湿度
2月3日の朝日新聞の記事です。
都市部乾燥でケア大変 売れる加湿器・PC壊す静電気 寒さ、太平洋側は
日本付近が寒波に襲われ、日本海側は大雪に見舞われたが、太平洋側では乾燥傾向が続くところが多い。特に都市部は近年の緑地減少の影響などもあってかなり乾いている。湿度が低いほど気温以上に寒く感じ、インフルエンザも流行しやすい。受験生の周辺などは警戒を強め、自衛の品にも注目が集まる。
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乾燥は意外なところにも影響を与えている。ノートパソコン修理専門店「パソコンお直し隊」ではこの冬、例年と同様に修理の依頼が1割ほど増えているという。
「原因は静電気では」と担当者。体に1万ボルトを超える電気がたまっていることもある。その状態でUSBポートなどを触ると、内部がショートして故障につながる可能性があるからだ。「パソコンに触る前に、静電気の除去シートや金属に触るだけで防げるはず」
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◆湿度下がると体感温度も低下
東京都心では昨年12月から今年1月にかけて、歴代3位の記録となる35日間連続の乾燥注意報が出た。
気象庁が持っているデータで最も古い1876年1月の東京都心の平均湿度は78%。1950年代までは1月は50%台後半から70%の年が大半だが、01年以降は50%に達しなくなり、11年1月には過去最低の36%を記録した。
今年1月も平均湿度は43%と昨年、一昨年と同様の低水準。こうした傾向は横浜市や大阪市、名古屋市などでも見られ、年ごとの変動はあっても長期的に10~20%程度湿度が低下した。
気象庁によると、その背景には都市化による「保水力」の低下がある。緑地が減ったことで、雨が降った後に水分をとどめられる土地がその分なくなり、土や植物から空気中へ出て行く水分も少なくなった。
地球温暖化や都市のヒートアイランド現象で長期的にみれば気温が上がってきたことも、相対的な湿度低下につながる。今年1月の東京都心の平均気温は4・8度。近年では寒い方だが、数十年前と比べれば、むしろ高い水準になる。
★話の早い、静電気の方を先にちょこっと。
昔、物理の授業で静電気をやるときに、「乾燥した空気中で1cmの火花が飛んだら、約1万ボルト」ということをよく話しました。目安ですよ、あくまで。正確な値じゃないことは念頭に置いて下さい。(電圧は高いけれど、電流が少ないので、イテッで済むわけですが、パソコンには厳しいことです。)
「君の瞳は10万ボルト♪」というような歌もヒットしましたが、生徒に「なぁ、10cmの火花しか飛ばないぞ、やっぱ『地上に降りた最後の天使』になっちゃうと、パワー不足だなぁ、せめて1mくらいの火花が飛ばないとなぁ」などというジョークを言って、通じたものです。工業高校の電子科・電気科の生徒は50万ボルトなどという高圧送電を知っていますので、10万ボルトでは少々、迫力がなかったなぁ。
★さて、湿度の話に移ります。
この記事には挿図がありまして、「東京都心の1月の平均湿度」というグラフなんですね。
これを見て、私はショックを受けましたね。
気象庁の気象統計からデータを取得して、私自身がグラフ化したものをお目にかけます。
これです。
1876年1月の平均湿度は78%。11年1月には過去最低の36%。
昔から「東京砂漠」なんて言っては来ましたが。
ホントにこんなに湿度が下がったのか。
1940年代の後半から70年代にかけての低下が激しいですね。
東京から土の道が消えていき、ビルが立ち並んでいく、高度成長の時代ですか。
本当にこんなに乾燥しちゃったんだ、とショックでした。
全体としての傾向を直線で近似すると、グラフ中の直線になります。
50年で10%位の低下ですね。大雑把にいって。
いやぁ、すごいものだ。
今回初めて認識しました。
★ついでに、冬ということで2月と12月について、同様のグラフをお目にかけます。
2月の平均湿度。
近似直線入り。
1月よりは直線の傾きが緩やかかな。
12月の平均湿度です。
ここでも、戦後の湿度低下が大きいことがくっきり分かります。
近似直線入り。
年間の平均湿度の変化もグラフ化してみました。
1月よりは緩やかですが、通年でも乾燥化が進んでいるんですね。
温暖化によって、空気中に含みうる最大限の水蒸気量が大きくなると、相対湿度は低くなる、という効果もあるのでしょう。
近似直線入り。
★気象庁からデータを得たのは記事を読んですぐだったのですが、そのままの形式ではグラフ化が厄介で、マクロを書いて処理したりしていたら、遅くなりました。
今回は12,1,2月だけにしますが、季節の進行に伴って、おいおい、3月、4月とグラフ化してお目にかけたいと思っています。
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