凍蝶
2012.2.12 朝日俳壇より
一吹に凍蝶薄き命抱く:(姫路市)黒田千賀子
稲畑汀子評:息を吹きかけたら一瞬命がよみがえった。
評者は、チョウの死骸に息を吹きかけたら、息の勢いでチョウの死骸が動いた、まるで命を吹き込んだようだ、と読んだのでしょうか。
どうしても評者に逆らいたいかかし。
ふとチョウチョを見かけてしまった作者。
死んでるのかしら、とそっと息を吹きかけてみた。すると、ゆっくりだけれど、かすかだけれど動いた。まぁ、冬眠中だったのね、起こす気はなかったのよ、無駄に体力を使わないでゆっくり休んでいてちょうだい、春になったらまた会いましょうね。
と、ちょっとあわてて、そっとその場を退いて去った作者。
というのが私の見立てですが。
命がよみがえったわけではなし。死んだ翅が息で吹き動かされたわけでもないと思います。
蝶が自分の力で動くのと吹かれて動くのは全然動きの質が違います。
冬眠中の蝶との一瞬の交流だったのでしょう。
その方が深みが合っていいと思うけどな。(虫好き故の解釈か。)
いて‐ちょう【凍て蝶】 テフ
冬まで生きながらえて、ほとんど動かない蝶。<季語:冬> [広辞苑第五版]
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント