アゲハ そして 追悼
2011.10.14
今シーズン最後でしょう。
「端然としたたたずまい」と表現したら人間的すぎますか。
どのような事態に対しても、自力で敢然と立ち向かう。
どうも、昆虫に思い入れが強いと、人間嫌いになる傾向がありまして。
人間の社会に対して虚無感が生じます。
「人間なんて ラララララララ・・・♪」なんであります。
★10月24日朝、北杜夫さんが亡くなられましたね。享年84歳。
虫好きの末席を汚すものとして、こころからお悔やみ申し上げます。
合掌。瞑目。
以前、読売新聞のサイトに「大人になった虫取り少年」という連載がありまして、楽しく読んでいました。そこで、北杜夫さんの話も登場し、大喜びしたものです。
たくさん逸話がありすぎます。
「大人になった虫取り少年」から逸話をひとつ。
多くの虫屋にとって、北さんについては、それぞれの思い出があるだろう。例えば、栃木県職員の新部公亮さんは〈『どくとるマンボウ昆虫記』に出てくる虫たちを全部集めて北さんに見てもらうこと〉が小学6年生の頃からの夢で、それを「どくとるマンボウ昆虫展」で実現させたのだった。新部さんと一緒に展示会を企画したドイツ文学者の岡田朝雄さんも、熱烈な愛読者で常々〈北さんへの恩返し〉と語っていた。また、非政府間機関(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さんも北さんの大ファンで、中村さん編(2)では九州大学医学部時代に精神科医を目指した理由について、〈北杜夫さんの影響も大きくて、虫捕りができる時間が取れるのは精神科であろうと、漠然と思っていました〉と語っている。虫屋の間では、すでに古典となった『どくとるマンボウ昆虫記』の記述を前提に、物を書いたり、会話したりすることもごく普通のことである。
最近の新聞記事から
新種コガネムシ:北杜夫さんにちなみ和名「マンボウ」
毎日新聞 2011年9月16日 15時1分
長野県安曇野市の昆虫収集家、平沢伴明さん(54)がコガネムシの仲間「ビロウドコガネ」の新種を発見し、近く研究論文を信州昆虫学会の機関誌「ニューエントモロジスト」に掲載する。学名はラテン語で「ユーマラデラ・キタモリオイ」、和名は「マンボウビロウドコガネ」。平沢さんが昆虫採集を通じて交流がある作家、北杜夫(きた・もりお)さん(84)の名前にちなんで命名した。
北さんは「どくとるマンボウ昆虫記」を執筆し、昆虫好きで知られる。命名に「とても照れくさいけれど光栄。大好きなコガネムシなのでうれしい」と喜んでいたという。
新種は小豆色で体長約7ミリ。平沢さんの知人が94年に沖縄県・西表島で採取した4匹を譲り受けた。今春、図鑑執筆の際に改めて標本を確認し、雄の生殖器の構造が他の種と違うことが分かった。
平沢さんは信州大出身。旧制松本高(長野県松本市、現信州大)に通った北さんの後輩に当たる。北さんはエッセーなどの中で、学生時代に信州の山々を歩き、昆虫収集した思い出を書いている。
2人の交流は86年、北さんがテレビ番組の収録で松本を訪れた際、地元のコガネムシ収集家の平沢さんと出会ったのが始まり。その後も個人的に平沢さんを訪ね、標本を見たりしたという。
北さんのファンという平沢さんは「昆虫研究が広く理解されるうえでも、北さんの功績は大きい。喜んでもらえてうれしい」と話している。標本は17日、松本市の信州大で開かれる日本昆虫学会の会場に展示される。
◇ビロウドコガネ◇
コガネムシ科コフキコガネ亜科に属する。体長約5ミリ~1センチ。体の表面は細かい毛で覆われ、つやがないことから「ビロード」の名がついた。世界各地に生息し、国内だけで約100種類いる。
昨日の朝日新聞、長野版の記事の一部です。
北杜夫さん死去に信州の友、惜しむ声(2011年10月27日)
「どくとるマンボウ昆虫記」などで知られる松本市ゆかりの作家、北杜夫さんが亡くなった。旧制松本高校(現信州大学)出身で、終戦の1945年から48年までの青春時代を松本で過ごした。その後もたびたび県内を訪れており、北さんと親交のあった人たちからは惜しむ声が聞かれた。
北さんにちなんで今年、新種のコガネムシに「マンボウビロウドコガネ」という和名を付けた信州甲虫研究会長の平沢伴明さん(54)=安曇野市。死去を知って「驚きや悲しみが入り交じり、頭が真っ白になった」。
平沢さんは信大出身で、旧制松本高に通った北さんの後輩。幼い頃から昆虫好きで、中学生の時に北さんの昆虫記に出会って以来、ファンになった。
出会いは25年前。北さんがテレビ番組の収録で松本に来た際、平沢さんの自宅を訪れた。「奪略だ」などと冗談を言うと、コガネムシの標本を持ってきた空き箱に入れて持ち帰ったという。「昆虫を愛する人をいいイメージで世の中に紹介してくれた。昆虫好きの私にとっては心の支えでした」
最後に会ったのは、今月1日に軽井沢町で開かれた北さんのトークショー。終了後、北さんの家族の晩餐(ばん・さん)会に招かれた。杖を使わずに階段を行き来していた。マンボウビロウドコガネのことを話すと、「大変光栄なことで恥ずかしい」と喜んでくれたという。(後略)
{私は1948年生まれです}
★「キタモリオイ」は「キタモリオ イ」と「イ」を少しだけ間をおいて発音してください。ラテン語で男性名を示す語尾です。
ご存命のうちにお知らせできて本当によかったですね。
命の瀬戸際を感じつつ生きています。
今できることは今しましょう。
「先」というものがあるのかないのか、人間の知恵では測り知ることはできないのですから。
「今」を大切に生きましょう。
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