つらら
2011.2.28付 朝日俳壇より
牙のごとしたたつてゐる氷柱かな:(東京都府中市)天地わたる
長谷川櫂評:水をしたたらせている氷柱なのだが、「牙のごと」といえば生々しい。太古のサーベルタイガーの牙のような。
普通、つららを牙に見立てることはよくあると思うんですよ。
ところがこの句ではつららをしたたり落ちる水の方にピントを合わせている。
それがものすごい生々しさを生んだと思うんですね。
血を滴らせる牙、になった。
牙の方に生々しさを感じているのではなく、液体が滴り落ちるという状況の方に生々しさを感じました。
すごい発見ですね。
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント