これも磁石にくっつく
これライターの発火石です。
磁石にくっついてますね。
鉄じゃないんです。
ミッシュメタル(英語なら mixed metal )です。
何が「混合」なんだ?
希土類元素の混合合金なんです。
希土類元素というのは化学的な性質がすごくよく似ていて、分離するのに手間がかる(経済的にはコストがかかる)。
で、安上がりに混ざったまま還元して金属にしてしまった。これが硬さというか軟らかさというかが良い具合で、鉄のやすりでこすると削れて火花が出るんですね。そのためにライターの発火石になったのです。
ネオジムという金属も入っていて、磁石にくっつくんですね。
鉄-ネオジム磁石は最強の磁石として知られていて、事務用品などにも使われていますね。
ちなみに、あの強力磁石、パソコンや携帯に近づけちゃダメですよ。何が起こるか保証できませんからね、磁力が強すぎて。
以前はレンズのガラスというと、鉛の入った屈折率の高いガラスが使われましたが、現在普及しているデジカメのレンズなどは、ランタンという希土類元素を入れた屈折率の高いガラスになっています。
磁石にくっついているのはなんでしょう?
昭和30年~33年の穴ナシ50円硬貨と
昭和34年~41年の穴アリ50円硬貨は
純粋なニッケルでできていました。
で、この間の50円玉は磁石にくっつくのです。
現在、50円、100円の硬貨は白銅貨といって、銅75%とニッケル25%の合金です。
これはニッケルを含んでいますが、磁石にくっつきません。これもまた不思議なことです。
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