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2012年2月 6日 (月)

黄金比

http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-7607.html
2012年2月 3日 (金)「ハスの花に黄金比」↑で

黄金比とは
1:(1+√5)/2
という比のことです。
(1+√5)/2≒1.61803・・・ です。
・線分をこの黄金比に分割することを「黄金分割」といいますね。
{大雑把な話では1:1.6くらいですね}

こういうことを、ちゃんとした議論抜きで示して使ってしまいました。
そういうのって、居心地悪い、というのが私の感覚。原理的に行きたい。

★根本の根本は、ユークリッドの原論までさかのぼります。

ユークリッド原論」(縮刷版)訳・解説 中村幸四郎・寺坂英孝・伊東俊太郎・池田美恵
1996年11月20日縮刷版第2刷発行 共立出版
この本から引用しますと、

第2巻 命題11
与えられた線分を2分し、全体と一つの部分とにかこまれた矩形を残りの部分の上の正方形に等しくすること。

第6巻 定義3.線分は、不等な部分に分けられ、全体が大きい部分に対するように、大きい部分が小さい部分に対するとき、外中比に分けられたといわれる。

これが「黄金比」の原点なんですが。
これを読んでストレートに理解するのはいくらなんでも厄介だ。

Goldenratio
・この図の左側が、命題11の図解です。
全体を(a+b)としてあります。

・図の右側は定義3に対応します。
  図中に書き込んだように
全体:大きい部分=大きい部分:小さい部分
(a+b):a=a:b
ですね。

・図中に書き込んだように、式で表現してみると、内容は同じなんですね。

・図中の式を展開して、aについて整理します。
そして、bを「1」とした時、aはいくつになるのか求めようと、b=1を代入してみますね。すると
a^2-a-1=0
というaについての2次方程式ができます。
これを、頭の隅にちょこっと貼っておいてください。

★もう少し視覚的・直感的に分かりやすくしましょう。
今度は長方形で考えます。
Goldenprop
長方形ABCDから、正方形ABFEを切り取ります。
この時、
残った長方形EFCDが元の長方形ABCDと相似である時に
AB:ADという比を「黄金比」というのです。
{さらに長方形EFCDから正方形を切り取って、残った長方形はまた元の長方形に相似・・・と際限なく続きます。原理的にそうなりますね。}

・これって、定義3と同じ内容なんですね。
元の長方形の長辺:短辺=小さい長方形の長辺:短辺
AD:AE=AE:ED
ですからね。

・式の扱いを楽にするために
この図で、長方形ABCDの短い辺ABを「1」としたときに、長い辺ADはどのくらいになるかを知りたいので、AD=x としましょう。
式で表現すると
Equation
こうなります。
①式は「分数形」になっていますが、比の表現でもあるということにご注意ください。
AB:AD=DE:DC と同じことなのですが、式としての取り扱いが楽です。比ではあるけれど、分数として扱ってももちろん構わないからです。
で、「1」と「x」を代入して②式を得、整理したら
x^2-x-1=0
という式になって、それを解きました。
{ほらね、a^2-a-1=0 と同じでしょ。だって同じことを述べているんですもの。}

★結論
短辺を1とすると、長辺が(1+√2)/2≒1.61803・・・という値になります。

1:(1+√2)/2 (≒1.61803・・・)

これが黄金比です。

・「ハスの花に黄金比」の話で、使ってしまった数値がどのようにして出てくるのかがこれで分かりました。

★実は、話はまだ出だしなんでして。
黄金比と植物の関係。
黄金比の数学的な面白トピックス、などがあります。

また、考え考え書きますので、お楽しみに。

★思い出話。
「原論」の訳・解説に伊東俊太郎先生もおられますが、私、ほんの少しだけ、伊東先生の教えを頂いたことがあります。
バビロニアの楔形文字で書かれた数学書の講読に参加したことがあるんですね。
先生は、楔形文字が読めるんだから参った。
科学史の大家でもいらっしゃいますが、語学の天才でもあるんですね。
「英語はもちろん、フランス語、イタリア語、ドイツ語は自由に話し・・・古代ギリシャ語、バビロニアの文字など辞書なしで読んじゃう。そのうえなんと、日本語まで話せるんだぜ」というのが学生のジョーク。
60進法で書かれた数学の内容に手を焼いた私が、60進数の「九九表」を作成して、これで計算の負担が随分楽になります、と提出したら、ひどく喜んでいただいて、こんなことを発想する学生には初めて出会った、とおほめを頂きましたっけ。
{手抜きだよ、と本当はおっしゃっていたのかもな。}

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