編隊で
2011.2.7付 朝日歌壇より
夕暮に三三五五と川下る鷗の上行く鵜は編隊で:(東京都)横関丹
佐佐木幸綱評:隅田川河口近くでよく見かける光景。それぞれの仕方で夜を迎える鷗と鵜のコラボレーション。
光景はよくわかりますが、こういうの「コラボレーション」っていいますか?
collaboration ですから、一緒に働く、とか、協力するとか、そういう意味がもともとでしょ。
鷗と鵜、それぞれ勝手に行動しているんだと思いますが、コラボじゃないよなぁ。
観察者の意識の中で、鷗と鵜が一緒になって景色を構成している、というようなおつもりでしょうかね。なんだかしっくりしませんが。
東京だと、浜離宮とか不忍池が有名ですね、カワウのコロニーとしては。
鵜の糞害が問題になったり、鵜が鮎を食べてしまって漁業被害が出ているという話も聞きました。
水に潜るには羽が水をはじいては潜りにくいので、鵜はびしょびしょに濡れてしまうタイプの鳥です。羽を十分に乾かしてから飛ぶのでしょう。
また、空を飛ぶ「眼」を持ちながら、水中でも魚を視認して追うことができる。水晶体を筋肉で絞って屈折率を大きく変えて水中でもくっきり見える目なんですよ。
人間は裸眼で水中にはいると、極度の遠視状態になってしまってぼんやりになってしまうでしょ、あれが鵜にはないんですね。
鵜の目鷹の目、どちらも極度に優れた目なのです。
ところで、私の家の最寄り駅の隣が「鵜の木」駅。
きっと大昔、多摩川のカワウ達が集まる木があったんでしょうね。
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