ウンウンセプチウム
★別に「ウンウン」と唸っているわけではありません、ご安心を。
★現在、TOKYO ELECTRONという会社が朝日新聞のテレビ番組欄の下の方に「元素周期表」の広告を断続的に掲載しています。
4月20日に始まって、100あまりの元素を紹介する、という広告シリーズです。
私がコメントできることがあったらしようかな、と思いつつ、マメさに欠けておりまして、放置しているのですが。
4月30日の掲載分に
117番元素として「Uus ウンウンセプチウム」という元素が紹介されていました。
2010年に発見されたばかり。一番最近仲間入りした期待の新人元素。まだ仮の名前。
という内容。
★これは一言いっとこうかな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E7%B4%A0%E3%81%AE%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E5%90%8D
元素の系統名
正式な名称が定まっていない新しい元素を呼ぶために、IUPACは1978年に系統的な命名規則を定めた。一般に新しく発見された元素は確認を経て正式名称が決定されるまでに時間がかかる。中には104番元素のラザホージウムのように論争が長期化し、発見の報告から正式名の決定までおよそ30年もかかった例もある。以下に解説する元素の系統名(もしくは組織名)は、正式な名称が決まるまでの間、元素を呼ぶときに一時的に用いられる名称である。原子記号は1、2、ないしは3文字の英字と定められている。
この規則は、定められた1978年の時点で正式な名称の定まっていなかった104番以降の元素に適用されてきた。2010年2月19日に112番元素がコペルニシウムと命名されてからは113番元素以降に使用される。
こういう化学の世界での約束事があるんですね。
で、117番元素でいうと、
「117(ひゃくじゅうなな)」 という「自然数」ではないんです。
「117(いち・いち・なな)」 という仮の名の元素、なのです。
Uusは、2009年10月にドゥブナ合同原子核研究所のフレロフ核反応研究所で合成されて2010年4月に発表されたものです。
現在の規約は
原子番号の各位を、100の位、10の位、1の位の順番に、以下の表にしたがって綴る。
0 nil ニル nilium ニリウム
1 un ウン unium ウニウム
2 bi ビ bium ビウム
3 tri トリ trium トリウム
4 quad クアド quadium クアジウム
5 pent ペント pentium ペンチウム
6 hex ヘキス hexium ヘキシウム
7 sept セプト septium セプチウム
8 oct オクト octium オクチウム
9 ennまたはen エン ennium エンニウム
ちょっと省略したところもありますが、こんな感じ。
「117」ですから、ウン・ウン・セプチウム なんですね。表記はUus。
もし「120」なら、ウン・ビ・ニリウム ですね。Ubn。
こんな風に仮の名前をつけておくという約束なのです。
高校化学ではあまり詳しくやらないかもしれない。
となると、ご存じない方も多いかな、と老爺心です。
★独立行政法人 理化学研究所のプレスリリースです。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2004/040928_2/
「新発見の113番元素」 平成16年9月28日
日本に命名権が与えられるかもしれません。
命名されるまでは、ウンウントリウムですね。Uut。
ちょっとものしりになった気分でしょ。
★参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AA%E7%99%BA%E8%A6%8B%E5%85%83%E7%B4%A0%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
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