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2012年4月 9日 (月)

ご安全に

★わたくし、「安全」工学には関心があります。
・自分の日常生活で、「指差称呼」を実行しています。暖房、電気・ガス、戸締りなど、外出時にはひとつひとつ声を出して指で指し、確認します。
・電気のコンセントは「あからさまに」抜くこと、と妻にも話しています。
初めは「なによ、あからさまに」と言っていましたが、「抜けていることが『明らかな様子』なのさ。一目で分かるようにする。」と説明して、納得してもらいました。
・自動車の定期点検や車検では「ブレーキのチェックをして下さい」と必ずお願いします。
私は自動車の基本性能は「きちんと止まること」だと考えています。
走らない自動車は牽引するなりトラックに載せて運べますが、止まらない自動車では「死ぬだけ」ですからね。冗談にもなりゃしない。

3月9日の東京の地方欄の記事「?ふしぎ探検隊」では
   ブレーキ博物館 埼玉県羽生市 命守る陰の主役を紹介
という記事がありました。

 ・・・
 同県熊谷市から来た自動車教習所教官の小川は「普段は意識してブレーキを見ることはない。勉強になりますねえ」と感心しきり。「止まって当たり前。ほめられることは少ないです」と矢野課長は控えめだ。
 「ai―museum」は命を守る陰の主役がスポットライトを浴びている場所なのだ。
 ・・・

「止まって当たり前」ですが。
安全にきちんと止まること、これが自動車にしても電車にしても自転車にしても、その他「動くもの一切」の基本性能です。
大事なことなんだけどなぁ、あまり意識されていない。

★さて、朝日新聞の夕刊に「ニッポン人脈記」という短期の集中連載が時々掲載されます。
3月19日付は
「日本人脈記」安全第一:2 災害ゼロこそ真の生産
でした。
これを読んでいて、ああ、そうだったのかぁ、と思わず声を出してしまいました。

 ・・・
 〈災害なき生産こそ真の生産だ〉
 大正時代から安全衛生運動を進めた三村起一(みむらきいち)の言葉を、福成は胸に刻んでいる。
 三村は住金の前身・住友伸銅所の出身。工場に配属された時のことを「生産の盛んなことよりも負傷者の続出には驚いた」と日本経済新聞「私の履歴書」で振り返っている。入社して間もなく、若い作業員が切断機に巻き込まれて亡くなった。妻の悲嘆ぶりを見て、安全のために力を尽くすことを決意したという。
 第1次世界大戦で軍艦の部品の受注が大きく伸びると、現場でのけがも増えた。三村は、アメリカの例を参考にして、「危険」「注意」の表示板を工場内に作り、たてかけてあるパイプは鎖で留めるといった対策をとった。
 戦後、三村は中央労働災害防止協会の初代会長を務めた。「先人の思いを、次の世代に伝えていかなければならない」と、福成は話す。
 1月中旬、技術者向けの研修会で、福成は安全に対して取り組んできた住金の歴史を話した。「ご安全に」。最後に福成があいさつをすると、参加者も声をそろえて返した。「ご安全に」
 53年に住金が始めた「ご安全に」あいさつ運動は、鉄鋼業界の外にも広がっている。

「ご安全に」がストンと胸に落ちました。
安全標語だったんだ。

実は私はこの「ご安全に」に別のシーンで出会っていたのですが、よく分からなかったのです。
ここです↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-7cc5.html
2010年3月16日 (火) お散歩かかし:「ご安全に」
美富士橋の改修工事で、足元に置かれた鋼材に「ご安全に」が書いてあったんですね。

 ・・・
変です。
工事関係者に「今日も安全に」と呼びかける安全標語なら分かる。
ここを通る一般人に、足元が危ないですから「ご注意ください」なら、分かる。
   今日もご安全に
なんだこりゃ?
丁寧に表現したつもりでしょうが、言語感覚がおかしいなぁ。
よっつもこんなものに並ばれると、私のような「古びたかかし」には違和感が強すぎる。
モンパルを「ご安全な」場所に止めて、しっかり「ご安全な」ポジションから写真を撮りに戻ったのでした。

皮肉まで書いてありますね。

・人脈記によると、住友金属工業あたりから始まって広がった一種の「業界用語」のようですね。
調べてみました。

http://www.kyohokai.gr.jp/wp-content/uploads/2009/07/e58d94e8b18ae4bc9ae382bfe382a4e383a0e38388e38394e38383e382afe382b9efbc88e4bd8fe58f8be98791e5b19ee98791e5b19ee6aebfefbc89.pdf
住友金属のベース活動
【安全】の歴史 ~『安全体感教育』に至るまで~
~ 住友金属工業㈱ ~

ここに安全体感教育の話が載っていて、

昭和26年欧州留学中の当社(尼崎)製鋼所社員が、ドイツの鉄鉱石採掘坑内
で初めて耳にした言葉、それが【ご安全に!】(Gluckauf、グリュックアウフ)
という挨拶。帰国後、製鋼所でこの挨拶運動を展開し、その後全社に、そして
鉄鋼業界を中心に日本全国に拡大した。

こうありました。ナルホド。
いろいろ当たったら、以下のような具合。
--------------------
住友金属 和歌山製鉄所

2.入社して、驚いたことがありましたか?
  「おはよう」や「こんにちは」という挨拶がありません。会社の挨拶は、工場は安全第一だという考えに基づいて、スタッフ部門も、全ての挨拶は「御安全に」と言います。

--------------------
2011年度 住友金属工業入社式・社長メッセージ

 ・・・
1.はじめに
 新入社員の皆さん、ご安全に。入社おめでとうございます。会社を代表して心から歓迎申し上げます。
 ・・・

--------------------
株式会社 日電テレコム

ご安全に!ご安全に!…普段あまり耳にしない言葉・挨拶でしたが、最近に至っては多く耳にするようになりました。日本で初めて、昭和28年から住友金属工業では、現場での安全意識高揚・喚起するために、全事業所で挨拶運動として展開したようです。
ちなみに、ご安全にの語源は元々、ドイツの鉱山で使われていた挨拶の言葉「ご無事で (グリユックアウフ)」が発祥らしいですが日本では明治時代にドイツ語のまま使われ始め、大正時代に「ご安全に」と訳されたそうです。

--------------------
住友金属ファインテック

会社に入っていちばん初めに教えていただいたのが「ご安全に」というあいさつでした。社内で人と会った時、「こんにちは」ではなく「ご安全に」。最初はびっくりしましたが、「お互いに、安全を第一に仕事をしよう」という、相手にも自分にも注意喚起する言葉なんですね。

--------------------
職場「おはようございま~す」というのは普通のあいさつですが、「ごあんぜんに」とあいさつするんですね。
納得しました。
いや、そうとは知らず、2年前の記事、失礼いたしました。

みなさん、ごあんぜんに。

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コメント

「ご安全に」は戦後の炭坑で既に言っていました。始まりは何時かは知りませんが。
炭坑の生まれです、所長の息子だから色々な所に遊びに行けました。

そうでしたか知りませんでした。危険と隣り合わせの職業では、大事な挨拶だったのでしょうね。

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