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2011年8月19日 (金)

ヒキガエル(続き)

前の記事の続きです。
前の記事で、鉢に帰って来た水草だらけの姿を載せました。
翌日↓
0812_1hikigaeru 2011.8.12
体にくっついた水草が少なくなりました。
ただ単純に寝ているのではないのですね。土の表面を体の厚みくらいでひっくり返しながら動き回るのです。なにやってるんだか。じっとしてりゃいいじゃん。
動き回って、水草は取れました。

ところがですね、また居なくなっちゃったのです。
また池に行ったかねぇ、と妻と笑って、追求もしませんでしたが
0817_8hikigaeru 8.17
また戻ってきましたよ。
また水草いっぱいつけて戻って来た。
やっぱり池に行っていたんですねぇ。
どこに行っていたか、ちゃんと報告してくれるところがおかしい。
18日19日、鉢の土に潜っています。

夏眠であることは間違いないのでしょうが、なんだか不思議な行動です。
ヒキガエルって愛嬌がありますねぇ。庭の素敵な住民です。

ところで、鉢の所から、池まで、直線距離で4、5mあるでしょう。
鉢にどうやって登るかどうやって降りるか、というのも問題ですが。(転げ落ちるんじゃないかなんて言いましたっけね。)
池までの道のりがどうやってわかるんだぁ?
視覚で把握しているとは思えませんね。目で見て、あっちが池、あっちが鉢、と見定めて行動できるとは思えない。ヒキガエルの「視覚世界」はそれほど広範でクリアだ、とはとても思えません。匂いですかね。道中の匂いを記憶しますか。

これについては、通常の行動についてではないのですが、面白い記述があります。

「カエル――水辺の隣人」松井正文 著、中公新書 1645、2002年

 ところで、ヒキガエルの産卵場所への集合について、もう一つ重大な問題がある。それはあちこちに散らばっているヒキガエルが、毎年、同じ――しかも多分自分の生まれた――池に集まるらしいことである。それではカエルはどのようにして池の位置を知ることができるのだろうか。(中略)この問題をきわめて見事に解決したのは、純粋な生態学者や行動学者ではなく、内分泌学の権威、早稲田大学の石居進教授であった。結論だけいうと、ヒキガエルは自分の生まれた池までの道筋の臭いを覚えているらしい。詳しくは先生の著書『カエルの鼻』(石居、1997、八坂書房)をお読みいただきたい。面白いこと、教わることの多いこと請け合いである。(後略)

毎年、産卵のために自分の生まれた池に集まるには嗅覚が利用されているらしいのですね。

この行動の応用問題として理解していいのかもしれません。
自分の生まれた池を中心にして、嗅覚地図が脳内に形成されていて、その地図の中で行動しているのかな、とも思います。
これは確証のあることではないので、信用はしないでください。個人的な感想のようなものです。

それにしてもまぁ、楽しませてくれますねぇ。
今年生まれて旅立っていった連中も、そのうちまたこの池に戻ってくるようになるんでしょうねぇ。
いいですよ、戻ってらっしゃい、待っています。

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