覚えのない打身
2011.2.21付 朝日歌壇より
覚えのない打身のようにういてくる思い出といふも時に残酷:(瀬戸内市)児山たつ子
永田和宏評:上句の比喩が卓抜。確かに痣となってじんわり浮いてくる苦しく悲しい思い出もあろう。
ありますねぇ、ふと気づくと青く内出血している。えっ?いつどこで打ったっけ?あれぇ、思い出せない。こんなに青黒くなっているんだから、打ったその時は痛かったんじゃないのかなぁ。でも思い出せない。
そういう意味で、「じんわり」思い出が浮いてくるのだとは私は受け取りませんでした。
なんでもない時に、ふっと、思いがけなくも、昔のワンシーンが浮かび上がってしまった。
えっ、そんなぁ、そういえば、そんなこともあったんだなぁ。と不意を衝かれてしまった。その唐突さを「残酷」と感じました。私の感想です。
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