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2012年1月 6日 (金)

セイタカアワダチソウ「駆除」

朝日新聞の記事です。

さらばセイタカアワダチソウ:農環研 除草剤使わず駆除成功(1/4)
 農業環境技術研究所(茨城県つくば市)が、全国に広がっている外来植物のセイタカアワダチソウを駆除する新たな手法を開発した。
 同研究所は、セイタカアワダチソウが土壌のpHが低い(酸性度が高い)土地にはほとんど広がらないことに注目。セイタカアワダチソウなどの茂みを刈り取ったあと、塩化アルミニウム剤を1平方mあたり1.2kg散布して土壌のアルカリ度を下げると、チガヤなどの在来植物は復活するが、セイタカアワダチソウは2年間観察を続けてもほとんど生えなかった。
 この土壌処理を、道路脇や農地周辺で行えば、除草剤を使わずに効率的に駆除できるという。山口県内の果樹園の跡地を使って行った駆除実験では、セイタカアワダチソウが減り、在来植物の種数が増えた。土壌処理をしなかった場所は5平方mあたりの在来植物は22種だったのに対して、処理した場所は2年後に31種に増えていた。
 今後、土の中に住むミミズや細菌などに対する塩化アルミニウムの影響を調べ、他の外来植物の駆除にも役立つかも探る。

これ、塩化アルミニウムの加水分解を利用して土壌を酸性化する、という話です。

塩化アルミニウムが生成する中和反応は

Al(OH)+3HCl→AlCl+3H

なのですが、塩化アルミニウムは弱塩基、塩酸は強酸なんですね。
高校化学を思い出していただけるとわかりますが、弱塩基と強酸から生成する塩は、水溶液にした時に酸性を示すのです。加水分解というやつですね。

出来事が上の式のちょうど逆転になりまして

AlCl+3HO→Al(OH)+3HCl

となります。
ここで水酸化アルミニウムはほとんど水にとけませんので、塩化アルミニウムが土壌中にまかれると、水分と反応して少しずつ塩酸を放出する薬品として働くことになります。
「徐放性」というんでしょうね。

塩酸が少しずつ放出されますので、pHの値が小さくなる=酸性度が高くなる=アルカリ度が下がる、ということになります。

問題は、pHが下がった時の他の動植物への影響、アルミニウムの影響ですね。
人間という動物の知性では、システムを丸ごと一挙に理解する能力はない。
セイタカアワダチソウは駆除できたが、その結果ほかの面では何が起こるかわかりません。
慎重にどうぞ。

園芸をなさる方はきっと、カルシウムを撒いて土壌のアルカリ度を上げるということをするのではありませんか?日本の土は酸性で行けないとかいうことで。
わざわざ酸性化しよう、というのですから、影響がないということはないでしょうね。

さて、どうなることかな。

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