Don’t disturb
と言っております。
7月28日に「ヒキガエルの夏眠」という記事を書きましたが、その続きなのです。
時々動くらしく、鉢の中の土を「耕して」います。
「金沢城のヒキガエル」奥野良之助 著、平凡社ライブラリー564、2006年1月11日初版
という名著がありまして、そこからちょっと引用します。
ヒキガエルの一年の活動は、以上のように、基本的には気温によって支配されていると言ってもよいようである。最低気温でみて、0~10度で繁殖活動、10~20度で採食活動を行い、それ以上でも以下でもどこかへもぐってしまって動かない。マイナス40度からプラス40度の間で働いている人間からみると、なんとぜいたくな温度に対する好みであろうか。
金沢での観察の結果であることは含んでおいてください。
東京の場合最低気温の平年値が0度を下回ることはないのですから、冬眠不要になってしまいます。土地柄によって活動の状況は変わると思います。
東京で最低気温の平年値が20度を上回るのは、大体6月の末ごろから9月の半ばまでなんです。この期間全部が夏眠期間とはちょっと思えないですね。
それにしてもまぁ、エコな生活だなぁ。
本当に、私も夏眠したいゾ。最高気温が35度なんて猛暑日は絶対夏眠するべきですよね。
上の本を読んでいて、もう一つ強烈に印象に残った部分を
ところが、ストーブを囲んで雑談していた時、「先生、ヒキガエル掘りにいきませんか」と言い出した学生がいた。彼はこれまでに何回か冬眠中のヒキガエルを掘り出したことがあるらしい。学生運動に熱を上げているとはいえ、根は生き物好きな生物学科の学生のこと、われもわれもと志願者が続出して、その場で「ヒキガエル冬眠発掘隊」が結成され、スコップをかついで本丸跡に乗り込むことになった。
・・・
冬眠の仕方は私の想像とはまったくちがっていた。石のすき間にもぐり込まず、石の上で直接雪に埋もれて冬眠していたのである。「ヒキガエルって、相当いい加減な生き物ですね」と、集まってきた学生も少々呆れ気味であった。
いやぁ、読んでいて思わず吹き出してしまいましたね。「いい加減な生き物」にされてやんの。
直接雪に埋もれているなんて、ずさんな冬眠だなぁ。ま、雪は断熱材ですから、0度以下にはならないのででしょう。体液は濃いから凍らない、それでいいんでしょうね、冬眠としては。冬眠も省エネなやつですね。
東京だとどうなるのか。落ち葉の下にいるだけでいいんだろうな、少しだけ土に体を埋もれさせて。冬眠発掘をしたことはありません。
ここでいう「学生」というのは恐らく私と同世代の団塊世代でしょう。何だか親しみを抱いてしまいましてね。実に面白い読書でした。
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