革手套
2011.2.7付 朝日歌壇より
革手套脱げば流暢手話の女(ひと)真紅の爪の指しなやかに:(高石市)木本康雄
「手套」は「しゅとう」ですね。
使ったことのない言葉なので、広辞苑を引いてみました。
しゅ‐とう【手套】 タウ
てぶくろ。
○手套を脱す
うわべをつくろうことをやめて、真の手腕を現す。
[広辞苑第五版]
最初の印象は、革のゴワゴワ感としなやかに語る指の対照が美しいな、と思ったのです。
広辞苑を引いてみて、少し印象が変わりました。
誰でも同じになってしまう革手袋を脱げば、「真の手腕が現れて」しなやかに、指が言葉を語り始める。べつにうわべをつくろったということではなく、隠れていた能弁な手話の能力が現れた、というふうに読めるのですね。
言葉が増えました。うれしい。
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