« ナミテントウの蛹化 | トップページ | 被災教諭、再出発の手記 »

2011年6月21日 (火)

アゲハの蛹

0621_10ageha1 2011.6.21
前の記事で、ナミテントウが蛹になるとき、腹端部を「糊づけ」して固定するようだ、と書きました。
現在、アゲハの蛹がいるので、その現況をお見せできることに気づき、コーヒータイムに写真を撮ってきました。
よく見る姿です。胸のあたりに糸が張ってあって、腹端部とこの糸で体を支えています。
さて、透明なケースですので、腹端部を外から撮ってみました。
0621_10ageha2
かぎ状になっているかどうかまでは確認できませんが、少なくとも「糊づけ」状態でないことはお分かりになると思います。
たくさんの糸を張って、マット状というか、糸の山というかにして、そこに腹端部を押しつけています。
ということで、さしあたって、ナミテントウとの違いはお分かり頂けたと思います。

◆「蝶・サナギの謎」平賀壮太 著、トンボ出版、2007年3月20日初版発行
この素晴らしい本の20ページから引用します。

「サナギになる過程(蛹化)の観察」
・・・
⑫脱皮前になると皮に皺がより、胸部背面が割れてサナギの突起が現れ、幼虫の皮を脱ぎ、最後に尾端の突起を抜き出して糸山に押しつけて固定する。・・・。体をくねらせて、脱いだ皮を落下させる。

こういう具合です。

さて、オオムラサキという蝶がいますね。あのチョウの蛹は、尾端部でぶら下がるタイプの蛹になります。
月刊 たくさんのふしぎ 2010年5月号(第302号)、福音館書店
「昆虫少年の夢 オオムラサキの舞う森」  草山万兎・文 足立隆昭・写真
という本から引用します。

・・・
②皮を脱ぐように、前蛹の下になった頭から尾のほうへ
③皮が小さく波うちながら、徐々にせりあがっていく
④やがていちばん上の尾の部分にちぢんだ皮が、たまってとまった。そのとき、目を見はるようなことがおこった。まず尾の部分の腹を葉にくっつけた。つぎのいっしゅんかぎ爪をはなして殻を脱ぎすて
⑤すばやくかぎ爪を糸にひっかける。それから腹部のくっつきをはなし、殻を下に落とした。その間約16分。
・・・

床に爪先をつけたままソックスを脱げますか?と私はよく言うのですが。
絶対に爪先を放してはいけないといわれたら、最後のところでソックスを切り開いてしまうしかないでしょうね。
一瞬爪先を浮かせれば、ソックスは脱げます。

どうやら、チョウたちは蛹化の脱皮で、一瞬腹端部を浮かせて殻を脱ぎ捨てる方法を採用したようですね。

ところで、草山万兎(くさやま まと)さんってペンネームだろうけど、誰なんだろうなぁ、と思って、付録の「ふしぎ新聞」というのを読んでいたら・・・
なんと、なんと、河合雅雄さんだったのです。あの霊長類学者の河合さんでした。で、草山万兎というペンネームで童話も書いていらっしゃるのだそうです。知らなかったぁ。
いや、よい本に出会いました。




















« ナミテントウの蛹化 | トップページ | 被災教諭、再出発の手記 »

動物」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アゲハの蛹:

« ナミテントウの蛹化 | トップページ | 被災教諭、再出発の手記 »

2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ