2月29日:2
この写真を見てください。
左の時計が少しボケましたがご勘弁を。
日付が違ってますね。
右の時計は3月1日になっている。
★実は、この右の時計は我が家で一番古い電波時計なのです。
この時計の取扱説明書を見ますと、電波に載せられた情報として
分:時:日
しか書いてないんですね。
「日」は、「その年の1月1日からの通算日数」です。
で、年号から閏年判定をするプログラムが組み込まれていないので、閏年にはユーザーが「今年は閏年だよ」と教えてやらねばならないのです。
で、教えてやるとこうなります↓
液晶画面に「LY」という表示が出て、「2.29.」になりましたね。
「LY」は「Leap Year=閏年」のことです。
1月1日からの日数はちゃんと受信しているのですが、閏年だと知らなかったので、2月28日の次の日は3月1日になってしまって、そう表示してしまったのですね。
★現在、標準電波では。「分:時:日」のほかに「年(西暦下2桁)」と「曜日」も送られています。
詳しくは下のサイトで
http://jjy.nict.go.jp/jjy/trans/timecode1.html
通常時(毎時15分、45分以外)のタイムコード(例)
http://elm-chan.org/works/jjyclock/jjyformat.png
長波標準電波の送信フォーマット
★写真、左の時計は以前にもお見せしたことがあります。
年と曜日の受信能力はない。
そこで、この時計は工場出荷時にセットされた「年」からずっと続けて「4で割る」ルールで閏年判定をしているのです。
プログラマーは、100年ルールは知っていたのです。
で、2000年は平年だと思ってしまった。
400年ルールは知らなかったのでしょう。
そのために西暦2000年を閏年ではなく、平年として扱ってしまったのです。
その結果どうなったか。
その後の2004年とか2008年とか正しく閏年として2月29日が表示できます。
ところが。ところが。
曜日が狂っちゃった。
曜日を受信する能力がない。ですから、曜日はずっと続いたままなのです。
2000年は366日あったのに、365日扱いしましたから、曜日が狂うんですね。
で、表示モードから、曜日表示を消して使っています。
2000年問題のちょっと別な現れ方なのです。
{元日が今年と同じ曜日の閏年を探して、今年は○○年だよ、と強制的にセットすると曜日を合わせられますけど、めんどくさくていけない。}
時を刻むだけではなく、いろいろな(技術の)歴史を刻む時計たちなのでした。
★ところで、曜日って、いつから続いているんでしょうね。はっきりは分からない。
ウィキペディアによると
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%9C%E6%97%A5
曜日の基点 [編集]
日付から曜日を特定するには、ある1日についてそれが何曜日かを決めておく必要がある。これは古代からデファクトスタンダード(事実上の標準)として暗黙裡に広く認められ使われていたが、あらためてISO 8601で「2000年1月1日を土曜日とする」と定義された。日本ではJIS X 0301がそれに従っている。
というルールで現在はやっているそうです。
私のような単純・ずぼらな男としては、「毎年1月1日は日曜日」としたって一向に不都合はないように思うんだけどなぁ。その方が、毎年、曜日が一定していて気分がいいような気がするが。
そうすると平年の大晦日は日曜になるのかな。二日続けて日曜日。いいでしょ。
カレンダーも、現在は1月1日が「月~日」の7種類。
プラス、それぞれの年が閏年だった場合。
で14種類のカレンダーで網羅しているはずですが。
元日を日曜にしてしまえば、平年と閏年の2種類のカレンダーでことが済むのにね、とは思いませんか?
★なぜ「leap」なのかな。
一説によると。
元日が日曜だったら、大晦日は日曜。
翌年の元日は月曜になりますね。
またその翌年の元日は火曜になりますね。
こうやって、曜日が一つずつずれるんですが。
閏年の元日が日曜だったとしますね。
するとその年の大晦日は月曜になります。
翌年の元日は火曜になってしまう。
平年だったら、一つずつ曜日がずれるのが、閏年が入ると、一つ「跳ぶ」んですね。
なので、「leap year」なのだ、と聞いたことがあります。
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