ツユクサの気孔
そういえば、ツユクサの気孔って非常に典型的でよかったよなぁ、と思い出しました。
早くしないともう季節が終わってしまうな、見てみよう、と検鏡しました。
方法1「セメダイン法」:セメダインCを薄く葉の裏に塗って、乾いたらはがして検鏡する。
方法2「マニキュア法」:無色透明のマニキュアを葉の裏に塗って、乾いたらはがして検鏡する。
セメダイン法で作った標本を、対物レンズ4倍で検鏡し、デジタル顕微鏡に取り込みます。
後で、デジタル顕微鏡からUSBでパソコンに画像を取り込みます。
これがそのオリジナルの画像です。
見事ですね、典型的な気孔の画像が得られました。
ただ、スケールが分かりません。
普通の顕微鏡のように「対物レンズの倍率×接眼レンズの倍率=総合倍率」のようにはいきません。
対物レンズは4倍、10倍、40倍と3種類あるのですが、接眼レンズはなく、画像はモニターに表示されます。そして、電子的にモニター上の表示画像の大きさを変えられます。ただし、顕微鏡内でのメモリーへの保存は表示の大きさに関わらず、同じサイズの画像になっています。
ややこしい。
で、対物ミクロメーターを検鏡してスケールを作ることにしました。
これが4倍の対物レンズで対物ミクロメーターを検鏡したそのままの画像です。
一番細かい最小目盛りが1/100mm=10μmです。
さて、今回はセメダインとマニキュアによるレプリカ法の比較をしたいので、マニキュア法でも同様に葉の裏に塗って乾かして検鏡した画像を得てあります。
そうして、画像ソフトのペイントを使って、一枚にまとめ、方法の比較と、画像のスケールがいっぺんで見られるようにしてみました。
それがこれです↓
対物レンズは4倍です。
左がセメダイン、右がマニキュアによるレプリカです。
やってみると、セメダインによる標本は「パリパリ」していて、マニキュアによる標本は「しなしな」しています。
画像はセメダインのほうが少し鮮明のようです。
ただ、セメダインの標本は粉々に壊れやすいですね。
セメダイン、マニキュア、どちらにせよ、オリジナルのSUMP標本のような長期保存にはむかないようです。
子どもたちとその場で作って検鏡し、わぁこんななんだぁ!!と楽しんでおしまい、という観察に適していると思います。
こちらが10倍の対物レンズを使用して得た画像です。
左がセメダイン、右がマニキュアです。
最小目盛りが10μmは変わりませんので、気孔のサイズはおおよそ「100μm」程度以下ですね。0.1mm弱ということです。この位だと、少し倍率の高いルーペでも分かるくらいですね。
まだこの顕微鏡の使い方に「完熟」していません。
時々ゆっくり楽しむことにします。
★気孔について詳しくお知りになりたい方は下のサイトなどご利用ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E5%AD%94
ウィキペディアです。
http://www.museum.kyushu-u.ac.jp/PLANT2002/01/04.html
九州大学のサイトです。
どちらも怪しげな「きこう」ではありませんので、安心して見に行ってください。
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