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2011年1月

2011年1月31日 (月)

ツバキ

0124_4tubaki1 2011.1.24
これは比較的きれいに咲いた花。
ところがですね
0124_4tubaki2
今年はこのパターンが多くて。
花弁の縁が傷んでボロボロになって咲くんですね。
ほとんどがこういう咲き方をしている。ちょっと珍しいことです。
なんでだろう?蕾でながくいると、外に露出した部分が傷むのかなぁ。
つぼみはものすごくいっぱいあるんです。
もうそろそろ、普通の傷まない花が増えるといいなとは思っていますが、どうも、まだのようです。
なにか原因があるのでしょうか?

ヒメガガンボの仲間かな

0124_3gaganbo_ 2011.1.24
枯れ草の茎にとまっていました。
形はガガンボですが、体長1cm程度。小型です。
初めて見るガガンボ。
2,3枚撮りましたけれど、これ以上の写真がなくって、ぼけたものをお目にかけます。
一応、平均棍もぼんやりですが写っています。
翅の模様とか撮れなかったのが残念。同定の資料になったでしょうにね。
こんな小型のガガンボもいるんだ、と認識しました。

ハエ

0124_2hae1 2011.1.24
勝手口脇の壁面。
なんだかへんなとまり方が目に付いて。
見れば、ハエなんですが、翅を立てているのはちょっと変です。
よく見ると、死んでいるようですね。
0124_2hae2
拡大。腹部の体節の間から白いものが。
粉っぽくないなぁ。なんだろう?
カビでしょうか?
キノコの仲間?
よくわかりませんが、おそらくそう言ったものに寄生されて死んだのでしょう。
その後も、全く同じ姿勢のままここにくっついています。
0125_1hae 1.25
翌日、死んだハエの真上50~60cmくらいの壁面で見かけたハエ。
これは生きています。飛び去りましたからね。
ヒメフンバエかな、と思います。確実ではないけれど。
死んだハエもこれと同じ仲間だろうと思います。
生きていれば、翅はこういう風にたたむのが普通ですね。
翅が立っていたので不審に思ったのでした。
寄生されて死ぬ時に筋肉の硬直かなんかがあって、翅が立ったのでしょう。

ガやセミにキノコが寄生して生えると冬虫夏草とかいって、漢方などで珍重されるようですが、ハエにカビが生えても、ダメだろうなぁ。
当面、そのままにして変化を見ています。

スイセン

0124_1suisen_niwa 2011.1.24
庭のスイセン。
日当たりが悪くて、早く咲きましたが後続のつぼみがありません。
0124_6suisen_soto
こちらは線路際のスイセン。
日当たりはいいです。特に昼から夕方までの日当たりはいい。
たくさんつぼみがありまして、これから次々と咲くことでしょう。
この写真ではたまたま道路の方を向いてくれたものがあってよかったのですが、日差しの方向はおおむね線路の方からなので、花も後ろ向きに咲くのが多くなります。
せっかく並んで咲いても、みんな向こうを向いていたりしますが、まあ仕方ない。
真上から見おろして楽しむことにしましょう。

昼の氷

0131_koori 2011.1.31
今朝、氷が張ったという話をしましたが、今、昼の散歩に出たら、まだ氷がありました。
今朝の写真は「新池」の方。
この写真は「古池」の方。
{なんでこんな狭い庭に2つも池があるのか?娘が掘ったものでして、まあ、なんとも。}
あんまり直線的な凍りかたではなく、どこか曲線を描いた氷です。

今朝寒かったので緊張して外へ出たら、意外と暖かかったのでホッとしました。
風もほとんどなく、日差しを浴びているとほかほかでした。
寒い時は追われるように家へ戻るのですが、今日は氷を見ながら結構のんびりした散歩になりました。よかった。

0122sanagi 2011.1.22
外に置いてあった缶の側面に、何かの蛹。
妻が笑いながら連れてきました。
いや、種類は分かりません。
ガのような気がする。
蛹の腹端部の上が、網状になっているんですね、チョウの蛹の足場ではないような気がしていますが、正確なことはわかりません。
身上を明かしてもらいたい、と現在、缶ごとケースに入って越冬中。うまく羽化してくれるかなぁ。期待したいますが分かりません。

紙魚(しみ)

0120_simi1 2011.1.20
夜、部屋にシミがやってきました。気がついたからいいけど、うっかりすると踏みつぶしそう。
銀色の粉っぽさがあんまりないですね。ヤマトシミではないのかもしれない。
私にとってシミというとその粉っぽさがが特徴なんですけれどね。
となると、候補は、セスジシミかな。自信はないのですが、そうしておきます。

触角が不揃い、1対の尾毛も不揃い、尾糸という長いのが1本あるはずなんですが、見えませんね。(シミには尻尾が3本ある、という感じになります、全部揃っていると)。
ずいぶん体が傷んでしまっています。かわいそうにね。
夜はあまり撮影条件が良くないので、1枚撮って、明日またちゃんと撮るよ、と逃げられないけど窒息しないようにして、おやすみなさい。

0121simi1 2011.1.21
反射の少ない薄茶の紙の上にケースを置いて撮影。
一応複眼は見えますね。種類によっては複眼も退化しているものもあるそうです。
胸部が完全に一つにまとまっていないみたい。3つの体節があって、それぞれに足が対あるようですね。

0121simi2
頭部近辺。
長い触角の手前に1対の小顎肢というものが見えています。前脚ではありません。
顎の付属肢ですね。
結構毛が見えますね。

0121simi3
腹部。
腹の体節の左右に毛があります。これ腹肢なのかもしれません。

まぁ、シミがいたからって別にどうということもないので、外には放さず、ちょいと陰になった片隅へさようなら。
生き延びられるといいね。

寒かった~~

0131ice1 2011.1.31
今朝は寒かったですね。体が凝り固まって、肩凝り首凝りこ~りこり。
NHKの朝6時40分過ぎの気象情報で、「渋谷の気温は現在マイナス1.3℃」というのを聞いて、ひょっとして我が家も?と庭に出てみました。
今年の初氷です。
穴掘って、ビニールシートで防水しただけの池ですが、なかなか凍らないんですよ。地熱があるんですね。それが今朝は凍りました。ご覧のとおりです。
0131ice2
薄い氷の写真って結構難しいですね。
フラッシュたいたら氷が透けてしまった。
氷越しに水中の藻が見えていますので、像が歪みます。その歪みで氷が認識できます。
反射光だけだと手ぶれをおこしそうなんです。
0131ice3
ビニールシートを押さえている石に手とカメラを固定して(ツメタイ)、氷の面近くからのローアングル。
題して「氷原」。
これ、何cm四方かな?立派な氷原でしょ。
0131ice4
外回りの水場のバケツにも氷が張っていました。
左手で持って、右手で撮影。
いや、つめたい。
昔はこういう「走り方」の氷が「窓霜」といって風呂場のガラスなんかにいくらでもみられたんですけれどね。今は見なくなりました。
0131ice5
氷を透かして明るい方を見たら、こんな枝模様が見えました。

今日あたりが差し当たっての気温の谷底で、立春ごろからは少し冷え込みが和らぐ、といっていました。
先日の記事に書いたとおり、平年気温は立春過ぎの頃から谷底を脱出します。この傾向は日本中どこでもほぼ同じ。
東京の2月は寒かったり雪が降ったりしやすい。
いえ、東京に雪が降るというのは、実は春の兆しなんですよ。
圧倒的な冬の高気圧が緩んで、東京の南岸を低気圧が走るようになると、東京に雪が降るんです。低気圧が走る、これが春の兆しなんですね。

さあ、まだまだ日々寒いけれど、もう少しで、春です、こんにちは、という声がするはず。
首を長くして待っていて下さい。

2011年1月28日 (金)

白梅

0121hsiraume 2011.1.21
白山神社にて。
前後をぼかすという、なかなか、凝った撮り方にしてみました。

この写真で絞りは4.5です。
結構なボケ味が出ますでしょ。
F2.0というマクロレンズを注文しました。思い切って。
3年間、このF3.5というマクロレンズを常用してきましたので、また少し見え方が変わったら楽しいな、と思っています。

ヒメナガカメムシ幼虫

0121_4himenagakamemusi 2011.1.21
セイタカアワダチソウにて。
ヒメナガカメムシの幼虫です。
頑張ってますね。多分、このまま越冬できるでしょう。

この記事を書いている1月28日、東京は既に平年気温で年間の一番低い谷底に入っています。
最低気温は
1月25日~2月2日の間が1.7℃ で谷底
最高気温は
1月29日~2月2日の間が9.3℃ で谷底
なのです。

立春は2月4日です。
まさに、谷底を越えれば、春が立ちます。
ももうほんのすぐ先です。

頑張って春へ向かいましょう。
もうちょい、ですよ。

スノードロップ

0121_3snowdrop 2011.1.21
まだ葉だけですが、これスノードロップです。
色濃くてすごく生き生きした感じ。いい感じですね。
かわいい花が咲くのを待ちましょう。

クロスジホソサジヨコバイ

0121_1kurosujihososajiyokobai 2011.1.21
先ほど、葉の色の変化にとまどっていた、あのビヨウヤナギの葉の上です。
佇んでいる目の前へ、パッと出現、一枚パチリ、パッと消えた。
そういう一瞬の交錯でした。
嬉しい気分。姿を見せにやって来てくれたようで。
ありがとね、と呟いてその場を離れるのでした。

ハエ

0120_1hae 2011.1.20
笑ってやってください。ハエが2匹いた、というだけで幸せ気分。今日はいい日だ、という感じ。
家の外壁にいました。
それだけなんです。
やっぱ、私って虫好きだよなぁ。

ビヨウヤナギ

0119_2biyouyanagi1 2011.1.19
ビヨウヤナギの葉です。
この場所は長くたたずむ場所。
小さな昆虫がふっと顔を出してくれたりする場所です。
いつも眺めているのですが、ふと気づいた。
あれ?
2枚の葉が重なってますよね。日の当たる面は赤紫色。
気づくと、葉の重なった日陰の部分が緑色。
えっ?そうなんだっけ?
0119_2biyouyanagi2
ほら、上になった葉をずらしてみると、重なって影になった部分が緑色。
0119_2biyouyanagi3
そういう目で見直すと、これもそうなんですね。
太陽の位置は動きますから、くっきりではないけれど、おおむね影になる部分が緑色、日のあたる部分は赤いんですね。
なんだか、私のイメージと逆で、不思議な気分。
新しい赤い葉に光りがあたって緑になる、というつもりでいたのですが・・・。
0121_2biyouyanagi1 2011.1.21
フラッシュなし。
0121_2biyouyanagi2
フラッシュを光らせて、太陽光での影を薄くすると、やっぱり。

この出来事、植物学的には当たり前なんでしょうか?
分からなくなってしまった。
詳しい方いらっしゃいませんか。ぜひ教えて下さい。

サザンカにハエ

0118_5sazanka 2011.1.18
虫の苦手な方は拡大しない方がいいです。
花も精一杯生き、ハエも精一杯生き、それがここで交差した、というような見方をして下さい。
花の方ももうぼろぼろでしょ。この株全体としてもほぼ花の終わりなんです。
ハエとしては数少ないエネルギー源を見つけて必死です。
花はきれい、ハエは汚い。ではなく、生命の交錯を鑑賞して下さい。

2011年1月27日 (木)

庚申堂

0114h_kosindo 2011.1.14
白山神社の境内にある庚申堂。
前にも、この庚申堂は「生きている」あるいは「ON」である、と書いたことがあります。
ご覧ください、パッケージに入ってカビないようになった小さな鏡餅が二つ、供えてあります。
花はいつも新しいものにかえられているし、きちんとお世話をする方がいらっしゃいますね。
さっきの月の話では旧暦が出ましたが、新暦では14日ですから、正月が明けるところですね。松の内の明けるまで、ということでしょう。
そいうえば、今年は神社の鳥居の下に「鳥総松(とぶさまつ)」がありません。どうしたのかな?

白梅

0114h_ume1 2011.1.14
せっかくですから、梅をちゃんと。
かなり咲いていますね。
去年はメジロが来ていたのですが、今年はまだ見ない。
0114h_ume2
この神社の近くのお寺では紅白の梅が咲いていますよ、と通りがかりの御婦人に教わりました。
デジタル一眼を持ってアングルなんか考えていると、「この人少し上級者っぽい」と見られることがあります。なに、単なるド素人なんですけでね。

上弦から2日後の月

0114h_moon 2011.1.14
白山神社境内にて。
上を見上げれば月。上弦から2日後で、旧暦12月11日です。
うさぎさんまではっきり見えますね。
月を見ていたらジェット機が飛んで来た。
0114h_jet
デジタル一眼につけてあるのは、マクロレンズですが、35mmフィルムカメラ換算で70mmくらいの軽い望遠です。それでここまで写るんですね。
エンジンの吸入口も識別できますね。羽田が近いので高度が低いのと、レンズの描写力のおかげ、ですね。
さて、白山神社では白梅が咲き進んでいます。
0114h_ume3
せっかくだから、梅と月を一緒に写し込んでみたものだ、と思いましたが無理でした。
写真右下、ぼんやりした白いものが月です。
思うようにはいかないや。

これとこれ

0114h_hotokenoza 2011.1.14
↑これと↓これ
0114h_hotokenozaka 白山神社にて
やっぱり違いますよね。
先日も書いたのですが、成長してきたら同じになるのかな?と思っていたのですが、やっぱり違いますよね。
上の方はホトケノザでいいですよね。
下は何だろう?
分からなくなってしまいました。
ヒメオドリコソウはもう少し紫っぽくないですか?
う~む。

スイセン

0114_5suisen 2011.1.14
スイセンのつぼみがまるでセーターでも脱ぐような格好をしています。
体を覆っていたセーターを頭から脱いで、ふわぁ、のびのび、という感じ。
読者のみなさんも、寒さで力みがちな体の力を抜いて、背中を思い切り伸ばしてみて下さい。
肩凝りも軽くなります。
冬って結構「重い」ですね。肩にずっしり来る。
早くこの重しがなくなりますように。

ダンダラテントウ

0114_4dandaratentou1 2011.1.14
この写真ならきっと、ぬくもりが感じられると思うのですが。いかがでしょう?
ボウガシの冬芽、鱗芽というのでしょうね、の間に頭を突っ込んだまま越冬中のダンダラテントウです。
ハエよりはテントウムシの方が親しみやすいでしょ。ナナホシテントウがいればもっと親しみやすいでしょうけれど。
で、植物の冬芽の間に潜り込んでいるというのが、またいい。
見つけてからもう1カ月近くなりますか、ずっとこの姿勢のままでいます。
刺激したりしないように、毎日遠くから眺めて確認しています。
0114_4dandaratentou2
この頭に近いところの赤い模様でダンダラテントウと判断しています。
これ以上の接近は無理です。

ハエ

0113_8hae 2011.1.13
この写真で日差しのぬくもりを味わっていただくのは無理ですか?
私はもう、ハエでもなんでも、虫さんがいれば幸せ気分なんですけれど。
種類はちょっとわかりません。キンバエではない。クロバエの仲間だと思いますが、確定できません。
背中ぽかぽか、虫の気分になってみて下さい。

春猫

0113_7chako 2011.1.13
時々登場、チャコちゃん。
気分がほっくりするような写真を載せたい。
完全外猫なんですが、ふっくらきれいな福猫。
「自宅」の「屋上」で日向ぼっこ。
日差しのぬくもりを感じていただければ幸いです。

アジサイ

0113_2ajisai 2011.1.13
腋芽が成長を続けています。
去年から残っていた葉は急速に色を失い枯れてきました。
交代が始まったようです。
「園芸」的には、花の後に適当に切ってやった方がよいのでしょうが、勝手流で放置しています。伸びすぎた所だけ切りますけど。

木々の芽、充実の候とかいいたいですね。

2011年1月26日 (水)

ウドンゲ

0113_1udonge1 2011.1.13
窓枠の縁に発見。
ウドンゲ(クサカゲロウの卵)2個。
0113_1udonge2
越冬中でしょうか。
室内に取り込む気にもならないし。
毎朝毎晩見続けることにしますが。
いつ、どうなるかなぁ。

ネコハグモ

0112_7nekohagumo1 2011.1.12
シュロチクの葉の上。
ネコハグモだと思うのですが、巣を作っているわけではない。
オスだと思うのですが。
0112_7nekohagumo2
体があんまり丸っこくないし、上顎の感じからそう思いました。
巣を張って生活する、というのではなく、温かい日差しに誘われてたまたま出てきてみた、ということではないでしょうか。
その後も見かけないし。
お目にかかれて光栄です。

アリ

0113_6ari1 2011.1.13
昨日のと同じアリかもしれません。同じ場所に居ました。
もうあまり撮らなくてもとは思ったのですが、頭の下側が見えるようでしたので撮ってみました。
0113_6ari2
拡大するとこうです。
鮮明ではありません。
こんな角度でアリを見るのも初めて。

翌日以降、見かけません。

アリ

0112_5ari1 2011.1.12
クロヤマアリですね。
よろよろしていました。
足を踏み外したりして、危なっかしい。
0112_5ari2
夏場ならものすごい勢いで歩きまわるので、なかなかじっくりと姿を見ることはできませんが、今回は写真が撮れました。
巣から出てきて帰れないのかな。
0112_5ari3
アリの複眼まではそれなりに認識していましたが、どうも単眼まで写ったみたい。
0112_5ari4
ほら、頭の真上に単眼。
よろよろとはいえ、生きたアリの単眼を見るのは初めてだな。
ありがとう。
巣に戻れるといいね。

鉄は打てば熱くなる

2011年1月24日 (月)に「かかし先生の試験問題」というのを書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/cat22454470/index.html

金箔づくりで、金の小片を紙に挟んで次々と重ね、ブロック状にして機械で叩き延ばします。すると発熱するのです。

この問題、ミクロに見ると厄介です。熱が実際に発生しているのはどの場所なのか、それはわかりません。機械の槌が当たる場所なのか、紙と金の接触面なのか、金の内部なのか・・・
測定結果があるわけではないので、これはとても議論できません。
この場合、全体として出来事を眺めて下さい。

●槌が運動エネルギーを持って、金+紙のブロックに衝突する。一瞬停止し、槌は引き上げられ、また機械の力で運動エネルギーを与えられて、金・紙ブロックを叩く。これが繰り返されているわけです。
この機械の消費するエネルギーは機械自身の摩擦や振動などにも費やされるでしょうが,
それはこの議論には関係ないので無視。槌の運動に使われたと考えましょう。
さて、槌の持っていた運動エネルギーはどうなったか、という問題です。
外見的にはその運動エネルギーは消えました。
消えた結果、別の形のエネルギーに変わったのです。
電気?いえいえ。光?いえいえ。
熱エネルギーですね。
槌という物体の目に見える運動が、衝突によって金・紙ブロックを構成する原子たちのナノレベルでの運動を激しくしたのです。
原子の運動が激しくなる=熱が発生するということですね。
もし、金・紙ブロック全体に均一に熱が発生したとしても、金は温まりやすく、紙は温まりにくいですから、金が強く「熱く」なるのですね。

●いつだったか、正月のニュースで刀鍛冶の初打ちのシーンを見ました。
まず炉に火を入れるのですが、その点火に用いる「火」はどのようなものだったか。
ニュースでは何も言っていませんでしたが、見ていた私はストンと納得してしまった。
刀匠は片手で使う槌で、もう一人は両手で重い槌をふるって、金床の上で短い鉄の棒を交互に叩くんですね。
しばらくそれを続けると鉄の棒は熱くなるので、火のつきやすい付け木のようなものに点火し、それを紙に移し、炉の炭に移すというような手順で炉に火入れをしていました。
「鉄は熱いうちに打て」とよくいいますが、この場合は「鉄は打てば熱くなる」なんですね。
刀匠たちが消費したエネルギーは槌の運動エネルギーとなり、それが鉄の熱エネルギーに変わったのです。
Strike while the iron is hot. がもとの諺}
{Strike, so the iron becomes hot. かかしさんが理解した事実}

金箔を作るのと同じですね。
金箔の場合は薄くすることが目的で熱の発生は副次的な現象。
刀鍛冶の火入れでは、発熱させることが目的で、鉄棒の変形は副次的なこと。
それだけのことです。
同じ出来事なのです。

エネルギーの変換が起こったということが見て取れるようになると世界が広がりますよ。

●乾布摩擦とかいうのはこのごろはやらないのかな。
でも、摩擦熱というのは有名ですね。
摩擦というのはマクロな物体同士の表面での出来事です。
机の上に物を置いて押しつけて動かすと両者の接触面に熱が発生するのですね。

「力を加えて動かす」ことを「仕事をする」といいます。

・チョロQをつまんで、力を加えて後ろへ引くという仕事をチョロQにしてやると、その仕事はチョロQ内部のゼンマイバネを巻き上げるという形で、バネの変形のエネルギーになって「貯えられ」ます。
で、チョロQを放すと、バネにたくわえられたエネルギーが解放されて、チョロQがダッシュします。
・ゴム動力の飛行機のプロペラを指で回すと、力を加えて円周上を押していくことになり、仕事をします。
その仕事は、ゴムの変形として貯えられて、解放されると、飛行機を飛ばします。
・びっくり箱の蓋に力を加えて閉じるという仕事をすると、バネの変形のエネルギーとして貯えられます。
開けた人はそのエネルギーが解放されて人形が飛び出してきてビックリするわけです。
・滑り台に登るには重力に逆らって登るという仕事をして、高いところにあるという「位置エネルギー」を貯えます。斜面に乗って手を放すと、位置エネルギーが運動エネルギーに変わって滑り降りてきます。
・夜間に余った電気エネルギーで、発電機を逆回ししてモーターにして水をダムにくみ上げるという仕事をすると、水の位置エネルギーの形で電気を貯えられます。昼間、水を落として発電機を回すと電気エネルギーが得られます。

さて、上では、してやった仕事がエネルギーとして貯えられる例を見ましたが、もし、そのように貯えられていなかったらどうなるのか?
そういう時には熱が発生しているのです。

身近なところで
ゼムクリップなどの針金を、同じ場所で繰り返し折り曲げていると、やがて鉄がもろくなって折れます。このとき折れ口に触るとやけどするほど熱くなっていますよ。
摩擦熱もその例なんですね。

電子レンジではマイクロ波の電波のエネルギーが外見上消えます。
よく水分子が摩擦して発熱、と説明しますが、それはない。
水分子には「表面」というものがない。摩擦のしようがない。摩擦はマクロな物体の表面での出来事ですからね。
マイクロ波が水分子をまとめて揺さぶるんですね。その揺さぶりが個々の分子の運動エネルギーの増加になり、発熱として現れるのです。

●冗舌になりました。こんなところで了解していただけたでしょうか。
試験問題は自己採点でどうぞ。
おお思ったとおりだった。まあいい線いってたな。ちょっとまずったかな。見当はずれだった。
大雑把に採点してみて下さい。

金箔が青く透けて見える話↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/10/post-59d4.html
2009年10月15日 (木)「金箔」

金属箔の話しなど↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-a94c.html
2009年12月21日 (月)「おまけ」

是非ご覧ください。

鶴よ克て

2011.1.24付 朝日俳壇より
鶴よ克て濁世にひそむウイルスに:(東京都)吉田邦幸
 金子兜太評:出水の鶴への呼びかけ。

鶴は全滅はしないと思います。抗体を作ってウイルスに対抗しながら生きていくでしょう。
大昔から、ウイルスとの闘いは続いてきたのです。ですから、それはあるつり合い状態にある。
「濁世」とは「ヒト」が作りだした異様な世界のことでしょう。
ウイルスがいても別に濁世ではない。当たり前の自然の世界。
人間の欲望が世のあり方を濁している。
人間の欲望が自然界を変えてしまうほどに大きくなってしまった。
人間の一人として悲しんでいます。
私がもし、句をいじってよければ

鶴よ克て濁世にひそむ欲望に

となるでしょう。自然界の生物たちよ、人間の欲望に打ち克って生き延びておくれ、と。

牛殺し鶏も殺す

2011.1.24付 朝日俳壇より
牛殺し鶏も殺すか去年今年:(福津市)松崎佐
 金子兜太評:昨年は殊に牛や鶏のご難の年で惨酷極まりない。殺さない方法はないのか。

鳥の方はまだ知りませんが、牛の口蹄疫については殺さなくてすむ方法があるんですよ。

[論説委員室から 窓]生かすワクチン(朝日新聞 2010/11/29)
 宮崎で発生し、甚大な被害をもたらした家畜伝染病の口蹄疫。29万頭もの大量の家畜の殺処分をした日本の対応に「どうする・どうなる口蹄疫」(岩波書店)で厳しい批判の目が向けられている。
 著者は家畜伝染病対策の国際組織、国際獣疫事務局(OIE)の学術顧問を務める山内一也(やまのうちかずや)・東大名誉教授(79)。
 宮崎では感染拡大を抑えるため、健康な家畜にワクチンを接種し、その後に殺処分された。だが、欧米ではワクチン接種しても殺さなくて済むように、「殺すためのワクチン」から「生かすためのワクチン」に方向転換したという。
 きっかけは600万頭もの羊や牛が殺処分となった2001年の英国での大発生だ。抗体が自然感染によるものか、ワクチン接種によるものかが判別できるマーカーワクチンが実用化された。
 今夏、東京であった国際ワークショップで農林水産省の担当者が日本の対応策を発表後、座長を務める海外研究員が真っ先に質問した。「なぜ発生直後からワクチン接種をしなかったのか」
 実は宮崎で牛に接種されたのもマーカーワクチンだったが、抗体を識別する検査は行われないまま殺処分された。「欧州での研究の進展を生かした対策が実行されていれば、ワクチン接種牛の大部分は生かすことができた可能性がある」と山内さんは指摘する。
 欧州の事例を真正面から「他山の石」とし、日本が万全の備えをしていたならと惜しまれてならない。

ワクチンを接種して流行を食い止める。でも、抗体がワクチンでできたのか感染でできたのかわからないから、全部殺処分にする、という論理でしたね。
ところが上に引用したように、ワクチンでできた抗体か、感染でできた抗体かが識別できるようなワクチンが既にあるんですね。しかも、それを使っていながら殺したんですね。
動物が好きで、動物を生かすことを仕事にしているはずの獣医さんが牛を殺す最前線に立った。心的な障害をくらったのではないでしょうか。泣きながら殺したんじゃないでしょうか。辛すぎる。

上の記事に引用されている「どうする・どうなる口蹄疫」は岩波科学ライブラリーの175という本でして、2010.10.26発行、定価1200円という買い求めやすい本です。
私は入手して読みました。関心のある方はどうぞ。

●鳥インフルエンザに関しての知見は私にはありません。
ただ、ツルなどの野鳥がインフルエンザに感染しても、その場の鳥全部が死ぬわけではないですね。感染しながら免疫をつくって生き延びていくのでしょう。体の弱った個体、年齢の高い個体などが感染して死ぬのでしょうが、生き延びるやつもたくさんいる。それが遺伝的な多様性ということでしょう。決して全滅はしない。そうやって、人間の歴史を越える長さを生き延びてきているのです。
ところが、養鶏場では、自然界では絶対にあり得ない高密度で飼育され、遺伝的な系統もおそらくシンプルなものでしょう。肉や卵の質だけにこだわって選択されてきた品種なのではないでしょうか?ですから、ある個体が感染して死ぬとなると、おそらく全部が危険にさらされる。

言ってみれば、これはやはり、人間のせい、人間の身勝手のせいなのです。

人災。なのです。

捜し物

2011.1.24付 朝日俳壇より
捜し物上手になりし年の暮れ:(大牟田市)古賀昭子
 稲畑汀子評:忙しい年の暮れ。いつ手馴れたのか捜し物上手になった。

選者の評には少し違和感があります。
年越しに向けていろいろ片付け・掃除をなさったんでしょ。
家中すっきり。
1年間たまったものを片付けて見通しは良くなっっちゃたし、どこに何があるかみんな見ちゃったし
なんでも一目で見つけて見せるわよ、私って捜し物上手だわ、というような感覚を私は感じとっていますが。
軽味というのか、面白がる気分というのか、俳味とでもいうのかなぁ。
そういう感じじゃいけませんか。

開戦日

2011.1.24付 朝日俳壇より
開戦日即ち人を殺せよと:(倉敷市)森川忠信

そう、戦争とは国家の暴力の発動であり、その暴力は国の名のもとに正当化される。
戦争においては、殺人は戦功として讃えられる。

もう一つ、国家が正統性を与える暴力が殺人を実行することがあります。
死刑。ですね。
死刑は国家権力、国家暴力の発動です。
戦争と死刑以外の殺人は犯罪とされます。

その国家権力を発動させる判断を、一市民である「裁判員」が下すということには、私は納得がいきません。私は裁判員を拒否します。

空耳

2011.1.24付 朝日俳壇より
耳当てをして空耳を楽しめり:(群馬県玉村町)白石明男
 長谷川櫂評:どんな空耳なのだろうか。こどもの笑う声とか、ベンガル虎の吠える声とか。冬の青空から聞こえてくる。

どこから「ベンガル虎の吠える声」が出てくるのかよくわかりません。・・・?

「楽しむ」と表現されていますので、何か「意味を孕んだ音声」なのでしょうね。
私の左耳は軽度の難聴ですので、耳を塞ぐと普段意識していない耳鳴りが聞こえます。
気持ちのよいものでもないけれど、これは自分の音なんだよな、と了解しておりますので、外界からちょっと引っ込んで籠った世界を楽しむことはできます。

どういう空耳を聞いておられるのかな。

そら‐みみ【空耳】
①物音や声がしないのに、それを聞いたように思いちがうこと。幻聴。能因本枕草子祭りの頃は「忍びたるほととぎすの遠う―かとおぼゆるまでたどたどしきを」
②聞いて聞かないふりをすること。「―を使う」[広辞苑第五版]

②の使い方はしたことがありません。知らなかった。

2011年1月25日 (火)

ヒメヨコバイの仲間かな?

0112_4yokobai 2011.1.12
ビヨウヤナギの葉の上。
よくクロスジホソサジヨコバイを見かける場所です。
で、クロスジホソサジヨコバイはいないかな、とたたずんでおりましたら、似たのがいた。
その瞬間はあいつだ、と思ったんですが、「クロスジ」がない。
クロスジナシホソサジヨコバイかお前は、とぼやきつつ一枚撮ったらさようなら。

わからないんですけれど、ヒメヨコバイの仲間らしい。
検索すると「ハンノヒメヨコバイ」というのが似ています。
「ハンノ」というからには「ハンノキ」によく見られるということでしょうが。どうもなぁ。

わからないのですが、冬のこの時期に、新しい虫に出会うとは嬉しくって仕方ない私です。
単純ですね。

カニクサ

0112_1kanikusa1 2011.1.12
カニクサです。
シダの仲間なんですが、ネットを這いあがります。
去年までは確か冬は枯れていたと思うんですけれど、この冬は枯れませんね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%B5
ウィキペディアによりますと

長くのぼる蔓は、実は1枚の葉である。本当の茎は地下にあり、横に這い、先端から一枚の葉を地上に伸ばす。株が小さいうちは葉は短く、次第に長い葉を出すようになり、長いものは2mを越える。葉は日本では冬に枯れる場合が多いが、より温暖な地域では枯れずに残る。

とありました。
ところで、最初の写真、幅の広い葉を写してあります。
0112_1kanikusa2
成長するとこうなってくるわけですね。
あれ?なんです。
幅広い状態のところから、細かく分かれた細い葉をだして伸びていった、という感じではないような・・・。
幅広の状態を作っておいてから、細かく裂け目がはいって、分かれたという感じもしないではない。
そういう成長の仕方って「あり」か?
ヒトの胎児の手はまずグローブのように作られてから、指の間の細胞がアポトーシスで消えて指が形成されるんですが。

完全に追求できたわけではないし、そういう根気もないのですけれど、カニクサの成長の仕方になんだか引っかかってしまいました。

正月二日

2011.1.24付 朝日歌壇より
この度は忘れ物なく甥達の帰りて寂し正月二日:(水戸市)檜山佳与子

わぁ、忘れものしたぁ、と大騒ぎ。それがまた大変だけれど懐かしい、のですね。
にぎやかさが、後の寂しさを増幅する。
切ないことですね。

前向きな若者

2011.1.24付 朝日歌壇より
明るくて積極的で前向きな若者になる面接試験:(山形市)渋間悦子

それはまあ、面接試験に暗~い顔して行くわけにもいかないでしょうけれど。
なんだか、明るいだけで、のっぺりした感じでなあ、よくわからない。
リクルートスーツの方々をよく電車で見るのですけれどね。
車両が黒くなってるものな、ドキッとする。
個性を見せなきゃならないのに、没個性でいいのかね。

就職の話ではないのですが、世の中明るすぎませんか?
本屋へ行っても、どこにもいかがわしい雰囲気がない。本屋って、どこか暗い隅っこがあってもいいんじゃない?
勇気を与える、感動を与える、って、そんなもん与えてほしくないよな。願い下げだ。
歌だって、当たり障りのない、明るくって元気で、感動的で、励ましてばっかりで。
いい加減あほらしくなってきますよね。
エモーショナルな、心を揺り動かすような歌や言葉を聞いたら、逃げ腰になった方がいいですよ。そういうのに心動かされてるとあぶないんだから。

暗く、呪い倒すような歌が聴きたいなぁ。
北原ミレイ、浅川マキ、山崎ハコ、中島みゆき・・・呪いの巫女、呪いの女神みたいな方々の歌は良かったよなぁ。これでもか、これでもかと暗いの。
ああいうの聞いて暗く膝抱える青春ど真ん中もよくないですか?
「段ボールの中ヒキコモりっきり」。「ええいああ」の突き刺さる鋭さはいい。

明るくなければならない、って圧力を感じているのでしょうか?
明るく明るくって、気張ってると、疲れませんか?
明るさがあれば暗さもある、両方あっていいんんじゃない?

就活向きの話じゃなかったな。

水道の水

2011.1.24付 朝日歌壇より
家中の水道の水を念入りに抜きて年末任地を離れる:(稚内市)藤林正則
 永田和宏評:留守中凍結をしないようすべての水を抜いてから去る。北の厳しい風土での職務。

おそらく作者は学校の校長先生。
さすがに年末年始は赴任校を離れる。
ぎりぎりまで居て、学校を見まわったりして、正月も早く戻ってきて、学校を点検して。
おそらくそういう生活でしょう。
学校の水道も抜くのかな。
そんな気もしました。

昔話:東京でもずいぶん雪が降りました。
都立高校の入試の日には雪が降る、というジンクスもあったくらい。
ある冬、校舎の北側の土地に設置されていた受水槽の水が凍ってしまった。
水道をひねっても水は出ない。
化学の実験はできないな、と考えていたらもっと大事なことがあった。
トイレで用が足せない。
生徒は登校してくる、受水槽の脇で焚火をするけれど簡単には溶けない。
その日は確か、出欠だけ確認して下校させたのではなかったかな。
世田谷の北東のはずれの高校でそういうこともありましたっけ。

バアバ イナイ

2011.1.24付 朝日歌壇より
バアバ イナイ 小用に立つ吾が影を二語表現が探して歩く:(所沢市)若山咲

二語文ですか、二歳前後でしょうか。
単語だけだったのが、主語述語関係が把握されてくる。
どうしてあんな風に学べるのか、不思議でなりませんでしたね。
好奇心を原動力として日々成長していく。
親御さんは自分の携帯なんかに夢中になっていないで、対話してあげてほしいな。
言葉は常に相手に向かって話されるものであるべきです。独り言にさせてはいけない。
ほめ、正し、言葉のキャッチボールをすることが、一番大事なんだけどな。
電車の中なんかで哀しい風景も見ます。

言葉というのは概念ですよね。
ある時ある一匹の猫を見る。おかあさんが、にゃあにゃ、と教える。
次の時、別の猫を見る。にゃあにゃといってみる。そうねにゃあにゃね、といってあげる。
こんなことで、色々な種類はあるのに、猫を一般的に理解できる。
犬を見て、にゃあにゃといってみる、すると、あれはわんわんよ、と教わる。
次回からは、猫と犬が見分けられる。
どうやって見分けるんでしょう?
足4本、耳があって、尻尾があったりなかったり。
どうやって概念って形成されるのでしょう?
不思議だなぁ。

ただいま

2011.1.24付 朝日歌壇より
家刀自のなき家(や)はいかに寒からむただいまを二度言ひたまふとふ:(福岡市)宮原ますみ
 高野公彦評:妻を亡くした人の孤独を思いやる歌。作者も夫を亡くした人。

私はこの歌を読んだ瞬間、先週もご紹介した永田和宏さんの歌を思い出していました。
歌会始の選者としての作です。

青葉木莵(あをばづく)が鳴いてゐるよと告げたきに告げて応ふる人はあらずも

欠如の感覚。
長く生活を共にして、いつもそばに居るはずの人がいない。

なにげなく「ただいま」といってしまって、そうか、もういないのか、と思い、もう一回、いない人に向かって「ただいま」と意志をもって告げる。
そんな気がしました。

2011.1.24付 朝日歌壇より
ひゆんひゆんと己が周りに透明の繭を成しをる二重跳びの子:(可児市)前川泰信
 高野公彦評:「透明の繭」が縄跳びのスピードを鮮やかにえがき出している。

すごいですね。二重跳びが持続的に跳べるんだ。
女の子かなぁ、イメージとしては。
繭の中、しなやかな命というイメージ。
男の子だとやっぱり「力感」が強いかな。

たんぽぽ

2011.1.24付 朝日歌壇より
太陽の雫残して点々と街の余白に冬の蒲公英:(東京都)飯坂友紀子
 高野公彦評:寒々とした冬景色の中に、ほつほつと咲くタンポポの黄色。それを、「太陽の雫」と言ったのが詩的で温かい。

風はきさらぎ土に張りつくたんぽぽがその葉を少しずつ立てはじむ:(筑西市)斎藤絢子
 永田和宏評:春の訪れを立ち始めた葉に感じた所がいい。

タンポポ2首。
私の住む町ではまだタンポポは見かけていないようです。
黄色い色というと、ノゲシ、パンジー、スイセンでしょうか。
太陽の雫というのは素敵な発見ですね。

タンポポが土に張り付いているのは「ロゼット」といいます。
写真で見る植物用語という本から引用

 地上茎がごく短く、葉はすべて根ぎわから出る。この葉を根生葉(こんせいよう)というが、葉がついているのは短い茎である。根生葉が集中してつき、放射状に見える形をロゼットという。バラ模様(ローズ)からきた語。ロゼットの中心には芽(頂芽)がある。
 オオバコやタンポポは一生ロゼットで過ごす。花序をつけるときだけ花茎を立てる。

「風はきさらぎ」という表現の中味ですが、春をはらんだきさらぎの風、なのか、風はまだまだ春には遠いが、なのか、どちらなのかについて悩んでいます。

地獄谷温泉

2011.1.24付 朝日歌壇より
地獄谷温泉野猿公苑に冬日抱へて猿入浴す:(熊谷市)内野修

ヒトが誘導したわけでもないのに、ニホンザルが温泉につかりにくるので有名ですね。
この地域のニホンザルの「文化」なんですね。
文化が発生するには「まねる」という能力が必要です。
猫や犬には個々の能力は高くても、まねるということがない。文化にならない。
サルには文化がある。
ヒトだけの専売特許ではないのです。
オンリーワンだとかなんとかいってないで、まねることから始めるしきゃないでしょ、初めっから自分というものが確立しているわけじゃなし。まねることから自己が生まれ成長する。
なんだか、サル社会を見ていると、厳しい人間批判をつきつけられているように感じる私です。

●別件
 ところで、「芦野温泉 小さな物語」という本が出たらしいのですね。私自身にはなんの興味もないんですけれど、広告の文章が可笑しかった。(1月23日でした)

客室稼働率99%!なぜこんな山の中にヒトが集まるの?

カタカナで「ヒト」と書かれると、生物学的なホモ・サピエンスの和名のように感じます。
なるほど、ヒトというサルも温泉が好きなんだなぁ。
やっぱ、私らサルだなぁ
と笑ってしまいました。




コモモ

2011.1.24付 朝日歌壇より
年末の日差し明るき休日に吾娘連れて動物園にコモモ見に来ぬ:(横浜市)高橋幸穂
 佐佐木幸綱評:「コモモ」はいま人気の上野動物園の子供ゴリラ。年末年始のゆったりした時間が読める。

コモモちゃんのお母さんはモモコさんなんですよ。お父さんはハオコ。
コモモちゃん誕生の直後に、モモコがしっかり抱きしめて頬ずりしたり、あの愛情表現には心揺さぶられましたね。
12月にはお父さんも育児参加のチャンス。

イクメンで人気、ゴリラのハオコ 東京・上野動物園
(朝日新聞 2010年12月20日)
 東京・上野動物園で、「育児」をするオスのゴリラ、ハオコの「イクメン」ぶりが見物客の人気を呼んでいる。
 ハオコはニシローランドゴリラで17歳。昨年11月に生まれた娘のコモモと今春から同居生活を始めた。当初は、母親のモモコに守られた娘に触れるどころか、邪険にされることもあり、妻子の後をついて歩く日々が続いていた。
 しかしコモモが1歳になった先月頃から変化が出始めた。好奇心の赴くままに駆け回るコモモを、母親が別のメスゴリラに任せる場面が増えてきた。父のハオコにもチャンスが到来。近付いてきたコモモを抱きしめたり遊んだりして、精いっぱい愛情を注いでいる。

ゴリラの夫婦、親子の愛情をみていると、振り返ってヒトの残虐性が無性に哀しくなる。
なんで、ゴリラを食用に殺せるんでしょう?どうして?
殺人のような気はしないの?

2011年1月24日 (月)

夕空

0111_8kumo 2011.1.11
雨戸を閉めようと思って外を見たら、すごい眺めでした。
何枚か撮って、ペイントに貼り付けて、パノラマ写真風にしてみました。
面白いのは、雲が直交するように見えることです。
0111_8kumo2
流れは同じ方向なんでしょう、上空とその下で。
下の方の流れは右下から左上へと筋が見える雲を作っているのだと思います。
その上空の流れは、同じ方向に流れながら、上下に波を打っているのではないかな。
そのために、流れの方向とは直角な波打つ雲を作っている。
それが地面から重なって見えているのだと思います。

沈みゆく太陽が下から照らして雲の下面を輝かせています。
寒かったけれど、しばらく雨戸を閉めずに眺め入りました。

ネット

0111_4seitakaawadatisou 2011.1.11
セイタカアワダチソウを眺めていたら、こんなものに気づきました。
なんだろう?
ガの繭みたいでもあるけれど・・・。
中身はなくって、何だかわからないままですが。
繭にしてはスカスカだという気もするしなぁ。
わからないのでした。

ミノムシ

0110_4minomusi 2011.1.10
線路の柵にくっついたミノムシ。
このミノの中で、卵か幼虫かで越冬しているのでしょうか?
思い出しては眺めていますが、まだ変化なし。
年に何回お目にかかれるか、ごく稀になってしまったミノムシ、できれば孵化後の幼虫などみたいなぁ。

かかし先生の試験問題

●次の文章を読んで、質問に答えよ。

金沢箔 輝く職人技:1万分の1mmに宿る伝統(朝日新聞 2011.1.4)
 1万分の1mmの薄さ。かざすと光が透けて見えた。金箔の全国シェア99%を占める金沢箔の技を求め、地元金沢を訪ねた。
 金箔は、純金に微量の銀と銅を加えた合金を、何度も打ち延ばし、薄くして製造する。
 伝統工芸士の熱野さんは箔打ち48年。薄い合金の小片を、19cm四方の「箔打ち紙」と呼ばれる紙と紙の間にはさみ。これを1800枚重ねる。厚さ約6cmのその束を牛革の袋に入れ、1分間に700回連打する機械でたたく。束を握って、まんべんなく当たるように打つ場所を微妙にずらす熱野さんの手の動きが肝だ。
 たたいては冷ます作業を2日間で20回ほど繰り返すと、千分の1mmだった薄さが1万分の1mmに。大正時代に箔打ち機が発明されるまでは、槌でたたいて延ばしていた。「熱を帯びて、金の表面はプチプチと泡立つ。細かい泡がたくさん出てきたらいい按配やわ」と熱野さん。
・・・
10円玉の大きさの金をたたくと、3.75畳分まで延ばせる。
・・・

問い:記事を読むと、金の小片を叩くと発熱するらしいことが分かる。なぜ「叩くと発熱するのか」?。自分自身の考えを述べよ。

ハイ、答えは後回し。しばらくご自分で考えて下さい。

クニマス

理科話を一席。

●去年の12月に秋田県の田沢湖では絶滅したクニマスが山梨県の西湖で発見されたというニュースが報じられました。

クニマス絶滅してなかった! 生息確認、さかなクン一役(朝日新聞 2010年12月15日)
 環境省のレッドリストで「絶滅」扱いになっている日本固有の魚クニマスが、山梨県内の湖で生き残っていたことが、京都大学の中坊徹次教授らのグループの調査で分かった。生息の確認は約70年ぶり。国のレッドリストで絶滅種に指定された魚が再発見されたのは初めて。環境省は今後、レッドリストの記述を見直す方針だ。
 クニマスはもともと、秋田県の田沢湖にのみ生息する固有種で、成長すると全長30センチほどになる淡水魚。食用魚として漁業の対象にもなっていた。だが、1940年以降、発電などのための導水工事で田沢湖に酸性の水が入り、まもなく死滅。地球上から姿を消したと考えられていた。
 クニマスの生息が確認されたのは富士山に近い山梨県の富士五湖の一つ、西湖(さいこ)。今年3月から4月にかけて西湖で地元漁協が捕獲した通称「クロマス」と呼ばれる魚9匹を中坊教授らが分析した。
 全体に黒っぽい体色だけでなく、エラの構造や消化器官の形などがいずれもクニマスと一致した。1~3月に産卵するという生態も、過去に記録されていたクニマスの生態と同じだった。また、遺伝子解析の結果、西湖に生息するヒメマスと異なり、ヒメマスと交雑したものでないことが裏付けられた。近く、クニマスの生息確認を報告する論文が、学術専門誌に掲載される見通しだ。
 中坊教授が今年2月、研究者としての好奇心もあり、旧知でテレビなどで活躍する東京海洋大学客員准教授のさかなクンに、生き生きとしたクニマスの姿を絵で再現するよう頼んだのがきっかけだった。さかなクンが絵の参考にと近縁種のヒメマスを西湖から取り寄せると、黒一色の魚が届いた。
 田沢湖で絶滅する5年ほど前、放流用にクニマスの卵が10万粒、西湖に運ばれた記録がある。このとき放流されたものが繁殖を繰り返し、命をつないできたとみられる。
 西湖では以前から、ヒメマスに似て体色が黒っぽい魚がおり、「クロマス」と呼ばれていたが、地元では「黒いヒメマス」と考えられていた。
・・・

●玉川毒水、田沢湖の酸性化、中和事業、などは高校化学の教材として手頃なので、在職中いつも酸・塩基・中和のところで使っていました。
 田沢湖に流入させた玉川温泉の水はpH約1.3という強烈な酸性です。成分は塩酸。
それに対して、もう一つすごく有名なのが草津温泉の酸性水。これは硫酸酸性です。石灰乳で中和して、品木ダムで沈殿させるというような話も、NHKの教育番組から録画して生徒によく見せました。

詳しいことは下のサイトでどうぞ。
http://www.ktr.mlit.go.jp/sinaki/various/k-tamagawa.html
http://www.ktr.mlit.go.jp/sinaki/various/k-yukawa.html

●その後、1996.2.8付の朝日新聞記事で「秋田・田沢湖町 クニマス探しに賞金100万円」というのがありました。
また1997.9.15付の朝日新聞記事には「『幻の魚』に懸賞金」という記事が載り、賞金500万円だという話でした。「WANTED」という手配ポスターまで作ったということでした。

 

このような記事はその都度生徒に授業通信という形で配布し、実際に酸・塩基の授業にかかると再度プリントしたりしたものです。

●こういう「手配」が行われるようになったということは、中和が進み、クニマスがもし見つかったら、田沢湖に連れてくれば生息可能になったのだな、と思っていました。
 ところが、今回のクニマス発見騒動で明らかになったことは、そうではないということでした。がっかりですね。

クニ帰り、できマスか…秋田・田沢湖、酸性水の流入続く(朝日新聞 2011年1月4日)
・・・
 クニマスなど淡水魚の生息に適したpH値は6.7~7.5とされ、これまでも水質改善の動きはあった。89年、国は玉川上流に石灰で中和する施設を建設。その結果、湖水のpHは70年ごろの4.2から、98年は5.7まで回復した。しかし、玉川温泉の酸度は、火山活動の影響で変化する。原因は不明だが、02年ごろから過去90年で最も高くなっており、湖水の09年のpHも5.2に下がっている。
・・・

 pH5.2はpH6.7に対して水素イオンが約30倍濃いということです。まだまだ生息可能にはなりませんね。

 クニマスは西湖でひっそり生き続けてもらうのが一番でしょう。
秋田県のどこか、人工的な水域で飼育することができるならそのようにして、田沢湖の中性化を待つのも手かもしれません。
自然の湖へ放してはいけません。その湖の在来の生態系に対する「外来種」の撹乱ということになりかねませんから。

 クニマスに関して色々な観点から書いてみたいという気はあるのですが、今回は、かつて化学教師として教材に使っていたという立場をメインにして書いてみました。

●計算に関して
Siki1
単純化すると、pHの定義はこうです。
水素イオン濃度の常用対数をとるということは、簡単にいえば、濃度の「桁」をとることなのです。小数点以下何桁目から数字が現れるか、という桁がわかります。
小数の桁ですから、1つ変われば10倍、1/10という変化に相当します。
また、小数点以下の話をしていますから、数字が大きい方が水素イオン濃度は小さいのです。
Siki2
対数の定義から、水素イオン濃度そのものを求めるにはこう変形します。
で、pHのところに5.2と6.7を入れ、濃い方を薄い方で割って、何倍濃いのかの倍数を求めてみます。
Siki3
こうなります。
電卓で10の1.5乗を計算すると、31.6位になります。
ところで、この場合、うまいこと見積もりがしやすい数字になっています。
Siki4
「ルート1000」なんですね。30の自乗が900ですから、まあ、そんなもんでしょうということで、約30倍としました。
湖のpHの議論ですからこの程度の見積もりで十分です。

ちょっとノートの端にメモして計算してみるのもいいことです。

ユスリカ

0110_3yusurika 2011.1.10
虫さんというと、ハエ、ユスリカあたりですねぇ。
けっこう、ふわぁ~んと飛び回っています。
種は特定できません。でも、多分メス。
さすがに、ちょっとしがみついている、というとまり方ですね。
ユスリカ一匹で幸せ気分になれるこの頃です。

ドウダンツツジ

0110_2doudantutuji 2011.1.10
ドウダンツツジの冬芽が少しずつ伸びて立ち上がってきていますが。
花は咲かない気配かなぁ。
まあいいや、あの美しい緑を楽しませてくれるんだから。

テッポウユリ

0108_8teppouyuri 2011.1.8
トクサの間のテッポウユリ。
実生です。
ちょっと窮屈そうな気もしますが、移動させるチャンスをちょっと失ったな。
今年はまたここでお願いします。
ユリの葉って、何となく気品がありますよね。
これから伸びて1mくらいにはなります。
すくすくと。すこやかに、どうぞ。

庭のスイセン

0112_2suisen 2011.1.12
前の記事のスイセンは線路際の日当たりのよい場所のスイセンです。
この写真のスイセンは庭の中、ちょっと日当たりが良くないなぁ、という場所。
でも、静かに成長しています。
0113_4suisen 1.13
口が開いてきましたよ。
0114_3suisen2 1.14
ぽっ。
ラッパスイセン「セット」が見えますね。メシベがちょっと見えないけれど。
0114_3suisen1
上から見るとこういう開き具合。
0117_1suisen 1.17
開きました。
この花もちょっと茎が細いのかな、支えてやらないと倒れます。
がんばれよ。

スイセン

0108_6suisen 2011.1.8
これも絞り全開、f3.5。シャッタースピードは1/500秒。
レンズの描写力、というのでしょうか、大型の明るいレンズで絞らずに撮影すると、きめ細かい映像になります。
昔、6×6版のゼンザ・ブロニカなんていうカメラはすごかったですね。
趣味人の同僚のカメラを使わせてもらったことがありますが、プロの味ってこういうものか、と驚きました。お値段が高くってとても手の出るカメラではなかったですが。

今年、スイセンはまだ咲き揃ってきません。
ぽつん、ぽつんと咲くのですが、花が重くて倒れてしまう。いつもはこうじゃないんだけどな。
たくさん一斉に並んでたくましく咲いてくれるといいのですが。

アブラムシ

0108_5aburamusi 2011.1.8
さすがにもうアブラムシも減ってきました。
私の使っているマクロレンズの絞りを全開にして、どんなボケ具合になるのか、楽しんでいます。真剣に虫を撮りたい時は、絞りを11とか14とか絞り込んで、被写界深度の深さを利用しますが、今は、すこし「遊び」の時期。
絞りは3.5。高級なレンズだと2まで開けるんですが、わたしのはここまで。

いわゆる「ボケあじ」というやつですね。

ナンテン

0108_3nanten 2011.1.8
ナンテンの葉です。
Nanten
位置関係がわかりにくいかな、と概念図にしてみました。
たまたまこういう光線の射し方になったものだから、葉の半分だけが輝いて見えるわけです。
この時間帯だけの光景です。

ニンジン

0107_h_ninjin 2011.1.7
白山神社の境内の端っこ。
小さな「畑コーナー」がありまして、ジャガイモだったり大根だったり、時々に何か栽培していらっしゃいます。
もう引き上げようという時に覗いたら今回はニンジンですね。
ほぼ横からの写真になりました。
毎週金曜日あたりにこの辺を走るので、翌週、また撮影。
0114_6ninjin1.14
今度は上から。
どうもね、この葉っぱを見ると、キアゲハが来るなぁ、と思ってしまうんですよ。
ニンジン、パセリ、その他セリ科植物を植えておくと、キアゲハが来ます。
横じま模様のかわいい幼虫ですので、ご家庭でもトライしてみて下さい。
もし、おやりになるのなら、人間の食卓にあげることはほぼあきらめて、殺虫剤や農薬を使わないことです。それと、終齢幼虫の食欲はとんでもなく旺盛ですので、プランター一つくらいでは餌不足になるかも。そのあたりに注意すれば、きれいなチョウが舞いますよ。

ネコジャラシ

0107_h_nekojarasi1 2011.1.7
白山神社で見かけたネコジャラシ。
やたらと背が低い。10cmあるかなしか。
穂も短いけれど。
0107_h_nekojarasi2
こういう現れ方するんでしたっけ?
なんだか、自信を失ってしまう。

背の低いエノコログサの仲間ってあるんですか?

2011年1月21日 (金)

芽生え

0107_h_mebae 2011.1.7
何の芽生えか?
白山神社にて。
下の方に種子の皮が残っていて、その上に双葉があって、更に本葉が出てきたところですね。
マメ科という気もするんですが、違うかな。
以前この辺りにはエンジュがあったはずですが、いつの間にかなくなってしまった。
ひょっとすると、鳥がエンジュの豆まきをしたのかな、とも想像しますがわかりません。
大きくなりそうだと刈り取られてしまうかもしれませんね。

コブシ

0107_h_kobusi 2011.1.7
光線がちょうどこの時いい具合の逆光になりまして。
輝いています。
白山神社前の歩道の街路樹です。

ホトケノザ

0107_h_hotokenoza2 2011.1.7
これホトケノザですよね。
白山神社にて。

↓でもってこれは?
0107_h_hotokenoza1
葉のつき方が違うような気がするんですが。
そうであるなら、なんだろう?ヒメオドリコソウ?

悩んでいます。

メタノール事故

前の記事で、レチノールという分子をレチナールという分子に酸化して視覚に使うという話をしました。
一般的な形で書くとこうなります。
Oxidation1
Rと書いたところは炭化水素の鎖です。
端に-OHがあると「アルコール」です。
この-OHのHと炭素についているHを引きぬくと右のアルデヒドになります。
水素を引きぬくことは酸化です。で、この反応をする酵素は「アルコール脱水素酵素」といいます。
お酒のアルコールは、Rのところが「CH-」のエタノールです。
お酒を飲むと肝臓でエタノールに脱水素酵素が働いて、アセトアルデヒドに変えます。これは有毒ですが、すぐ死ぬというほどでもない。で、飲み過ぎるとアセトアルデヒドがたまって「二日酔い」になります。二日酔いのおじさんの息が臭い、熟柿臭とよくいいますが、あれがアセトアルデヒドです。
アセトアルデヒドは更に酸化されて酢酸になり、更に酸化されて二酸化炭素と水になって消えてゆくわけです。

さて、間違ってRが「H」であるようなメタノールを飲むとどうなるでしょう。
やはりアルコール脱水素酵素が働きます。
Oxidation2
すると、ホルムアルデヒドが出来てしまうのですね。
ホルムアルデヒドの毒性は強い。
ですから、メタノールを飲むと中毒しますが、その毒性のメインはこのホルムアルデヒドなんです。

さらに、前の記事での話を思い出して下さい。目の網膜ではレチノールというアルコール分子をレチナールというアルデヒドに変えて視覚に利用しているのでした。ですから、網膜にはアルコール脱水素酵素がいっぱいあるのです。
メタノールを飲むと、網膜のところで、アルコール脱水素酵素が働いてホルムアルデヒドという毒物にしてしまいますので、失明する、ということなのです。
メタノールを飲むと、失明する、ひどいときは死ぬ、というのはこういうことだったのですね。

北方領土・水晶島でメチル酒盛り、露の4人死亡(2011年1月5日 読売新聞)
 ロシア通信は5日、北方領土・歯舞群島の水晶島で先月31日夜、露水産加工会社に勤める現地駐在のロシア人23人が有毒のメチルアルコールを飲み、4人が死亡、15人が救急ヘリで国後島に搬送されたと報じた。
 同通信によると、社員らは年越しパーティーのために集まり、うち1人が持参した缶入りメチルアルコールを飲み、中毒症状になった。水晶島に定住者はいないとされるが、露国境警備隊員や水産加工会社の社員が交代で駐在している。

この後の報道はありません。命が助かっても失明したかもしれません。
心配ですね。

私のホームページでこのメタノール中毒や事故の話を書いてあります。
関心のある方はご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-3/redox/meth_tox.htm
これは「メタノールの毒性」

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-3/methanol.htm
これは「メタノール事故」

http://homepage3.nifty.com/kuebiko/biology/chptr_1/1-1-3/redox/redox.htm
これは「有機物における酸化還元反応」
についてです。

また
http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q52.html
ここも、「ロドプシン」にくわしいサイトです。














なぜ光が見えるのか?

 前の記事のトランス脂肪酸の話で、二重結合に関する、シスとトランスについてお話ししました。
 今回は、私たちの視覚の話をしましょう。
私たちの網膜の中で非常に鋭敏に明暗を感じる桿体細胞という視細胞には「ロドプシン」という物質があります。
このロドプシンは「オプシン」というたんぱく質が「シス-レチナール」という物質を抱え込んだ複合体です。

最近はあまり聞きませんが、ビタミンA欠乏による「トリ目」という、暗いところで視力が低下する病気がありました。ご存知でしょうか。
ビタミンAは、ニンジンなどのカロテノイドという赤い色素分子を半分に切った分子です。
Retinal
上の図でretinolと書いた分子がそうです。
この分子の端っこの-CHOHをーCHOに変える(酸化する)とretinalという分子ができます。(アルコールをアルデヒドに酸化する)。
見てわかるように、二重結合がたくさんあって、全部トランスの位置関係にあるので、ジグザグしながらも真っすぐな分子です。
この分子を、酵素がエネルギーを使いながら、一カ所だけ「シス」にして曲げます。
Cistrans_3_2

 安定なトランスから不安定なシスに変形するのですからエネルギーを入れる必要があるのですね。
こうしてできたシス-レチナールはオプシンというたんぱく質のポケットにすっぽりはまり込むのです。これが「ロドプシン」です。

 さて、瞳を通して光が入ってきました。光がシス-レチナールに吸収されると、光のエネルギーで二重結合部分が活性化状態になり、安定なトランス-レチナールになって真っすぐになってしまいます。すると、オプシンのポケットに納まっていられなくなります。ロドプシンがオプシンとトランス-レチナールに分かれてしまいます。すると、オプシンが変形します。
 この変化が視細胞の興奮を引き起こして、光を受けたぞ、という信号を視神経を通して脳へ送ることになるのですね。

真っすぐになってしまったトランス-レチナールはまた酵素が捕まえて、エネルギーを注ぎ込みながら、シス-レチナールへと折り曲げて、オプシンに納めて、また使うのです。

私たちの「視覚」が、分子の曲がった伸びたで行われているというのは面白いことですね。

ところで、このロドプシンの親戚分子が、古細菌の高度好塩菌という菌のプロトンポンプとして働いていることが明らかになっています。バクテリオロドプシンというのですが、曲がった分子が光を受けて真っすぐになる、という変化を利用して、水素イオンを細胞の中から外へ汲みだす仕事をしています。光のエネルギーを水素イオンの濃度勾配という形に変換しているのですね。さらに、この水素イオンの濃度勾配を利用してエネルギー通貨分子ATPを作るのです。

生物というものが遺伝子を使いまわして、いろいろと利用するという不思議。
我々真核生物の親戚である古細菌もそれを持っているという不思議。

生物って面白いですね。
(化学って役に立つなぁ。)

http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q52.html
「ロドプシン」にくわしいサイトです。

トランス脂肪酸

2011年1月 6日 の「自然発火」という記事の中で

 植物油の分子内には炭素と炭素の「二重結合」が、動物の脂肪分子よりも多くあります。二重結合が多いと融点が下がり常温で液体の油となります。
そして、二重結合の部分は単結合より不安定で、空気中の酸素が結びつきやすいのです。

こう書きました↓
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-e027.html

 生物たちはきっと、生活温度の範囲で、油脂を液体にして体内を移動させるために融点をコントロールしているのでしょうね。
   {蛇足:「油」は「さんずい」ですから液体の油を指し、「脂」は「にくづき」ですので動物の脂を指すのだと思います。}

 融点の低い液体の油のままではマーガリンなどになりません。そこで、「水素添加」略して「水添(すいてん)」という反応を行います。ニッケルを触媒として180℃くらいで水素を加圧して反応させると炭素原子間の二重結合に水素が付加して単結合に変わり、二重結合が減る結果、融点が下がります。
このようにして「植物油原料のマーガリン」が作られるのですね。
「植物性だから(動物性のバターより)体に優しい」というようなイメージ宣伝がなされたわけです。
私は授業の中で、原料は植物油でも、反応後のものは植物油ではないのだから、その物質の性質で判断すべきなのだ、ということをいつも言っていました。

「もののことは ものにきけ」 これ化学の基本です。

「植物は優しい」というイメージは捨て去りましょう!(嘘なんだから)

 水素添加の反応時に、すべての二重結合がなくなるわけではありません。反応条件や時間などをコントロールして使いやすい融点にするわけですが、二重結合も残ります。
二重結合は残るのですが、高温での反応なのでこの二重結合に別の出来事も起こります。
Cistrans
 この図を見て下さい。一番単純な形で描いてみました。
二重結合を軸とする回転はできません。ですから、二重結合をはさむ炭素原子から出る4つの結合の手は同一平面内にあることになります。このときRに対してRの位置を「シス(cis)」といい、Rの位置を「トランス(trans)」といいます。
「シス」というのはラテン語で「こちら側」という意味で、「トランス」は「横切って」という意味です。{実は、厳密な話をすると、単純にシス、トランスだけでは済まない問題があって、もっと厳密な用語を定義しますがここでは触れません。}

 さて、Rに対してRは近いですよね。ですから、RとRがかさばるものである場合、邪魔しあって不安定です。
それに対してRは遠いので、かさばっていても余り邪魔にならず安定です。
そのため、シスの関係にある化合物が高温にさらされた場合、二重結合のうちの一本がいったん切れて回転し、安定なトランスになってもう一回二重結合が復活する、という変化が起きうるのです。
Cistrans_3
 イメージ図です。縦軸がエネルギーで上の方が高く下の方が低い。
シス型の方がトランス型よりエネルギーが高くて不安定ですが、途中の活性化状態という高エネルギー状態を経由しないと移り変わることができません。水素添加反応の反応条件下ではこの活性化状態を越えることができるものがあって、シスはより安定なトランスに変化してしまうことができるのです。(逆向きにトランスからシスへの変化だって不可能ではないけれど、確率的に安定な方への変化が多くなります。)

植物油などでは、健康によいとされるシス型の二重結合があるのですが、水素添加反応の際に、トランス型に変わってしまうことがあるのですね。

これが「トランス脂肪酸問題」というやつです。
要約すると、トランス脂肪酸はマーガリンや調理用植物油、菓子などに使われるショートニングなどに含まれ、「トランス脂肪酸」の取りすぎには健康リスクがある、という話ですね。

 この話、今度は逆にマーガリンはやめよう、みたいになってしまったわけですが、まだまだ完全な結論に至ったわけではないことも意識しておきましょう。摂取する油脂の絶対量だって問題なんだし、健康リスクというやつも大規模な疫学的な研究がなされたとも聞いていない。まあ、あんまりとりすぎるのは良くないかな、程度でいいですよ。
なのに、また、センセーショナルな動きが出てきた。
セブン&アイが「トランス脂肪酸殲滅作戦」に出た。

トランス脂肪酸含む商品、店に置かず セブン&アイ方針(アサヒ・コム 2010年12月26日)
 小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスは、動脈硬化などとの関係が指摘されているトランス脂肪酸を含む商品を、原則として売り場には置かない方針を明らかにした。まずはコンビニエンスストアなどでの自主企画(プライベートブランド)商品での全廃を目指す。政府の規制に先駆けての大手の判断は、ほかの小売りや外食チェーンにも影響しそうだ。
 セブンは、いち早く全廃の方針を打ち出すことで、食の安全への取り組みをアピールしたい考え。「全廃」実現には、風味の低下やコストの増加といった課題はあるが「長い目で見れば、顧客の支持を得られる」と判断した。
 セブンは、コンビニやイトーヨーカ堂で扱うパンや菓子などの自主企画商品で、数年前からトランス脂肪酸の低減を進めてきた。しかし商品の一部には残っているものもあり、鈴木敏文会長は「自社で開発している商品では基本的に使わずに、ゼロに近づけていく」と話す。
 生産を委託している食品メーカー側に、トランス脂肪酸を含まない油脂への転換などを求める。他の脂肪成分がかえって増えないように、食品成分のバランスにも配慮するとみられる。
 さらに、自主企画商品以外でもできるだけ削減するよう、メーカーへの協力要請を強める方針だ。
 欧米では、食品に含まれている量の表示義務化や、油脂中の含有量の制限といった規制が始まっている。日本でも消費者庁を中心に、表示の義務化が検討されているが、動きが欧米よりも遅れていると指摘されていた。

やりすぎ!です。

善玉と悪玉に分けて、悪玉を殲滅する、というのはまあ大抵の場合に間違いですね。
適当に混じっていていいんです、っ。
 下手すると今度は、善玉トランス脂肪酸ゼロは健康によい→たくさん食べても大丈夫→油脂の過剰摂取 なんてことになるんだから。
善玉はあらゆる局面において善玉だ、なんて信じちゃいけません。
「程」というものがある。バランスが必要だ。
善玉も過ぎれば悪さをするんです。

まあ、こんなところを基礎知識として知っておいて、適当な量をおいしく食べていればいいのです。
ほどほどに、バランス良く。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%83%B3
「マーガリン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8
「トランス脂肪酸」
どちらもバランスの良い解説です。
参考になさってください。

2011年1月20日 (木)

ツバキ

0107_4tubaki 2011.1.7
ツバキのつぼみなんですが
0112_6tubaki
なんだか変ですね。
今年はこういうのが目立つ。
つぼみはきれいなのに、開くと花弁の縁がぼろぼろ。
どうしてだろう?
まだ完全な形の花に出合っていません。
妙だな。

あったかいニャン

0104_6chako 2011.1.4
ボンネットの上はあったかいニャンとおっしゃっております。
高級車のオーナーでしたら、頭に血が上りそうですね。
純毛でほこりを払ってくれていると笑って下さい。
前のマーチより丸っこくて滑るんですが、なんとか落ち着けるポジションをみつけたようで、猫日和を楽しんでいます。
ふわふわチャコちゃんのよいお顔で、なごんでください。

ツマグロキンバエ

0104_5tumagurokinbae 2011.1.4
サザンカのオシベの林の中に突入するツマグロキンバエ。
これが1月上旬。

記事を書いている今日はもう20日。
サザンカの花も終わりました。ツマグロキンバエを見かけることもないようです。
両方、このあたりがほぼ限界だったようです。

フウセンカズラ

0104_4huusenkazura 2011.1.4
フウセンカズラの実。
有名なハート模様。
サルの顔という見立てはいかがでしょう?うけないか。
ところで、この白いところにプチっと出っ張りがありますよね。これがこの実の「へそ」です。
ここから栄養を送ってもらって成熟しました。
そんなところも見てあげて下さい。

ヒガンバナ

0104_3higanbana 2011.1.4
現在のヒガンバナの姿。葉の緑がきれいです。
光合成をして、花に備えて栄養を蓄えているのでしょう。

ところで、日本のヒガンバナは球根で増えていて種をつけないのが原則になっていますが、これは生物としてはおかしなことです。
池田清彦 著「オスは生きてるムダなのか」角川選書 469
という本を読んでいましたら、こんな記述がありました。

・・・
日本のヒガンバナは単為生殖をしており、そのうち滅びるのではないだろうか。中国から日本に輸入されて1000年余りしか経っていない。中国には有性生殖をする2nのヒガンバナがある。日本のヒガンバナは3nのクローンで、球根で増えていくから種をつけない。僕はあと数万年もしたら滅びるのではないかと思っている。
・・・
(遺伝子に)損傷がたまったヒガンバナは、生まれてこないが、ほかにたくさんのヒガンバナがあるので、無傷の系列が保たれるのだろう。いつか種の種の全部がダメになるときがくるかもしれないが、それは確率の問題で、母集団の大きさともかかわりがあるため、そう簡単には滅びないのだろう。植物の場合は個体で1万年も生きるやつがいるから、クローンだとしても数万年の寿命は保つことが出来るのかもしれない。
・・・

数万年後ヒガンバナは滅びるかもしれませんが、確実にいえることはその時人類はもう絶対にいない、ということでしょうね。
生物の歴史的な変化を考える時には、万、億の桁の年月を考える必要があります。
確かになぁ、そういう感覚で見たら、ヒガンバナが数万年後に滅びるとしても、あっという間の絶滅、ということなんですよね。

ところで、動物の方で、ゾウムシにはどういうわけか単為生殖だけで生き続けているものがいます。(アブラムシは単為生殖と有性生殖の両方をつかってますから、この話の外です。)
身近なところで、私のブログにもなんどか登場しましたが、スグリゾウムシ。
日本にはスグリゾウムシはメスしかいなくて、単為生殖で維持しているようなんですよ。
これも、生物学的な時間、万年、十万年、百万年という長さの中では滅びるんでしょうね。
遺伝子の多様性が生じてきませんものね。

これを知った時はちょっとショックだったな。

アカマンマ

0102_13akamanma 2011.1.2
一株だけ鮮やかな色を見せています。
正式にはもちろん「イヌタデ」。
早目に消える株、頑張って残っている株、植物も個性的です。
それが遺伝的多様性でもあるのでしょう。
日本全国、遺伝的に均一なソメイヨシノが、一斉に咲き、一斉に散るのとは大違いです。
いろいろあるほうが健全でいいですよね。

うろぼろす

最近の読書から。

「珍獣の医学」田向健一(田園調布動物病院長) 著、扶桑社、2010.12.31初版発行
176ページ

 ・・・
 ヘビの誤飲はウンチと一緒に出るか吐くかすることが多い。以前、自分の尻尾を飲み込んでしまったマヌケなヘビがやってきたが、これもしばらくすると吐き出した。
 ・・・

これ読んで大笑いしてしまいました。
この動物病院「エクソティック・アニマル」に強いんです。我が家から比較的近いし、また、一度相談にのってもらったこともあって、本を見つけて早速購入、一気に読みました。
本当に自分の尻尾をのむなんて、そんなことがあるんですねぇ。感動した!
もし、このヘビ、自分の尻尾をどんどん呑み込み続けたらどうなったんでしょうね?

●実は、自分の尾を呑むヘビのことを「ウロボロス」というのです。
最近のところでは、村山斉 著「宇宙は何でできているのか」幻冬舎新書、で「世界は『ウロボロスのヘビ』」というような話がありまして、「自分の尾を呑むヘビ」の図案を広告でも見かけます。
ウィキペディアから引用します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%82%B9

ウロボロス(ouroboros, uroboros)は、古代の象徴の1つで、己の尾を噛んで環となったヘビもしくは竜を図案化したもの。
語源は、「尾を飲み込む(蛇)」の意の「古典ギリシア語:δρακων)ουροβóρος」(〈ドラコーン・〉ウーロボロス)。その後は、同じく「尾を飲み込む蛇」の意の「ギリシア語: ουροβόρος όφις」(ウロヴォロス・オフィス)と表現する。
象徴的意味:ヘビは、脱皮して大きく成長するさまや、長期の飢餓状態にも耐える強い生命力などから、「死と再生」「不老不死」などの象徴とされる。そのヘビがみずからの尾を食べることで、始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的意味が備わった。
    * 古代後期のアレクサンドリアなどヘレニズム文化圏では、世界創造が全であり一であるといった思想や、完全性、世界の霊などを表した。
    * 錬金術では、相反するもの(陰陽など)の統一を象徴するものとして用いられた。
    * カール・グスタフ・ユングは、人間精神(プシケ)の元型を象徴するものとした。
他にも、循環性(悪循環・永劫回帰)、永続性(永遠・円運動・死と再生・破壊と創造)、始原性(宇宙の根源)、無限性(不老不死)、完全性(全知全能)など、意味するものは広く、多くの文化・宗教において用いられてきた。

というわけです。

●さて、中島らもさんが朝日新聞で「明るい悩み相談室」というのをやっていたことがありました。
で、ヘビが自分の尾を呑んだらどうなるんだろう?考え始めると眠れなくなる、という相談に対して書いた答えは確か

「輪になったウンチが残る」

というものだったと思います。
印象に残るなぁ。これ大好きですね。

●さてまた、別の関わりもありまして。
私の専門の化学。ベンゼン。六角形の輪。
苦手だった方も多いかな。
あの六角形の構造にまつわる逸話があるんですよ。
またウィキペディアから。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%B3

ケクレが夢の中でヒントを得たとされている。猿が手を繋いでいたとか、蛇(ウロボロス)が自分の尻尾を噛んでぐるぐる回っていたなどといわれているが、その真偽については疑問が持たれている。

ケクレの夢については、下の記事が詳しいので関心がおありでしたらどうぞ。。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%82%AF%E3%83%AC

化学の授業で生徒によくこういう話もしたものです。化学の本からサルやヘビのイラストをコピーして配りましたっけ。

●さて、最後に。
都立明正高校で「生活化学」という文系の生徒のための3年生の選択授業を持ちました。
生活にかかわりのある化学ということで、光と色とか、農薬とか、食品添加物とか、化粧品とか、洗剤とか、喫煙とか・・・。
いろいろやりました。で、授業の副教材として、大量のプリントを配布しましたね。
とにかく、授業本体も大事だけれど、視野を広く持ってもらいたくて。
で、そのプリントの題名が「うろぼろす」平仮名でね。
化学っぽくないようでいて化学っぽくて、錬金術だったり現代の化学だったり、いろいろ総合的に考えてほしくって、シンボルとしてふさわしいかな、と使った題名でした。5年間くらい出したのかなぁ。ちょっと記憶が定かではなくなってきましたが。
この授業を作るのにはずいぶん勉強したよなぁ。授業づくりが大好きな私の、記念になる「作品」でしたね、この授業は。
楽しかった思い出です。

2011年1月19日 (水)

セイタカアワダチソウ

0102_10seitakaawadatisou 2011.1.2
逆光で輝くように撮ってみました。
もう線路際の植物もごく少なくなっています。
この後は、足元の草たちの成長に目を移さなければいけませんね。
ちょっとかがまなくっちゃな、しんどいけど。

ダンダラテントウ

0102_9dandaratentou 2011.1.2
セイタカアワダチソウの中にダンダラテントウ。
ここではアブラムシは見かけないのですが・・・。
越冬中の暖かい日差しに姿を見せたのでしょうか。
体力を無駄に浪費しないでね。じっとして冬を越した方がいいよ。

ヒメナガカメムシ幼虫

0102_8himenagakamemusi1 2011.1.2
前の記事でのヒメナガカメムシの幼虫は、撮影時には気づいていなかったのです。
で、移動して、セイタカアワダチソウのところへ来たら、これはちゃんと見つけたヒメナガカメムシの幼虫。
0102_8himenagakamemusi2
もう種子はほぼ完全に熟していますから、あまり「ごくごく」と飲めるとも思えませんが、頑張ってます。
この日の後は見かけなくなりました。無事を祈ります。

アブラムシ

0102_7aburamusi1 2011.1.2
アブラムシも頑張ります。
写真上の方、真ん中よりちょっと右には、カメムシの幼虫もいます。ヒメナガカメムシの幼虫でしょう。
0102_7aburamusi2
翅の輝きがきれいでした。
カメムシ目も頑張るぞー。

ハエ

0102_5hae 2011.1.2
もう考え込まずに、「ハエ」です。
0104_1hae 2011.1.4
こういうのもいます。
0105_1hae 2011.1.5
いろいろいます。
0105_2hae 2011.1.5
ハエ目がんばれ!
(ユスリカやアブもハエ目です)

なんというくくり方、ずさんだ。
冬の日の散歩では、虫に出会うと無性にうれしくなるのです。
単純だなぁ、と我ながら思います。

ノゲシ

0102_4nogesi 2011.1.2
ノゲシでしょうか。
全部終わって、という姿ではないのです。
0110_1nogesi 2011.1.10
まだ咲くわけです。
ノゲシ、オニノゲシ、アキノノゲシくらいかなぁ、候補は。
フユノノゲシですね、まるで。
雑草図鑑を見ても、花期が冬というのはなくって。
ノゲシということにしておきます。
訪れてくれる昆虫もおりませんので、一人咲く花、ということになっています。
さびしいですね。やっぱり虫がいた方がいいですね。

歌会始

今年の歌会始。

◆選者の岡井隆さんの歌で学びました。
銀杏(いちやう)落葉ふかくつもれる坂道をのぼりて行かな明日の日のため

「蝶々」が「てふてふ」だから、「銀杏」は「いてふ」だろうと思っておりました。そうしたら「いちやう」だそうで、知らなかった。

いちょう【鴨脚樹・銀杏・公孫樹】イチヤウ
(イテフの仮名を慣用するのは「一葉」にあてたからで、語源的には「鴨脚」の近世中国音ヤーチャオより転訛したもの。一説に、「銀杏」の唐音の転)
 イチョウ科の落葉高木。中国原産とされるが自生地は不明。高さ約30メートルに達し、葉は扇形で葉柄を具え、秋、黄葉する。雌雄異株。春、新葉と共に黄緑色の花を生じ、雄花は穂状、雌花に2胚珠。秋、黄色の種子を結び、内に白色硬質の核がある。これを「ぎんなん」といい、食用。材は緻密で美しく加工しやすい。〈元和本下学集〉[広辞苑第五版]

そうなんだぁ。
「いてふ」で検索して見て下さい。

宮沢賢治の「いてふの実」というのがヒットしたり
昭和8年(1933年)新訂尋常小学唱歌 第五学年用「いてふ」、という文部省唱歌があったり

混乱しているようですね。
私の完全な誤解でもなかったようだ。

◆同じく選者の永田和宏さんの歌
青葉木莵(あをばづく)が鳴いてゐるよと告げたきに告げて応ふる人はあらずも

長く一緒にいて、人生の同伴者だった人を失った「空虚」が深い。
その欠如感たるや、同年代のものとして、身に沁みます。
つらいな

トンデモ広告

とんでもない広告を見ました。去年の12月の新聞折り込み広告です。

「若々しい健康美を徹底追求した、本格エイジングマッサージ!」

こんなところへ行ってはいけませんよ。
帰り際に鏡を見たら、皺がふえたすごい「老いた顔」になってますからね。
「アンチ・エイジング」と書きたかったんでしょうけれど、よりによって「エイジングマッサージ」だもんなぁ。
お~、こわっ。
----------------------------------------------
トンデモついでに、美容ジェルの広告から。

「今回、植物性プラセンタ100%原液美容液セットが・・・」

植物に胎盤があるなんて知らなかったぞぉ。

placenta {名詞}((複数形)placentas,placentae) [解剖] 胎盤

おそらく、プラセンタという言葉の意味を全く違った意味で使っているのでしょうが、いくらなんでもあんまりだ。(植物は哺乳類なんだな、きっと。)
「植物性」といえば「優しい」なんてまるっきりの嘘っ八。
植物性の原料だから優しい、なんてかいてあったら、吟味不要、そのことだけで蹴飛ばして下さい。

●そのうち詳しく書きますが
以前「植物油原料のマーガリン」「植物が原料だから体に優しい」なんて流行りましたよね。
その頃私は授業で
植物油は液体でしょ、液体のままではマーガリンにならないから、二重結合に水素添加をしているのね、で、動物性脂肪に近くしてマーガリンを作っているわけだ、植物だから優しいなんて信じるなよ
といっておりました。

最近「トランス脂肪酸」というのがクローズアップされています。
植物油に水素添加をする際に生成してしまうので、植物油原料の油脂が槍玉に挙がってしまいました。

ね、植物だからいいわけじゃないんですよ。

2010年の気温のまとめ(東京)

2010年の気温をまとめてみました。私の住む東京についてです。
データは朝日新聞の朝刊に載る「気温と湿度」です。
最高気温は午後3時まで、最低は前日午後9時~午前9時。
というデータで、気象庁の気象統計のデータとは異なっていることがあるかもしれません。

Kion1
最初のグラフは、1年間毎日の記録そのものと、平年気温を一緒に描いたものです。
●最高気温
夏の暑さが目立ちますね。35℃を何度も超えた。
9月に入ってちょっとして、30℃前後を上下していますね。もう35℃までは届かない。
10月に入って、今度は25℃前後を上下しています。もう30℃には届かない。
10月の終わりごろからは20℃前後でもみ合っています。
こんな具合に階段状に下がって行くのですね。
●最低気温
全体として平年気温を下回ることが少ないですね。
「平年値」というのは、30年間の観測値から算出しますが、これまでは1971年~2000年までの30年でした。
今年2011年は平年値の更新の年でして、前の10年を削って、新たな10年を付け加えて30年分の平年値を出します。
新しい値は3月ごろに発表して、5月から使い始めると聞いています。
個人的には、最高気温の平年値はそんなに大きく変わらないのではないか、でも最低気温の平年値の方は結構上がるかもしれない、と考えています。
東京では「冷え込まなくなった」といのが実感です。
以前は、東京でも水道管が凍るとか、雨戸が凍りついて開けられないとか、自動車の鍵穴が凍りついてお湯をかけてとかしてドアを開けたということもありましたが、このところトンとそういうことはありません。
子らも、朝、外へ飛び出していって霜柱を踏んだり、バケツの水が凍ったのを取り出して遊んだりしていましたが、今はほとんど霜柱も立ちませんね。
というわけで、最低気温が変わる可能性ありかな、と思っているわけです。
発表されたら、またその時、検討してみましょう。

Kion2
次のグラフは、最初のグラフに、毎日の気温変化の「間を縫う」曲線を追加したものです。黒い線で表示しました。
こうやってみると、平年値を下回ることが少なくなったことがよくわかります。
最高気温はまだしも、最低気温はなかなか平年値を下回りませんね。

Sa
3番目のグラフは、平年値からの差だけを取り出したものです。
平年値よりどれだけ高かったか、低かったかを取り出して均してあります。
4月は寒かった。6月~9月が無茶苦茶暑かった。というようなことが読みとれます。
長く暑い夏でした。

Humidity
4番目は湿度のグラフです。
これは平年とか何とかはなく、毎日の湿度とそれを均したものです。
上下が激しいので、生のグラフではあまり全体が読みとれません。均してみないとだめですね。

2011年のデータも毎日エクセルに入れています。
今年の出だしは、平年より低い出だしになりました。これからの動向に注目しましょう。

ユスリカの仲間

0102_3yusurika1_2 2011.1.2
ユスリカの仲間ですね。
アカムシユスリカのような気もするのですが、体長が短いんですね。で、困っています。
パンクな頭じゃないのでして、触角がフサフサなんですね。
0102_3yusurika2_2
触角の様子がみえるショット。
メスの羽音を聞くための聴覚器が触角の根元のところにあるんですね。
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同じ日、別の場所で見かけたもの。
おそらく同種のメスだろうと思います。
触角がフサフサしていないので。

こういう体の小さい昆虫が真冬に羽化してくるというのはびっくりですね。
体温がすぐ逃げてしまうだろうに。

小規模な「蚊柱」も立つんですよ。10匹いるかいないかで蚊柱を作っているのを見ます。
意外なタフネスに驚いています。

2011年1月18日 (火)

月蝕

2011.1.17付 朝日俳壇より
月蝕に寒の赤さと大きさと:(伊万里市)田中南嶽

月食は12月21日でした。その翌日22日が冬至でした。
赤さについては下の記事をご覧ください。

月がとっても赤いから… 皆既月食、地球の影にすっぽり(アサヒ・コム 2010年12月21日)
 満月が地球の影にすっぽり隠れる皆既月食が21日あった。本州の多くが低気圧に覆われたものの、北海道や関東の一部などでは赤い月が観察できた。今回は、春に噴火したアイスランドの火山の影響で、暗めの月食になることが心配されたが、赤い月がくっきりと浮かび上がった。
 札幌市中央区の大通公園では、さっぽろテレビ塔の近くに月が浮かぶと、月食を見ようと集まった人たちから歓声が上がった。千葉県銚子市の犬吠埼でも、地球の影に隠れる皆既が終わる直前に雲が薄くなり、赤い月がわずかに雲間から顔をのぞかせた。
 月は地球の影に隠れている皆既中も、地球の大気で屈折した太陽の光がわずかに届くため、薄く光る。オレンジや赤になるのは、夕焼けのように、地球の大気が赤い光を通しやすいためだ。
 日本では来年、皆既月食が2回ある。6月16日は西日本を中心に、12月10日には全国で観察できそうだ。6月2日には北海道や東北を中心に部分日食も見られる。

月食は満月ですからね、意識的に見るとずいぶん大きく見えるものです。
また、地平線に近い時の方が中天高いときより大きく見えます。
(原因についてはここでは議論しません)
ですから、今回の月食は大きく見えたことでしょう。(東京では見えませんでした)。

ところで、話変わって、月食ではなく。
三日月で、光っている部分はいいとして、欠けている部分をよく見ていただきたいのですが、影の部分が見えたりしませんか?
あれ、地球照といって、地球で反射された太陽光が三日月の影の部分を照らして、それがまた地球上で見えているのです。
月食中は赤い色ですが、地球照では青っぽく見えますよ。

そんなことを意識しながら今度は月を見て下さい。
月食だけが宇宙現象ではないのです。

冬至る

2011.1.17付 朝日俳壇より
冬至る明日から夏に向かうのだ:(佐世保市)近藤理絵
 金子兜太評:春ではなく「夏」。心身の若さ快し。

私はよく「戯れ」て「冬来りなば秋遠からじ」というのですが。
暗く落ち込んで行くのって、結構好きなもので。

なんせ、太陽の年周運動(地球から見て太陽が天球上を動いて見えるという意味でね)ですので、ぐるぐる回っております。
冬至から夏至まで180度先のこと。
「冬来りなば春遠からじ」は冬至から春分までと考えれば90度先のこと。
「冬来りなば秋遠からじ」は冬至から秋分までと考えれば270度先のこと。

60回あまりも太陽の周りを回りました。まずは冬を越さなきゃその先の季節も来ない、という歳になってしまった、というのは事実ですね。

雪降る時間

2011.1.17付 朝日俳壇より
この星の今は雪降る時間かな:(茨木市)瀬戸順治
 金子兜太評:「時間」が繊細で韻(ひび)く捉え方。

作品は作品として、局所的な降雪と地球という対比の面白さ、でよいのですが。
北半球は冬ですが、南半球は夏で、オーストラリアやブラジルなどは夏の豪雨に見舞われています。
星全体の時間ではないものですから、理科屋はとまどう。

今ここにこうして降る雪は、地球という星の自転軸の傾きがもたらす「妙」である、というような、長たらしい概念を俳句に詰め込むのはきついなぁ。

敬語を使い

2011.1.17付 朝日歌壇より
ヤコブ病と未だに知らない妻かなし敬語を使い礼をよく言う:(長野市)関龍夫
 永田和宏評:本人だけが知らない病名。丁寧に礼を言う妻が一層哀れである。

妻が夫たる自分に「まあまあ、ご親切にありがとうございます」なんて言いだしたら、絶望的になります。
ウィキペディアから

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease:CJD)は、全身の不随意運動と急速に進行する認知症を主徴とする中枢神経の変性疾患。・・・
クロイツフェルト・ヤコブ病と表記されることがあるが、日本神経学会の用語集では「ヤコブ」ではなく「ヤコプ」とすることが決められている。

認知症が進行している。夫も認識できなくなってしまったのでしょう。
つらいな。

算数で

2011.1.17付 朝日歌壇より
算数であなたが取ったその点は教えた私に突き付けられた点:(前橋市)関浩子
 佐佐木幸綱評:教員の自省の歌である(いい先生ですね)。

小学校で教えることというのは、みんなが身につけるべきことばかりですよね。
ですから、全員が5(5段階として)になるのが望ましいのです。
少なくとも、5も1も等しく少数なんてのは絶対におかしい。
教員の努力って、放っておいたら分布が左右対称になってしまうかもしれないものを、みんなが理解して山が高得点の側へ傾き移動していくことを目指すものでしょ。
それを、成績は正規分布するなんて、大ウソをついている。
これが諸悪の根源ですよ。

みんなにわかってもらいたい。みんながわかる喜びを味わってほしい。
それが教員の原点でしょう。
私はそう思っています。

●徴兵検査で、日常茶飯のことが出来るかどうかテストしたら、得点分布が正規分布になったとかいうのが、1:7%、2:24%、3:38%、4:24%、5:7%という大本だったんだと思いますよ。
目的を持った集団、例えば大学合格を目指す学生たちが受けるセンター試験、得点分布が左右対称になりますか?なりません。分布のピークは高いほうにずれるのです、当たり前のこと。
教師の仕事は、正規分布をつくるのではなく、ピークを高い方へ高い方へずらしていくことなんです。
こんな基本的なことが通用しないなんて、日本の教育は危ういんだよなぁ。

三輛のローカル電車

2011.1.17付 朝日歌壇より
東京に行くことのなき三輛のローカル電車今日も頑張る:(島田市)小田部雄次
佐佐木幸綱、高野公彦両氏の選。
高野公彦評:東京に行かず、限られた範囲で、地元の人々のために日々働くローカル電車の健気さ。

東京の南端の、東京ローカル線の多摩川線。
三両編成なんですね。
蒲田-多摩川間に5編成くらい入っています。
土曜の昼ごろ、蒲田の本屋から帰ってくると、降りる人は2,3人。東京ローカル線を身に感じます。

今日も頑張っておりますよ。御同輩。

枇杷

2011.1.17付 朝日歌壇より
小さくも羽音を和して蜜蜂は真冬の枇杷に蜜を求める:(安中市)入沢正夫
 佐佐木幸綱評:ミツバチは昆虫ではめずらしく冬も働く。上二句の表現に注目。

私は養蜂をしたことはないので確かな知識ではありませんが、ミツバチも昆虫ですから真冬には動きません。「真冬」の枇杷とはいえ、越冬用の蜜を集めている時期のはず。

ニホンミツバチは人手を要さずに自分たちだけで越冬できます。集めておいた蜜や花粉を食べて、巣の中で球形に集まって筋肉の動きで発熱して30℃を超えるような温度を保つはず。
セイヨウミツバチはどうかな。かなり人手をかけてやらないと越冬は厳しいかもしれない。

厳冬期に向かって、セイタカアワダチソウとかビワとか数少ない花を求めて天気の良い日にせっせと蜜を集める働き者。その羽音は知っているものにはハーモニーと聞こえることでしょう。
無事に越冬できますように。

「鍬洗い」

2011.1.17付 朝日歌壇より
特選となりし小豆と南瓜煮る農業高校「鍬洗い」宴:(東根市)庄司天明

収穫祭のようなものでしょうね「鍬洗い」。
よい収穫をあげた。
心ゆくまで祝うが良い。

高校教師だった私は、あの16,17,18という年齢が好きなんですよ。
子どもっぽいところを残しながら、大人だし。
無茶苦茶なパワーを発揮すると思えば、繊細な気遣いが出来る。
教師として「畏るべきは生徒のみ」。
生徒のあの眼が教師を育ててくれる。

高校生って好きだなぁ。

好摩駅

2011.1.17付 朝日歌壇より
啄木が幾度も立ちし好摩駅ヘビ・コオロギが入りて来たりき:(奥州市)大松澤武哉

行きましたっけ、高校生の頃。いっちょ前に文学散歩。

霧ふかき好摩の原の
停車場の
朝の虫こそすずろなりけれ

駅で「途中下車」のスタンプをもらって集めるのも趣味。駅弁をひたすら食うのも趣味。
あの北上夜曲の北上川も見てこようと、行ったはいいけれど台風の増水だったかなぁ、ものすごい茶色の濁流がごうごうと流れていて、すごかった。

思い出しました。私の記憶って「画像」的に再生されます。

ぬくきまごころ

2011.1.17付 朝日歌壇より
もてなしのDNAがあるという山谷の人のぬくきまごころ:(伊賀市)福沢義男
 馬場あき子評:近年労働者の街だったイメージを変えつつある山谷。外国人宿泊者も増えているがそこに助け合いのもてなしのDNAがあるというのが嬉しい・

理系の私としては、DNAという言葉をこういう風に使うのはどうも・・・。
そこに住む人々の中に根付いた「思いやりの伝統」ですよね。
DNAという言葉が安易に使われることはかなり危険なことだと思っているものです。
DNAがなんだかすべてを支配している、みたいなことになると危うい。

もう一つ、極私的な感想なんですが・・・。
「ぬくきまごころ」という語感が何となく「ぬるい」感じがしてしまって。
「まごころぬくし」と入れ替えると、まごころがあたたかい、という感じに変わるような・・・。
いえ、これは文法的なことなどではないので読み捨てて下さい。

2011年1月17日 (月)

腋芽

0102_2ajisai1 2011.1.2
アジサイの腋芽です。
腋芽は「えきが」と音読みして下さい。(くれぐれも「わきが」なんて読まないでくださいね。)

私自身が昔「植物学」の講義を受けた頃には「シュート」という概念は教わらなかった気がする。
「写真で見る 植物用語」という本から引用します。

 植物体は、シュート(Shoot)と根(Root)からなる。
 茎と葉は別の器官とされるが、茎には必ず葉をともなう。茎と葉はセットになって成長するので、これをまとめてシュートという用語を使う。・・・。もとのシュートから枝分かれすれば、それは別のシュートになる。

シュートの集合として植物体をとらえるのですね。

 芽はつく位置によって頂芽と腋芽に分けられる。シュートの頂端にある芽が頂芽で、これが伸びると同じシュートの続きとなる。葉の付け根にあるのが腋芽で、これが伸びると新しい別のシュートになる。

なるほど。
新しいシュートの始点なんですね。
0102_2ajisai2
これも腋芽ですね。
あちこちにありますよ。
我が家では、アジサイを花の後に剪定せずに見ていますから、古いシュートの葉が黄ばんでいるかげで腋芽が活動を始めます。
剪定して「棒」のようにしてやれば、頂芽がなくなってしまうので、腋芽ばかりがいっぱい出ます。その方が花の見栄えは良くなるのでしょうね。

何だろう?

1231_19ettou1 2010.12.31
妻が見慣れぬものを見つけてきました。
少し掃除をしていて見つけたそうです。
私よりずっと地面に近い低い位置に強い人ですので見つけられたのでしょう。
ツヅミミノムシではない。
1231_19ettou2
悪いけどそ~っと開いてみたら、背中が見えますねぇ。
少し動きます。
完全に開いてみたい誘惑はありますが、やめました。
なるべく元通りにして、見つけた場所へ。枯れ葉の下へ。
何になるのかは分かりませんが、まあいいや。
よいお年を。

スイセン

1231_15suisen1 2010.12.31
スイセンのつぼみ。
1231_15suisen2
少々たくましさにかけてまして、頭が重くて折れてしまいそう。
全部に支えをしてあげるわけにもいきません。
頑張って自立して咲いてね。

レンゲ

1231_14rengesou 2010.12.31
年越し前の子どもたちをいくつか。
上はレンゲ。
1231_16croccus
こちらはクロッカス。
1231_17zeniaoi
ゼニアオイ。

地面に近いものは辛い。
しゃがんで膝をつくのは出来るんですが、立ち上がることがきつい。
両手が空いていればまだしも、カメラをぶら下げてますので、片手しか使えない。
なんかいい補助道具でもあればなぁ。工夫してみましょうかね。
あるいは、望遠マクロ?ちょっともったいないしなぁ。

センダングサ

1231_13sendangusa 2010.12.31
動物だと、ある限界のところで動けなくなったり、死んでしまったりしますが、植物はしぶといですね。
まだ、結実途中です。
まだいける。
体の大部分が枯れているのですが、まだいける。
いけるかぎり、いく。
年を越えて結実へ向かいます。

マミー

1231_12aburabai 2010.12.31
ミイラという意味でしょうか、アブラバチに寄生されたアブラムシ、ハチが羽化した後の姿。
もうずいぶん前からここにあって、雨風で消えるんだろうと思っていたら、とうとう、年越しまで来てしまいました。ずいぶんしっかりと葉にくっついているのですね。
ここまでくるとは。
生きるということは、すごいことなんだなぁ、と、心揺さぶられる思いです。

アジサイ、ビヨウヤナギ

1231_8ajisai 2010.12.31
アジサイの新芽が顔を覗かせています。
1231_10biyouyanagi
こちらではビヨウヤナギが、典型的な十字対生を展開しています。
冬芽として硬く閉じた姿で年を越すのではなく、新しい芽を少しずつですが、展開しながら年を越していきます。
基本通りにいく、というのも見事なものですね。嬉しくなります。
この冬は、ビヨウヤナギの葉の上ではクロスジホソサジヨコバイを見かけることが多いようです。
いつも時間をかけて佇む場所になっています。

ドウダンツツジ

1231_5doudantutuji 2010.12.31
以前にも書きましたが、我が家のドウダンツツジは花を咲かせてくれません。多分日当たりが悪いのではないでしょうか。
ごろんと鉢ごと捨てられていたのを拾ってきて植えたのですが。
最初の年だけ花を見ましたが、以降、花をつけてくれないなぁ。
まぁ、美しい緑を楽しませてくれますのでいいのですけどね。

冬芽が立っています。
凛々しいですね。

ヒラタアブ

1231_3hirataabu 2010.12.31
イノコヅチについたヒラタアブの蛹。
ホソヒラタアブかクロヒラタアブかは、私には識別できません。
蛹で年を越します。

東京ですから、気温が下がってもせいぜいマイナス1℃程度でしょう。
それなら蛹の体内は凍らない。凍結しないように体液を濃くして、氷点を下げていますからね。
おそらく、蛹で越冬する昆虫にとって危険なのは、体が濡れた後で低温にさらされることでしょう。体外でできた氷が蛹の殻を傷つけるかもしれない、氷の「種」に接触すると、凍らずにいた体液が結晶化し始めるかもしれない。

東京ではそういうことはないと思います。
無事、羽化に至れますように。

カエデ

1231_2kaede 2010.12.31 
カエデの冬芽。
まだ固いですが、春への準備が進んでいます。
で、腰をかがめたくないものだから、上の方ばかり眺めていたら
0108_7kaede1 2011.1.8
一つだけ種子があった。
まったく花がつかなかった、と思い込んでいましたが、下の方で咲いて、ちゃんと結実していたのですねぇ。気づかずにいて申し訳ないことでした。
0108_7kaede2
羽のある種子、としてよく知られている姿です。
実際、よく飛ぶんですよ。風に乗って。

「遠くへ」
それがカエデの意志です。

ナツミカン

1231_1natumikan 2010.12.31 大晦日の光景。
ナツミカンが熟してきました。
たまに風に吹かれたりして落ちてくるのを食べてみますが、まだ熟しきっていません。
2月か3月か、充分に熟すと、酸味と甘みがたっぷりの濃い味になります。
じっくり待ちましょう。

1230_kazari7 2010.12.30
もう一つ、お気に入りグッズ。

あと1億年くらいしたら、この石の卵からきっと孫悟空が孵化すると思うんですよね。
日々、待っております。

正四面体

1230_5hukurou 2010.12.30
うさぎやネコ関連を並べて撮っていた時に、ついでにお気に入りの写真も撮りましたのでご紹介。
私は、ふくろう、だるまなどが好きで、そのことは家族も知っていますので、出先でみかけると、ちょこっと買ってきてくれます。
ここにいるふくろうはそういう由来のもの。
なかなかに佳い顔つきでしょ。お気に入り。

さらに、両側に水晶の正四面体を配してみました。
正多面体は5種類しかありませんが、なかでも正四面体が大好き。
最もシンプルで美しいと思っています。
シンプルさでは球の方がまさるかなとも思いますがあまりにも一般的ですので。
{水晶球ではかかしが占いでも始めそう。占いほど私と無縁なものはありませんので。}

化学屋としても正四面体はなじみが深いのです。
炭素原子の一番シンプルな結合は正四面体になります。
メタンがそうですね。「CH」は炭素原子を中心にして、水素原子が正四面体の各頂点にある、という形をしています。
化学教師としては、有機化学の最初のところで正四面体のものを教室に持ち込みたいわけですが、意外と正四面体グッズはない。
ピラミッド型というのはいっぱいあるんです。
でもねぇ、ピラミッド型は人為的なもの。底面の正方形の一辺と、高さの関係は一意的には決まりません。任意です。
それに対して、正四面体は絶対的に一意的なものです。ありとあらゆる全ての正四面体は相似形なんですから。人為の入り込む余地はない。
こんな形こそ美しいと思うんですがね。

さて、授業では、仕方ない、紙で自作した正四面体、昔の牛乳のテトラパックなどを用意して生徒にイメージを作ってもらいましたね。

正四面体を探し求めて、水晶の細工物があるのを発見し手に入れたのが写真に登場させた2つです。

もう、授業に活用することもありませんので、ブログ読者の皆様にお目にかけて、そうなのかぁ、とでも思っていただければ幸いです。

知恵のフクロウ、美の粋の正四面体。
でした。

2011年1月14日 (金)

アブラムシ

1230_4aburamusi 2010.12.30
アブラムシも頑張ります。
そろそろ有性生殖をして、卵をつくり、越冬するころじゃないでしょうか。
ぎりぎりまで頑張っていますね。
アブラムシがこんな時期まで見られるというのは、今年初めて観察しました。

ランタナ

1230_3lantana 2010.12.30
ランタナの実が一つ残っている、という状態なんですが・・・。
今回は「見立て」の遊び。

「黒い卵を飲み込もうとしている蛇」に見立ててみました。

いかがでしょう?

Gal

 1月11日の新聞に下のような記事がありました。

岩手・宮城内陸地震の最大加速度、ギネス認定
 防災科学技術研究所は11日、2008年6月に起きた岩手・宮城内陸地震で観測された最大加速度4022ガルが、地表で観測された地震の世界記録としてギネスに初めて認定されたと発表した。
 岩手県一関市に設置されていた、地震断層の真上の震度計が記録した。防災科研によると、計測装置が記録したそれまでの最大加速度は、2004年10月に発生し、最大震度7を記録した新潟県中越地震での2516ガルとみられており、その1・5倍以上になる。
(2011年1月11日 読売新聞)

 朝日新聞でもほぼ同内容の記事でしたが、「地表で観測された地震」という部分がなくて、読売の方の記事を採らせてもらいました。

 ここに「ガル」という単位が登場していますが、これどんな大きさなのかイメージできるでしょうか?
この単位名は「ガリレオ・ガリレイ」からとったもので、大きさはcgs単位系の加速度と同じです。
こう書いて、cgs単位系がストンと分かった方は年齢の想像がつきますね。私は分かるんです。高校物理はcgs単位系でしたもの。
1cm/s^2
{注:「s^2」の「^2」は「自乗」を表しています。右肩にのせることが出来ないのでこういう表記にします。プログラミング関係ではよく使う表記です。}

現在、自然科学では、国際単位系(SI)を使っていますが、ガルはSI単位ではありません。

理科年表2011より
ガル(gal,Gal)1Gal=1cm/s^2
 測地学および地球物理学において重力加速度を表すために使う単位。
 国際単位系(SI)以外の単位で、暫定的に用いられる単位。
 標準の重力加速度g=9.80665m/s^2

ですから、重力加速度は約981Galということになりますね。

ウィキペディアから引用します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AB

ガル(gal, 記号:Gal)は、CGS単位系における加速度の単位である。その名前は、ガリレオ・ガリレイに因むもので、単位名をガリレオ(galileo)としている地域もある。
1ガルは、1秒(s)に1センチメートル毎秒(cm/s)の加速度の大きさと定義されている。すなわちガルは「センチメートル毎秒毎秒」(cm/s²)と書き表すことができる。国際単位系(SI)における加速度の単位はメートル毎秒毎秒(m/s²)であり、1 Gal = 0.01 m/s² となる。
ガルは非SI単位であるが、日本の計量法では重力加速度および地震に係る振動加速度の計量に限定してガル(Gal)および1000分の1のミリガル(mGal)の使用を認めている。
地球表面における重力加速度はおよそ981ガルである。

ね。
さて、これではまだ感覚的になりませんね。そこでよく聞く「G」を考えましょう。
またウィキペディアからの引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8D%E5%8A%9B%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%BA%A6

また、重力加速度は加速度の単位としても用いられる。この場合は大文字で G と書かれ、「ジー(gee)」と読む。重力加速度と同じ加速度を 1.0G のように表現する。G(ジー)は非SI単位であり、日本の計量法では商取引などでの使用が認められていない。
    1.0 G = 9.80665m/s2

●Gというのは重力加速度の何倍かという数値です。
そうすると、地震で記録された加速度は

4022ガル=40.22m/s^2
40.22m/s^2/9.8m/s^2=4.1

ですので
4.1Gということになります。

●では、4.1Gってどんなもの?

今度はJAXAから引用
http://iss.jaxa.jp/iss_faq/go_space/step_1.html#q4

スペースシャトルは最大3G程度まで加速されるが、宇宙飛行士は上向きに着席した状態で打ち上げられるので、健康な人なら十分に耐えられる範囲だ。これなら私たちも宇宙に行けそうだ。

スペースシャトルが上昇していく時、乗員は座席に強く押し付けられますが、それが重力の3倍程度。
地震で観測された加速度が4G。
すごいですね。これで多少はイメージできたのではないでしょうか。

こんな加速度で地面が水平に動いたとしますとね、例えば墓石が「だるま落とし」のようになって、石は残り地面が動いてしまって倒れる、というようなことになるわけですね。

大地震でいろいろなものが倒れますが、地震で押し倒されるというより、地震で地面がものすごい加速で動いてしまうので、だるま落としが起こっているのだ、と理解して下さい。

少しは理解の足しになったでしょうか。

薄日

1230_1sun 2010.12.30
9時頃でしたか。
この日は「雲量10」でした。
雲を透してうっすらと日が見えました。
フィルムカメラの時代は太陽を撮影しても、だめならだめというだけのことでしたが、デジタルカメラでは、撮像素子がいかれてしまいそうで、怖くてお日さまにレンズを向けることはできません。こんな薄日ならいいだろうと、一枚。
私としては珍しショットです。

●ところでこんな記事がありました。

[晴れのち晴れ]「雲量」がお肌の調子を左右:高橋和也さん(2010/12/11 朝日新聞)
 雲量という言葉を聞いたことがあるでしょうか。空全体を10として、雲が出ている割合が0~1なら「快晴」、2~8までは「晴れ」、9割以上だと「くもり」になります。
 私の出身地の北陸は、寒気の吹き出しによる雲が次々に押し寄せるため、冬場の雲量は8以上が当たり前。寒いだけではなく、昼間でも部屋の照明をつけっぱなしの日が多いのです。一方、東京の12月は平均雲量が4.1。冬晴れの見本のような空を見ると、日本海側とは対照的すぎて、めまいがするほどです。
 ただし、この青空は山越えの風が水分を失った結果でもあり、空気はカラカラに乾燥した状態です。加齢のせいもありますが、北陸ではあまり必要なかった肌の手入れが、東京では欠かせない日課になっています。(気象予報士)

「雲量」ってご存知でした?
気象予報も、気象庁からのデータでほとんどやれるわけですが、私としては予報士の方々に番組出演前に放送局の屋上なんかに出て、空を眺めてきてほしいなぁ、と思います。
それでどうなるというわけでもないですが、観天望気(かんてんぼうき)は基本中の基本だと思うんですよね。部屋にこもりっきりで気象予報やってもしょうがないと思ってしまう。アメダスも素晴らしいのだけれど、やっぱり肌で感じるのって大事なんじゃないかなぁ。

今日は雲が多いなぁ、とか、雲の隙間から日が漏れているなぁ、とか、何でもいいんですよ、空を見てから気象予報をしてもらったら、きっと何か一味違うことが、いつのまにか、なんとなく、にじみ出てくるんじゃないかなぁ。

昔話ですが、小学校の5,6年生の頃かな。理科係かなんかしていました。
百葉箱(ひゃくようそう)を毎日開いて、最高・最低気温を記録したり(磁石で中の棒を復帰させるのが面白かった)、気圧計を読んだり、風向・風速計を見に行ったり、校庭に出て空を見上げて雲量を記録したり。
雲量はね、空を見上げて、目分量で「5!」とか、半分以上だけどなぁ、えいやっ「6!」とか叫ぶんですね。もう一人の係の子と判断を比較して、こんなもんだなぁ、と折り合いつけて記録するんです。ずさんでしょ。
目分量とか、おおよそこんな感じ、とか、そういうことには強くなりましたね。鍛えられた。

いまだに、ずさんなかかしです。その素地は小学校の頃にもう養われていたのですねぇ。

ダンダラテントウ

1229_4dandaratentou 2010.12.29
セイタカアワダチソウの中で発見。
まわりがふかふかで暖かそうに見えますけれど、多分風が吹き抜けるのではないでしょうか。
2日ほど同じ場所で見かけましたが、その後みかけません。
落っこちて、下の枯れ葉などの積もった中へ入って行ったのではないか、と期待しています。
その方が暖かい。地熱があるしね。代謝を落として生き抜こう!

ツマグロキンバエ

1229_5tumagurokinbae 2010.12.29
サザンカの花の中に潜り込んでいるハエ。
おそらくツマグロキンバエでしょうが、なかなか出てこないし、かといって出ておいでとはこの寒い中、とても言えませんので、後姿だけ撮影して立ち去りました。
奥の方にぬれたような輝きが写っています。蜜かな。存分に舐めとって生きてほしいものです。
達者でなぁ。

サザンカ

1228_8sazanka 2010.12.28
ツバキの花の時期はまだ。
サザンカの花の時期が終わりに近づいています。
1229_6sazanka 2010.12.29
初めの写真でぼかしてあった硬いつぼみが、翌日には緩み始めていました。
まだしばらくは細々ながら「咲き継いで」いくことになるでしょう。

2011年1月13日 (木)

アカカタバミ

1228_7akakatabami 2010.12.28
イノコヅチの足元にはアカカタバミ。
どちらも塀の下、ほとんどむき出しの土のないところで根をすきまに伸ばして成長したものです。
タフですね。
こちらは、赤い葉が普通ですから、「茂っている」といっていい状態。
実もなっていますね。
日溜まりのぬくもりを感じとって下さい。

イノコヅチ

1228_6inokoduti1 2010.12.28
イノコヅチです。もう実が大分落ちていますが、こういう風に長く並んで花が咲き実がなるのが普通ですね。
ところが。
シロザで、伸びるよりとりあえず咲いてしまえ、という風に見えると書きましたが、イノコヅチもそうなんです。
1228_6inokoduti2
ほら。くしゃっとまとまったままですね。
上の写真と同じ株ですよ。
もう真っ当な葉もなくなってきた、とりあえず行けるところまで行ってしまえ、ということでしょうか。
植物も時に応じていろんな対応をとるものですね。

ユスリカの仲間

1228_5yusurika1 2010.12.28
「蚊」はハエ目です。以前は「双翅目」といいました。後翅1対が平均棍になっているので、「双翅」なんですね。"Diptera"といいますが、Di が「2つの」、ptera が「翅」の意味です。
写真を見て下さい。平均棍がきれいに写っています。
ヒトスジシマカとか夏の蚊ではまだうまく平均棍が写せずにいますが、こんかいユスリカではうまく写りました。
1228_5yusurika2
こちらは同じ日別の場所でみかけたユスリカの仲間。
ここでも平均棍がきれいに写っていますね。脇に出ているので写るんですね。
ガガンボなんかも平均棍の写しやすい対象です。

夏の蚊の平均棍はまだだなぁ。

成人式

1月10日は成人の日でしたね。ハッピーマンデーとかいうことで移動してしまいましたが、以前は1月15日でした。(あさって)
やっぱり固定の方がいいように思うが。

昔話です。
私は1968年に二十歳になりましたので、成人の日は1969年1月15日。
「69年1月」と聞いて、あの安田講堂の1・18、19のころか、と思う方は私と似たような年齢以上の方かな。
私はこの1月15日は、秩父宮ラグビー場の周辺で、機動隊と対峙していたのです。
大方は追いかけられて逃げ回っていたんですけどね。地下鉄の駅に逃げ込んだら、上から催涙弾打ちこまれてひどい目にあったっけ。

「おまわりさん」というと庶民を犯罪から守ってくれる職業という感じが強いでしょ。
でも、お巡りさんも、警棒を持ち、ピストルを持っているんですよね。
管理されない暴力(犯罪)を取り締まるための、公認され管理された「暴力」の持ち主なんです。
さらに、機動隊となると、日常は市民生活には姿を現さない。
国際会議の時などの治安警戒とか、テロへの警戒で現れ出てきますね。
「学生が騒いで」いて、自衛隊の治安出動ほどでもないけれど、力で抑え込まなければならないというときも機動隊の出番。
なにせ、あの人たち、日々訓練に励んでますからね。瘦せた学生の私は肘打ちをくらって2m近く吹っ飛ばされて、何十年も顎のかみ合わせがくるってしまった。

ずいぶん「暴力的」な生活をしていましたね。
権力の最前線たる機動隊を身をもって体験しちゃったもの。

誰かさんが「暴力装置」という発言をしても、ごくごく当たり前の言葉だと、日常的な感覚において理解しましたね。大学の社会学でウェーバーだって学んだし。

暴力の事を「ゲバルト」といいますが、実は「ゲバルト」の基本的な意味は権力、支配力、強制力の事なんですよ。

権力が乱立したら困るでしょ。だから、唯一の権力が、雑多な権力を封じ込めるために持つ、許され管理された「力」が警察なんですよね。
国同士の間で国家権力がぶつかったときに発揮される「力」が軍隊。

そういう「力」が暴走することは絶対に許されないので「文民統制」となるわけですね。
文民統制というほうは言っておいて、暴力装置というのは不謹慎というのは、バランスを欠いているな。

成人の日のニュースを見ていて、ふと自分の昔を思い出してしまいました。
妻も成人式には出なかったとか。
そういう夫婦の子らは、まぁ、かわいそうなもんで、成人式?とバカにされてしまいます。
二人ともそういう式には出なかったようでした。


ちなみに、私の儀式嫌いはそのころからです。
大学の入学式は出席しませんでした。
大学の卒業式も出席しませんでした。後で証書だけ事務でもらってきました。
いまどきの人には信じられないだろうなぁ。
大学の入学・卒業式に親や祖父母までついていくんだもんなぁ。

「マルタイ」って知ってます?

鉄道関係の言葉なんですが。
多分、よほどのマニアでなければ知らないでしょうね。
私は鉄夫君じゃないんですが、線路のそばに住んでいるもので「鉄粉」を浴びちゃうんですね。妙なことを知っている。

「マルチプル・タイタンパー」の省略で「マルタイ」です。
なにそれ?

沿線の皆様へ       東京急行電鉄株式会社
夜間保線作業についてのお願い
・・・
1.工事件名 マルチプルタイタンパー(大型保線機械)による道床つき固め作業
・・・

こういうチラシが沿線住民の郵便受けに入るんですね。(鉄粉が散ってくる)。
新幹線や横須賀線もそばを走っていまして、保線作業のときにはやはり沿線住民にチラシを配布します。
こちらはたいてい「マルタイ」と書いていますね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC

マルチプルタイタンパー (Multiple Tie Tamper) とは鉄道の保線用機械の一種。略してMTTまたはマルタイとも呼ばれる。一般の鉄道車両と同様にレール上を自車の車輪で自走できるが、一般的には車籍を有しない機械扱いであり、これを用いて作業を行う時には線路閉鎖が行なわれる。
機械がレールを掴んでミリ単位で持ち上げ、枕木下に隙間を設ける→ツール(爪のような部分)で砂利を突き固め、枕木下に砕石を入れることで予定の高さに線路を直していく。

http://www.weblio.jp/content/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC

民鉄用語辞典     日本民営鉄道協会
マルチプル・タイタンパー
かつては人力に頼っていた保線作業も、近年は機械化が進み作業の正確さ・迅速性が高まってきました。保線機械の中での“代表的な万能選手”が、このマルチプル・タイタンパーです。タンピング(砂利のつき固め)、レベリング(線路の高さの調整)、ライニング(線路の曲がりの修正)を一度に行う大型機械で、1時間に300〜500mの保線作業が可能です。

言葉で説明すればこうなんですが、住民の実感としては重要なポイントが抜けている。
とにかく揺れるんです。震度2~3位揺れるんじゃないか。

ゆっくり走りながらズシ~ン、ズシ~ンと揺れるんです。
まるで地震体験のための起震車に乗っているようなものです。
砂利を突き固めているんです、その振動。
昔は人力でやっていたんですよ。それが機械化されてマルタイになりました。

でね、最近は少し入試関係に配慮し始めたのだと思いますが、以前は、高校入試とか、大学入試の直前にこの工事が行われたりしましてね。
あれは受験生には酷だった。神経とがらせてるのにね。
終電後の真夜中に、ズシ~ンだものなぁ。

もうすぐセンター入試。
心を落ち着けて準備して下さい。
雪の予報の地域も多いようですから、事前の準備を怠りなく。

受験前にマルタイもいいかなぁ、足元が固まるゾ。

アメリカの干支

下のような記事があったんですね。

ハッピーUSAぎ年、米でも記念切手(2011年1月4日 朝日新聞)
 【ワシントン】米郵政公社(USPS)が2011年の干支(えと)、「卯(う)」にちなんだ記念切手を発行すると発表した。うさぎの絵と「兎(うさぎ)」の漢字があしらわれ、さらに発行国を表す「USA」はローマ字読みで「うさ」と読め、日本人には格別めでたい切手となった。
 米国では干支や旧暦を使う習慣がある中国系やベトナム系移民も多く、USPSは08年の「子(ね)」から干支の記念切手の発行を始めた。切手は22日からウェブサイトで販売され、日本からでも購入可能だ。
 切手には封書の最低料金分の価値があり、額面はなく、重さ1オンス(約28グラム)までの封書の郵便料金44セント(約36円)が将来引き上げられても使えるのが特徴。「フォーエバー(永遠)」と呼ばれている。

アメリカで干支、へぇ、面白い。
で、その図柄の写真を見ていたら
・兎の図案があって。
・「兎」という漢字がある。
・USAと書かれている。
・「FOREVER」と書いてあって斜線がかかっている。
・「LUNAR NEW YEAR」と書かれている。

●さて、何で「FOREVER」に斜線なんだろう?
これは比較的早めに了解しました。
模造防止でしょうね。
この文字を模造されたら、ずっと使えることになってしまいますからね。
よく紙幣などの写真で、「見本」とか大きく重ねて印刷してあるのと同じでしょう。

●「LUNAR NEW YEAR」ってどういう意味かなぁ?
検索してみました。ウィキペディアの「旧正月」というのにありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E6%AD%A3%E6%9C%88

Lunar New Yearは、中国暦・モンゴル暦のみならずイスラム暦などを含む、太陰暦・太陰太陽暦一般の年初の総称である。

そうなんだ。初めて知りました。
今年(2011年)の場合ですと、2月3日が「朔」で、旧の元日になりますね。

●ところで、「ニュースの単語帳」という短い解説記事があるのですが「玉兎」という言葉の解説が1月7日に掲載されていました。

 玉兎(yutu)=月 今年は辛卯(xin mao)=「かのとう」のうさぎ年。中国でもうさぎは月にすむが、こちらは餅ではなく薬をついている。白いうさぎを意味する玉兎が月のたとえになった。福兎迎春(futu yingchun)=幸せを運ぶうさぎが新年を迎える。

これは切手の話とは別ですが面白かったのでご紹介します。

ホオズキカメムシ

1228_4hoozukikamemusi 2010.12.28
オーシャンブルーの花がやっと終わりました。人の目の高さではすでにずっと前に花もなく、葉も枯れていたのですが、高い所で咲き続けていました。近くのマンションの方が上から見て、きれいですね、と声をかけていただいたりしたもので、切らずにいました。
完全に終わったので、いったん全部切って壁面から落としました。今夏はまた今夏のこと。
で、壁面がすっきりしたと思ったら、ホオズキカメムシが現れました。
ひょっとして、オーシャンブルーの枯れ枝のどこかに潜り込んでいたのかもしれません。
申し訳ないことでしたが、仕方ない。ごめんね。

未だに、雨戸の裏などにホオズキカメムシの卵の孵化したあとが残っています。
さて、次のシーズンはどうなることか。

アブラムシ

1227_7aburamusi 2010.12.27
フウセンカズラの葉の裏。
翅が見えたので注視したら、アブラムシでした。
まるまる、ですね。
アブラムシ1匹がこんなふうに写せたのは初めてかな。
種類はわかりません。
短い口吻も写っていますね。カメムシ目ですものね。

今緑色を何とか保っているフウセンカズラは2株ありますが、その一つにだけ、アブラムシが見られます。

もうすぐフウセンカズラも枯れるでしょう。

ナンテン

1227_5nanten1 2010.12.27
逆光。ナンテンの葉に向こう側から日が当っています。
赤い縁取りがきれい。
このアングルでフラッシュを発光させると
1227_5nanten2
こうなります。
ちょっとつまらなくなりましたね。
虫がわんさかいる時期と違って、アングル狙いが増えていますね、我ながら。

ホソヒラタアブ

0105_5hosohirataabu 2011.1.5
ホソヒラタアブも姿を見せてくれました。
トクサに止まった瞬間。
腹部の模様の黄色いところが少し鮮やかさに欠けるかな、とも思いますが、間違いない。
風の弱い日溜まりが狙い目。
私自身も日向ぼっこしながら、虫さんいないかなぁ。
背中が暖かいのはいい。
風が強いとダメ。虫は出てこないし、いても揺れるし、私自身が寒くて集中力を失います。

クロヒラタアブ

1227_3kurohirataabu 2010.12.27
年末のクロヒラタアブ。
ハエ目はかなりしぶとい。ハエ・アブ・カが寒さの中頑張っています。
0106_2kurohirataabu 2011.1.6
フウセンカズラの実のそば。
長時間、私の目の前であちこちホバリング。
そんなにエネルギー消費して大丈夫なのかな、と心配になるほど。
せっかく素晴らしいホバリング飛行を披露してくれているのですから撮らないわけにはいかない。
0108_4kurohirataabu 2011.1.8
日向ぼっこ中。
腹が胸とくっついているところの両脇の毛が印象的に輝いていました。
一瞬、クロヒラタアブではないのかな?と迷うほど。

毎日ほぼ定時に巡回して歩いて、たまたまその時間にその場所に居た、という出会い。
全くの一期一会なのですが。
なんだか、向こうから姿を見せにやってきてくれているような思い入れが発生します。。

2011年1月12日 (水)

君、誰?

1227_1trashbin 2010.12.27
用事があって区役所の出張所へ行ってきました。
1階のフロアのゴミ箱。
コンデジで、フラッシュが光ると穴の中まで光が入って黒い丸に見えなくなるので、発光禁止にしたら手ぶれしてしまいました。下手くそで申し訳ない。
何で私がこんな写真を撮ったかは、多分もうお分かりのことと思います。

三つのうち、右二つは「人の顔」に見えませんか?
人間のパターン認識は、目に強く引きつけられる。
黒い丸が二つ並ぶと「顔」という認識をしてしまうのですね。
自分自身の認識機構を自分で考えるというのは面白いでしょ。
脳が脳のことを考えている。

さて、左端のゴミ箱は、同じように黒い丸二つなんですが、丸の上が盛り上がっているんですね。
さて、いかがでしょうか?
私にはカエルの顔に見えるんですが。
人の顔に見えなくなってしまいました。
不思議だなぁ。

そんなことを思いながら写真を撮っていました。不審者と疑われないように、さっさと引き上げましたけれどね。

ヘクソカズラ

1226_2hekusokazura1 2010.12.26
キレハノブドウのすぐ右。これはヘクソカズラのはず。
1226_2hekusokazura2
花はたまに見かけて、見れば分かるんですが、実は初めて見たな。
コンデジですのでこのくらいが限度ですが、特徴は見えるでしょう。
私自信は別に悪臭とかは思わないのですが、嫌う人は結構強く嫌いますね。
名前がいけないなぁ。損してますね。

キレハノブドウ

1226_1kirehanobudou1 2010.12.26
2010年の泳ぎ納めに行ったとき。
きれいな実がなっていました。これはキレハノブドウですよね。
1226_1kirehanobudou2_2
こんな実なんですよ。
白い実って何だか珍しい感じ。
で、ひと房ちぎって家へ持ち帰り妻に見せました。
1226_1kirehanobudou3_2
ついでにマクロレンズで一枚。
せっかくだから鉢に蒔いてみました。
発芽するかなぁ。
眺めています。

東京タワー

1225_3tokyotower 2010.12.25
用事があってたまたまここを走りました。三田の交差点で赤信号。コンデジでパチ。
スカイツリーが有名ですが、こうやってそばで見る東京タワーも圧倒的ですよ。
昭和33年に竣工でしたね。高さ333m。
私10歳。
実は展望台に上ったことがない。
足元の建物に入ったことがあるだけ。
設計者は計算尺で計算したなんて新聞記事を読んで、計算尺ってなんてすごいものなんだろう、と憧れたものでした。

今は東京スカイツリーが注目を集めていますね。
今年の年末には竣工予定ですね。634m。
私の体力でこのスカイツリーを見に行くことはあるのだろうか?
どこか見えるところを探してみようか。
この写真の倍近い高さなのですから、首が痛くなるだろうなぁ。

我が家は既にアンテナ立てて地デジを見ていますが、スカイツリーから地デジ電波が発されるようになったら、少し角度が変わるような気もします。またその時になったら考えましょうか。

恩あり

2011.1.10付 朝日俳壇より
返すこと出来ぬ恩あり去年今年:(さいたま市)齋藤紀子

恩を受ける、ということは普通、自分より年長の方からの場合が多い。
「親孝行したい時には親はなし」のようなもので、恩返しができるかな、という時には恩人は去っておられることも多い。
恩人に直接恩返ししなくてもいいんですよ。
今の自分が出来ることを、今、自分の周囲の人々にすればよい。
「恩返し」ではなくて、「恩伝え」でいいのですよ。
それがひょっとして本当の恩返しかもしれない。
そうすれば、水面に広がる波のように、次々と恩伝えの波が伝わって行くことでしょう。
誰かに知られることもない、自分が自分の意志ですればよい。

私の「恩師」は私に「師恩友益」ということを教えて下さいました。
人生に「師」と呼ぶべき方は、一人か二人。そうそういるものではない。
師以外の方々は、年長だろうが、年下だろうが、生徒だろうが幼子だろうが、みんな友なんだよ、と教えて下さった。
自らのお住まいを「師恩院友益居」となさいました。
そういうつもりで、教師生活を送りました。
友というものはべたべたくっつくものではない。その生き方を尊び、遠く尊敬するものです。
自立する個人が「孤」のままに生き抜いていくこと、それが友です。

恩伝えをなさってください。

{別件:昨年暮れからこの正月。ランドセルを贈ったりするのが「はやって」います。その行為自体は「善意」ではありましょうが、なんだか、居心地が悪いなぁ。自己顕示欲の裏がえしのようにも感じられてしまうのは、へそ曲がりすぎますか?「架空の名」さえもなく、ひっそりと、というわけにはいきませんか?なんだか、妙な気分でいます。}

初雪に

2011.1.10付 朝日俳壇より
月面のごと初雪に歩を印す:(西海市)前田一章
 大串章評:「月面のごと」という比喩が、初めて月に下り立った宇宙飛行士の第一歩を思わせる。

比喩というよりは、まさに月面着陸を思い浮かべながら、なのではないですか?
真っ白でまだ誰も踏んでいない雪に足を置く瞬間についてはいろいろな句や歌があります。

月面に人類初の一歩を刻んだあの瞬間。かくもありや。

比喩ではなく想像力の飛翔、と私は読みたい。

年惜しむ

2011.1.10付 朝日俳壇より
猫とゐていのちと命年惜しむ:(三郷市)岡崎正宏

我が家の2匹の猫たちも高齢になったからなぁ。
せめて存分に暖かく生活してほしいと思って工夫してはいますが。
長く生活を共にしてきました。
思い出づくり、なんて下らない。
思い出はいつの間にかしっとりと積もってゆくものです。
猫たちと共有してきた時間は、楽しい思い出が詰まっています。

のんびり、ゆっくり、たのしく。お互いに。

クリスマス

2011.1.10付 朝日俳壇より
クリスマス僧も呼ばるるケーキかな:(島原市)三好立夏

そのくらいはいいですよ。別に仏教の教えに反するとかいうことじゃなし。

でもねぇ、日本の仏教はそうとう気合を入れて立てなおさないといけない。
全然、釈迦の教えを伝えていないように見えますがね。

興福寺の僧侶ら、春日大社で読経…奈良(2011年01月03日  読売新聞)
 興福寺(奈良県奈良市)の僧侶が春日大社と同大社の摂社・若宮神社を参拝する「社参式」が2日営まれ、同寺の多川俊映貫首らが平和を祈った。
 両寺社は、藤原氏の氏寺と氏神としてかかわりが深く、江戸時代までは日常的に同寺の僧侶が読経していた。明治政府の神仏分離で途絶え、その後は年1回、社参式が行われるようになっている。
 同大社の花山院弘匡(かさんのいんひろただ) 宮司ら神職9人と巫女(みこ)2人に続き、多川貫首ら僧侶9人が本殿に到着。今年初めて酒や米をお供えする「日供始式(にっくはじめしき) 」に続き、僧侶が中門下で読経。若宮神社でも般若心経を唱え、初詣客らが珍しそうにカメラで撮るなどしていた。

いくらなんでもなぁ。やっぱり変ですよ。
近くのお寺の住職さんが、近くの神社の氏子だったりしてますけどね。
私はそういう寺社にはお参りしたくなくなったなぁ。

山岳信仰と仏教が合体しちゃったり。
もう、無茶苦茶としか言いようがないですね。

釈迦はそもそも何を教えたのか。
原点に帰りませんか?
仏教って信じるものではなくて、行うものでしょ。

2011.1.10付 朝日俳壇より
歩く歩く妻の買物冬の蠅:(東京都)岡村一道
 金子兜太評:「冬の蠅」は妻への皮肉とも、付いて歩いているわが身への自嘲とも。双方か。

長谷川櫂氏の選でこんな句も
2011.1.10付 朝日俳壇より
年の瀬や大売り出しの妻につく:(川崎市)山根繁義

昨年末の俳壇にはこんな歌も
2010.12.27付 朝日歌壇より
「大晦日妻の歩巾(ほはば)で買物す」亡夫の手帳にみつけた俳句:(秦野市)相原伸子
 永田和宏評:夫の手帳に見つけた句に今更ながら思いやりを感じている。

夫たるもの、妻の後ろからついていくのが務めでありますよ。
かくいう私も、妻の後ろをカートを押しながらついて回っております。
{カートって歩行補助車みたいで良い具合ですねぇ。}

それが夫婦の幸せってもんでしょう。

ゴリラ

2011.1.10付 朝日俳壇より
ゴリラの眼優し優しや初雀:(茂原市)鈴木ことぶき
 金子兜太評:生きものの組み合わせが、まさに「優しい」。

「優しさ」は別にヒトの専売特許ではありません。
他のサルたちもヒトとおんなじ。
犬や猫も優しい。

テレビで動物番組くらいなら見る私ですが、チンパンジーやニホンザルなどが登場すると、あまりに私らヒトに似すぎていて、ちょっとつらくなることがありますね。
もうちょっと遠い、犬や猫の方が見ていて楽だな。

どうしてあの優しいゴリラを殺して食用にすることが出来るのか、私には理解不能です。

こんな記事がありました↓

イクメンで人気、ゴリラのハオコ 東京・上野動物園
                        (2010年12月20日 朝日新聞)
 東京・上野動物園で、「育児」をするオスのゴリラ、ハオコの「イクメン」ぶりが見物客の人気を呼んでいる。
 ハオコはニシローランドゴリラで17歳。昨年11月に生まれた娘のコモモと今春から同居生活を始めた。当初は、母親のモモコに守られた娘に触れるどころか、邪険にされることもあり、妻子の後をついて歩く日々が続いていた。
 しかしコモモが1歳になった先月頃から変化が出始めた。好奇心の赴くままに駆け回るコモモを、母親が別のメスゴリラに任せる場面が増えてきた。父のハオコにもチャンスが到来。近付いてきたコモモを抱きしめたり遊んだりして、精いっぱい愛情を注いでいる。

出産後の母ゴリラが赤ん坊を抱きしめて頬ずりしているシーンを見たことがあります。
親の愛情はゴリラもヒトも同じなんだよなぁ。
父親だってかわいがりたいんだよなぁ。

こんな記事もありました↓

チンパンジーも孫の世話…「祖母の役割」の原型(2011年1月8日 読売新聞)
 西アフリカのギニアに生息する野生チンパンジーの群れで、「おばあさん」チンパンジーが孫の世話をする様子を、京都大霊長類研究所が確認した。
 チンパンジーは死ぬ直前まで子供を産むため、人間の祖母のようには孫の面倒はみないと考えられていたが、研究チームは「人間の特徴である祖母の役割の原型がチンパンジーにあると初めてわかった」としている。
 昨年12月から同研究所の松沢哲郎教授、山本真也助教らが野生チンパンジーの生息するギニア南部のボッソウ地域に滞在。人間では70歳以上にあたる推定54歳の雌は、3歳の孫を手招き、一緒に歩いて森を分断する幅約4メートルの道まで来たところで孫を背負い、道路を渡った。
 松沢教授は「ボッソウでは、栄養状態が良いので、寿命も延びて子供を産まない時期が長いため、経験豊かな祖母が孫の面倒を見るほうが理にかなっている。人間も、そのような過程を経て進化してきたのかもしれない」と話している。

東京都の知事さんには絶対わからないでしょうね、こういう話。
あの人は無神経な人だから。

焚火

2011.1.10付 朝日俳壇より
知らぬ地に知らぬ人らと焚火かな:(洲本市)高田菲路

知らない者同士でも、「火を囲む」という行為が人を結ぶ。
寒いですね、あたらせていただいていいですか、どうぞどうぞ、と火を介して人が集う。

焚火を経験したことのない人たちが増えていますが、「火」というものの不思議さを経験するのは大事だという気がします。
焚火の火を維持・管理しながら、火を眺めていると、魅入られるというか、心が吸われていく気がします。
危険を管理する技としても大事なことのように思います。

ごちゃごちゃいってないで!

焚火での尻あぶりほどしあわせなものはないですよね。
あれは天国だ。

除雪

2011.1.10付 朝日俳壇より
除雪してはじまる道路補修かな:(札幌市)前田豊作
 稲畑汀子評:雪国の道路の補修の手順が描けた。

すみません、この「評」にはほとんど意味がないですね。

同じ道路補修といっても、雪国では段取りが一段多い。確かに。
工事するべき路面を露出させるために除雪した、その雪が、歩行者や車の通行の邪魔にならないようにする配慮も必要でしょう。
そうまでして、工期を守らなければならない。
今年大雪が積もっているような中ではどうしているのでしょう?
季節の良い時に工事できないものでしょうか。
緊急の補修なのかな。

雪には全く歯が立たない私には、ひどく切ない思いをこの句に感じています。

昼の忘年会

2011.1.10付 朝日俳壇より
あつさりと別れる昼の忘年会:(松本市)唐澤春城
 稲畑汀子評:昼間の忘年会はそれほどお酒が出なかったのか。梯子もせずにあっさり別れた淋しさが背景に感じられる。

昔はね、学校だって終業式を終えて年内の仕事を終えた後、職場で軽く乾杯して別れることはあったのです。ちゃんとした忘年会はまた、夕方から会場を外に移して行うとして。家庭の都合やなんかで、夜の会には出られない人もいるわけで、そういう方も含めて軽くみんなで「お疲れさまでした、また来年もよろしく」と、挨拶したんですね。
近頃は学校という職場で乾杯なんかすると、非難されるんでしょうね。不謹慎だ、ってね。
べろんべろんになっちゃあマズイけど、人と人が仕事をしてるんですから、仕事納めの挨拶をするくらいは、適当に、緩やかに見るべきだと思いますがね。

仕事納め、パッと乾杯して帰る。そういう昼の忘年会でしょう。句に詠まれたのは。
特に「淋しい」とは感じませんね。子育て中の人や酒を飲まない人などに配慮しての「あっさり」でしょうから、にこにこと「じゃあね」で良いわけです。
飲みたい人は夜の部へどうぞ。

のうさば

2011.1.10付 朝日歌壇より
「のうさば」が店に吊るされ宗像の街おほどしへおし移りゆく:(宗像市)巻桔梗

ニュースか何かで「のうさば」というものを耳に挟んだような記憶はあるのですが、分からない。で、調べてみました。

http://www.kanezaki.or.jp/2007/10/post_2.html

「のうさば」とはホシザメというサメのことです。そのサメを寒い時期に20日~1ヶ月腸を取り除いて干すと完成です。
なぜのうさばというのかは、のうさばは、冬のふぐ漁と一緒に獲れるのですがその漁に使う縄のことを「のう」、さばはサメがサバとなまったことによります。それでのうに掛かるサバで「のうさば」と呼ぶようになりました。

そうなのか。サメだったんですね。で、年末の寒い時期を感じさせる風物としてお詠みになったんだ。了解しました。
宗像市というと、福岡と下関の中間でしたよね。日本海側の冬のものなのですね。

昔、親戚がエイの干物を年末頃に送ってきてくれて、煮物を作りましたっけ。
硬くてねぇ。鉈で割りましたよ。独特の味だったな。
あれと似ているのかな?味は。

サメやエイなどの軟骨魚類は体液の浸透圧調整のために、尿素を血液中に貯えて、海水と浸透圧を等しくするんですね。尿素は分解するとアンモニアが出来ますので、干物などでも独特の味と香りになるのです。
なんとなく懐かしい味です。

2011年1月11日 (火)

試着室

2011.1.10付 朝日歌壇より
試着室鏡の中に私より先にセーラー服着た私:(富山市)松田梨子

確か作者は今小学校六年生の三学期。
中学入学へ準備を進めているところ。
セーラー服を試着してみた。
セーラー服を着て鏡の中に写っているのは自分だけれど自分でないみたい。
自分の中にずれ感覚があるんですよね。微妙な。
始めての体験でしょうね。
思春期へ向かう微妙な感覚が表現されていると感じました。

時間

2011.1.10付 朝日歌壇より
亡き人を背負うあなたは優しくておおきな時間のことを語れり:(枚方市)宮岡絵美
 佐佐木幸綱評:個人をこえた次元で過去や未来を語っているのだろう。自分にこだわることが多い私たちは考えさせられる。

亡くなった方は、悠久のいのちの流れへ還っていかれた方。
命をのせた悠久の流れから今を語るとき、「今」の意味が変わってくるのでしょう。
私は過去や未来を語っているとは思っていないのです。
「今」を語っておられる。
「今」というところから、その背後にある「優しくておおきな時間」が立ち現れて来るのだろうと思います。

首螽蟖

2011.1.10付 朝日歌壇より
降り積もる落葉の中に鮮やかに首螽蟖(くびきりぎりす)の緑ありけり:(熊谷市)内野修

実際のところ、ちょっとびっくりしますよ、冬のさなかにクビキリギリスに出会うと。
名前はクビキリギリスですが、姿としてはショウリョウバッタ的でしょうか。
成虫で越冬しますので、こういうことが起こるのです。
以前に私が撮った写真を載せます。
Kubikirigirisu
3月の末に撮ったものです。
トクサの間に居たのを見つけました。この時使っていたデジカメではこういうまぎらわしい被写体を撮るのが難しく、あんまり鮮明ではありません。
ウィキペディアとか虫ナビでちゃんとした写真や解説を見て下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%82%AE%E3%82%B9

http://mushinavi.com/
ここから バッタ目 > キリギリス科 > クサキリ亜科 に クビキリギスがあります。

ところで、短歌だから漢字で書くのは分かりますが、ちょっと「キリギリス」の漢字表記はきついなぁ。カタカナでは歌が成立しませんか?
ちょっと抵抗感がありました。

湯湯婆

2011.1.10付 朝日歌壇より
よこ抱きの人肌ほどの湯湯婆は赤子の腹のような音する:(ドイツ)西田リーバウ望東子
 馬場あき子評:比喩が生きた。

選者は「比喩」ととらえたようですが、私は比喩ではない、事実の表現と思っています。
子が満腹した時に、おおきなぽんぽんりっぱだねぇ、とかいってお腹をつっついて遊んだりしましたっけ。
そうするとね、はしゃぐわけですが、お腹から、ちゃぷちゃぷ、たっぷんたっぷん、という音が実際に聞こえるんですね。
立ってぴょんぴょん跳ねることが出来るようになると、すごい。いい音がします。
本人も自分のおなかから音がするので面白がって跳びはねます。

ゆたんぽの中のお湯が人肌に冷めて、中でたぷたぷ音がする、これは子や孫が幼い時の実景と重なりますよね。

私はそう読みました。

ガ行

2011.1.10付 朝日歌壇より
きっさ店ママのコーヒー飲んでみた苦くて口がガ行になった:(富山市)松田わこ
 永田和宏氏と高野公彦氏が選んでおられます。
 高野公彦評:苦さを「ガ行」と表現したのが見事。

大人の味に触れてしまった。
「苦い」という味に「ガ行」という表現を与え得たことに敬意を表します。
こうなると、作者に渋柿をかじらせてみたいな。
どんな顔をするだろう?
舌も唇も滑らなくなるぞ。
どういう表現を与えるか、想像してしまいます。
意地悪じいさんだなぁ。

湯たんぽ

2011.1.10付 朝日歌壇より
足をよせあら冷たいわというけれど私はあなたの湯たんぽじゃない:(掛川市)村松建彦

いえね、検索しても出てはこないんですが、昔こんな言葉を聞いたことがあるんですよ。
欧米で
「夫は妻のレッグウォーマー」
というんだ、と。
女性は洋の東西を問わず冷え症なんだ、と笑ったものです。で覚えている。
どなたか、実際にはどういう表現なのか御存知の方がいらっしゃったら正確な表現を教えて下さい。

はなびらのように

2011.1.10付 朝日歌壇より
死者を待つ吾が生業を悲しめばはなびらのように雪降りて来ぬ:(八戸市)山村陽一
 永田和宏氏と高野公彦氏が選んでいます。

その雪はきっと、観音菩薩が散らしたはなびらでしょう。
人の命の「端」を「正しく」するご職業。
端正なり。と申し上げます。

小波

2011.1.10付 朝日歌壇より
野の川に白く光りて冬日ありかすかな風にも小波拾ひて:(西条市)亀井克礼
 永田和宏評:端正な自然詠の良さ。微妙な動きを捕えた下句の繊細な視線がいい。

日の傾き具合がちょうどよくて、川面に立つ小さな波も新たなきらめきを発しているのでしょう。その繊細なきらめきが風を可視化する。こまやかな表現ですね。

高野公彦氏の選で次のような歌もありました。
元荒川皺なく流れ光りおり今日も株価は値下がり止まず:(蓮田市)青木伸司

下句の方は私にはあまり関心がないのですが、上句で水面の描写があります。
こちらは、「皺」のような小波もない油を流したような水面なのでしょう。時間がゆったりと流れているような気配です。

どちらも見事な描写と感じ入りました。

ネコジャラシ(エノコログサ)

1224_7nekojarasi1 2010.12.24
ネコジャラシです。ごく普通の姿ですが。
この実が落ちるなりなんなりしてなくなったらどんな姿になると思いますか?
なんとなく、とげとげの部分は実に属していて、茎だけが残る気がしませんか?
1224_7nekojarasi2
こうなっていました。
気づいた時は、ちょっとびっくり。
あれ、こうなんだっけ?
ブラシ状になってしまうんですね。
あまりここまでちゃんと見届けたことがなかったので、反省、です。

ハエ

1224_6hae 2010.12.24
キンバエでしょうか、センダングサの花の上。
動物の死体とか糞とかがあればそちらへ行くのでしょうが、花の蜜でもいいんですね。
この場合、匂いで探すのかどうか、よくわかりません。
やっぱり色かなぁ、それとも、蜜の発酵の匂いでもあるのか。
とにかく、花粉だらけになっていました。
食物が少なくなると、いろいろ探査の範囲を広げるようですね。

モッコク

1224_5mokkoku 2010.12.24
ツバキの木の隣に、モッコクがあります。
同じツバキ科です。
常緑樹ですから緑の葉がついているんですが・・・
なぜか一枚だけ真っ赤。
木全体でこの葉だけなんです。どうしてかなぁ。
常緑といっても、枯れた葉は落ち、新しい葉が芽生えて、結果としていつも緑の葉がついているわけですね。新しい葉が赤いのなら、もっとあちこちに赤い葉があって、やがて緑になって・・・と言うならわかるのですが。
一枚だけ赤い、いつまでも赤い。
どうしてかなぁ。

ジンチョウゲ

1224_2jintyouge 2010.12.24
ジンチョウゲです。
これは確か白いジンチョウゲ。
以前世田谷に住んでいた頃にあった白いジンチョウゲを引越しの時に枝を一本切ってきて、挿し木しました。結構大きく成長したのですが、どういうわけか枯れ始めてその株は消滅。その木のまた挿し木です。クローンですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3

クローンは、同一の起源を持ち、尚かつ均一な遺伝情報を持つ核酸、細胞、個体の集団。もとはギリシア語で植物の小枝の集まりを意味するκλών から。1903年、ウェッバー (H. J. Webber) が、栄養生殖によって増殖した個体集団を指す生物学用語として定義した。また、本来の意味は挿し木である。

0102_12jintyouge 2011.1.2
年を越して。
少し変化しましたかね。
でも、まだまだ硬い。
今は鉢植えにしてありますので、日当たりのよい場所に置いてあたたまってもらっています。

ポインセチア

1224_1poinsetia1 2010.12.24
自動車に年内の給油を済ませておこうとスタンドへ。
腰を痛めて以来自分で洗車をしたことのない私、ついでに洗車もお願いして、店内で待つことに。
テーブルの上にポインセチアが置いてありました。
ものすごい色ですね。我が家にこういう雰囲気のものは置かないたちですので、近くでまじまじと見つめるのは初めてです。
赤いのは葉ですよね。しっかしまぁ、すごい色だ。
短日植物ですから、クリスマスの時期に合わせて出荷するには短日処理かなんかして調整しているのですよね。どうも、そういう人為的なことは嫌いなたちで。
冬のイチゴも嫌い。
そろそろそういうのやめたらいかが?
その方がエコだと思うけどなぁ。
1224_1poinsetia2
花びらのない花。
結構面白い花です。コンパクトデジカメのマクロモードではこのくらいが限界。
一眼レフを持ってもう一度、撮らせて下さい、と行く気にもなりませんから、こんなところでご勘弁を。
メシベがなんというか板状なのかなぁ、よくわからない。そのてっぺんに球形のものがくっついている。

調べてみたら明治時代に日本に来た花で、和名があるんですね。
ショウジョウボク(猩々木)だそうです。
赤さに由来する名前ですね。
{ショウジョウバエも赤さに由来する名前です。}

アブラムシ

1223aburamusi 2010.12.23
フウセンカズラの葉。
私の意識は、アブラムシのシルエットにありました。
向こう側にアブラムシがいて、日差しを浴びてこちらから透けて見える。良いアングルだな、と一枚。
部屋で見れば、葉のこちら側にもいたんだ、見落としてゴメン。
こちら側のアブラムシはなんだか脚が宙に浮いたような感じに写りましたね。
葉の厚みを挟んでむこうとこっち。一生懸命に吸汁する姿です。

最後の一葉

1222_5outou 2010.12.22
桜桃の木の最後の一葉。
裸木になりました。
冬芽がいっぱい。
目には見えませんが、低温の中でもゆっくりゆっくり春への準備は進行しているはず。
充分に低温にさらされてこそ春の芽吹きが豊かになります。

ゆっくりね。

スイセン

1222_2suisen 2010.12.22
スイセンですが、いつ咲くでしょう。
1224_3suisen 12.24
去年の年内には咲きませんでした。
新年になって1月も中旬にさしかかってきましたが、まだ咲いていません。

まぁだだかい?
まぁだだよ

水滴

1222_1waterdrop1 2010.12.22
雨の後。
カニクサの葉に水滴が下がっていました。
以前から、一個の水滴で虹を見る、ということはできないのか、と思っています。
今回はピントを無限遠に固定して、水滴に近づいたり遠ざかったり、角度を変えたり、いろいろやってみましたが、うまくいきませんでした。結局こんなもの。
お気づきでしょうか、像が七角形。
これ、カメラの絞りの形ですね。
1222_1waterdrop2
いろいろ試みたものです。
1222_1waterdrop3
一度、日当たりのいい場所で、人為的に水滴をぶら下げてチャレンジしてみる必要がありますね。
今回は、比較的目の高さに近いところだったのでたくさん試せたのですが、それでも私の腰は不安定。
三脚を据えるとか、工夫の余地はまだまだありそうです。

ヒメナガカメムシ

1221_4himenagakamemusi 2010.12.21
セイタカアワダチソウのてっぺん。
ヒメナガカメムシの交尾。
うわぁ、まだ産卵する気なのか、となんだか茫然としました。
すごいものですね。可能な限り、生きる活動をやめたりはしない。生きられる限りを生き尽くす。
きついな。
おまえはちゃんと生きているのか?となんだか問いただされているような気がする。
悟ったような顔するなよな。
今できることを今やるしかないだろぅが。

シロザ+

1221_2siroza 2010.12.21
シロザは今も花を咲かせています。
ただ、暖かい時期とは少しスタイルを変えています。
のびのびと枝を伸ばしてゆったり花を咲かせていく、という感じではなく、とにかくとりあえず花を咲かせてしまおう、という雰囲気です。
こちゃっと小さくまとまって咲いて、まとまって稔ります。
なんとなく植物の「あせり」「いそぎ」を感じさせます。
そんな実を見ていたら、黒っぽく見えて、種子がむき出しになっているのかな?と撮影。
パソコン画面で見て初めて気づきました。
アブラムシです。
稔りのために植物側も一生懸命栄養を送り込んでいるわけで、そこへ頭を突っ込んでいたわけですね。口を突きさして、きっとおいしいおいしいと飲んでいるのでしょう。

植物側も冬の営み。アブラムシ側も冬のさなかの懸命な営み。
命の活動が交錯していますね。

2011年1月10日 (月)

保護色

1221_1chako1 2010.12.21
朝、2階の部屋の雨戸を開けたら、外の道路の突き当りのところでチャコちゃんが日向ぼっこ。この時間で一番暖かいのはここなのでしょう。
チャコちゃん用の2階家もありますし、車が帰って来た時はボンネットの上やエンジンの下が暖かいことも知っている。
猫はテリトリーの中の一番暖かい場所をよく知っています。
で、落ち葉の色とチャコちゃんの体色がマッチしてよい雰囲気。

チャコちゃん、保護色かい?カラー・コーディネートかい?
1221_1chako2
何言ってんの

と視線が完全に合いましたね。
20m近く離れているんですが、きりっとした眼差しでカメラを射抜く視線を送ってきました。

サザンカにハエ

1220_6hae1 2010.12.20
サザンカの花の中にハエが頭から突っ込んでいます。
何というハエかはよくわかりません。よくここで見かけるツマグロキンバエよりは大型のハエです。ニクバエの仲間という気はします。
1220_6hae2
体が大きいので、オシベの林に分け入るのが大変。苦労しています。
体は花粉だらけ。
1220_6hae3
少し脇の方も舐めています。
胸部背面の模様がニクバエ風だと思います。
1220_6hae4
敢えてぶれた写真をお目にかけます。
真っすぐなぶれではないですね。円弧を描いている。
実際のところどうなのかは分かりませんが、勢いをつけて頭っから突っ込んでいく姿に見えます。(ハエの頭突きみたい。)

体が大きいのも大変なのですね。
通常ならこういう花に来るハエではないのかもしれない。でも、食べ物も少ないし、なんとかエネルギー源を得ようと頑張っているのでしょう。

ツバキ

1220_5tubaki 2010.12.20
ツバキのつぼみが膨らんできました。

ところがですね、この状態から一気に咲いてしまわないんですね。
で、こうやって、花弁の一部分が長く外に出ていた状態から咲くと、咲いた時から花弁の縁が傷んだ状態になってしまうのです。
で、まだ、花の写真を撮りたくない。
咲き始めからぼろぼろなんだもの。
私はいいけれど、お目にかけるような状態ではないなぁ。
もっと、一気に花開くようになったら、花の写真を撮ってお目にかけます。
しばらくは、つぼみの色を楽しむだけです。

カメムシとアブラムシ

1220_4kamemusiaburamusi 2010.12.20
フウセンカズラのところで見かけました。
右はヒメナガカメムシの成虫でしょう。
翅が透明なので、腹が透けて見えるため、翅の長さが短めに見えて幼虫っぽい姿に見えてしまいます。よく見ていただくと腹の先のほうまで透明な翅があることがわかります。
左にアブラムシ。
なんだか、並んで会話でもしているようにみえますね。

寒くなりましたね
全くです

では、お元気で
1220_4kamemusiaburamusi2
とアブラムシは去って行きました。
さようなら
と、カメムシが見送っています。

そう見えてしまうなぁ。

フタモンアシナガバチ

1220_3hutamonasinagabati1 2010.12.20
このころが、フタモンアシナガバチのオスの姿を見た最後になりました。
すべて死に絶えたものと思われます。
今頃は、春に活動を始める女王が一匹で越冬中でしょう。

私はこの時期にオスを見るだけで、どこで営巣しているのか見たことはないのです。
あまり人間の活動場所の近くで営巣されるとまずいのですが、これまでのところ、互いにテリトリーが重なることなく来ているのは幸いです。

今春からもそのように生きていきたいですね。

ゲッケイジュ

1220_1gekkeiju1 2010.12.20
ゲッケイジュの葉が向こう側から照らされています。
ここでフラッシュを使ってしまうと、こちらを向いた面がきちんと写ってしまうので、手持ちでは辛いところですが、頑張って、ノーフラッシュで撮ってみました。
葉の縁が輝いています。葉脈が浮き上がりました。
なかなか、よい具合に写ったと御機嫌。
1220_1gekkeiju2
拡大。
逆光が生きました。

爪が指の先端より伸びている方ができる実験。
手を開いて、手の甲を手前に向けて、天井の蛍光灯にかざします。
手を逆光で見て下さい、ということなんです。
指は黒い影になり、爪が輝いて見えますよ。
なかなか楽しい。

広辞苑第五版によりますと

爪に火をともす:蝋燭(ロウソク)のかわりに爪に火をともすほど、過度に倹約する。

というのがありますが、そういうことではなく

glittering nail として鑑賞して下さい。



ゆで卵

1219_tamago 2010.12.19
妻がちらっと見たNHKの「ためしてガッテン」とかいう番組で、ゆで卵を作る時に、気室の部分にヒビを入れておくとよいといっていた、確かにうまくいく、と言っていました。
番組のホームページを見たら、二酸化炭素がどうたらこうたら、どうでもいい、おそらくは間違った説明が書かれていましたが、うまくむけるのならそれはそれで面白い、とやってみました。
気室の部分に、果物ナイフの先端でヒビを入れ、水から茹でてみました。
あらま、出べそ。
中身が膨張して出てきたのでしょう。卵殻膜は破っていませんから、出てきても散ってしまうことはありませんでした。
で、茹であがって、自然放冷して、むいてみました。
なるほどむきやすい。
おそらく、この穴から水が中に侵入したのでしょう。
卵殻と卵殻膜の間に水が入ればむきやすいのは当たり前。
多分そういうことだと思います。

私のようなじいさん個人が言うのははばかられますが、NHKのあの番組、かなりいい加減です。科学的根拠は乏しいものを、さも、科学的であるかのように騒ぎ立てます。
以前、血液さらさら・どろどろ問題を引き起こしたのもあの番組だったと思いますが、あれはウソっぱちでした。

今回も、説明はおよそでたらめでしたけれど、事実は確認できました。
卵殻膜を破らないようにして卵殻にヒビを入れることができればよいのだろうと、推測します。
ま、そんなところですね。

クロスジホソサジヨコバイ

1218_6kurosujihososajiyokobai 2010.12.18
クロスジホソサジヨコバイのメスです。
ビヨウヤナギの葉の上。
背中の真ん中のクロスジに赤い縁取りがあるのがメスです。
写真の下の方が顔に見えませんか。まるで目が二つあるようですよね。
本当の目は上の方ですが、色が体色と似ていて目立ちにくい。
ネット上では「マエムキダマシ」という名前も通用しているようで、自分が勝手につけた、という人もいるし、この名前でいろいろな記事が書かれていました。正式名ではありません。
0104_2kurosujihososajiyokobai 2011.1.4
ビヨウヤナギの葉で。やはり、メスですね。
この場所、突き当りで日当たりがよく、天気さえ良ければ結構あたたかい日溜まりになります。で、この冬、この場所でよくお目にかかるのがクロスジホソサジヨコバイというわけです。
0105_3kurosujihososajiyokobai 2011.1.5
これはオスですね。赤い縁取りがない。
単に「クロスジ」だけです。

ところで、これまで私は、目玉模様のようなものの存在で前後逆向きの擬態をしていると思ってきましたが。
改めて虫ナビのサイトを調べてみたら

翅の先の1対の黒紋や2対の暗褐色の筋などの模様には意味があり、翅の黒紋をヨコバイの眼に、筋は前脚と中脚,頭部を尖らせることで翅先に擬態しており、天敵からの攻撃で的を外すことができるのである。しかし、幼虫では翅がないので、腹部先端に眼を表現した黒い紋がある。

こういう記述がありました。この二筋の黒い模様にも意味があるのですね。
よくできてるなぁ。
この筋をきちんと意識して見たのは今回が初めてです。そうだったのかぁ。

昆虫類の少ない今の季節、今日はいるかな?と楽しみにしてビヨウヤナギの前で長い時間を過ごしています。
遊んでくれてありがとう。
(先日は、ふと気づいたら、防寒着の袖にくっついていました。写真をとる暇はありませんでしたが、ぴょんと跳んで葉に帰って行きました。)

白梅

0107_h_ume1 2011.1.7
白山神社にて。
もう梅が咲き始めていました。
去年は1月の下旬に気づいたような記憶がありますが、今年は結構速いですね。
0107_h_ume2
遠くからシルエットでつぼみが見えたので、近づいていったらもう花が咲いていたのでびっくりしたのです。
0107_h_ume3
つぼみって好きだな。
0107_h_ume4
一輪だけ拡大。
3時半くらいでしたか、もう夕方の気配です。
白い花が浮き上がってきれいでしょ。
そのうち、メジロなんかも来るんでしょうね。

エリカ

0108_2erica1 2011.1.8
ギョリュウバイを撮影しようと一眼レフを持って出かけていったら、新しい花が増えていました。さすが元花屋さん。
0108_2erica2
撮影時には名前がわかりませんでしたが、調べてみたら、多分エリカですね。
ツツジ科。南アフリカ原産だそうです。
ジャノメエリカの丸っこい花は覚えたのですけれど。
細長いけれど、確かに似てますね。
ジャノメエリカを知った時に西田佐智子さんの「エリカの花散るとき(1962年)」を思い出して、そんなことを書いた記憶がありますが、「エリカ」そのものの花があったんですね。わ~ぃ。
中学生くらいかなぁ。好きな歌でした。
ところで、すぐそばに
0108_2erica3
こういうのがありまして、黄色い花が咲いている、と思ったのですが、よく見れば葉の一部の色が変化しているのですね。まるで花です。
0108_2erica4
ほら。
で、撮影時、分からないのがまた増えた、と思ったのです。
ギョリュウバイが分かって勇んで写真を撮りに来たら、分からないのが二つ増えた。
一歩進んで二歩さがる~♪などと口ずさみながら写真を撮りました。
{内緒話:水前寺清子さんのあの歌、実はあまり好きじゃなくって。最初から、三歩進んで四歩さがる♪と歌ってました。あっけらかんと、前進は良いことだ、とは考えていない私なのでした、昔から。}

さて、エリカの名前が分かって、いろいろ写真を見ていたら、この、後2枚の写真はエリカの葉ですね。
花といい、葉といい、おみごとな植物だ。
美しいです。

エンゲイナビというのを見ていたら、学名「エリカ・オアテシイ」、流通名「ウィンターファイア」というエリカがありまして、似てます。(この品種かどうかは確定できませんが。)
花の色が炎のようだ、とか、花を逆さに見るとまるで炎のようだ、とかいうらしいです。

ギョリュウバイ

1月7日付で「この木なんの木?」という記事を書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-e4da.html

嬉しいことにさっそく、「御柳梅(ギョリュウバイ)」ではないか、というコメントをいただきました。
「季節の花300」というサイトを見に行ったところ、なるほど、そうなんだ、と納得しました。
http://www.hana300.com/gyoryb.html

で、先の記事の写真はコンパクトデジカメの写真でしたので、一眼レフを持って再度撮影してきました。
0108_1gyoryubai1
口径の大きなレンズの描写力、というんでしょうか、鮮明だし、映像に奥行きがあります。
0108_1gyoryubai2
これが花一輪のクローズアップ。
オシベが冠状。子房は大きく、メシベの柱頭はちょっと潰れたような形になっています。
0108_1gyoryubai3
花もいっぱい、つぼみもいっぱい。
まだまだ当分はここを通るたびに楽しめそうです。
素敵な花をありがとうございます。

◆ところで、花300からの引用ですが
英名は「New Zealand tea tree」だそうです。

・蒲桃(ふともも)科。
・学名  Leptospermum scoparium
          Leptospermum : ネズモドキ属
          scoparium    : 箒状の
          Leptospermum(レプトスペルマム)は、ギリシャ語で「薄い種子」の意味。
・オセアニア、マレー半島原産。       
・庭に植えられているのをよく見かける。
・冬から春にかけて、ピンク色の小花が枝に沿ってたくさん咲く。白花の品種もある。
・ニュージーランドの国花。            
・英名「ティーツリー」。             
  ニュージーランドに移住した人たちが、お茶の葉のかわりに御柳梅の葉を利用したことから。

そうなんだぁ。ニュージーランドの国花だったのですか。

◆余談:全く何の気もなしに「花一輪のクローズアップ」と自分で書いて、その瞬間からずっと、頭の中にあるメロディーがず~っと回りっぱなしになってしまった。
森山良子さんの「はな いちりん」という歌。どこが漢字表記になっていたか忘れました。
はないちりん♪はないちりん♪というメロディーが頭の中でずっと鳴ってます。
森山さんのいとこの、かまやつひろしさんの作詞作曲だったと思いますが。
リリカルな詞とメロディ、大好きです。
小鳥のようにうたいたい♪
とか
ちょうちょのようにおどりたい♪
とか

突然記憶が押し寄せてきてしまいました。

2011年1月 7日 (金)

カメムシ

1218_9kamemusi 2010.12.18
ヒゲナガカメムシかなと思いますが、確定できませんでした。すぐ消えてしまったので。
物思いにふける孤高の姿。とでもいいましょうか。
その姿が印象的でした。
生きる威厳を見た、といったら言い過ぎかなぁ。
どうも人間界は、はしたないことばかりで、面白くもない。
昆虫界は毅然としています。きちんと生きています。皆。

サルスベリの種子

1218_11sarusuberi1 2010.12.18
白山神社で拾ってきたサルスベリの実です。
割ってみました。
1218_11sarusuberi2
種がいっぱい出てきました。
1218_11sarusuberi3
これも、一応「羽のある種子」というべきですね。
でも、高い所から落としてみても、回転しませんでした。マツとは全然違います。
落下速度もそれほど減速されていない感じ。
回転はしないけれど、きっと風が吹けば風に乗ることはできるのでしょう。
蒔いてみようかな。

マツの種子

1218_5matu1 2010.12.18
我が家のマツの種子です。
2年がかりで熟してきました。
羽のある種子ですね。
掌の上で撮影すると、掌の色に引っ張られますので、ティッシュの上でも撮影してみました。
1218_5matu2
同じものなのに、ずいぶん色調が違いますね。
私は基本的に色調はいじっていません。
ガンマとコントラストは時々調整することがあります。

この種を持って、高い所から離すと、ヘリコプターの回転翼のようにくるくる回りながら落下します。なかなか面白いものです。
厚紙をこの形に切って、端におもりをつけて落すとくるくる回って落ちる、という理科遊びがあります。お試しください。
風が吹けば風に乗って遠くまで飛んでいけるということが実感できます。

NHKの番組で、下から乱れのない気流を送る風洞のような装置の中で、落下速度と風速を同じに調整して、ずっと同じ高さのところで回転を続ける種、というのを見たことがあります。
なかなかの見ものでした。

カエデの種子も羽があります。同じように回転します。
見つけたら楽しんでください。

ツマグロキンバエ

1218_4tumagurokinbae 2010.12.18
何の気なしに撮った一枚。
で、パソコン画面で見たら、お尻の先に黄色いもの。
これ、このハエの糞だと思うのですが。
なんだか、少し固形物っぽいなぁ。
黄色い色は花粉の色でしょうけれど。

あいまいな言い方なのは、納得していないからです。
ハエって、基本的には液体を舐めるのではないだろうか。
消化液を出して、消化された液を舐めとる、と理解していたのですね。
花粉のようなサイズなら固形物も摂取できるのかな?
このウンチ。液体を舐めただけでできるウンチかなぁ。

困惑しております。
どっちでもいいんですけどね。

スイセン

1218_3suisen 2010.12.18
スイセンの花芽です。
まだまだ硬い。
緩むのは1月も終わりでしょうか。
毎日の楽しみの一つです。

この木なんの木?

1218_1hatena1 2010.12.18
駅へ行く途中。
元花屋さんだったお宅。
季節ごとに植え替えされて、きれいな花を楽しませて下さいます。
さすが、園芸品種にお強い。
で、私は弱い。
小さな小さな木のような。
1218_1hatena2
こんな花が咲いています。
1218_1hatena3
可愛い花です。
なんだろう?

2011年1月 6日 (木)

双葉

1217_hhutaba1 2010.12.17
白山神社にて。
なんだかよくわからないのですが、双葉がいっぱい。
これはホトケノザじゃないかなぁ。丸い双葉と、小さな本葉。本葉の姿がそんな気がする。
1217_hhutaba2
もうすこし本葉が成長したもの。
1217_hhutaba3
これはなんでしょうねぇ。
十字対生がかわいい。
1217_hhutaba4
これはまだ双葉だけ。
とにかく、双子葉植物ですっ、といっております。
この姿こそ、双子葉植物の「原点」ですものね。

春を待つ「子どもたち」の姿でした。
ゆっくり、ゆっくり。いそぐべきことなどありはしない。
冬の谷底の向こうには春がやってきます。

タケノホソクロバ

1217_htakenohosokuroba1 2010.12.17
白山神社にて。
タケノホソクロバの成虫です。
10月28日の記事で、幼虫の大発生を書きました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-b7e8.html

あの時、ほとんどの幼虫は駆除されたはずですが、生き残ったものもいたんですね。
駆除にかかわった者でありながら、虫好きでもある私としては複雑な気分がしていましたが、1匹くらい成虫になってもいいですよね。
バランスが崩れて大発生になってしまったのは困りましたが、彼らだって「生きたい」んです。
迷惑にならないくらいのところで生き継いでいってくれていいと思います。

ちなみに、幼虫の毛は毒毛ですが、このように成虫になると毒毛を持ち越していませんので、大丈夫です。怖がらなくていいですよ。
1217_htakenohosokuroba2
この直線的な食痕がタケノホソクロバの幼虫の特徴です。こういう食痕を見かけたら、注意深く探してみて下さい。たくさんいたら仕方ない、駆除するしかないですね。

ササグモ

1217_1sasagumo 2010.12.17
ササグモ。まだ成体ではないと思います。
このくらいの状態で冬越しでしょうね。
これ以降、見かけません。どこかに潜り込んでいるのだろうと期待しています。

落ち葉の積もった下などで越冬する虫も多いので、あまり落葉を片付けられないんですよね。
越冬を邪魔したくないものですから。

カランコエ

1216_3kalanchoe 2010.12.16
カランコエの蕾。伸びてきました。
おそらくすごくゆっくり成長していくと思います。
フチベニベンケイとかがそうでしたから。
1231_18kalanchoe 2010.12.31
半月後。
0106_3kalanchoe 2011.1.6
十字対生の葉が並んでいて、つぼみに一番近いものは、まるで掌をあわせて蕾を支えるような形になっています。大事そうですね。

さぁ、いつ咲くかな。
じっくり待ちましょう。

ハエ

1216_2hae 2010.12.16
フウセンカズラの葉の上。
種の特定は放棄。
あ、ハエだ。です。
ハエの仲間は結構頑張りますね。
いろんな種類を見かけます。
性懲りもなく、「生きてるよ」という御報告を続けます。

ツマグロオオヨコバイ:2

0106_1tumaguroooyokobai 2011.1.6
ランタナの葉の上。
年が明けてからずっと、ツマグロオオヨコバイを見かけなくなっていました。
さすがにもう、ダメだったかなぁ、とさびしい気持ちでいましたら、今日、いました。
眼のすぐそばに短い触角があって、まるでつけ睫毛みたい。単眼も一つ輝いて見えます。
いい顔してるよなぁ。写真を撮ってしばらく眺めていましたら、つつっと横這いして、葉の裏に隠れました。うん、げんき元気、うれしいな。
これから、気温の年間の谷底へ向かいます、どうか頑張って生き抜いて欲しいものです。

な。

ツマグロオオヨコバイ:1

1216_1tumaguroooyokobai 2010.12.16
ヤツデの葉の裏に2匹。
ちゃんと液を吸っているらしく、右の個体は排泄中。
きれいな球形です。無色透明なのにその影ができる話は前にしましたね。
オシッコ・レンズになって、光を焦点に集めてしまったので、光の行かないところが影になったのです。
1225_4tumaguroooyokobai 2010.12.25
冬の時期に顔を見られる昆虫は少ないので、みかけるとつい撮りたくなります。
1227_6tumaguroooyokobai 2010.12.27
ビヨウヤナギの葉の上。
少し翅が開き気味。
きちっと閉じられないくらいに弱ってきたのかなぁ、と気にかかります。
1231_11tumaguroooyokobai 2010.12.31
とうとう大晦日。
年を越せるといいね、と思わず声をかけてしまいます。
後脚をきちっと折り畳むと、中脚のところに来るんですね。
細い茎だからでしょうか。
がんばれよ。

脱酸素剤

前の記事で、脱酸素剤の話をちらっとしました。
鉄粉が酸化されやすい性質を利用しています。

酸化反応で発熱することを利用したのがいわゆる「化学カイロ」。
酸化反応で酸素を消費することを利用したのが脱酸素剤です。

たまたま、正月に脱酸素剤を目にすることがありました。
面白かったので頂いてきました。
三菱ガス化学という会社の製品です。

脱酸素剤 エージレスⓇ
食べられません
電子レンジ不可

こう書いてあるのはよく分かります。
鉄ですから食べられません。
電子レンジに入れると、鉄粉は金属ですから火花が出ることがありますので、危険です。
電子レンジで焦げ目をつける、というのは金属部分が熱くなるのをうまく利用しています。
下のサイトに詳しい説明があります。
http://kaden.pcinformation.info/microwaveoven-metal.htm

ところで、この脱酸素剤の袋に、中国語の表示もありました。

不可食用
勿在微波炉用

初めの方は「食べてはいけない」ですよね。
「不可」は「禁止」でしょうね。
2番目が分からなかった。
「勿」は「なかれ」で、禁止ですよね。ですから、「入れるな」ということだと思いました。
「微波」が分からなかった。
英語表示を読んで、あぁそうかぁ、と納得。

Oxygen Absorber
AGELESSⓇ
DO NOT EAT
DO NOT MICROWAVE

そうか、MICRO=マイクロ=微 なんだぁ。
この表示を見ると、MICROWAVEは名詞ではなく動詞として使えるようですね。
「マイクロ波調理する」=「電子レンジで加熱する」=「チンする」
なのでしょうか。

で、中国語で「MICROWAVE」が「微波」というのであるらしい。
初めて知りました。ふ~ん、そうなんだぁ。
微波炉で電子レンジなのですね。
電子レンジに入れてはいけない、と書いてあったようです。

知識が一つ増えました。楽しいナ。

★日本の電子レンジで使っている電波は2.45GHzです。波長にして12.2cmくらいですかね。いわゆる「極超短波(UHF)」に属する電波です。
波というものは、その波長と同程度のすき間まではくぐりぬけられますが、波長よりずっと短い長さのすき間は通り抜けられません。
電子レンジの扉には穴のあいた金属板がはってあって、中が覗けるようになっていますが、あの穴はmm程度のあなですから、10cm程度の波長のマイクロ波は漏れてこないのですね。ですから、電子レンジを覗いても、目に害はないのです。

自然発火

1月5日付けの毎日jpに「タオル自然発火:美容オイル酸化の熱で 2人死亡火災も」という記事が載っておりました。

 

美容オイルのしみこんだタオルが自然発火する事故が相次いでいる。昨年は、富山市のアロマセラピー店で出火し、08年には福島県の高齢者施設で2人死亡の火事が起きるなど、過去5年間で21件が判明している。オイルの酸化に伴って発生した熱が逃げ場をなくすと高温になるためで、経済産業省などが注意を呼び掛けている。
 富山市では10年11月27日午前2時半ごろ、閉店後の無人のアロマセラピー店で出火。床に重ねて置かれたタオルから出火したとみられ、床など約1平方メートルを焼いた。従業員によると、タオルは美容オイルでマッサージする際に使い、26日午後5時半ごろ洗濯・乾燥を済ませた。県警は、タオルを乾燥機にかけた際、しみついたオイルが酸化反応によって発熱し、取り出し後に重ねて置いたため熱がこもり発火した可能性が高いと結論づけた。
 独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)などによると、美容オイルなどの植物性油は酸化しやすい「不飽和脂肪酸」を多く含むという。機構の実験では、美容オイルが付いた衣類を洗濯・乾燥機にかけ、かごに重ねて置いたところ、かご内は最高427度に達し、約2時間15分後に発火した。植物性の食用油や機械油でも同じことが起こるという。
 機構のまとめでは、油のついたタオルが自然発火したとみられる火災は05年4月以降39件あり、うち21件は美容オイルが原因。大半がエステティックサロンやアロマセラピー店で、住宅やホテルでも発生。08年12月には、福島県いわき市の老人介護施設で2人が死亡、3人が重軽傷を負う火事があり、マッサージ用の美容オイルを拭き取ったタオルが原因とされた。機構の担当者は「ぼや程度なら報告されないこともある」とし、実際の件数はさらに多いとみている。
 油分は洗濯しても完全には除去できないため、機構や経産省は美容オイル類が付いた衣類は自然乾燥させるよう呼び掛けている。

 この記事ではアロマセラピー用のオイルが発火したことがメインですが、記事内にあるように他の油でも起こり得るものです。
とくに身近なのはてんぷら油です。
てんぷらを揚げた後の油を鍋から拭きとった紙などを丸めてゴミ箱に突っ込んでおくと、やはり自然に酸化されて、熱が蓄積し、火事になります。これも結構多い事故ですのでご注意ください。

 植物油の分子内には炭素と炭素の「二重結合」が、動物の脂肪分子よりも多くあります。二重結合が多いと融点が下がり常温で液体の油となります。
そして、二重結合の部分は単結合より不安定で、空気中の酸素が結びつきやすいのです。
 植物油脂を含む食品や菓子に「脱酸素剤」というのがよく入っていますよね。あれ、鉄です。袋の中の酸素で鉄が錆びてしまうので、袋の中の酸素がなくなるわけです。ミニ化学カイロといえるようなものですね。
 酸化された油は健康によくありません。油っぽい食品は袋の封を切ったらなるべく早く食べてしまいましょう。保存していると油が酸化されてしまいます。
 さて、酸化反応が起きると発熱します。
発熱すると酸化反応の進む速さがはやくなって、より多くの熱が発生します。熱が発生すれば反応が速くなって・・・
遂には紙や布が燃える温度になってしまうのですね。
熱が伝わりやすくて、発生した熱がどんどん逃げていけば温度は上がらないのですが、紙や布は断熱性がいい。で、熱が蓄えられてしまうのです。

あなどるなかれ、なのです。

ところで、去年の暮に、出来事は違いますが出来事の本質部分は同じという事故がありました。2010年12月27付の朝日新聞です。

積み上げた石炭の山から出火 山口・宇部市の宇部興産
 27日午前5時50分ごろ、山口県宇部市小串の宇部興産の貯炭基地「沖の山コールセンター」の近くを通ったトラック運転手から、「石炭の山が燃えている」と119番通報があった。宇部署によると、センター敷地内に積まれた石炭の山(底辺の直径約25メートル、高さ約15メートル)の頂上部分が焼けた。約2時間後に鎮火し、けが人はいなかった。
 現場は宇部港に突き出た埋め立て地。宇部興産によると、約40万平方メートルの敷地内に大小様々な石炭の山が50~80カ所ある。出火したのはタンカーから陸揚げされた石炭で、重量は約6万トンという。消防は自然発火の可能性が高いとみている。

 最近は日本での炭鉱はほとんど活動していないので、こういう事故を聞く回数は減りました。
昔はよくあったんですよ。自然発火によるボタ山の火災。
石炭1個を目の前に置いておいても、熱くなったりはしません。いつまで見ていても火を噴いたりはしません。
ですが、空気中の酸素分子のうち速度の速いものが石炭の炭素原子に衝突して、たまには炭素の酸化が起こってはいるのです。
でもその頻度が低いので、発生した熱は全部外へ逃げてしまいますので、石炭1個が自然発火することはありません。
ところが、石炭を山積みにしておくと、炭素原子が酸化されて発生した熱が逃げられずに籠るんですね。熱がたまると酸化反応が速くなる、そうすると熱がたくさん発生する・・・という加速サイクルが働き始めると、石炭の山が自然発火してしまうことがあるのです。

初めに御紹介したのは油の酸化、次が石炭の酸化。
酸化による発熱、発熱による反応の加速、こういう観点からは同じ本質の出来事だったのです。
年末年始を挟んで、前後して読んだ記事でした。

ご注意ください。

新春詠

朝日歌壇・俳壇の選者の方々の「新春詠」が1月3日に掲載されました。
恐れ多くも、ど素人の私に「とんでもない引っかかり方」をした歌・句をいくつかご紹介します。

遠来者:高野公彦
 絹の道はるばると来て元日の重箱に居るセリ科ニンジン

{目の中にパターンとしてカタカナ部分が飛びこんできました。その時、反射的に私の頭の中をよぎったのは、キアゲハなのでした。セリ科ニンジンと書かれてしまうと、おぉ、キアゲハが来るといいな、なんです。ごめんなさい。}

元気か:永田和宏
 漂ふとふことばそのままただよへる綿虫がゐて 元気かと言ふ
 ただいまと言ひて応ふる声はなし写真の前にもう一度言ふ

{妻がいない。その「空虚」が迫ってきて、切ないです。世代的に近いもので、なおさらです。
「元気か」と言った、その主語は綿虫でしょうね。綿虫が目の前に漂いやってきて「交感」した。やはり生物学者ですよね。}

こころ繕ふ:馬場あき子
 松に添へ立てんとすれば太茎の薔薇は意外におとなしからず

{思ったように薔薇が添ってくれない、すぐ回転し、傾きが変わる。しとやかではなかったようです。
で、思うのですが、仮名遣いはやるなら統一なさったら?「立てむ」のほうがしっとり落ち着くと思いますが。「ん」では何だか、ころっと落ち着きが悪い。}

空つ風:金子兜太
 空つ風来(こ)ずなりし関東平野かな


おおさむ こさむ
やまから こぞうが とんでこない
なんといって とんでこない
さむいといって とんでこない

失礼いたしました。


2011年1月 5日 (水)

クロヒラタアブ

1215_6kurohirataabu 2010.12.15
サザンカの花の前。
ホバリングするクロヒラタアブ。
長い時間目の前に空中停止してくれました。うれしい。
1218_2kurohirataabu 2010.12.18
上と同じ個体かどうかは分かりませんが、美しい姿を見せてくれました。

年が明けて、写真撮影には失敗しましたが、クロヒラタアブを見かけました。
年を越したようです。

これからおいおい書きますが、新年の今の時期、ユスリカやハエの仲間が越年した数少ない昆虫のようです。

「五月蝿」と書いて「うるさい」。

自作
「九月蚊」は「うるさい」「しつこい」「しぶとい」

ならば、「正月蝿」「正月蚊」「正月虻」は、「めでたい」と読むといいと思います。

セイタカアワダチソウ

1215_5seitakaawadatisou 2010.12.15
セイタカアワダチソウの実です。
全体像はよく見ますが、毛のついた実の姿まではあまり見ないのではないでしょうか。
タンポポやノゲシなどキク科の実独特の「冠毛」がちゃんとあります。
この実が、風に吹かれて飛んでいく様は、結構きれいです。

でも、最近あまり生息範囲が広がっていない気がしますね。
自分で自分たちにアレロパシーを作用させてしまったのでしょうか。

2010.12.27付 朝日俳壇より
ゆくべきかゆかざるべきか冬厠:(柏市)牛水里人

行って下さい。どうしよう、どうしようと、過ごす時間はもったいない。
布団から出ると寒くて血圧が上がって危ないから、さっと上から羽織れるゆるいものを枕元に用意しておいて、それを羽織って冬厠へどうぞ。

私は普通、夢を覚えていないたちで、夢を見たことだけを何となく覚えているだけなのですが。
例外的に、今トイレがらみの夢見たぞっ、ということがありまして、この時だけはさっさと厠へ立ちます。膨らんだ膀胱の圧力が脳にそういう警戒信号の夢を見させるのです。
我慢はいけません。あぶない、アブナイ。警告だもんな。

梁塵

2010.12.27付 朝日俳壇より
梁塵のつひに動かず煤払ひ:(横浜市)日下野禎一

 長谷川櫂評:歌がうまければ梁(うつばり)の上の塵が動くという。「つひに動かず」とはこの一年ロクな句もよめなかったという謙遜の一句。「煤払ひ」がゆかい。句のわからん塵などさっさとお払い箱。

りょう‐じん【梁塵】リヤウヂン
①うつばりの上に積る塵チリ。
②(「梁塵を動かす」の故事から) すぐれた歌謡・音楽の意。

梁塵を動かす
[劉向別録「魯人虞公、発声清越、歌動梁塵」]歌う声のすぐれていること。転じて、音楽にすぐれていることをいう。[広辞苑第五版]

★「梁塵」といえば「梁塵秘抄」が浮かびます。
高校時代に、こういう古典は原典で読みたい、と岩波文庫で読破に挑戦。
面白かったし、驚きましたっけ。
江戸時代の「武道初心集」も原典で読んだっけな。

なんだ、人間って、いつの時代もおんなじなんじゃないか、と悟ったのでした。
梁塵秘抄の

遊びをせんとや生れけむ・・・
舞え舞え蝸牛・・・
仏も昔は人なりき・・・
恋ひ恋ひて・・・
神ならばゆららさららと降りたまへ・・・

いろいろ面白かったなぁ。わくわくしましたね。
おそらく、縄文の時代にだって、男女は好き合ったのだろうし、親は赤ん坊を抱いてゆすりながらねかせたのだろうし
人間っていつの時代も同じなんだ、というある種の信頼感を作ってくれた読書でしたね。

冬に入る

2010.12.27付 朝日俳壇より
冬に入る老いといふ病癒えざるよ:(川崎市)渡辺蝶遊
 金子兜太評:「老い」をマイナスに受け取っているのだが、俳句にしてニヤニヤ。

「老い」は「病」ではありません。
老いが「流行る」わけでもなし、老いに「罹患」するわけでもなし。
同様に癌も病気ではありません。癌にはかかりません。自分の体がみずから癌化するだけです。
老いも癌も生きることの必然です。

私自身はどちらかというと、癌を発して、死に際まではっきりした意識を保ったまま死にたいと願うものです。
死ぬ瞬間を経験したいな。

賀状

2010.12.27付 朝日俳壇より
仮の世に未練がましく賀状書く:(香芝市)矢野達生

年賀状という儀式から引退してもう何年になるのか。
鬱陶しくなってしまって、やめました。
やめてみれば、身軽でよいものです。
強迫観念に縛られずに、ゆるやかに、かろやかに、自らを解き放ってみませんか?
人間関係は重要ですが、人生のすべてではない。

人は自分の体一つで生まれてきて、自分の体一つで死んでいくものです。
執着を離れると、身軽でいいですよ。

マルチ

2010.12.27付 朝日歌壇より
雲映る黒きマルチにためらわずミヤマアカネは卵産みつづく:(高崎市)宮原義夫
 佐佐木幸綱評:「マルチ」は農業用マルチフィルムのこと。黒いフィルムをバックにした赤トンボの営みが印象的。

マルチというのは「multi」ではありません。「mulch」です。
multiですと「多くの」「複数の」という意味ですが、mulchは「敷藁を敷く」とか「根覆いを施す」という意味です。
よく畑で見かける、地面に敷いた黒い塩化ビニール・シートがそうです。

さて、選者は空の映る黒いフィルムを背景にアカトンボが産卵している、と解釈されましたが、ちょっと別の解釈を感じとっていまして、疑問を持っています。

12月末に掲載された歌ですから、詠んだ時は約1カ月くらい前までと思います。すると、11月ですね。これはアカトンボの産卵としてはずいぶん遅い気がするんですが、私の思い込みだろうか。
トンボは上空からきらめきを見て水面を発見し、産卵に降りてきます。
産卵の時期を失して腹に卵を抱えたメスが、マルチ・シートのきらめきに幻惑されて、水面と間違えて、シートに産卵行動を行っている、と読んだら、読み込み過ぎかなぁ。
そうであるならば、これは哀切ですね。きらめきを見て産卵せずにはいられないアカトンボの「さが」が切ない。

読み込み過ぎましたかね。

バイリンガル

2010.12.27付 朝日歌壇より
己が孫バイリンガルに育ちゆく興ありてまたかなしかりけり:(横浜市)大建雄志郎
 馬場あき子評:孫のバイリンガルぶりに将来への希望をつなぎながらも、自分の全く知らない世界へ飛び立ってゆくであろうさびしさを感じる祖父の思いだ。

かなしまないでください。子や孫が自分の知る世界にとどまっていては、何も進みません。
どんどん自分の知らない広い世界へ旅立ってゆく、それこそが、爺の本懐というものでしょう。
良い子に育った、良い孫に育った、と寿いで下さい。
ま、たまには爺のもとへ、その生きる姿を見せに来ておくれな、と送り出せばよい。

大いに快哉を叫んで頂きたいものです。
お孫さんは「ちきゅうひと」になります。

臨時休業

2010.12.27付 朝日歌壇より
仕出し屋は臨時休業告げておりはり紙だけではママは休めぬ:(高槻市)有田里絵

母親だって人間。たまに熱を出すことだってあります。
おかあさんは、きょうは、おやすみにします。
といえば、子はびっくりして、いろいろとおかあさんの代わりをしようとがんばります。
いつの間にか、こんなにも成長していたんだなぁ、と驚かされます。
張り詰めっぱなしでなくてもいいんですよ。ときどき「ゆるんで」ください。
それがまた子を成長させます。

納骨日

2010.12.27付 朝日歌壇より
納骨日母の骨箱抱へつつ厨居間など見せて回れり:(八王子市)瀧上裕幸
 高野公彦評:遺骨となった母に、見慣れた台所や居間を見せて回る。最後の別れだ。

骨壷をしばらく家に置いたのでしょうか。いざ納骨に至って、生前生活していた台所や居間を見せてあげた。ということは、逆からみると、お墓に納めるということは、家を離れ、墓の中に閉じ込めることになるのだ、という無意識の意識、のようなものがあるのではないでしょうか。
私は実際、納骨に立ち会ったことはありますが、閉じこめる、という気持ちを強く味わいました。
母の時はごくわずかですが海へ散骨しました。
山や海への散骨でも、樹木葬でも、オープンに開いた自然の中の命の循環の中へ還してさしあげるのがいいと思うんですよ。閉じこめることにはならない。
御霊常に共にあり給う。
広々としていいと思うのですが。

2011年1月 3日 (月)

三が日

1230_kazari6
今日で三が日もおしまい。
正月のテレビはつまらないですねぇ。
昨日今日の箱根駅伝、昨日の大学ラグビーくらいしか見ませんでした。
ラグビーは私の数少ない好きなスポーツの一つ。
ただひたすら「前へ」というのが好き。
ボールが常に先頭であって、ボールより後ろがON SIDE、ボールより先はOFF SIDEというのがシンプルでいい。そのために、前へ、つまりオフサイド側にいる人にはボールをパスできず、パスはON SIDEにいる人=後ろへというのがへそ曲がりでいい。
あの、へそ曲がりなボールがまた良い。

で、まぁ、正月なんて三日もやればもう飽きますね。
通常の生活に復帰しましょう、そろそろ。
ダルマさんもあくびをしています。

いや、人生とは「あくび」ですなぁ。
まったく、生きるということは「あくび」です。
結局、悟りとは「あくび」ですな。
そうそう。

とおっしゃっておりますよ。

★あくびがうつる。

賢い証拠、チンパンジーも「あくび」伝染 京大チーム
                                                           (朝日新聞 2004/07/24 )
 他人のあくびにつられてあくびをするのは人に限りません。チンパンジーも一緒です――。こんな研究を、京都大霊長類研究所などのチームが英王立科学アカデミー紀要電子版の最新号に報告した。しかも子どもではあくびが「伝染」しないことも人と同じ。自分と他人の識別や、他人への共感といった感情の進化を探るのに役立ちそうだ。
 霊長類研の松沢哲郎教授や、英スターリング大のジェームズ・アンダーソン教授らが、霊長類研のアイやマリなど19歳以上のメスのチンパンジー6頭を対象に調べた。
 6頭のうちの1頭と野生のチンパンジーがあくびを約10回するビデオと、単に口を大きく開けただけのビデオをそれぞれ3分間ずつ見せ、その後も3分間様子を観察した。
 その結果、口を開けただけのビデオを見てあくびをした回数は平均4.7回だったのに、あくびのビデオを見たときは同10回あくびが出て「伝染」しているのがわかった。とくにアイは2回だったのが24回に、マリも9回が25回に増えた。
 3歳の子ども3頭は、どのビデオを見ても一度もあくびをしなかった。
 アンダーソン教授らが人で同様の実験をしたところ、大人ではあくびのビデオでほぼ半数に伝染した。4歳以下の子どもには伝染しなかった。
 松沢教授は「あくびの伝染は、自己と他者を区別する能力はもちろん、他者の行動にある種の共感を覚えないと起こらないなど、かなりの知性を必要とする。類人猿のチンパンジーにもそれが備わっている新たな証拠だろう」と話す。

まぁ、チンパンジーはヒトと進化上の兄弟ですから、さもありなん、とは思いました。
ところがですね、イヌもそうなんですって

人のあくび、飼い犬にも伝染 日本人研究者が発表
                         (朝日新聞 2008/08/10)
 人のあくびが犬に伝染することが実験で確かめられた。あくびの伝染は人やチンパンジーの間で報告されているが、人と犬では初めて。ロンドン大学の千住淳研究員(心理学)らが英科学誌バイオロジー・レターズに発表した。「飼い犬は人に共感する能力を備えているのかも」と話している。
 実験は、飼い主の家など、犬が落ち着ける場所で行った。飼い主以外の人が5分間犬と一緒にいて、目があったら声を出してあくびをした。その結果、29匹のうち21匹が1回以上のあくびをした。あくびと同じような口の動きだけでは1匹もあくびをしなかった。人から犬へのあくび伝染のメカニズムについては研究が必要という。
 動物は、思いがけない相手と遭遇したときにあくびをすることがある。研究チームは「その可能性も否定しきれない」としつつも「つられあくびが犬と人のコミュニケーションに役立っている可能性がある」と指摘している。

そうなんだぁ。犬にもあくびってうつるんですねぇ。実験してみて下さい。

猫は、いろんなシーンであくびをしますね。緊張したり、期待感が高まったりしてもあくびをするように思います。でも、うつるということはないように思いますが・・・いかがでしょう。研究してみて下さい。

雲の交差

0102sky 2011.1.2
ふと見ると、青空に雲が。
空の高い所の雲ではあるのですが、2段あるようですね。
高い方の雲は写真中縦方向に伸びています。
横方向に伸びる雲が交差していますが、これは上の雲よりは低い位置にかかっているのでしょう。(雨雲のように低い雲ではありませんが)。
眺めていると不思議な気分。
私の頭の上の空の上で、ほぼ直交する気流があるということですよね。
その「境い目」なんかはどうなっているのかなぁ?
など、眺めていると飽きませんでした。
雲は上空の空気の姿を「可視化」してくれます。
どうぞ、雲から空気の様子を想像してみて下さい。楽しいものです。

猫年

1230_kazari5
今年は卯年ですが、町内会のミニ新聞を読んでいたら、うさぎではなく、猫が十二支に入っている文化もあると書いてありました。
で、検索してみたら、
東南アジア諸国やチベット、ベラルーシではウサギの代わりにネコが入るそうです。
ブルガリアでは寅の代わりに猫が入るというのもありました。
というわけで、猫の集団で御挨拶を。
1230_kazari4
これは去年もお目にかけましたが、再掲。
炬燵猫。
我ら夫婦のようでもあります。
1230_kazari3
一方、我ら夫婦は共に子年生まれでして、猫と一緒に生活しているという観点からは、こんな写真も相応しいかと。
猫におんぶしたネズミであります。

猫共々、今年もお引き立てのほど、おん願い申し上げまする。

あけましておめでとうございます

1230_kazari1
あけましておめでとうございます。
本年も何卒宜敷御願申上ます。

玄関に飾った干支の縁起物の写真でごあいさつ。
右の、木の板に糸ノコで切り込みを入れて作ったうさぎは、大田区の知的障害者授産施設「くすのき園」の製作です。
毎年この施設の干支の細工物を飾っています。大した額ではありませんが、その他、少し買い物も。
ユニセフとか、国境なき医師団とか、あしなが育英会とか、全くのわずかな額なのですが、時々、小額のへそくりを寄付しています。
世の中お互い様。何かできる時にはすればいい。すでにもう、いろいろとお世話になっていますので、そんなことを思います。

1230_kazari2
このうさぎさん。気に入っています。
打ち出の小槌を抱えてますよ。
読者の皆様によいことがありますように、と願っております。

2011年正月3日
かかし 拝

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