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2011年10月14日 (金)

visionary

★スティーブ・ジョブズ氏が亡くなられたときのアメリカ・オバマ大統領のコメントに「世界はビジョナリーを失った」という言葉がありました。英語で書けば「visionary」ですね。新聞では「先見の明のある人」と訳していました。{「ヴィジョネァリィ」かなぁとも思いますが、nativeの発音は聞いたことがなくって。}

★visionary という言葉にはちょっと思い出があります。
大学に入った年の英語。William Blakeの詩集など読んだのですが、面白い話を聞きました。

 視力が0.5の人(「普通の人」ということにしましょう)ばっかりがいるところに、視力2というような人(「特別な人」ということにしましょう)が来て、地平線上に見えるライオンの生活を生中継のように話して聞かせたらどうなるでしょう?
普通の人にはそんなものは見えませんから、素晴らしい想像力のある人が素敵な物語を聞かせてくれた、と思うでしょう。けれど、特別な人は、自分が見たものをそのままに伝えただけなのです。
 詩人の中にはそういう「特別な人」がいて、精神世界のものすごい視力(Vision)をもっていて、普通の人には見えない時空間の詳細を、彼は見たままに語ります。すると普通の人は、とてつもない想像力の創造的産物を語り聞かされた、と思うでしょう。
ブレイクという人はそういう人かもしれない。
特別な視力を持つ人のことをvisionaryというのだよ。と。

こんな意味のことを話して下さいました。
感動してしまって、ブレイクの詩や絵に凝りましたっけね。

The Sick Rose

O Rose, thou art sick!
The invisible worm
That flies in the night,
In the howling storm,
Has found out thy bed
Of crimson joy,
And his dark secret love
Does thy life destroy.

これが彼の「視覚」には見えたのでしょう。
「crimson joy」なんて、どきどきしますね。

Infant Joy

  "I have no name:
  I am but two days old."
  What shall I call thee:'
  "I happy am,
  Joy is my name."
  Sweet joy befall thee!

  Pretty joy!
  Sweet joy, but two days old.
  Sweet joy I call thee:
  Thou dost smile,
  I sing the while,
  Sweet joy befall thee!

"I happy am,Joy is my name" しびれましたっけね。

★私などは生理的にも近眼です(+乱視+老眼)。アフリカの草原で視力2で世界を眺める人が見ている光景など想像もつきません。私的世界でも近眼で、目の前のものを記述するばかり。強烈な視力で世界のありさまを見かつ語る人の世界など想像もつきません。

ひょっとして、ジョブズ氏は、時空のはるかかなたが実際に見える人だったのかもしれない、とも思うのです。私のような凡人には想像でしかない世界を実際に見て、伝えてくれたのかもしれない、とも思うのです。

visionaryが見る世界は凡人には見えません。

「先見の明」としか訳しようもないでしょうが、私は「超視力者」とでもいいたいとも思うのです。

visionには視力という意味もあるんですよね。
ふと、40年以上も前の記憶が鮮やかによみがえってしまいました。

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