理科話(7):地震の震源の決め方
ののちゃんのDO科学(朝日新聞 12月4日)に「地震の深さはどう測るの?」という記事がありました。
そこでは、地震の震源の深さを求める方法について解説されていました。
で、下の引用を読んでいただきたいのですが、私の「理科話(6)」を読んでいただいた方なら、あれ、ああそうか、GPSと同じじゃないか、ということが分かるはずです。
◆先生:そう。そこでP波とS波の到着時間の差(初期微動継続時間)とP波とS波の速さを使って震源までの距離を求める、日本人が見つけた大森公式という式があるの。この公式に当てはめれば各地震計から震源までの距離が出るわけ。日本でのP波とS波の速さはほぼわかっているから公式を簡単にして「8×初期微動継続時間(秒)」で距離(km)がでるの。
◇ののちゃん:その距離から震源の深さはどうやってだすの?
◆先生:3カ所の観測点から、それぞれで求めた震源までの距離の半径を持つ半球を地下に描いてごらん。すると地下におわんが三つできるよね。それら三つのおわんは地下の一点で重なるはずで、そこが理論上の震源となるよ。
◇ののちゃん:三つの埋まったおわんが合わさる点が震源なんだ。
「地下のおわん」にしなくてもいいんです。三つの観測所を中心として空中も含めて球を描いてもよいのです。GPSの時と同じで、2つの球の交わりは円。円と3番目の球の交わりは2点です。
ただし、そのうちの1点は空中、1点は地下になります。
地震の震源が空中にあるわけはないので、ありえない場所を排除して、あり得る場所だけに絞れば、地下の1点が定まり、そこが震源となるのですね。
実際の震源の求め方はもっと複雑です。ここでは全くの原理だけを議論しました。
原理って役に立つんですねぇ。
理科の理屈、理論は世の中の役に立つのです。
« 理科話(6):GPSの基本的原理 | トップページ | ツバキ »
「理科話」カテゴリの記事
- 無重力と無重量(2022.10.25)
- アリの道しるべフェロモン(2022.08.01)
- チョルノービリ原子力発電所事故(2022.04.26)
- 天気図と風(2022.02.28)
- 刀鍛冶 打ち初め(2022.02.10)
コメント