小さなクモに大きすぎる脳
★「ナショナル・ジオグラフィック・ニュース」というのを見ていたら
「小さなクモに大きすぎる脳」という記事がありました。
Rachel Kaufman
for National Geographic News
December 20, 2011
まん丸なクモも決して太っているわけではない。頭でっかちなだけなのだ。小さなクモは、身体のサイズに比べて非常に巨大な脳を持っているため、脳の一部が身体の隙間にあふれ出している場合すらあることが、新たな研究からわかった。
◆体長1ミリにも満たないようなごく小さなクモが、大きなクモ類と同じくらい上手に網を張ることができる理由が、こうした巨大な脳の存在から説明できるかもしれない。
スミソニアン熱帯研究所の研究員でコスタリカ大学教授のビル・エバーハード(Bill Eberhard)氏が率いる研究チームは、この研究のため、いずれも網を張る性質を持つ6つの科に属する9種のクモを調査した。
その結果、小さなクモほど、身体のサイズに対する脳の比率が大きいことがわかった。中には、中枢神経系が身体の容積の80%近くを占め、ときには脚の中にまではみ出している種もあった。
円形の網を張るマリアナシロカネグモ(学名:Leucauge mariana)など一部の種では、成虫の大きさになるまでの幼虫の期間、詰まった脳で身体が膨れあがっている。
・・・
例えば、別の研究で調査が行われたハエトリグモの1種(学名:Phidippus clarus)では、成虫の消化器系が腹部ではなく頭胸部の中にある。
しかし「幼虫ではすべてが脳で占められていて」、赤ん坊は消化器系が未発達なのだという。ただし、このことがこのクモの発達にどう影響するかは今のところ不明だ。
おそらく、網を張るという行動は、例えば「甲虫の幼虫がただ目の前の菌類を食べ進めていく」というような行動よりも複雑で、大きな脳を必要とするのだろうと、エバーハード氏は研究論文に記している。
・・・
クモの脳についての研究は「Arthropod Structure and Development」誌の11月号に発表された。
そうなのかぁ。クモって賢いんだ。
知りませんでした。
記事中にはハエトリグモの1種(学名:Phidippus clarus)の写真がありましたが、それをそのまま引用するのはマズイでしょうから、代わりに私のストックからネコハエトリの写真を載せておきます。
ネコハエトリ 学名:Carrhotus xanthogramma です。
そういわれて見直すと、いかにも賢そうだよなぁ。
クモを見る目が変わってきませんか。
昆虫よりクモの方が「下等」だなんて思ってませんか?
すべての生物は進化の最先端を生きているのだ、ということをお忘れなく。
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