考えていたのです。で、遅くなってしまった。

Kage
また、大きさの関係を完全に無視した概念図です。ご勘弁を。
太陽が赤い円板で示されています。
地面に物体が立っています{斜線を引いた長方形}

◆まずは、日食ではない時から考え始めましょう。
太陽からの光線を追跡すると。
   Aからaへ。
   Dからdへ。
Oaの部分が本影です。
adの部分が半影です。
半影の部分は一様に暗いのではなく、aの近くは暗くて、dの近くは明るくなります。
dに近づくに従って、見える太陽面が増えますから当然ですね。
明るさのグラデーションはあります。

◆では金環食の時はどうなるのでしょう。
太陽のBCの部分が隠されてしまったとします。
すると、対応するbcの部分にはBCからの光は来ませんから暗くなります。
入りこんでくる光がありますから真っ暗けではありませんが、通常の半影よりはこの部分は暗くなるはずです。
ところが、abの部分は通常の半影のままでしょう。
すると、

Oaは暗い、abは少し明るい、bcは暗い、cdのあたりは通常の明るい半影とほぼ同じ。

わずかですが、影に暗・明・暗という縞構造が生じるのではないかと考えられます。
それが、「影が二重」ということなのではないでしょうか。
この出来事を観察なさったのではないか、と思うのです。

◆早く書かなきゃとは思いつつ、これでいいのかなぁ、という若干の戸惑いがあって、遅くなりました。
そうしたら、こんな新聞記事が出ました。毎日新聞です。

金環日食:地面の影は濃淡二重に…米原の小中学生気付く(毎日新聞 2012年05月27日)
 金環日食で地面の影が濃淡二重に見える珍しい現象を、滋賀県米原市の小中学生13人が、21日の観測会で見つけていた。
 同県の共同観測実行委がこのほど発表した。参加した小中高8校約650人の感想文を集計すると、13人が「影が二重に見えた」と回答。石川、兵庫、京都でも同様の報告があるという。
 「太陽のリングの両端から出た光の角度の差が原因らしい」と同委。「空ばかり見上げていた大人にはとても気付かない」と、下も見ていた子どもの柔軟な視点に舌を巻いた。

記事のURLはこれ↓
http://mainichi.jp/select/news/20120527k0000e040100000c.html

Doubleshadow
本影の「フチが明るくなる」のではないか、という予想は明瞭には見えません。
でも、通常、本影から半影へでは輪郭線はこれほどくっきりしていないように思います。
本影の輪郭がこういうふうに、くっきりしているのは、私の図でのab部分の存在によるのではないでしょうか。
そして、その外側の、もう一段の影、これがおそらくbc部分に相当するのではないかと考えます。
もし間違っていたらご指摘ください。

「空ばかり見上げていた大人にはとても気付かない」と、下も見ていた子どもの柔軟な視点に舌を巻いた。

記事にはこう書いてありますが、私のブログの読者の方の「柔軟な視点」は素晴らしい。
もっと早く解説記事を書ければよかった、と少し残念。ごめんなさい。
柔軟な視点とともに、出来事の正確な記述、も大切なのです。
正確な記述があれば、それに拠って立って、議論を進めることができるのです。
ありがとうございました。

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