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2011年2月 1日 (火)

かまきりの卵

2011.1.31付 朝日歌壇より
かまきりの卵触れればあたたかき手指かじかむ小寒の朝:(気仙沼市)畠山登美子

1119_1harabirokamakiri
これは、ハラビロカマキリの卵鞘ですが、イメージ喚起の手がかりにして下さい。

ところで、すぐ理に落ちるのが私の悪い癖。
卵鞘の中で、卵の発生は進行しているのだとは思いますが、そのことによる発熱は非常に小さなものでしょう。手で触れて「あたたかさ」を感じるほどには発熱していないと思います。
ほとんど外気温と同じ温度になっていると思うんです。

じゃあなぜ暖かさを感じるのか?
授業での会話風に。

教室の中の机や何かは、ずっと教室の中にあって、教室の室温と同じになっているはずだ。温度の異なる物体が接触していると、充分長い時間の後には必ず同じ温度になるのだから。
では、机の表面や、ノートに触ってみてほしい。
次に、机の脚の金属に触ってみてほしい。
どうかな?

金属の方が冷たいよ。

そう、木や紙より金属の方が冷たく感じるね、なぜだろう?

こういう授業もしましたね。
長時間室内にあった木・紙・金属は室温と同じ温度になります。所が実際のところ金属は冷たいはずです。お試しください。手近なところの衣服と時計とかね。

私たちの皮膚の温度感覚というものは、対象の物体の温度を温度計のように測定しているわけではないのです。もちろん熱い物体、冷たい物体と温度もわかりますけれどね。
それだけではなく、物体に触った時に、皮膚表面から物体へ流れ出る熱の量というか速さというか、をも感じているのです。

紙や木は熱を伝えにくい物質です。金属は熱を伝えやすい物質です。
例えば木や紙・金属が20℃、皮膚温が30℃だったとしますね。
この場合だと、木や紙・金属に触れると、皮膚から熱が逃げることになります。
木や紙は熱を伝えにくいので、接触点から他の場所へ熱が伝わりにくい=皮膚から熱が逃げにくいのですね。
ところが金属は熱をよく伝える。だから、皮膚からどんどん熱が逃げるわけです。
この、熱が逃げる、皮膚の熱が奪われた、というのを「冷たい」という感覚として認識するのです。
そこで、同じ温度であっても、金属は冷たく、木や紙は暖かい。

そして、熱を伝えにくい「泡で包まれた」カマキリの卵鞘は暖かいのです。

{逆に高温物体から熱が伝わってくる時も、熱を伝えやすい物体の方が熱く感じるはずですよ。}

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