鶴よ克て
2011.1.24付 朝日俳壇より
鶴よ克て濁世にひそむウイルスに:(東京都)吉田邦幸
金子兜太評:出水の鶴への呼びかけ。
鶴は全滅はしないと思います。抗体を作ってウイルスに対抗しながら生きていくでしょう。
大昔から、ウイルスとの闘いは続いてきたのです。ですから、それはあるつり合い状態にある。
「濁世」とは「ヒト」が作りだした異様な世界のことでしょう。
ウイルスがいても別に濁世ではない。当たり前の自然の世界。
人間の欲望が世のあり方を濁している。
人間の欲望が自然界を変えてしまうほどに大きくなってしまった。
人間の一人として悲しんでいます。
私がもし、句をいじってよければ
鶴よ克て濁世にひそむ欲望に
となるでしょう。自然界の生物たちよ、人間の欲望に打ち克って生き延びておくれ、と。
« 牛殺し鶏も殺す | トップページ | 鉄は打てば熱くなる »
「崩彦俳歌倉」カテゴリの記事
- 榠樝(2021.02.01)
- オオスカシバ(2020.10.06)
- 猫毛雨(2020.04.20)
- 諏訪兼位先生を悼む(2020.03.25)
- ルビーロウカイガラムシ(2020.01.17)
コメント