風花
2011.2.21付 朝日俳壇より
日光の空より来たる風花か:(栃木市)飯塚哲夫
長谷川櫂評:東照宮のある日光。作者は栃木の人だから、そうだろう。地名の日光だが、日の光があふれている。
風花の光となりて空に満つ:(長岡市)長谷川回夫
風花や妻とはぐるる交差点:(東京都)大久保白村
風花や禿に念あり無我童子:(高岡市)野尻徹治
金子兜太評:内容自在、叙法個性的。とくに中七。
「狐の嫁入り」というのも不思議な感覚に襲われるものですが、「風花」はもっと幻想的ですね。
東京で風花に遭遇したことはほとんどありません。
2月の神戸だったかなぁ、仕事を終えた帰り、駅のホームで、一陣の風花に包まれたことがあります。頬に当たる雪、明るい空、景色が白くかすんで、でも、それも一瞬、去っていってしまった。
初めの二句は「明るさ」にポイント。
三句目は心を奪われて見上げたほんの短かい時間に妻とテンポがずれてしまったという、風花の幻想性。
さて、四句めはどう読めばいいのか。
私に引きつけて言わせていただければ、わたくし、雪はまだ頭の地肌に直接は当たりません。雨は髪をかいくぐって頭の地肌に直達するようになりました。ハイ。
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