一人あて十兆個
2012.1.30 朝日歌壇より
世界中の人で分けたら一人あて十兆個の星 夜の空たのし:(ふじみ野市)足立由子
高野公彦評:星空のそれぞれの楽しみ方。都市部を離れたら今でも星はよく見える。
評者は多分気づいていないと思いますが、この歌はおそらく、朝日新聞の「しつもん!ドラえもん」という小さな企画を受けています。
[しつもん!ドラえもん] 697 ほしぞら編(2011/12/30)
夜空にはたくさんの星があるね。目に見える星は、いくつあるのだろう。
[こたえ] 9千個くらい
目で見える6等星以上の星は約9千個だよ。ある計算では宇宙全体で目に見えないのも含め7に0が22個つくぐらい。世界の人でわけたら1人10兆個だよ。
★7×10^22個だそうです。
化学屋としては、宇宙全体の星といっても「1モル」はないんだな、と思ってしまいます。
1モルは6×10^23個の集団のことですから、星の数って約0.1モルなんですね。
コップ1杯の水を180gとしましょうか。その中には10モル、6×10^24個もの水分子が入っているのです。宇宙全体の星の数の100倍もの数の水分子を、ごくごくと飲むんですよ。すごいことですね。
世界の人口を70億人として、割り算すると「1人10兆個」になります。
10兆という数字は大きいですが、宇宙や原子の世界に踏み込むと、そう大した大きさではないのです。
12月30日の「しつもん!ドラえもん」を読んで、そうなのか、と思われた作者が歌を作って投稿して、新聞紙面にのったのが1月30日。タイミングがあっていますね。
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