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2010年12月

2010年12月30日 (木)

皆様よいお年をお迎え下さい

Manryo
今日は12月30日。

みそ‐か【三十日・晦日】
月の第30番目の日。転じて、月の末日をいう。尽日(ジンジツ)。つごもり。

おお‐つごもり【大晦】オホ
1年の最終日。12月の晦日(ミソカ)。おおみそか。おおとし。<季語:冬>[広辞苑第五版]

明日が大晦日ですが、「一日飾りはいけない」とか、昔聞かされて以来、30日の午前中に、お鏡を飾ったり、玄関に正月飾りを飾ったりしています。
小さな門扉とか、車とかには飾りなし。
まぁ、気のものだから。いいや。
明日年内最後の買い物でもして、のんびり新年を迎えることにしましょう。
とはいっても、紅白歌合戦というのは、中学生くらいまでかなぁ、観たのは。高校以降、ほとんど見たことはない。高校生の頃は「気張って」徹夜で一冊本を読む、なんてやってましたが。遠藤周作の「沈黙」はそうやって読んだのかな。
今はもう、気張ることもない、9時にもなれば「良い爺 (こ)はねんね」です。
大晦日だ元旦だと騒ぐのもバカバカしいことです。
日が過ぎゆく、そういうこと。

去年今年貫く棒の如きもの:虚子

なんて句に昔はなんだか「すごい」と思ったものですが、今はもう、「そう気張りなさんなよ、ゆったりどうぞ」という気分ですね。
かっこよいけど、意味不明、というのが正直なところ。
{元日の朝、棒のようなウンチがでて感動したという句じゃないか、なんてバカいって。怒られるだろうなぁ。}

冒頭の写真。我が家の庭のマンリョウ2種類。
赤い方は以前あった場所では枯れて、別の場所に多分鳥が種をまいてくれたもの。
白い方は、妻が見つけて、あら珍しい、と連れてきたもの。

紅白の万両。
縁起がいいでしょ。

どうぞ皆さまにはよいお年をお迎え下さいますように。
かかし 拝して白す。

フタモンアシナガバチ

1215_3hutamon1 12月15日
もう最後です。寒くなって、オスたちは死に絶えるころ。
線路の柵の日の当たる垂直面。
1215_3hutamon2
しがみついている、という感じです。
涙腺がゆるくなったなぁ。なんだか、こういう姿を見ていると、ジーンとしてしまう。

よく生きた。立派だ。
命の循環に還るがよい。
いずれは私もその循環に戻って行く。

そんな気分です。

シロザ

1215_1siroza1 12月15日
今年初めて出会った植物・シロザですが、ずいぶんおもしろい姿を一杯見せてくれました。
「もみじ」しています。
なんとも鮮やかでしょ。
透過光です。向こう側から日が当っていて、鮮やかに輝いているのです。
1215_1siroza2
光の当たる側にまわっての撮影。
こうなります。
多言無用。
もう一回透過光でご覧ください。
1215_1siroza3
堪能して下さい。

メガネドヨウグモ(ではないでしょうか)

1214_4kumo 12月14日
ガレージの脇。車の出入りの影響を受ける場所。
見慣れぬ蜘蛛が一匹。多分まだ幼体です。
上の写真は腹側。
背側が見えないことには、さっぱりわからない。
でも、背側は狭い空間でどうやっても回りこめないのです。
で、いろいろ、横からとか、下から、とかカメラを向けていましたら、網に振動を与えてしまったようで、するするっと、上がって行って、網の起点になっているポリエチレンの紐のところまで引っ込みました。
1214_4kumo2
で、背中を見せてくれました。
初めて見るクモです。脚先まで全部納めると、頭胸部がちょっと小さくなる。
1214_4kumo3
頭胸部と腹部だけにしてアップにするとこうなります。

新海栄一著の「日本のクモ」を端からずっと眺めていったら「メガネドヨウグモ」というのがどうやら一番それらしい。

ドヨウグモ類では最も一般的な種類。平地~山地まで広く生息。都市部の公園や池の周囲、草原、樹林地の周辺、河原、林道、渓流上の樹間、草間に水平円網を張る。ドヨウグモの名は本種が夏の土用の頃に多く見られること、和名のメガネは頭胸部に眼鏡状の斑紋があることによる。
出現期:5~8月

出現期が気になりますよね。夏の「土用」の頃に多く見られる、といわれてしまった。困った。

ど‐よう【土用】
暦法で、立夏の前18日を春の土用、立秋の前18日を夏の土用、立冬の前18日を秋の土用、立春の前18日を冬の土用といい、その初めの日を土用の入りという。普通には夏の土用を指していう。<季語:夏> 。「―の丑ウシの日」[広辞苑第五版]

参ったな。
虫ナビというサイトを見てみました。
http://www.mushinavi.com/navi-insect/data-kumo_doyo_megane.htm
出現期は「4~11月」とあって、少し遅くまでが示されていて
掲載写真には2007.12.8撮影という幼体の写真がありました。
大丈夫そうですね。

よって、メガネドヨウグモということにしたいと思います。

http://www2.atpages.jp/kjrshoji/asinaga/html/meganedoyou.htm
「石神井公園のクモ メガネドヨウグモ」というページには、腹面の写真があって、最初の写真の模様と同じです。
よかったよかった。

この後、車を出すことがあって、見たら、いなくなってしまった。
どこか、裏手の人が入らないすき間にでも入って越冬してくれているもの、と期待しています。

わかりません

1214_3nanda 12月14日
サザンカの花の中。
ハエでしょうね。
小さいんです。オシベと比べて下さい。
種を同定しようという気は起きません。
深入りせずに、あハエだ、で済ませておきます。
虫の少ない季節になって、どうしても、ごくごく小さなものにも目が行くのですが、ハエやカは難しいや。

雨の後

1214_2seitakaawadatisou 12月14日
セイタカアワダチソウが濡れてしまって、白さを失っています。
実がぬれているときは、無駄に種を飛ばさないように、閉じてしまうのです。
1214_2seitakaawadatisou2
ほら。濡れた萼は閉じていて、中の種子を閉じこめています。
こんな状態で下手に飛ぶと遠くまでいけませんからね。
で、白い「泡立ち」が消えてしまった。

1214_1matubokkuri
マツボックリも同じ。
風に乗る種子ですから、濡れたときは閉じています。
よくできたものですね。
動物のような移動はできない植物。
なるべく効率よく種を遠くへ送りたい。
その工夫なんですね。

パンジー

1212pansy 12月12日
ツマグロヒョウモンの幼虫の「ものすごい食欲圧」に耐えられるように、多めに買ってきたパンジー。幼虫が蛹になって、食べられずに残った鉢に花が咲いています。
うまく色を再現できませんでした。カナリア・イエローとでもいうのでしょうか、赤味を含んだ濃い黄色。
ツマグロヒョウモンは羽化して去り、残った花が暖かい。
来年もまた、ツマグロちゃんを一緒に育てたいね。

握手

1211_shakehands 12月11日
フウセンカズラもなかなか役者でして、いろいろな姿を見せてくれます。
センダングサに支えられて直立したり、ネットみたいになったり。
今回は左右から蔓が伸びてきて、握手しました。
手を取り合って支え合っています。

飛行機雲

1210_hikoukigumo 12月10日
飛行機が飛んでいる辺りの空気に水蒸気がおそらく過飽和に近いくらいに存在している。
そこへ飛行機の排気から水蒸気が送り込まれて水滴になる。あるいは、翼の後ろの空気が圧縮された後に膨張して、温度が下がり水滴ができる。過飽和のところへ飛行機が入って状態をかく乱して不安定化して水滴ができる。{ここで水滴と書きましたが、氷の微細な結晶かもしれませんね。}
ま、そんな過程で雲ができたのでしょう。
二筋になっているようです。ということは、左右の翼を基点にして両側に出来たのですね。
西の空に低くなっていく太陽の光を受けてきれいに輝いていました。

ヒイラギ

1210_9hhiiragi 12月10日
せっかく「めでたく」書き始めた今年最後のブログ。
すぐ、ぶち壊す。
これ、ヒイラギの花の後。
どうも、実がなりそうにはないですね。
子房は見えていますが、ふっくらしていません。
残念なことでした。

コブシ

1210_7hkobusi12月10日
白山神社前。
幹から芽が出ました。
「芽出度い」なぁ。
花の「準備中」。
芽が出て花が咲き実がなる。そしてまた芽が出る。これが植物の生き方。
皆様、来年、花が咲き、実がなりますように。
まずはご挨拶から。

2010年12月29日 (水)

セイタカアワダチソウ

1210_4seitakaawadatisou12月10日
セイタカアワダチソウのアップ。
キク科の「風に乗る種子」ですので、細い糸のようなものが種子の毛です。タンポポなどに比べると、あまり目立ちませんが、ちゃんと風に乗って行くんですよ。
リボン状の方は残ります。
1229seitakaawadatisou 12月29日
大部分の種子が飛び去ったあとです。
ちょっと風がふくと、ふわぁっと種が舞うので、うまくその瞬間を撮れないかな、と思いましたが、ダメでした。肉眼的にはかなり美しいシーンです。で、服にも一杯ついてきてしまいます。
子どもが吸い込んだりしたらまずいな、と思うほど、いっぱい舞いあがります。

ウスモンミドリスカシカメ

1210_3usumonmidorikasumukame 12月10日
フウセンカズラの実にウスモンミドリスカシカメ。
向こう側からの日を浴びて輝いていました。
にフウセンカズラも、長く虫たちの活動の場になってきましたが、さすがに終わりに向かってきています。
初冬のぬくもりを味わってください。

イチョウ黄葉

1210_1matu 12月10日
イチョウの黄葉があちこちにお邪魔しております。
マツカサに並んでいました。裸子植物仲間ですね。
1210_5sazanka 12月10日
サザンカの葉っぱになったつもりのイチョウの黄葉。
うまいことはさまりこんだものです。
散るもの、咲くもの。取り合わせの妙もいい味わいですね。

下弦の月

1227moon21 これは12月27日の朝。
1228kagen これは12月28日の朝、ほぼ同時刻。
1229moon22 これは12月29日の朝。

生活の中で月を見ることが少ないんだなぁ、とつくづく感じました。
こうやって並べれば、変化がわかるけれど、どれも「半月」という気分です。
12月28日が下弦の月です。

27日:月齢21.4
28日:月齢22.4
29日:月齢23.4
(いずれも正午の月齢です)

なるほど、28日の月はほぼ正確に「半」月ですね。

じょう‐げん【上弦】ジヤウ
新月から満月に至る間の半月。日没時に南中し、月の右半分が輝く。真夜中に弦を上にして月の入となる。太陰暦で毎月7日・8日頃に当る。初弦。かみのゆみはり。かみつゆみはり。↔下弦

か‐げん【下弦】
満月から次の新月に至る間の半月。日の出時に南中し、月の左半分が輝く。陰暦22~23日頃に当る。月の入りに当ってその弦が下方になる。しもつゆみはり。↔上弦

ゆみはり‐づき【弓張月】
①弓の弦を張ったような形をしている月。上弦・下弦の月をいう。弦月。<季語:秋> 。平家物語4「―のいるにまかせて」
②「椿説弓張月チンセツユミハリヅキ」の略称。
[広辞苑第五版]

28日の東京の日の出は6:49でしたから、その頃この月は真南にあったのですね。で、1時間チョイ過ぎた8時過ぎには西の方へ傾いてきているわけです。
分かっているようでいて、実はわかっていないなぁ、ということを痛感しました。
面白かったです。

1209_10moon1 12月9日
日の暮れるのが早い。雨戸を閉めようとしたら、夕焼けに月が浮かんでいました。
1209_10moon2
クレーターの凸凹が見えますね。手で持っての撮影ですが、デジカメの性能はすごいですね。
何気なく「三日月」かな、と思って調べたら、
この日の正午の月齢が3.4でした。

★12月21日が満月=月齢15で、月食が見られましたね。
 地球の大気で散乱された光で照らされて赤く光る月をニュースなどでご覧になった方も多いでしょう。

1225_1moon1 12月25日
この日の正午の月齢は19.4。
1225_1moon2
なかなかいい写真が撮れました。
窓枠にもたれかかりながらカメラを手持ちしています。
三脚もあるけれど、めんどくさい。

夜は活動しないかかしですので、夕方か朝方にしか天体現象を見るチャンスがありません。

2010年12月28日 (火)

ツマグロヒョウモン:4

1215_7tumaguro1 12月15日
3兄弟姉妹のうちの3匹目。遅れましたが、12月の真ん中で羽化しました。
いいのかなぁ。でもとても元気そう。
1215_7tumaguro2
いい顔してるでしょ。偽瞳孔のせいで、ちょっとむっとした顔に見えないこともない。
ゼンマイ状の口の両脇、複眼の下のあたりに見えるのが、前脚なのです。ここにいつもたたんだ格好にしていますので、通常は脚が2対4本にしか見えません。
もし、子どもが脚が4本しかないチョウを見た、といっても、嘘だろうと言ってはいけません。ツマグロヒョウモンでは、どう見ても普通4本しか見えないのですから。タテハチョウの仲間すべてがそうなのかどうかは確認していません。
1215_7tumaguro3
見て下さい。メスですっ!
まさしく「褄黒」でしょ。
{よくある冗談。「妻苦労」じゃないのか。}
この美しさ、何度見ても、良いなぁ。
1215_7tumaguro4
飛び去った後で、撮影した蛹便。
蛹の位置がちょっとわるかったので、周囲に足場として垂らしておいたティッシュペーパーにしみたものです。

これで、3兄弟姉妹はすべて羽化しました。
現在、もう一匹が蛹の状態でいます。
これはいくらなんでも、この状態で越冬するでしょう。
一応、毎日日課として、ケースを覗いて、羽化していないことを確認しながら観察を続けています。

ツマグロヒョウモン:3

1209_9tumaguro6 12月9日
飛び去った2匹のツマグロヒョウモンが残した「蛹便」です。
緑色の葉っぱをむしゃむしゃ食べて、こんな色した体液を残していくのです。
不思議ですねぇ。
血を流したのではありませんのでご安心ください。

1209_9tumaguro7
ほぼ同期して蛹になったうち、1匹が残りました。
輝く蛹のその、輝く部分を拡大しました。
きれいでしょ。
羽化すると、この部分は透明な窓になって、こういう風には輝きません。
さて、この蛹はどうなったか。

ツマグロヒョウモン:2

1209_9tumaguro3 12月9日
前の記事の上の写真の個体です。
体毛がふさふさ。
1209_9tumaguro4
こんな顔なんですよ~。
フラッシュの光で生じた偽瞳孔がまるでこちらを見上げているみたい。
1209_9tumaguro5
一瞬、翅の外側を見せてくれました。
内側のオレンジ色とは違う、紅というのかなぁ、きれいなんですよぉ。
この直後、飛び立っていきました。
もう一匹も、少し遅れて飛び立っていきました。

夫婦二人して、うれしくってねぇ、たまりません。

ツマグロヒョウモン:1

1209_9tumaguro1 12月9日
ツマグロヒョウモンの幼虫3兄弟姉妹というのを2度ほどお目にかけたと思います。
ほぼ同期して蛹になったのですが、なんとまぁ、12月に入って羽化です。
暖かい場所に置いたわけではないのですが。
オスですね。きれいだ。
1209_9tumaguro2
もう一匹。すこし羽化のタイミングが遅かったらしい。じっとしています。
なんとまぁ、大丈夫かなぁ。
でも、特に上の写真の個体はもう飛びたいという顔つきでしたし、ケースを開放して外に放しました。

ヤマトシジミ

1209_7yamatosijimi 12月9日
ヤマトシジミの日向ぼっこ。
背中から太陽光を受けていることが「影」ではっきりわかります。
この個体の翅は傷んでいません。でも、そろそろ限界ですね。
葉の縁にアリがいます。

それぞれ、冬へ向かっています。

シロハラコカゲロウ

1209_6siroharakokagerou1 12月9日
以前にもこのカゲロウが姿を見せたことがあります。
多分シロハラコカゲロウだと思います。更に多分メスでしょう。オスの目はドーム状で赤い色をしています。
2009年4月にシロハラコカゲロウのオスと思われる写真を載せました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-9206.html
そこでも書いていますが、流れのある水で育つはずなのにどうして我が家にいるんだ?という疑問は残ったままです。
ひょっとして ハナアブの幼虫でもいそうな停留した水しかないんですよ、我が家には。
1209_6siroharakokagerou2
帆掛け舟みたいですね。
1209_6siroharakokagerou3
ちょっとぶれてますが顔のあたり。
全体としては「はかなげ」に見えるんですが、近寄ってしっかりと見ると、結構「いかつい」体つき、顔つきなんです。
六郷用水とか多摩川とかから飛んでくるような飛翔力があるのでしょうか?
トンボなら楽々、という距離ではありますが。

2010年12月27日 (月)

アンテナ

1209_5antena1 12月9日
いつも見ているはずですが、この日は青空があまりにも美しくって、のんびり眺めていて、気づきました。
この写真の左の立ての棒状のものは携帯電話の中継用のアンテナでしょう。
右のは、上に乗っているのがUHF用のアンテナ、下が地デジ用のアンテナだと思います。
マンション屋上ですから、このマンションではこのアンテナで地デジを受信して各戸に配るのでしょう。
丸いのは衛星放送用のアンテナですね。
1209_5antena2
すぐそばのマンションも同じでした。
BSだけじゃなくて、CSも受けているのかな?
気づくと、携帯用の中継アンテナは至る所にありますよ。
いつのまにか、ものすごい投資をしてインフラ整備をしていたのですね。すごいものです。

我が家の辺りは、新幹線による電波障害で、共同アンテナでアナログ放送を見ていたのですが、地デジになるので、共同アンテナは供用終了。
我が家はアンテナで地デジを見ています。

◆雑学
英語でアンテナは「antenna」で、もちろん電波のアンテナも指しますけれど、昆虫の「触角」もアンテナなんですね。
日本語だと「触れて情報を得る器官」のように感じられる語ですが、アンテナなんですから、実は触らなくてもいいんですよ。音の振動を受けたり、匂い分子のようなものを受けたり、いろいろできるんですね。

アブラムシ

1209_4aburamusi1 12月9日
以前にも書きましたが、この時期のアブラムシはゲリラ的に現れてはまた消えます。
センダングサの茎に群がるアブラムシ。
卵で越冬ではなかったかな。
ここでは単為生殖で数を増やしているのでしょう。そして、ギリギリのところで雌雄が生まれて有性生殖して卵で越冬に入る。
冬直前のぎりぎりのところですね。

上の写真の上 1/4位のところの拡大
1209_4aburamusi2
ちょっとぼやけているんですが、これ、幼虫を産み出しているところなのではないでしょうか。
卵胎生のシーンです。親の体内で卵が発生して幼虫を生みます。
卵を作る時の減数分裂で染色体数が半分になりそうなものですが、極体を放出しないでとどめるために、染色体数が半分になりません。

ツマグロオオヨコバイ

1209_2tumaguroooyokobai1 12月9日
雨上がりでもないのに、シロザの葉の上に水滴。
おっ、これはきっと、ツマグロオオヨコバイがいる、とその真上を見れば
1209_2tumaguroooyokobai2
いました。
寒くなって、このツマグロオオヨコバイと、アブ・ハエの仲間、アブラムシなどがちらほらと見えるだけ。いつまで姿を見せてくれるか、見届けたいと思います。

カランコエ

1208_4kalanchoe12月8日
カランコエの蕾。
いっぱいありますが、とりあえず一つだけ。
セイロンベンケイソウとかコダカラソウの花は見ましたが、これはまだ。
おそらくこれからじっくり時間をかけて咲くのでしょう。
時々お知らせします。

イチョウ

1208_3ityou 12月8日
この時点で、イチョウの黄葉は真っ盛り。
ここから降り落ちる葉が、突きあたりの道路面をふっかふかに、黄色いじゅうたんのように敷き詰めていました。
掃除しようかと思ったら、保育園のお散歩がやってきて、持ち上げて降らせたりして遊んでいましたので、まぁ、いいやそのうち片付けよう、と思っていましたら・・・
1211_tukiatari 12月11日
突然、黄色いじゅうたんがなくなってしまった。
あれまぁ。これは「風の仕業」です。
凄い風が吹いたよなぁ、と思ったら、掃除してくれました。
あとは隅を掃くだけですね。
風さん、お世話をおかけしました。ありがとう。

トキワハゼ

1208_2tokiwahaze1 12月8日
この五角形のもの、なんだったけなぁ、と悩みました。
植木鉢の土の表面。
何の花がここで咲いたんだっけ、ああ、思い出せない。
と思っていたら
1208_2tokiwahaze2
トキワハゼの萼でした。
いつも、花を正面から見ていて、その裏側に気づいていませんでした。
1208_2tokiwahaze3
いろんなステージが一緒に写っています。
なるほどなぁ。こうなんだ、と感心しました。
この五角形、すごく印象的です。探してみて下さい。

2010年12月24日 (金)

このハエの名前を教えて下さい!⇒ツマグロコシボソハナアブでした!

1208_1hae1 12月8日
カエデの冬芽のところで、なんとも、私にとっては珍しいハエを見てしまいました。
遠目にはハチだと思ったんです。腰が細いので。コンボウヤセバチとかの仲間かな、と。
近づいてみればこれはハエ。頭部が違う。
1208_1hae2
平均棍までキチンと写っている!
ハエ目以外の何物でもないですね。
まいったな。
1208_1hae3
背面の模様をとりたかったのですが、ダメでした。
ここまでです。
翅の先端にわずかに黒い紋様があるようですね。

このハエ、なんというハエでしょう?
是非知りたい。教えて下さ~い。
よろしく。

◆12月27日記。
コメントをいただきました。なんと、自分で去年書いた記事にあったとは。
素晴らしかな!?健忘症。

ツマグロコシボソハナアブ

です。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-7bdf.html
ここにあります。

教えて下さいまして、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
頼りない頭だなぁ。我ながら。全く。

キバハリアリ

ウチダザリガニの話を書いた時に、染色体が2本しかないアリのことをちらっと書きました。
あれは「キバハリアリ」であることが分かりましたので、追加して書きます。

出典は「ありとあらゆるアリの話」久保田政雄 著、講談社、昭和63年1月26日刊 です。
この本の130ページあたりから部分的に引用します。

・・・
同じように恐れられているアリに、オーストラリア特産のキバハリアリの仲間がいる。このアリは古いアリの祖先の性質をいろいろ残し持っていて、いわば原始的なところが興味深い。オーストラリア全土に約90種類分布しているが、主として乾燥地帯に棲息し、巣はたいてい地中につくる。なかには大形の種類のように、巣の上に土を盛って低い塚状になっているものもある。日本のアリの場合、巣の出入り口はアリ1匹がやっと通れるだけの大きさだが、キバハリアリのなかには、子どもの手のひら大の巣口をつくっているのがある。ずいぶん不用心な感じだが、原始時代のアリの巣は、あんがいこんなものだったかもしれない。
 大形のキバハリアリの働きアリは、体長2.5センチぐらいだが、これに刺されると、日本のスズメバチよりも痛く、手のひら大に赤くはれてしまう。痛みは少しずつ弱まるが1、2週間は続き、はれは人によっては2、3ヵ月も残るほどだ。もし、こんなアリに体のあちこちを刺されたら、それころ命にかかわることになるだろう。
 それに、このアリはしつこい。普通のアリは巣を掘り返したりする敵に向かって、コロニー防衛のために刺したり、咬んだりする。だから、敵が巣から離れてしまえば攻撃をやめるが、キバハリアリはしばらく後を追ってくるから油断できない。こういうと、ハチの巣にいたずらして、ハチに追いかけられたことを思い出す人もあろう。キバハリアリには、祖先がハチだった時代の性質が残っているのかも知れない。ただ巣のそばに近寄っただけでも、大あごを開いて威嚇の構えを見せるなど、だいたいが攻撃的なアリなのである。
 そんなところから、このアリのことをオーストラリアの人は「ブル・アンツ」(雄牛アリ。現地ではヴォール・アンツと発音する)と呼んで恐れているが、雄牛といっても闘牛のイメージなのであろう。私もかなりキバハリアリの巣を調べてみたが、十分に注意はしているから、あまりさされたことはない。それでも小形の種類では、つい油断して指をやられたことは何回かあった。疼痛は2日ぐらいで消えたが、その後は赤くはれたところがむずがゆくなり、5日ほどで治った・・・・・・と、私の野帳にも記録が残っている。
 ― あるとき、ユーカリの林で、一人のオーストラリア人と立ち話をしていたことがあった。運悪くその人の立っていた所が、大形のヴォール・アンツの巣だったからたまらない、怒ったアリが足の上に這い上がってきた。彼は身長2メートルはあろうかという大男で、プロレスラーのような体格をしていたが、アリに気づくや「ウオーッ」と大声で叫んで横っ飛びに逃げ出した。雄牛のように強そうな男でも、恥も外聞もなくわめきながら逃げ出すほど、この“雄牛アリ”の恐ろしさは知られているわけなのである。
・・・

ここまでがキバハリアリの「恐ろしさ」の話。
続いて染色体の数の話。

 このキバハリアリについて、最近、学問上のおもしろい発見があった。シドニーにあるニューサウスウエールス大学動物学部のクロスランド君は、英本国から来ている若い研究者だが、染色体が一対しかないキバハリアリを見つけたのである。これまで染色体数の最も少ない多細胞動物は、馬の体内にいる回虫の一対2 本で、これはすでに19世紀末から知られている。しかし、最近の研究によれば、回虫の染色体数が少ないといっても、それは生殖細胞だけで、体を構成する大部分の体細胞では数十の染色体に分かれてしまうことがわかった。ふつう生物の体細胞は、形の等しい2組の染色体から成っていて、一つは母親(雌)から、もう一つは父親(雄)の系統を受け継いでいる。ところが、雄アリは雌アリの半分の染色体しか持たないから、このキバハリアリの雄は染色体が1本しかない、ということになる。
 このアリが発見された場所は、首都キャンベラ郊外のチドビンビラで、NASAの大形電波望遠鏡が設置されている場所として有名である。しかし、その後熱心に探索されたにもかかわらず、たった一つのコロニーしか見つかっていないので、このアリが染色体数異常なのかどうか、まだ判断は下せない。だが、生物学的に非常に興味のある対象なので、オーストラリア、日本両国間の複雑な手続きを経て、コロニーが三島市(静岡)にある国立遺伝学研究所に送られてきた。さらに詳細な研究が進めば、学問上も画期的な事実がわかるかもしれない、と期待している。

その後の研究で、単なる染色体異常ではないことが確認されたようです。
新種としてクロスランドキバハリアリという名がついたということです。

ずいぶん前の読書ですが、頭の片隅に引っかかっていました。
思い出せてよかった。

青くなって

新聞を読んでいたら面白い表現に出くわしましたのでご紹介します。
2010年12月22日の朝日新聞「ひと」欄です。

増井重紀さん 米国で「鉄くず革命」を生きる
 米国の銀行に鉄くずの査定を頼まれた。巨大な山が十数個、帳簿上は「30万トン」。だが、3日間かけて出した結論は「8万トン」。銀行の担当者は真っ青になって怒ったが、トラックに載せて計量したら8万トン。「マスイの神業」と言われた。
・・・

普通、怒る時は「真っ赤になって怒る」んですよねぇ。顔を真っ赤にして、とか。

意味は分かるんですけどね。
30万トンあるつもりでいたのが、8万トンといわれて、資産を過剰に見積もっていたものだから、担当者は「真っ青になった」のでしょ。そのうえで、そんなことがあるものか、と「怒った」んですよね。
で、まとめてしまったものだから、「真っ青になって怒った」ことになっちゃった。
ちょっとなぁ。

珍しい表現でした。

2010年12月22日 (水)

ボイラー爆発

今日のニュースで、ボイラーが爆発した、というのがありました。
要約して引用すると

銭湯ボイラー爆発、100メートル先の店に落下 福岡:朝日新聞 2010年12月21日
 21日午後0時25分ごろ、福岡県志免町の銭湯でボイラーが爆発、約100メートル南東の同県宇美町光正寺2丁目の焼き鳥店屋根に、重さ約400キロのボイラーが落下した。銭湯は営業中で、焼き鳥店は店員が仕込み中だったが、いずれもけが人はなかった。

現時点での報道はこれだけで、原因については調査中です。

そこで、推測をお話しします。あくまで推測ですから、決して信用しないでください。

ボイラーの爆発と聞いて私が思い浮かべるのは、水蒸気による爆発です。
ボイラーの中には液体の水があって、それを加熱しますね。当たり前ですが。
で、1気圧なら100℃で沸騰して、盛んに水蒸気が出ます。
ボイラーには必ず安全弁があって、内部の圧力が上がりすぎないように圧力を逃がしているはずです。もし、その安全弁に故障があって、圧力が逃げないとどうなるか。
100℃で沸騰するのは1気圧のとき。
もし圧力が上がったら沸点も100℃を超えて上がって行きます。
ということは100℃を超える液体の水がボイラーの中にあることになりますね。
もしその時、安全弁が突然開いたり、ボイラーの本体にひびが入ったりして、中が突然1気圧になってしまったらどうなるでしょう?
1気圧のもとで100℃を超える液体の水は存在しえません。全部一瞬にして気体になってしまいます。するとものすごい体積増大を一瞬にして起こすわけで、これが「爆発」ですね。
こんなことが起こったのではないか、と推測します。
400kgのボイラーが100m飛ぶというパワーはこのタイプの爆発でしか出ないと思うんですが。

現在「水蒸気爆発」というと、高温物体に水が接触して瞬間的に蒸発して爆発的な事態が起こることを指しています。
私が中学生くらいかなぁ、の時に学んだのは、そうではなくて上のボイラーの話のようなタイプの爆発を水蒸気爆発というというものでした。

圧力釜でも、安全弁が壊れたり、調理中にうっかりふたを開けてしまったりして「爆発」することがあります。

そんなことを思いだしました。
私のHPでこの議論をしたことがあります。
関心がおありでしたらどうぞ。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/essay/Jiko.htm


ウチダザリガニ

毎日新聞のサイトにウチダザリガニの話が載っていました。

ウチダザリガニ:捕獲10万匹超 北海道洞爺湖:毎日新聞 2010年12月21日
 北海道洞爺湖で今年度、生態系を乱す恐れのある特定外来生物「ウチダザリガニ」の捕獲数が10万匹を超えたことが20日、洞爺湖、壮瞥両町と関係団体で作る「洞爺湖生物多様性保全協議会」の臨時総会で報告された。昨年度(4万3000匹)の約2.3倍で、両町が駆除に当たる臨時職員を2人から6人に増員したことなどが功を奏したとみられる。
 洞爺湖でウチダザリガニが発見されたのは05年。繁殖力が強く、在来生物を駆逐する恐れがあるため、昨年度からカゴを仕掛けるなどの本格的な捕獲が始まっていた。
 また、生息域の調査では、温泉街を挟んだ東西9キロの範囲内にとどまり、湖全域には拡大していないことが確認された。しかし生息範囲の西端では密度の増加がみられており、協議会メンバーの吉田剛司・酪農学園大准教授は「継続的な駆除の仕組み作りが早急に求められる」と指摘した。

で話はこれでおしまいとして。

ここで理科おじさんの「蘊蓄」を傾けてしまいましょう。
「ザリガニはなぜハサミをふるうのか」山口恒夫著、中公新書1545、2000年7月25日発行
これ「名著」です。この本の10ページによりますと。

 ・・・
 日本では主として北海道の摩周湖に棲むウチダザリガニの体細胞染色体数。その数は実に376本で、動物の中で最も多い。・・・
 ちなみに、日本の本州、四国、九州に生息するアメリカザリガニでは200本、北海道や東北地方の北部に棲んでいる日本の在来種のザリガニでは196本である。その他の動物では、キイロショウジョウバエが8本、トノサマバッタが23本、ヒトデが36本、コイが100本、ウシガエルが26本、ウズラが78本、ラットが42本、ヒトが46本である。

376本ですって。管理するのが大変そうですね。
遺伝子の数と染色体数はあまり関係がないんです、実は。
チンパンジーとヒトの遺伝子はほとんど同じなんですが、染色体数はチンパンジーでは1対多くて、48本なんですね。
染色体がいつか切れちゃったんじゃないですかね。

私の記憶では、アリの仲間にメスで染色体が2本というのがあったと思います。オスはその半分で、たったの1本。
1本の染色体に、体全体を作る遺伝子がのってるんですねぇ。
そのアリの種がなんだったか、思い出せません。
私のウンチクなんて、このくらいなもんです。

冬至

12月22日。
今日は冬至です。
正確にいうと、12月22日8:38に冬至点を通過、ですね。
冬至点を含む日がいわゆる「冬至」です。
太陽の位置が、春分点から270度回ったところです。
旧暦も何もあったものではありません。
天体の位置関係についての「名前」です。
先日さる健康飲料の広告で「二十四節気:1年を24等分した、旧暦での季節の表し方です」という説明を見ました。
月の暦では季節が失われますので、太陽の位置を示す指標を設けて、季節を表したものです。ですから、新暦での季節感と一致するものです。

春分の時を0度とします。その180度むこうが秋分。
春分から90度で夏至、270度で冬至。
この命名は、まさにぴったりでしょ。

春分、夏至、秋分、冬至。それぞれの45度前が
立春、立夏、立秋、立冬。

この命名も、全く文句なしですね。
これで、1年360度が45度ずつ、8等分されました。

さらに15度ずつ切ろうとすると、地域性が出てきてしまいます。
冬至の15度前が「大雪」ですが、雪の降る地方もあれば、降らない地方もある。
日本国内でも全然違う。中国大陸まで含めたらもう雪がどうなるかは全く分からない。
ということで、一応季節感のある言葉で「名前」を貼り付けたのが、24節気ですね。

名前に大きな意味はない。それよりも、太陽の位置がここまで来た、という指標として理解する方が生活上有効だと思いますよ。

★ところで、今日の
日の出は  6:47
日の入りは16:32

日の出が一番遅いのは、年が明けて1月2日~1月13日の 6:51
日の入りが一番早いのは、11月29日~12月13日の   16:28

となっています。
日の入りが一番早い時期は過ぎた、日の出が一番遅い時期はまだだ、というところなのですね。
面白いものですね。

朝起きるとまだ真っ暗だ、というのが辛いですね。
日脚はもう伸び始めていますよ。

キゴシハナアブ

1207_5kigosihanaabu 12月7日
サザンカの花を見ていたらキゴシハナアブ。
ちゃんとした写真は撮れませんでしたが、飛び去る瞬間が写っていました。
花粉まみれで、飛び上がった瞬間ですね。
なんだか、わ~い、といっているように思いなすことができて、楽しい。

ツバキの実

1207_4tubaki 12月7日
ツバキの実。
子どもの頃、この実のとがった辺りをコンクリの面にすりつけて穴を開け、母親から借りたヘアピンで中身をほじくり出し、「笛」を作ったように思うのですが。
下唇のところに当てて、穴に息を吹き込むと音が出る。単純な手作りおもちゃ。
そういう経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

最近は、瓶の口に唇を当てて息を吹いて「ぼ~」っという音を出して遊ぶことを知らない子も多いようで。
口笛は吹けるのかなぁ。

体を色々使って遊んだ経験があると、理科は勉強しやすいんだけどな。
理科の基礎は遊びです。

ヒメナガカメムシ

1207_2himenagakamemusi1 12月7日
季節の進行の中で、ヒメナガカメムシはしぶとく活動を続けています。
上の写真はまだ幼虫。
口を伸ばして突きさしていますが、そこは葉脈には見えないんだけどな。
いや、細い葉脈なのかな。
1207_2himenagakamemusi2
ぶれてまして申し訳ありません。
これもヒメナガカメムシの幼虫ですが、熟した実に口を刺しているように見えます。
もっとみずみずしいところはあると思うのにな。

成虫も幼虫も頑張ってます。
これからも登場予定あり。
役者だね。

沈丁

朝日新聞の夕刊に論説委員が交代で書く「窓」というコラムがあります。
12月20日付けの「窓」は「詩歌に詠まれた物理」でした。引用します。

 暗記した知識の量ではなく、実生活で出くわす場面に対応する力を問う。国際的な学習到達度調査(PISA)の昨年の結果が公表された。自治医科大名誉教授の青野修さん(73)はPISA型学力を測るような、独創的な物理の試験問題作りに約30年取り組んできた。
 この学問には、難しく、とっつきにくいといった印象がつきまとう。そんな誤解を取り除くためにも、物理の面白さや楽しさを伝えたいと考えた。
 俳句や短歌には自然現象を正確に表現したものが少なくない。そこで詩歌を活用することを思いついた。
 例えば、こんな問題を大学の入学試験に実際に出題した。
 問い=次の句に詠まれた不可逆現象はどれか。選択肢から答えよ。

沈丁(じんちょう)の香の石階に佇みぬ(高浜虚子)

 選択肢=①拡散 ②蒸発 ③熱伝導 ④熱放射 ⑤電気伝導
 正解するには、俳句や短歌から状況を感じとり、解答に必要な情報を抽出しなければならない。感性が問われ、暮らしの中で経験した事柄なども含めた総合的な判断が必要になる。こんな問題を解けた受験生は、ほかの科目の得点も高い傾向が見られたという。
 独自の問題作りは思った以上に手間がかかるらしい。ちなみに先ほどの問いの答えは①。若者の理科離れを抑え、科学好きのすそ野を広げるためにも、こうした手間を惜しまない先生が一人でも増えてほしい。

いかがでしたか。
私は理科教師でしたから、正解しましたよ。
拡散という過程は、自然に自発的に逆戻りすることはできません。
それが「不可逆現象」です。
すごく簡単な言い方にしますと、「映画で撮影して、逆回ししたら『ありえねぇ』となるような出来事」です。
沈丁花の花から香りが漂い出す。花のところが香り分子濃度が一番高くて、香り分子濃度の低い空間へ、空気を作る酸素分子や窒素分子に叩かれながら広がって行きます。
これが拡散。
分子が写せるとして、一様に広がった香り分子が、自発的に花のところへ集まって行く、というのはあり得ませんね。
コーヒーカップに角砂糖一つ。かき回さずに長時間放置しておくと、コーヒーは冷め、砂糖は一様に溶けてカップ内に広がる。
熱いものが冷める、砂糖が均一に広がる、どちらも不可逆です。

フィギュアスケートのフィルムを逆回しにします。多少のぎこちなさはあっても、そう違和感はない。氷の上でほとんど摩擦なしで起こる現象は逆戻しができることが多いのです。
ほぼ可逆的。

ビリヤードの台が写っている、玉は散らばって静止している。
突然、玉たちが動き出し、衝突を繰り返しながら、集合し、三角形にきれいに集まった。
これはあり得ませんね。
不可逆。

ところで、教師現役の時代、私にはちいさなこだわりがありまして。
教師になった最初から、退職後の嘱託員の終わりまで。
定期テストで可能な限り1題は、自分で考えて自分の考えを述べる記述問題を作る。

「君の考えを述べよ」

です。
5点くらいの配点ですから、小さなこだわりです。
自分で考えたことが伝わる解答なら、正答でなくても6割あげるよ。
逆に、答としてはあっていても、考え方を書かなかった場合も、6割しかあげないよ。

初め戸惑っていても、何回かのテストで、私のこのスタイルを理解してくれると、生徒たちはいろんなことを書くんですよ。
これが楽しくってね。
問題作りには時間がかかります。
でも、採点の楽しみがありますからね、やめられない。

そういう教師でした。

真つ当に

2010.12.20付 朝日俳壇より
真つ当に生きて大根引きてをり:(島原市)三好立夏

「真っ当」という言葉を聞かなくなって久しいですね。

まっ‐とう【真っ当】 タウ
まともであること。「―なことを言う」「―に生きる」[広辞苑第五版]

「まじ」であることがバカにされ貶められる世の中、耐えがたい不快です。
「あいつマジだぜ」といって人を貶めるなんて、許せないよなぁ。
人が真剣になればなるほど、浮き上がってバカにされるなんて、社会はもう狂ってしまったのでしょうか。許し難い。

「まとも」じゃいけないんでしょうかね。

偉くなったり儲けたりしたわけじゃない、ただ真っ当に生きてきた。それは誇らしいことです。
なんでそういう価値観が通用しなくなってしまったのか。
末世というのはこういうことでしょうか。

お天道様に顔向けのできる、真っ当な生き方をしてきたつもりです。私も。



去年今年

2010.12.20付 朝日俳壇より
夫逝きて我生きてをり去年今年:(堺市)山戸暁子
 稲畑汀子評:夫を失った悲しみは胸に秘め、自分が生きている現実を淡々と表現したことで余計悲しみが深い。

「胸に秘め」じゃなくって、胸にあふれていらっしゃいます。
自分が生きているという現実が、夫の不在という悲しみを改めて「彫り出した」と感じました。

握手

2010.12.20付 朝日俳壇より
手袋を脱ぐ間も惜しく握手する:(京都市)岸田健
 稲畑汀子評:なつかしい友と出会った瞬間の心持ちである。寒いので身をかばうコートや手袋をまとい、思わず手袋のまま握手する。心情が行動に及ぶときの状態が描けた。

私の語感がずれたようで。
なかなか脱げない手袋を無理やり脱いで、やっぱり素手で握手したのだ、と思いましたが。
なかなか脱げなくて、もどかしかった。と思いました。
なんだか、手袋のまま握手するというのはイメージになくてなぁ。

大熊手

2010.12.20付 朝日俳壇より
大熊手掲げタクシーとめにけり:(東京都)佐瀬はま代

なんだか楽しいですね。熊手を挙げてタクシーをとめましたか。タクシーの運転手さんもびっくりというか、笑っていたでしょう。まさか熊手を挙げるとは。一瞬、自分の車を止めようとしたのかどうか戸惑ったんじゃありませんか?でも、縁起物。
「熊手で止めていただくとは、この暮はいいことありそうです。福を分けていただいてありがとうございます」くらいの会話はあったかな。

東京目黒区に大鳥神社があります。
今年は11月7日と19日が酉の日でしたから、酉の市があったはずです。
大鳥は「おおとり」で「大取」につながるとかいって、運を掻き込む熊手が縁起物になるんですよね、確か。

夏の疲れ

2010.12.20付 朝日俳壇より
山眠る夏の疲れをとるために:(札幌市)岩瀬公宏
 大串章評:静かに眠る山。「夏の疲れをとるために」が今年の猛暑を思わせる。

「思わせる」ですか?

「山も猛暑に疲れるか。あの猛暑がよみがえる。きつかった。」
くらいでいかがですか。

焚火

2010.12.20付 朝日俳壇より
近所にも知らぬ子居りし焚火かな:(八王子市)佐々木康史

「焚火」というものがまだできるんですね、羨ましい。
焚火に子どもたちが集まってきたら、ご近所のはずなのに知らない子もいるなぁ、と、改めて楽しんでいらっしゃる。
焚火を介して人のつながりが生まれていくのは楽しいことです。
焚火の技術を子に伝えるチャンス。煙に巻かれてむせかえるのもいい経験。風下、風上というものも体で覚えられる。熱さから適度な距離というものも分かる。大事なことです。
煙を浴びた体に独特のにおいがつく。決して臭いのではない。いぶされた煙の香り、快い香りです。近頃は「におい恐怖症・脅迫感」のようなものが蔓延していますが、生きるということのなかには、鼻の働きだってあるのにね。

ダイオキシン騒ぎで焚火ができなくなって久しい。
どう考えたって、個人の焚火でダイオキシンの深刻な汚染が起こるとは思えなかったのに、ヒステリックなことでした。怖ろしいことでした。
山火事でもダイオキシンが出るなんてコメントもありましたが、山焼きなどは続いていますね。なんともちぐはぐなことです。
我が家の子が小さかったころはよく焚火をしました。で、サツマイモをアルミホイルで包んで中へ入れておいて焼き芋を楽しみました。
尻炙りという「快楽」も知っています。
夏場に海で泳いで、体が冷えると浜で焚火の仕方を教えました。
今の子は、「火を管理する」という技を知らずに成長するんですね。逆に恐ろしいことのように思います。
危険を管理することを学ぶのに格好の材料でしたのにね。
人は火を使うようになって人になったという説もあります。
危険をただ遠ざけるのではなく、管理するすべを教えたいものです。

聖夜劇

2010.12.20付 朝日俳壇より
子供らはみんなこひつじ聖夜劇:(平塚市)日下光代
 長谷川櫂評:小さな子どもたちがみな子羊のなりをしている。ぞろぞろと。これだけで笑いをさそう。

この評には「親としての視線」が欠けてますね。
園児全員が何かの役をもらわなければならないのです。誰かだけ役にあたって、誰かは役に当たらなかったというのではダメなんです。となると、ほとんどの子を子羊に当てるしかない。先生方の苦労に思いいたさねばなりません。
そういう風にして全員に役を当てて、で親はというと、舞台に上がった子を見て、我が子の成長をもう大喜びするんですね。なんて大人っぽく立派になったんだろう、なんてね。
さらに、じじばばともなれば、もう大騒動でしょう。

いや大変だ。

2010年12月21日 (火)

防災のヘリ

2010.12.20付 朝日歌壇より
防災のヘリはにわかに舞い降りて担架に乗りしは小さき保育器:(愛知県)橋本武司

ご無事でありますように。
大人の病気はもちろん「急変」という事態はありますが、比較的ゆっくりと進行していく。
それに対して、幼い人の病気は急変というもまだるっこしいような激変をしやすい。
さっきまで元気ではしゃいでいたのが、瞬間的にくたっとなって、命の瀬戸際へとんでしまうことも多い。
救急車がない地域なのかな。防災ヘリで搬送するということに、緊急性を感じます。
保育器に入ってということは、赤ちゃんです。普通の産科病院から、より態勢の整った病院への緊急の移送ということでしょうか。

どうか大事に至らずに済みますように。

海鼠

2010.12.20付 朝日歌壇より
声あかきずわい売り子の間にゐて黙つて海鼠売る大男:(金沢市)前川久宜

ずわいガニの売り声が「あかい」というのが面白かった。
その「あかい」を、色の「赤い」ととっても面白い。「赤い声」という表現なら、かなりユニークな発想だ。

それとも「明い」でしょうか。

あか・し【明し】
 形ク 
(「赤し」と同源)
①光が十分にさしてかげりがない。あかるい。万葉集5「日月は―・しといへど」。源氏物語帚木「火―・くかかげなどして」。枕草子36「―・うなりて、人の声々し、日もさしいでぬべし」。日葡辞書「アカイウチニツク」
②心が清い。偽りがない。万葉集20「隠さはぬ―・き心を」
[広辞苑第五版]

すわいガニを売る場所は、にぎやかで華々しく「明るい」のでしょうね。売り子は女性を思わせる。

それと対比してナマコは、「暗い」「黒い」んだろうな。大男で。
そりゃ、あんまりナマコ売り場で、華やかな声は似合わないだろうなぁ。

対比が鮮明でイメージが目に浮かびます。

マンホール

2010.12.20付 朝日歌壇より
マンホールあれば踏みたくなる癖は未だ治らずマンホールを踏む:(鹿嶋市)榎本麻央

なんだか笑ってしまった。そういう「癖」ってあるものなのでしょうね。自分の中の「子ども性」を意識して笑っていらっしゃるようですね。

マンホールは別として、雨の日、水たまりを踏みたがるのは子どもの特性でしょうか。
ちっちゃな長靴はいて、不釣り合いな傘さして、わざわざ水たまりを踏んづけに行きますね。親は、水がはねて汚れるからと嫌がるんだけれど、子はやりたがります。
雨の日が嬉しいうちは「幼子」。成長して、目が地面から遠ざかるにつれて、雨が鬱陶しくなってきます。

余談。濡れたマンホールは勢いよく踏まない方がいいですよ。滑るかもしれない。
自動車を運転する時は、マンホールは出来ればまたいだ方がいい。
オートバイはマンホールに載らない方がいい。自転車も。
路面と鉄の滑り方の違いって、かなり危険なものです。

また、余談。昔、下水道が整備されてきた頃の話。工事予定の図面が各家庭に配布されまして。それを眺めていたら、見慣れぬ言葉に出会った。
「人孔」
なにかなぁ、と長く悩んでおりましたら、これ「マンホール」なんですね。
英語では manhole なんだ。意味を理解せずにマンホールと言っていたのですね。
いや、お恥ずかしい、昔話でした。

回覧板

2010.12.20付 朝日歌壇より
四階の二十五軒目わが家にも双六のごと来る回覧板:(箕面市)大野美恵子

なるほど、面白い連想を発見なさった。
最後まで行くと「振り出しに戻る」なんですよね。

私の家でも町内会の回覧板が回ってきます。
「一回休み」みたいな事態も時々あります。
なるほど、双六ね。
今、子どもたちは双六遊びって、やっているのでしょうか?
よくわかりません。

細眉

2010.12.20付 朝日歌壇より
バブル期の眉の太さに戻ることなく氷河期を占める細眉:(尼崎市)南はるか

知らなかった。眉の太さなんてちゃんと見たことないもんな。
そうすると、太い眉というのは、なにか、景気の良さとか自信とか、を示すというようなことでしょうか。
ある種の「押し出し」なのかな。

今度、電車でリクルート姿を見たら、そっと観察してみよう。

三無斎

2010.12.20付 朝日歌壇より
名刺なく肩書きなくて勤めなき三無斎われ時間だけあり:(青梅市)津田洋行

言うまでもないことですが、林子平=六無斎の「親も無し 妻無し子無し版木無し 金も無けれど死にたくも無し」を受けたものです。

さて、私も全く同じです。
と思いつつ、考えてみるに

教職にあって「名刺」というものを持ったことがない。進路担当の時に1回あったかな。でも名刺交換なんてした覚えは皆無。

「肩書き」というのは何だろう?
「都立高校教諭」というような肩書きはあったけれど、管理職になったわけではなし、生涯、平教諭。ただの教師。

となると、なくなったのは「勤め」だけですな。
虫さんに遊んでもらう日々がある。

身軽なことです。あの世に引きずって行くものは少ない方がいい。

姿なし

2010.12.20付 朝日歌壇より
愛用のテーブルと椅子に姿なし好みしコスモス挿しあるさびしさ:(松戸市)猪野富子
 高野公彦評:テレビで見た河野裕子さんの部屋だという。あるじ亡き部屋の空漠。

詞書きや評なしで先ずは鑑賞すべきだと主張している私としては、やはり、歌の中でなんとか「河野裕子」に触れてほしかった。盛るべき内容が多すぎて歌が破裂しそうになるのを承知の上で、やはりそうしたい。
歌の中にない以上、この歌は、亡き人一般、それぞれの人にとって大切な人、を失った喪失感を詠ったと私は読み取りたいのです。

母あはれ

2010.12.20付 朝日歌壇より
子狐のひかれた峠血の残る路面をなめるその母あはれ:(士別市)佐藤秀裕
 高野公彦評:近年、野生動物が人里近くに現れて人々に害を加えたり、あるいは人々から殺傷される事件が増えている。その一例。血痕を舐める母狐の姿が哀れ。

子のにおいが残っていたのでしょうね。においだけがあって、その実体たる子がいない。
母は困惑していたのでしょう。
哺乳類は知能が高いので、仲間として感情を移入してしまいます。
人間って勝手すぎるものなぁ。

突貫工事

2010.12.20付 朝日歌壇より
スーパーが斎場となる改装の突貫工事何を急ぐや:(行方市)鈴木節子

なんだかね。買い物人口が減って、斎場使用人口が増えますか。
私は団塊の世代ど真ん中の男ですが、これからは斎場にビジネスチャンスなんですねぇ。
この「かたまりの世代」が去った後、どうなるんでしょうねぇ。

悲哀と苦笑いを含んだ気分にさせられました。

モンパルに乗って4:美富士橋公園

1206_m7neko112月6日
おいと坂をほぼ上りきった当たりの右に、美富士橋公園があります。
この公園については以前に書きました。
覗いてみたら、年配の方が植木の剪定をしておられました。
区の依頼かな。
そのそばで、猫が日向ぼっこ。
猫は幼い子は苦手ですからね。おじいさんの後ろなら安心できるのでしょう。声かけてくれるくらいで、いじられることはないですものね。
1206_m7neko2
そばのベンチでは黒猫も昼寝。
私はじいさんですが、カメラを向けたりするから、少し警戒気味。でもまぁ、無害なやつだろう、と移動したりはしません。
1206_m8tree1
なんだか異世界の風景みたいですね。
この世界の時刻は10時15分過ぎのようですね。
1206_m8tree2
根のあたり。小学生くらいなら面白がって乗って遊ぶでしょうが、よちよちの子だとちょっと危なっかしい感じがしますね。
小さな公園が結構いっぱいあります。

家周辺の公園全制覇というのも企てていますが、なかなか大変だ。

モンパルに乗って3:おいと坂

1206_m5oitozaka 12月6日
帰り道です。同じ道を通ってもつまらないので、家周辺の道という道全部走破してやろうなどと考えています。
ここは「おいと坂」の上り口。
語感では「おいと」さんとかいう娘さんが出てきそうな感じがしませんか?
由来が記してありますねぇ。
1206_m5oitozaka2
由来書きの部分です。
読めると思いますが、書き出してみると

『大森区史』は「下沼部にある。伝えるところによれば、北条時頼行脚して中原に来た。病を得て難治であった。井戸水があって使用したところ程なく全治した。その井戸は沼部に一つ中原に一つあった。後、中原の井戸を沼部に移し雌井(めい)、雄井(おい)と称した。おいと坂は即ち雄井戸坂のことであろう」と記している。

こう書いてあります。
「雄井戸坂」なんですって。娘さんではなく、「オスの井戸」だそうです。ふ~ん。
しかしなぁ、「中原の井戸を沼部に移し」といったってなぁ、井戸って「移せる」ものなんですか?わからない。
新たに掘るしかないでしょう、と思うんですけどね。

腑に落ちないかかしです。

モンパルに乗って2:ハナモモ

1206_m4hanamomo 12月6日
2回ほど花をご紹介したと思います。強烈な色彩の花です。
藤棚のすぐそば。
葉は全部落ちていましたが、花の準備は進んでいましたよ。

動物のように目に見える動きはしないけれど、植物たちの命の進行というのはひたひたと着実に進むのですね。
温度が低くて代謝速度は遅くても、止まることはない。
着実に進むのです。
充分に寒さを経験しないと次のステップに進めない、ということも多々あるわけで、すごい生き方をするものだ、と感心します。

モンパルに乗って1:藤棚

1206_m3huji1 12月6日
六郷用水跡です。
藤の黄葉ってきれいですね。
余り意識したことがなかった。車で通りかかって、おっきれいだな、と思ったので改めてモンパルに乗って見に行ってきました。
1206_m3huji2
青空を背景に、黄葉、まだ緑の葉など重なり合って、きれいでした。
この藤棚、もうちょっと手入れすると花が垂れてきれいだと思うのですが、花はこれまでのところあまり目立ちません。
1206_m3huji3
後ろの青い瓦は東光院というお寺のもの。
この六郷用水跡、向こう側があまり開発されないようなところなので、維持できますが、これが開発されるようになったら、今の景観は維持できませんね。
いつまで、もつかなぁ。

(多分)アリ

1206_6ari 12月6日
オシベの間にいるのは、誰?
多分アリですね。
私が見ている間出てきてくれませんでした。
じっくりと蜜を味わっているのでしょう。

ところで、アリの場合は、蜜を巣に持ち帰るということはしないのですよね。
ハチなら飲み込んで持ち帰り、吐き出して蓄えるわけですけれど。

となると、アリがここに潜り込んで蜜を舐めているということは、自分自身のエネルギーを摂取している、ということなのでしょうか。
そうなんだろうなぁ。多分。

ナミテントウ

1206_4namitentou 12月6日
ナミテントウの二紋型というタイプですね。
この二紋型は南に多いというような話があります。
下の文献などご覧ください。
http://www.gs.niigata-u.ac.jp/~kifu/news/vol.1_2-2.pdf

二紋型が北上しているとのことです。
全体として統計的に分析するとそうなのでしょうが、この地域で定点観察していると、いろんなタイプが重なっています。
単純に温暖化の影響といってよいのかどうか、わかりません。

2010年12月20日 (月)

セイヨウミツバチ

1206_3mitubati 12月6日
この色合いはセイヨウミツバチですね。
センダングサで蜜や花粉を集めています。
我が家の近くで養蜂を営む人はいないと思うのですが。
人手を離れて生きる群れがあるのかなぁ。で、自分たちだけで越冬できるのでしょうか?
よくわかりません。東京の南部、セイヨウミツバチが越冬できる土地になったのでしょうか。

養蜂家の方などは、冬は房総半島の南の暖かい所で、蜜を吸わせたり、人工的に糖の液を与えたりして越冬させるのだと思いましたが、違ったかなぁ。

ヒメカメノコテントウ

1206_2himekamenokotentou1 12月6日
4mmくらいの小さなテントウムシです。
もっと大きな丸っこい感じのカメノコテントウというのもいるということですが、私は見たことがなくって、この「ヒメ」の方をよく見ます。
1206_2himekamenokotentou2
さすがに、行動力は落ちていて、じっくり顔を撮らせてくれました。
このあたりは、時々アブラムシが出現しては消える場所。なかなか獲物にありつくのは大変でしょう。
そのうち枯れ葉の下などに潜り込んでしまうのだと思います。

ササグモ

1206_1sasagumo 12月6日
この時期になってくると、春の「初見」とは違って、いつまで見られたか、の報告会みたいになってきます。
ササグモの幼体。これで冬越しでしょうね。
もう獲物も少なくなってきているでしょう。代謝活動を低下させて越冬でしょうね。
哺乳類のような、体温を保つために食べ続けなければならない、「アイドリング・ストップ」のできない生き物とは違います。

今年は生まれたてのササグモを見られたし、よかったなぁ。
来年、また会いたいね。

アオスジアゲハ

1204_13aosujiageha 12月4日
もう12月に入ってしまったのに、アオスジアゲハが羽化しました。
別にケースを暖かい場所に置いてある、ということはないのです。
屋外の、見やすい所において、一応毎日チェックしていたら
あれっ、羽化しちゃった。
充分に体が乾燥して、飛びたそうな様子を見せるまで待ちました。

いいでしょう、行け!

大変だろうけれど、まかせます。

キタテハ

1204_12kitateha1 12月4日
道路にキタテハがいました。
一瞬、ボロボロのツマグロヒョウモンかと思ってしまいましたが、違います。
枯れ葉のようなこの姿はキタテハですね。
1204_12kitateha2
ぱっと飛び上がって高い所へ移ってしまいました。
マクロレンズつけっぱなしですから、こういう状況には弱い。
1204_12kitateha3
何とか回り込んで、カメラを高く掲げてこういう写真になりました。
キタテハとイチョウと青空。
組み合わせはいいけれど、鮮明さに欠けるなぁ。

ところで、キタテハは成虫で越冬します。
どこかに潜り込んで寒さをしのぐのでしょう。
幼虫はカナムグラを食べるそうです。

来春、できればまた来てね。

アブラムシ

1204_11aburamusi 12月4日
サザンカのつぼみにたかっています。
この時期のアブラムシは、ゲリラ的に出現しますね。
ある時、わっと現れては消えてしまう。
また別のところでわっと現れる。
多分、翅のあるメスが、ここへ飛んで来て、単為生殖をしてどっと増えるのではないでしょうか。そうであるならば、こうやって一杯写っているこのアブラムシたち、遺伝的に同一のメスばかりなのでしょうね。
1204_11aburamusi2
半透明な翅の芽みたいなのをもった個体がかなりいますね。
このつぼみが開花した時にはもうアブラムシたちはいなくなっていたようです。
ホント、ゲリラ的なんですよ。

蚊柱

1204_7kabasira1 12月4日
線路の上に蚊柱ができていました。
かなり傾いた日に照らされてくっきり輝いて見えます。
とはいえ、写真を撮るのは難しい対象です。
1204_7kabasira2
蚊柱があるあたりの線路にピントを合わせてからレンズを上げ、シャッターを切ってみました。
ぶれはありますが、なんとか光る点々として写すことができました。
1204_7kabasira3
横の方からの日光が当たって光り、背景自体はあまり明るくない、というのが幸いしました。
こういう風に蚊柱が写せたのは初めてです。
ところで、この蚊柱は電車の通過によって吹き飛ばされてしまいました。
あぁ、終わった、と線路とは反対向きの方向で次の被写体を探し始めたら。
1204_10yusurika
電柱を支えるワイヤのカバーにユスリカがいました。
これと同種のユスリカが蚊柱を作ったという確証はありませんが、感じとしてはきっと、そうなのではないかと思っています。
触角の感じでいうと、これはメスでしょうね。

土佐のミツバツツジ

1204_5mitubatutuji1 12月4日
ご近所のミツバツツジ。
赤く染まってやがて落ちんとする葉と、来年のつぼみが一緒。
鮮烈ですね。
1204_5mitubatutuji2
こっちでも。
赤の色調が迫力あります。
去りゆくものと来るものの交差。
1204_5mitubatutuji3
ここでは、多種の植物の種がたまたまミツバツツジのつぼみにくっついていました。
綿毛が引っかかってしまったのですね。
どうなるのかなぁ。雨で洗い落とされるとかするのでしょう。
一瞬の交錯でした。

ホソヒラタアブ

1204_3hosohirataabu 12月4日
人の目の前にわざわざやってきて、ずっとホバリングして見せるんですものね。
撮ってよ、撮ってよ、といってます。
そう言われれば撮るしかないよな。
ちょっとぶれましたが、撮れました。
後脚を伸ばしているところがカッコいい。
空気抵抗を減らしているのかな。
完全に空中に停止できるのですものね、すごいですよ。
翅のひねりなどを使うのでしょう。
人間の技術で、飛行機型でホバリングのできるのはありませんものね。すごい。

ハマヒサカキ

1204_2hamahisakaki1 12月4日
ハマヒサカキの花が咲いています。
芳香とはいいにくい香りがします。
気づかなければ気づかない、というくらいの弱いものですけれど。
1204_2hamahisakaki2
こんな花。カップ状のかわいいい花です。
1204_2hamahisakaki3
ところで同時に、実もなっていまして
完熟して黒くなった実もあります。
結果として
1204_2hamahisakaki4
こういう眺めが生じました。
花から完熟の実まで各段階が並んでいます。
いいのかなぁ。

ジャノメエリカ

1204_1janomeerika1 12月4日
いつもは花が咲いてから気づくのですが、先日ふと、つぼみに気づきました。
1204_1janomeerika2
点線みたいな感じで開く線が描かれているみたい。
1204_1janomeerika3
すでにこうなっているのもあります。
1204_1janomeerika4
もういつ咲いてもいいくらい。
記憶が定かではないのですが、もう花の季節なのでしたっけ。
年が明けて大分経ってからの木がしていた。

もうすぐ咲きますね、この調子なら。

2010年12月17日 (金)

ツマグロキンバエ

1203_8sazanka3 12月3日
「くたされて」しまった花ばかりではないのです。
頑張ってちゃんと咲いている花もあって、ツマグロキンバエがきている花もありました。
オシベの先端もきっと甘いんですね。口の先端部が速いスピードで動いています。
叩くようになめているのかなぁ。
私の肉眼ではよくわかりません。

記事を書いている17日現在も、サザンカは花を咲かせ蕾を持っています。
今日は今年一番の冷え込みでした。虫の姿は非常に少なくなってしまいました。
さびしくなったなぁ。

サザンカ

1203_8sazanka1 12月3日
先ほども書きましたように、この日の朝は豪雨。風もすごく強かった。
さて、ぐるっと散歩して来て、サザンカの前。
あれ?変だ。

サザンカの花がピークを過ぎて散る、という過程を自然にたどった場合、花びらとオシベはほぼ一緒に落ちます。ですから、見かけるのは、ふくらんだ子房とそこから伸びるメシベの名残。
ところが、上の写真見て下さい。花びらだけが落ちてしまった。
風圧で吹き飛ばされたんでしょうね。
花としてはまだ自発的に散るところまではいっていなくて、花びらがしおれて弱ってきてはいた。というところに強い風が吹いて、飛ばされてしまったのでしょう。

最初に気づいた花だけかな?と思って改めて周囲を見ると
1203_8sazanka2
やはりこういう姿の花がいっぱいありました。
自然に衰えていくのがやっぱりいいなぁ。
ちょっと強引な感じがしました。自然の出来事だから仕方ないですけれどね。

「うのはなくたし」というのは長雨ですよね。
今回のは「サザンカくたし」の豪雨でした。

マツカサ

1203_6matubokkuri 12月3日
この日は朝方「豪雨」。その昼。
やっぱりマツカサは閉じています。
濡れると、外側が膨らむのでしょう。
1204_6matubokkuri 12月4日
翌日まで乾燥した状態でした。
で、開きました。

http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/gymnospermae/pinaceae/kuromatsu/kuromatsu5.htm
ここから引用します。

・・・
マツカサの開閉は乾湿運動である。マツカサの中の種子が熟すと母樹からの水分供給が減少し、鱗片が根元の方から順に反り返る。開いているマツカサを水の中に浸けておくと、やがてマツカサは閉じてしまう。
・・・

内外の膨張率の違いで動くというのは、人間の技術の「バイメタル」というのと同じですね。
マツカサでは外側が吸湿して膨らむのに内側は変化しない、という形で「閉じる」という運動を実現している。

人間が使うバイメタルはたいてい、温度による膨張率の違いを利用して動きを生み出しています。
身近なところでは、蛍光灯の点灯用のグローランプがそうです。
熱帯魚の水槽の水温を一定に保つサーモスタットもそう。
クリスマスツリーにつける点滅する電球ね、あれもそうです。
ウィキペディアなどご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AB
ここです。

何かの幼虫ですが

1203_5kemusi1 12月3日
門柱の上を歩いていました。
ケムシのようでもありますが、体形が変。
チョウやガのイモムシ・ケムシはもっと棒状ですよね。
こいつは腹端部へ向かって細くなっている。
1203_5kemusi2
横から見ることができました。
3対の脚の形はやっぱりチョウ目の幼虫ではないような気がします。
とすると、何の幼虫か?

どなたかお分かりになる方はいませんか?

チャコちゃん

1203_4chako 12月3日
これがチャコちゃんのお家。
「2階建」です。
どちらの階にもタオルなどが敷いてあります。
外側は断熱シートで囲んであります。

で、チャコちゃんはその時の気分で、1階、2階どちらかで寝ています。
たまに天気の良い時は「屋上」で日向ぼっこをしていることもあります。

ここはリビングの硝子戸の外。
彼女はお腹が減ると、網戸をがたがた揺さぶって、来たわよ、お腹すいたわよ、といいます。
中にいる私たち夫婦は、わっ、「ゆすり」が来た、チャコちゃんゆすりは怖いぞ、と笑いながら食事を出してあげるわけです。

気持ち良さそうでしょ。

アブラムシとテントウムシ

1202_7aburamusi12月2日
センダングサの茎。
アブラムシがわっと発生。
ひょとすると、少数のメスが単為生殖でわっと数を増やしているのかもしれない。
ゲリラ的に、あちこちで、現れては消えます。
1202_9tentou1
そばにテントウムシの幼虫も来ていました。
ナミテントウの幼虫かな。
1202_9tentou2
アブラムシの大きさと比べてみると分かりますが、このテントウムシの幼虫、すごく若い齢の幼虫でしょう。
アブラムシと一緒に写りましたが、テントウムシの顎のあたりはうまく見えません。
1202_9tentou3
どうも、この時点ではアブラムシを食べているという様子ではありませんね。
テントウムシ側に3、4匹のアブラムシが見えます。
写真右の方にも「まるまると太っておいしそうな」アブラムシが一匹。
なかなかそう、激しく襲いかかるというシーンはないものです。
それぞれに無関心に過ごしているように見受けられるのでした。

テントウムシ頑張れよ。餌は豊富とは言えないぞ。

ヒメナガカメムシ

1202_13himenagakamemusi 12月2日
ヒメナガカメムシです。
光の具合が何となく「芸術的」だなぁ、と思ったりして。
意図したものではありません。たまたまセンダングサのつぼみの頂上にとまっていたので一枚、通常のセッティングのまま撮影したものです。
対象が小さくて孤立していますので周辺部から帰ってくる光が少なくなって、暗くなり、中央部が輝いてしまったのですね。

気に入っています。

ミツバチ

1202_6mitubati1 12月2日
ニホンミツバチですね。
複眼での光の反射の具合にいるのですが、妙にこちらを見上げているように見えますね。
目が合ってしまった、という気分。
先日のミツバチ同様、なにやらモゾモゾやっています。
体を乗り出してみると
1202_6mitubati2
花粉団子が見えました。

蜜や花粉を貯えて、冬の食料にするのでしょう。
巣内で集団で団子状になって翅の筋肉などを震わせて発熱し、寒さをしのぐようです。
球は体積に対して表面積が一番小さい立体ですから、蜂球という形で熱を内部に蓄えるのですね。
蜂球を作るにはハチの数が必要ですから、もし何らかの事情でハチの個体数が減ってしまうと、蜂球が作れず、寒さに耐えられなくなって、その集団が死滅してしまうこともあるようです。

別件
ニホンザルも「サル団子」をつくります。
サルが団子状に集まるんですね。中の方に赤ん坊や幼いサルを入れてやる。
こうすると内部に熱がこもって、あたたかいわけです。
北限のサルが、サル団子を作って吹雪に耐えている姿などみると、同じサル仲間として、立派だなぁ、と心揺さぶられます。

更に別件
「球は体積に対して表面積が一番小さい立体」といいましたが、ホント?
一般的にやるのは面倒。
同体積の立方体と球で比べてみましょう。
体積を1000立方cm として計算しますね。
立方体は簡単:1辺が10cmということですから、表面積は600平方cm。
球では下の式を使います。
Siki
1000立方cmの球の半径は約6.2cmとなります。
そうすると、球の表面積は約484平方cmとなります。
立方体の表面積の8割くらいですね。

発熱量は体積に比例すると考えていいでしょう。
一方、放熱量は表面積に比例すると考えてもいいでしょう。
そうすると、同じ体積で同じ発熱量なら、球になったほうが表面積が小さくて、熱が逃げにくく、内部に蓄熱して温度が上がるのですね。

ビワの花

1202_5biwa12月2日
高いところで咲いていますので、虫が訪れているかどうかとか、ほとんどわかりません。
こんな時期の花ですから、虫をあてにしていないのかなぁ。
私は鳥が全然分からないのですが、かなりいろいろな鳥たちの声は聞いています。
人の姿を見ると、あちこちの枝かげから飛び出してきます。
ひょっとして、鳥が花粉を媒介しているということもあるかもしれないなぁ、とも思います。
実際にはどうなんでしょうね。

2010年12月16日 (木)

ツマグロキンバエ

1202_4tumagurokinbae1 12月2日
ツマグロキンバエの交尾を見かけました。
後ろの、複眼がくっついている方がオスでしょう。
1202_4tumagurokinbae2
ふだん、単独のツマグロキンバエを見る時は雌雄差を考えたことはなかったのですが、こうやって同時に見ると、結構違いがあるものなのですね。
複眼の間が離れているかどうか、の他に胸部の感じもずいぶん違う。
知りませんでした。
この写真でオスの方の体には何か粉がついています。
おそらく、センダングサかなにかの花粉です。
さて、今交尾して、産卵してとなると、越冬態は蛹でしょうか。幼虫で、ということはないと思うのですが。交尾を済ませたメスが成虫で越冬?
いや、分からなくなりました。

ツバキ

1201_9tubaki1 12月1日
前の季節の実が熟しきっています。
1201_9tubaki2
この冬のつぼみはまだ硬い。

花弁が紅白まだら模様のツバキの種をまいたものは、まだまだ幼木。花が咲くまで何年かかるものやら。咲いたとしても、授精を経て遺伝子が攪拌された種からですから、どんな花が咲くかはまったく予想の外です。
気長に構えていましょう。。

理科話(7):地震の震源の決め方

ののちゃんのDO科学(朝日新聞 12月4日)に「地震の深さはどう測るの?」という記事がありました。
そこでは、地震の震源の深さを求める方法について解説されていました。
で、下の引用を読んでいただきたいのですが、私の「理科話(6)」を読んでいただいた方なら、あれ、ああそうか、GPSと同じじゃないか、ということが分かるはずです。

◆先生:そう。そこでP波とS波の到着時間の差(初期微動継続時間)とP波とS波の速さを使って震源までの距離を求める、日本人が見つけた大森公式という式があるの。この公式に当てはめれば各地震計から震源までの距離が出るわけ。日本でのP波とS波の速さはほぼわかっているから公式を簡単にして「8×初期微動継続時間(秒)」で距離(km)がでるの。

◇ののちゃん:その距離から震源の深さはどうやってだすの?

◆先生:3カ所の観測点から、それぞれで求めた震源までの距離の半径を持つ半球を地下に描いてごらん。すると地下におわんが三つできるよね。それら三つのおわんは地下の一点で重なるはずで、そこが理論上の震源となるよ。

◇ののちゃん:三つの埋まったおわんが合わさる点が震源なんだ。

「地下のおわん」にしなくてもいいんです。三つの観測所を中心として空中も含めて球を描いてもよいのです。GPSの時と同じで、2つの球の交わりは円。円と3番目の球の交わりは2点です。
ただし、そのうちの1点は空中、1点は地下になります。
地震の震源が空中にあるわけはないので、ありえない場所を排除して、あり得る場所だけに絞れば、地下の1点が定まり、そこが震源となるのですね。

実際の震源の求め方はもっと複雑です。ここでは全くの原理だけを議論しました。
原理って役に立つんですねぇ。
理科の理屈、理論は世の中の役に立つのです。

理科話(6):GPSの基本的原理

◆10月23日の朝日新聞夕刊に
ニュースがわからん!ジュニア版ワイド「GPSって何?」
という記事がありました。
ちょっとだけ気になることがありまして、ここでとりあげてみたいと思います。
GPSの原理全体を解説する気はありません。
記事の説明にこういう部分がありました

・・・
 電波は、1秒間に約30万キロ進むことが分かっている。だから、衛星から電波が届くまでの時間を正確に計れば、距離が計算できる。正確に細かい時間を計るため、GPS衛星は原子時計という極めて正確な時計を積んでいる。
 複数のGPS衛星からの距離がわかれば、より正確に位置を割り出せるようになる。GPS衛星を灯台に例えて考えてみよう。
 灯台Aから、沖合の船に電波を送り、電波が届く時間を計ることで、船が灯台Aを中心とした半径100キロの円周上にいることがわかったとする。同時に、別の灯台Bからも電波を送り、同じ船が、灯台Bの半径120キロの円周上にいることがわかれば、それら二つの円の交わる所に、船があることがわかる。
・・・

これは分かりやすい説明です。
図の中には、海の上の船の位置のところに「2つの円の交わる場所にいるとわかる」と書きこんであり、もう一方の交点の方には「陸なので除外」とあります。
Twocircles
二つの円は2点で交わりますが、一方は「ありえない場所」を示すので、「ありえる場所」の方に自分がいるわけです。

で、この説明に続いて

・・・
 実際のGPSでは、より精密に位置を割り出すため、対象が、どれぐらいの高さの地点にいるかといった情報も、合わせて計算している。合計4機以上の衛星から同時に電波を受信できれば、場所を正確に突きとめることができる。
・・・

とあるんですが、どうして4個なのかな?
実用ではなく、全くの原理だけでいえば、3個の衛星からの電波を同時に受信できればよいのです。
どういうことかというと、衛星から発される電波は球面を成して広がりますね。
2つの球の交わりは「円」になります。
Twoballs
この図でABというのは、二つの球が交わってできる「円」を真横から見たものになります。

さらにもう一つの衛星からの電波の球面と円の交わりは「2点」になります。(ちょっと想像力が要りますね。球と円は2点で交わる、という点を確認してください。)
すると、3つの衛星からの電波を受信すれば、自分の位置は2点のうちどちらかになります。
一方は、宇宙の上の方になってしまって、「あり得ない場所」を示すはずなんです。ですから、もう一方の「あり得る場所」が自分が今いる場所を示しているんですね。

ということで、あり得ない場所を排除するという論理が使えれば、原理的には3つの衛星からの電波を受信すれば位置が決定できるのですね。

ただ、実用上は、原子時計の精度の問題(=位置の誤差)があるので、最低4つの衛星からの電波を受ける必要があるので

◆NHK教育テレビの高校講座「数学基礎」という番組をもとにした本がありましてそこから引用します。
秋山仁「数学センスをみがこう<生活応用編>」2008年3月30日発行、NHK出版

 ・・・
 GPS受信機は3つの人工衛星のそれぞれから送られてくる電波を受信する。人工衛星から送られてくる電波は、時刻の情報を含んでいる。電波を出した時刻と受け取った時刻から、電波が発信されてから受信機に届くまでの時間を算出する。電波の速さは光の速さと同じなので、速さと時間からそれぞれ人工衛星から自分のいる位置までの距離がわかる。球面上のどの点も、その球の中心から等しい距離にある。人工衛星A,B,Cのそれぞれを球の中心とし、自分と各人工衛星の距離を半径とする3つの球面を考える。それらの交わる点に自分は位置していることになる。
 まず、2つの人工衛星A,Bを中心とする2つの球が交わったところは円になる。すなわち、2つの球面が交わる円上のどこかに自分がいる。そして人工衛星Cを中心とする3つ目の球面は、先ほどの(2つの球が交わってできた)円と2つの点で交わる。数学的には交点は2つあるが、人工衛星は地球に向けてだけ電波を発信しているので、2つの交点のうちの1方だけが決まる。このようにして、GPSは地球の回りを飛んでいる人工衛星を使って、自分の位置を知ることができる。(実際には時刻の誤差を調整するために4つの人工衛星を利用している)。

というわけですね。
技術的な詳細は知らなくても、こういう原理を知ればかなり楽しめますでしょ。それが「理系人間」の楽しみなんです。

◆ところで、こんな記事もありました。(日経オンライン)

準天頂衛星「みちびき」実証実験開始 カーナビなど精度10倍(2010/12/15 19:46)
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは15日、全地球測位システム(GPS)を補強し位置決め精度の大幅向上を目指す準天頂衛星「みちびき」の実証実験を始めたと発表した。実験には約40の企業や研究機関が参加し、無人農機の自動運転や観光案内など約60のテーマに取り組む。
 みちびきは今年9月に打ち上げた。3カ月かけて衛星の機能を調べ、問題がないことを確認。15日午前11時48分に実証実験の参加者が利用できるよう測位信号を標準モードに切り替えた。同日開かれた文部科学省の宇宙開発委員会に報告した。
 みちびきは既存のGPSと組み合わせて利用すれば、カーナビゲーションシステムなどの位置精度を10倍程度高められると期待される。日本列島とオーストラリア大陸の上空を8の字を描くようにして周回する。

準天頂衛星のことについてはJAXAに詳しい解説がありますので興味のある方はそちらを読んで下さい。
http://qzss.jaxa.jp/01.html

気象衛星「ひまわり」は赤道上空3万6000kmの静止軌道上にありますが、原理的に赤道上以外には静止衛星はあり得ません。日本の上空に、「静止」に準ずる形で比較的長い時間人工衛星をおきたいというのが、準天頂衛星です。
そのために、赤道上空の静止軌道を傾けて日本上空を通るようにし、さらに、日本上空での滞空時間を延ばすために軌道を円形ではなく楕円軌道にします。さらに、一つが日本上空から離れても別の衛星が日本上空に来るように複数個を組み合わせて使うことになります。現在は1個だけで、試験運用を始めたところです。

今後この報道があったら、何がなされているのか分かるようになったと思います。
注目して下さい。

マエアカスカシノメイガ

1201_8maeakasukasinomeiga1 12月1日
ルコウソの葉の茂みの間に白いものが見えました。
かなり低い位置で、私の腰にはつらい場所。膝に手をついて上体をかがめれば、これはマエアカスカシノメイガですね。
1201_8maeakasukasinomeiga2
仕方がないので道路にぺたんと座りこんで、それでもまだ高いので、道路に横たわって見上げました。
これが限界。車のほとんど通らない場所ですから危険ではないけれど、人に見られたらちょっと恥ずかしいな。(ファーブルさんの気持ちがわかる)。
1201_8maeakasukasinomeiga3
座った姿勢でもう一度腹側から接近。きれいですねぇ。本当に真っ白。輝いています。

幼虫の食草は、モクセイ科のネズミモチ、キンモクセイなどらしいので、我が家で成長した可能性はありますね。キンモクセイがありますから。
美しいガですので見かけたら観察して下さい。

ハチ

1201_7hati1 12月1日
例の種が同定できない、寄生バチではないかという小型のハチです。
フウセンカズラの蔓の先端にとまっていました。
なんとなく絵になるなぁ、と撮ってみました。
1201_7hati2
飛んだ先を追って行って、見ていたら、体をふっと持ち上げる。
あっ、飛び上がるぞっ、っと連続的にシャッターを切ったら
1201_7hati3
こんな写真が撮れました。
飛び上がる瞬間です。
脚のばねはあまり使っていなくて、翅の力で浮き上がって行ったようです。

ぶれた写真で恥ずかしい。いや動きが写り込んだダイナミックな写真だということにしておきましょう。

センダングサ

1201_6sendangusa 12月1日
やられたぁ。傷は浅いぞ、しっかりしろ。
(おやじだなぁ)

センダングサの実が、シャツの腕のところに立ってました。
あまりにも見事に立っていたので、記念撮影。
ジーンズに引っかかっている、というようなことはいつものことですが、こういう風にあたかも突き刺さるがごとくに立つとはね。
返しが付いてますからね、本物の銛だったらすごいことです。

昔、海で、ヤスで魚を突いたことはありますが、全然獲れませんでしたね。従兄は上手で、何匹も突いて来て、晩のおかずに食べたりもしましたが。
私が突けるのは泳がないものだけでした。情けない。

ヨモギエダシャク

1201_5yomogiedasyaku1 12月1日
フウセンカズラの茎をしっかとつかむ脚。
シャクトリムシです。
気温が低くなってきていますので、あまり虫に瞬発的な動きをさせたくない。
そっと葉を掻き分けて、頭の方を撮影。
1201_5yomogiedasyaku2
ここまで。
写真の中に白い矢印を入れてあります。その矢印が指している背中の突起と棘。
これはヨモギエダシャクの特徴だと思います。
で、そういうことにします。
翌日からは見かけなくなりました。
無事、蛹化できたかな。

ヒゴクサ

1201_4higokusa 12月1日
足元の池の縁のヒゴクサ。思い出して実の部分をつまんでみました。
パラパラと崩れてこうなりました。
来年も咲いてね、と同じあたりへ蒔いておきました。

↓花の時の写真はこちら
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-35a8.html

↓実の写真はこちら
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-35a8.html

ツマグロヒョウモンの蛹

1201_3tumaguro1 12月1日
これがツマグロヒョウモンの蛹です。
独特な形の突起があって。この部分が光を効率的に反射して光って見えます。
1201_3tumaguro2
アップにするとこんな感じ。
この部分は透明な窓なんです。羽化した後は光りません。透明な窓があるだけになります。
ですから、この形状、透明であること、そして内部に蛹の体があること、これらが強い反射を引き起こす条件なのでしょう。
1201_3tumaguro3
暗くして遠くからLED懐中電灯で照らしてみました。
反射で光っています。
自発的な発光ではありません。
1201_3tumaguro4
肉眼で見た方がこのキラキラ感は強くなります。
撮影するとなんだか、あっけらかんとした感じになってしまいますね。

オオゴマダラの蛹は蛹全体が(反射光で)金色に光ることで有名ですが、このツマグロヒョウモンの蛹も美しいものです。
パンジーなどスミレの仲間を栽培していますと、派手派手しい虫がつきます。
嫌がらないで、虫のための株を用意してあげて、育ててみて下さい。
蛹、羽化、絶対感動します。請け合います。
おためしを。

クルミの虫

1201_1in_kurumi 12月1日
「クルミに虫がいた」という記事の続きです。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-b6bc.html

その後毎日覗いていますが、幼虫が顔を出すことはなくなりました。
網が張ってありまして、穴があってここから顔を出していましたが、動きがなくなりました。
きっと、中で蛹になったのだ、と思っています。
網を開けてしまうのもかわいそうだし、このまま春までほっときます。

それから、クルミを割っていたら、もう一匹虫が出てきて、多分同じ種類の虫だと思うのですが・・・。
で、それが入った実も同じケースに入れて「春を待つ」ことにします。

羽化してくれるかなぁ。
果たしてオナガシジミでしょうか?
どうなるかなぁ。

2010年12月15日 (水)

ヤマトシジミ

1130_10yamatosijimi 11月30日
イチイの木の葉に止まったヤマトシジミ。
太陽光圧は無理として、太陽光熱を翅いっぱいに受けています。
翅には体液が流れているというわけではないので、翅が受けた熱が体に送られるわけではありません。
でも、翅が温まれば、背面の空気がが暖まる。翅の反射光が体に当たる。
そういう日向ぼっこですね。
気温の高い時間帯だけの活動ですが、まだがんばってますよ。

ホシメハナアブ2

1130_11hosimehanaabu1 11月30日
ホシメハナアブのもっと鮮明な写真が撮りたかったなぁ、と思いながら引き返してきましたら、ボウガシの葉の上にホシメハナアブがいました。
おそらくさっきのと同じ個体でしょう。
日当たりのよい場所で、じっと日光浴。高さもよし。
今度は鮮明な写真になりました。ウレシイ。
両眼が離れていますし、胸部背面に縦縞がありますので、これはメスだと思います。

1130_11hosimehanaabu2
頭部を拡大するとこうです。単眼もくっきり。
どのようにして複眼にこういう模様が現れるのか分かりませんが、何とも言えぬ模様ですね。
複眼に模様というと、私がよく見るのは、アメリカミズアブ、ツマグロキンバエなどにもありますね。
これはまた細かい模様です。
1130_11hosimehanaabu3
横から見るとこうなっていて、上の方が色の濃くなっています。
見ようと思って見られるわけでもなし。全くの一期一会。
すてきな「めぢから」に、くらくら、ありがとうね。

ホシメハナアブ1

1130_8hosimehanaabu1 11月30日
高い位置のサザンカの花にアブ。
後ろ姿しか見えませんが、直感的に見慣れないアブだなぁ。
1130_8hosimehanaabu2
頑張ってカメラを上げて、覗きこんだらこんな感じ。
モニターで見ると複眼の模様がすごい。話に聞く「ホシメ」なんとかというやつだな、と了解。
1130_8hosimehanaabu3
枝を引き降ろして、真上ショット。
ブレてしまいましたが、一応模様がここまで撮れれば同定できるでしょう。
瞬間、飛び去ってしまった。

ホシメハナアブです。

キタヒメヒラタアブ

1130_5kitahimehirataabu 11月30日
ブルーサルビアの花に小さなキタヒメヒラタアブ。
腹部の形や模様の具合、複眼の間が開いているところ、おそらくメスです。
小さくてかわいいアブです。
我が家のアブの御三家は、ホソヒラタアブ、クロヒラタアブ、キタヒメヒラタアブです。
冬が始まってきていますが、もうしばらくは見られます。
ブルーサルビアもしぶとく花をつけていますが、数は激減。そろそろこちらも終わりですね。

ウスモンミドリカスミカメ

1130_4kamemusi 11月30日
もういいや、とも思うのですが。
下の幼虫は何度も見てきました。
上の黄色っぽくて、ほとんど翅の芽のない幼虫、これもきっとウスモンミドリカスミカメの幼虫だろうと思います。
顔つきがそうだよな。
この熟しきったフウセンカズラの実の上で吸うべき汁はあるんでしょうかねぇ。
もっと緑色のところへ行った方がいいと思うよ。

カエデ

1130_3kaede1 11月30日
蹄のような冬芽。
これは去年も同じものを載せました。
葉が全部落ちて、今年もこの季節なんだなと。
ふと隣の芽を見ると
1130_3kaede2
あらま。
これはユスリカの仲間だと思います。
普通のユスリカより小さいんですけれど。
わっとでてきて、さっと消えてしまうユスリカ。
たまたま見かけてしまいました。何かの御縁でしょう。

千両・万両

1203_9senryou 12月3日
センリョウ

1130_2manryou 11月30日
マンリョウ

豪勢です。

マンリョウ、ヒャクリョウ、ジュウリョウはヤブコウジ科
センリョウはセンリョウ科

だそうです。
ややこしいな。

山橘はジュウリョウ=ヤブコウジ
ピラカンサは橘擬(たちばなもどき)でバラ科
ソヨゴ(冬青)はモチノキ科

なんだか、分からなくなってきました。

セグロアシナガバチ

1129_13seguroasinagabati1 11月29日
サザンカの葉の上にセグロアシナガバチがいました。
アシナガバチとしては大型です。
で、自信はないのですが、多分オスでしょう。
1129_13seguroasinagabati2
腹の節の数がオスはメスより一節多いのだそうです。
また、メスの腹部よりなんとなく細っぽい。
で、メスと比べたことがないのですけれど、多分オス、と思っています。
フタモンアシナガバチでも、この時期に見かけるのはオスばかりですから、似たような事態ではないかとも思います。
1129_13seguroasinagabati3
サザンカの花に顔を突っ込んでいます。
中の方にツマグロキンバエが入っていますが、セグロアシナガバチはそこまでは潜り込めません。
越冬できるのは来年の女王になるメスだけ。
オスは、越冬できません。当座の活動エネルギーを花の蜜の糖分に求めているのでしょう。やがて死にます。
1129_13seguroasinagabati4
オシベの間に顔を突っ込んでいましたから、こんな花粉だらけの顔になりました。
いい顔してますね。
生きられる限りを生き抜いて下さい。
間もなく本格的に寒くなります。

カメムシたち

1129_12sukasikame1 11月29日
フウセンカズラの実の上。
下に写っているのはウスモンミドリカスミカメの幼虫ではないでしょうか。
この時点での私の視点はそこに向いていました。
で、上の方を見て下さい。ぼやけてますが、真上に同じウスモンミドリカスミカメの幼虫の後ろ姿が見えているようです。さらにその左、別のカメムシの幼虫がいるようです。
1129_12sukasikame2
今度は、フウセンカズラの実の上の方をアップ。
やっぱりね。右にウスモンミドリカスミカメの幼虫。
左にヒメナガカメムシの成虫一匹、幼虫二匹ですかね。
違う種類のカメムシたちが、同じ場所に集合していました。

ここに口を差し込んでも、汁はないと思うんだけどなぁ。
もう中の種も熟していると思います、栄養を送り込んでいるという感じではないのですけれど。
けっこう、カメムシたちが集まるんですね、どうしてでしょう?

ミツバチ

1129_11mitubati1 11月29日
ミツバチが目の前にやって来て、なにやらもじもじしている。
どうしたのかな?と、そ~っとのぞいてみると
1129_11mitubati2
なるほど。体中についた花粉を櫛のような毛のついた脚でこすり取って団子をこねているんですね。そのままではまとまってくれないから、口から蜜を少し出して練って丸めるのです。
みごとにまん丸い団子を作っていますね。
じっと見ていたら、やがて作業が終わって飛び去りました。
なんでまた、私の立っている真ん前にやって来て、作業をして行ったのか。
見てていいよ、というつもりだったのかなぁと、つい思ってしまいます。
虫の行動というのも面白くって楽しいですね。

★別件:わたくし、母の実家で「だまこ餅」という料理を身につけました。
秋田の方言で「だまける」というのは「まるめる」ということです。
新米が最高ですが、ま、ご飯を炊いて、熱っつあっつのところを、釜の中ですりこぎを使って大まかに突きつぶします。餅のように滑らかにしなくていいんです。この餅を大人がちょんちょんつまんで、ちぎり分けますから、子らはこれを、掌で「ご飯団子」にします、直径2cmくらい。塩水を用意しておいて、適宜掌を塩水で濡らしてべたつかないようにしながら、両手のひらの間でころころとご飯のかたまりを丸くしていくのです。ですから「だまける」のですね。
水をつけすぎれば滑るし、だんごはしょっぱくなるし。かといって足りなければ、ご飯の粘りでとても団子になってくれないのです。

一方で、庭を走っていた鶏を絞めて、その骨でだしをとって鳥鍋にします。芹を入れると香りがいい。味はしょうゆ味。
そこへ、まるめただまこ餅を入れて、適当に火を通して食べます。
うまいんだから、これが。
腹の中のどこに納まったのかというくらい、とにかく腹いっぱいに食べられるんですね。

団子にしないで、竹串につけて、表面を焦がせば「きりたんぽ」になるわけですが、その家庭版といいますかね、焦がした香ばしさはないけれど、手軽にできるおいしい鍋なんですね。

ミツバチの花粉団子作りを書いていて、つい、思い出してしまいました。私にも団子が作れます。

シロザ

1129_9siroza1 11月29日
シロザの茎の枝分かれ。
茎だけを見ていますと赤い縦縞なんですが、その始まりはこうなんですね。
1129_9siroza2
分岐点に赤い塊のようなものがあって、そこからあたかも「引き出される」がごとくに赤い縞が伸びていくんですね。
どういうメカニズムなのかは分かりませんが、面白いものです。

若い葉や茎は食べられるそうですが、極々私的に遠慮しておきます。野草食うと腹が「走る」からなぁ、私の場合。

2010年12月14日 (火)

モンパルに乗って5:薔薇

1129_8rose 11月29日
普通バラの花って正面から見ますでしょ。
この株は大きな実のなる株だということは以前から知っていたのですが、花を後ろから見るとこうなんですね。
花が咲いている時から子房がこんなに大きいんですね。

今回はこれで帰宅。
なるべくちょこちょこ、まめに外出しなくちゃいかんなぁとは思っています。
籠りがちなかかしです。

モンパルに乗って4:ハゼラン

1129_7hazeran1 11月29日
ブロック塀のところにハゼラン。

1129_7hazeran2
虫を撮る時よりも絞りを開いて、ボケ味を強くしました。
なんとなく雰囲気いいでしょ。
来年は家の近くにも来てほしいと画策していますがうまくいきますかどうか。

モンパルに乗って3:ピラカンサ

1129_3pyracansa 11月29日
ピラカンサが赤いのは承知の上ですが、こんなにも赤かったでしたっけ?
すごいなぁ。
ちょっと圧倒される赤さでした。

モンパルに乗って2:ツワブキ

1129_2huki1 11月29日
公園を出たら石垣に黄色いツワブキの花。
ですよね。なんだか、混乱していますが。
1129_2huki2

両親が秋田の出身ですが、確かフキは秋田県の県の花かな。
傘にもなるという巨大なフキが有名。
あのフキの茎の砂糖漬けという菓子がありまして。苦手。甘過ぎて胃がもたない。
秋田蕗の絵柄の「もろこし」という菓子があって、あれがまた、甘過ぎて胃がダウン。
そんな連想をして、苦笑いしながら撮影しました。

モンパルに乗って:1

1129_1park1 11月29日
好天に誘われてモンパルでお散歩。
行ったことのない公園へ。
くすのき公園というのですが、クスノキはなかったなぁ。
まっ平らに整地してないので、小学生向きかな、という感じでした。
よちよち歩きだと、少しこわいかもしれません。
1129_1park2
イチョウが見事に黄葉していました。

家の近辺の公園を全部見てやろう、というつもりなんですが、なかなか大変でして。
まだまだ楽しめそうです。

北窓を塞ぎ

2010.12.12付 朝日俳壇より
北窓を塞ぎて車椅子を置く:(仙台市)竹中ひでき

句の内容を理解しきっていません。冬中、車椅子は使わない、しまいこんでおくということでしょうか。

私は左脚が不自由で、補装具をつけて「棒状」にして歩きます。ですから、またげない。左脚がすべったらもう倒れるしかない。
ということで、雪は全くダメ。若い頃は多少は頑張れたけれど、今はもう、ほんのわずかの雪でもだめです。
いつだったか、電車に乗ろうと外出したら、新幹線のガード下だけ雪がとけ残って凍っていた。その幅、およそ2~3m。手も足も出ませんでした。立ち往生して、越えられず、引き返しましたっけ。

振り返って、北国の障害者の方々はどうしていらっしゃるのだろう?といつも気になります。
車いすはやはり雪国では使えませんよね。
杖に頼る歩行もつらいですよね。
どうしていらっしゃいますか?
一冬、家に降り込められていらっしゃるのではありませんか?

気になって、気になって、年を重ねるほどに気になります。

山眠りゆく

2010.12.12付 朝日俳壇より
少しづつ少しづつ山眠りゆく:(交野市)遠藤昭

私の住まいからは山は全く見えませんので、眠って行く山をみることはできません。
ただ、家の周りの動植物を眺め、日々の気温の変化をグラフにして眺めていると、季節の進行は、決して一本調子ではないのですね。
ぐっと進んではたゆたい、また一歩進んではもみあい、「少しづつ」ですが、連続的ではなく、階段状に進んでいきます。
気がつけば、もう冬の目の前に「冬至」です。

{個人的な話。「少しづつ」という表記が嬉しい。旧かなづかいなんでしょうが、昔っから、「ずつ」って気持ち悪かった。「づつ」だよなぁ。}

日時計の針

2010.12.12付 朝日俳壇より
日時計の針のごとくに日向ぼこ:(さいたま市)斉藤正美

ぬくぬくと陽ざしのぬくもりが伝わってきます。
縁側?室内?
太陽の脚は速い。
うっかりすると、日差しから外れてしまいます。
日当たりを追って移動し、お日さまの方へ背中が向くようにお尻をずらし。

まったく私は日時計の針。

冬蜂

2010.12.12付 朝日俳壇より
冬蜂の頭下げたる孤独かな:(いわき市)馬目空
 金子兜太評:「冬蜂」がズバリ。まさに孤独そのものの態。

「季語と歳時記」というサイトを見ましたら

冬蜂/凍蜂
冬季、蜂は体力温存のため、巣の中で仮死状態になって眠っているが、暖かな日には眠りから覚めて、夢うつつで徘徊したりする。動かないことが多く、飛んでもその姿は弱々しい。

とありました。

ふゆ‐の‐はち【冬の蜂】冬に、日当りのよいところなどに見かける、動作も鈍くなった蜂。<季語:冬>[広辞苑第五版]

広辞苑の解説の方がシンプルでいいですね。

セイヨウミツバチの場合、人が保護しないと冬は越せないのではなかったでしょうか。
ニホンミツバチは集団で越冬できるはずです。ただ、蓄えた蜜や花粉を食べ、筋肉を動かして発熱し、体温を保って越冬するはずです。「巣の中で仮死状態」というのはなかったと思います。まして「夢うつつ」というのはないなぁ。

アシナガバチやスズメバチの場合だと、来年の女王バチが一匹で越冬するのだったと思います。働きバチもオスバチも死ぬ。そして、春になると、女王が一匹で巣作りを始める。
たしかそうだったと記憶しますが。

「冬の蜂」とくくることには無理があるんです。
俳句の制限の中ではきついのですが、ミツバチなのか、アシナガバチなのか、そういうのが分からないと、情景が浮き上がりにくいですね。

1119huyunohati1
これはフタモンアシナガバチのオス。
1119huyunohati2
これもフタモンアシナガバチのオス。
死ぬまでの間を生きる。生きているのだから生きる。
それが生きるということの意味そのものでしょう。

1202_6mitubati2
これはニホンミツバチのように思います。
越冬用の食料を運んでいるのでしょう。
花粉団子が見えます。

1129_13seguroasinagabati1
これはセグロアシナガバチ。
私には雌雄の区別がついていません。

冬にさしかかって、それぞれのハチの姿に心打たれています。

言葉を握る

2010.12.12付 朝日歌壇より
親指をしつかり握り言ひ出せぬ心の奥の言葉を握る:(台湾)李錦上

その言葉とは一体どのようなものだったのでしょうか。
台湾には、日本語を自在に使う方がおられます。
それは歴史のせいです。
「台湾万葉集」という歌集もあります。

そのことと関わる「言葉」だったのでしょうか。
心痛みます。

緋目高

2010.12.12付 朝日歌壇より
名前などつけるんじゃなかった緋目高の太郎次郎の土に落葉す:(吹田市)川西直美
 永田和宏評:なまじ名などつけたばっかりに、死は個別の死として悲しみを一層深くする。結句がいい。

私もいろいろな動物を飼育しました。
鳥、犬、猫には名前をつけました。
それ以外の魚類、爬虫類、両生類、昆虫などには名前をつけたことはありません。
それぞれ相手に「心」を感じとることはできるんですが、名前をつけたことはない。

名前は単なる識別記号をこえて、個体への感情の移入を誘う。
つらいですね。
死んで、土に還ります。
振り返って、ヒトも別れは辛いけれど、土に還るのが一番幸せなのではないでしょうか。
全ての生物は地球に生まれ地球に帰る。

私の墓標は地球です。みんなといっしょ。

休職後

2010.12.12付 朝日歌壇より
休職後復帰プログラムをこなされし先生復帰しそして自死する:(北海道伊達市)今奈奈

作者は高校の先生だと思います。
「鬱」でしょうね。
ある決まったルーティン・ワークはこなしやすい。これはやらなければならないという力が働いていると、こなせる。
自発的に、臨機応変・出たとこ勝負というのが、うつ状態にはとてもきつい。

ところが、教員の仕事というのは、この「出たとこ勝負」で成り立っている。
授業の準備をきちんとします。もちろん。
でも、相手は生徒、その時その時によって変化する。
同じ授業は、決してできない。
ある年度の、複数クラスで、同じ内容の授業やっても、同じにはならない。
前の年度と今年度では、生徒が変わるとまた授業も変わる。
毎年同じことをやっているんだから楽だろう。自分がかつて学んだことを再生産していればいいのだから楽だろう。そういうふうに教職を見る方は多いのですが、全然違うんですよね。
毎年毎年、毎時間毎時間、「ライブ」なんです。

こういうことが、鬱からの回復期には一番きついんですけれど。

かなしいなぁ。
同僚の自死が、自分の内にも内包されている。
教師って、そういう瀬戸際を生きる職業でもあるんですよ。

化石

2010.12.12付 朝日歌壇より
遠い日のわたしが埋めたビー玉を化石にするためコンビニが建つ:(姫路市)波来谷史代

またまた、歌の内容とは直接関係ないことを。
歌を読んで、私の頭をよぎったのはある本の題名でした。

 『わたしのハムスターを化石で残すには? アマチュア・サイエンティストに贈る驚くべき実験の数々』  ミック・オヘア編 ランダムハウス講談社 (2008/9/19)
原書:How to Fossilise Your Hamster (2007/10) Mick O'Hare

結局買わなかったんですけれどね。面白い題名だなぁ、と、忘れられない。
「自分が化石となって残るには」どうしたらよいのだろう?とかね。

ビー玉の化石が出たら、未来人はどう考えるんでしょうね?
これは何に使うものか?
ヒトという絶滅種にとって、どのような意味のある物体なのか?

ラムネ、とか、ビー玉遊びとか、思いつかないだろうなぁ。

人間は機械ではない

2010.12.12付 朝日歌壇より
人間は機械ではない。牛丼が遅れ苛立つ者よよく知れ:(春日部市)宮代康志

この歌の内容と直接には関係ないのですが、思い出したことがありまして。
朝日新聞の読者投稿欄「声」で「もたつく権利」という話が載りました。
太字は私がつけました。

[声]老人にはもたつく権利がある(12/4)
 東京のあるスーパーでは「ゆとりレーン」と名付けた高齢者専用のレジを設けたそうです。お年寄りにゆっくり会計をしてもらおうという配慮から生まれたアイデアで、高齢者に好評とのことです。
 しかし考えてみると、わざわざ「ゆとりレーン」を作らないといけないのは、今の社会の冷たさを反映しているような気がします。高齢者がレジで小銭を出すのに、もたついていると、次に待っているお客さんが露骨に嫌な顔をするときがあります。ひどい時には、レジ係の人までも「早くしなさい」と言わんばかりの態度をとることがあります。「高齢者は動作がスローなのが当たり前だから、少々時間がかかっても仕方ない」と、誰もが寛容な気持ちを持てば、すべてのレジが「ゆとりレーン」になるはずです。
 「子供叱るな、来た道だもの、年寄り笑うな、行く道だもの」という言葉があります。平均寿命まで生きられれば、誰でもいつかは高齢者になるのです。だから「高齢者にはもたつく権利がある」と、おおらかな気持ちで見守ることが出来たらいいなと思います。

この投書に対して、こんな投書もありました。

[声]時間とらせぬ売り方影響か(12/11)
 「老人にはもたつく権利がある」の意見に同感でした。たとえば、電車などを利用するときに使う「スイカ」は、駅の自動販売機や売店などでも使えます。乗りたいときにすぐ乗れるよう、また、飲み物や食べ物がほしいとき、すぐ手に入るよう、時間をとらせないシステムといえます。
 しかし、こうした今の世のサービスが、「待てない」「我慢できない」人間を生み出しているのではないでしょうか。
 私の感覚では、乗り物に乗り遅れたら待てばいいし、のどが渇いたり、おなかがすいたりしても、小銭がなければ我慢すればいいと思うのです。
 「待てない」「我慢できない」人々の社会が、何かにつけてキレやすい世の中をつくりあげている気がします。心にゆとりのある社会を、と思います。

「お互い様」という言葉が消えてしまったのはいつからなのでしょうね。
社会全体に非寛容な雰囲気が立ち込めている。
窮屈です。失敗、遅れ、そういうものを許さない。
自由に競争すればすべてがよくなる、という流れをつくったのは誰だったのか。
その流れの中では、速いもの、成功したもののみが評価される。
遅いもの、失敗したものは、自由の中でそうなったのだから、自分の責任だとして、見捨てる。
大した差でもあるまいに。成功も失敗も、人生にはつきもの、お互い様じゃあないですか。
ギスギスしたこの雰囲気、なんとかなりませんかねぇ。

単硫化鉄

2010.12.12付 朝日歌壇より
イトカワの石採り帰りし「はやぶさ」よ決め手となりしか単硫化鉄:(名古屋市)諏訪兼位

さすが諏訪先生(兼位は「かねのり」と読みます)目の付け所が違う。
諏訪先生は地球科学者、地質学者にして歌人でいらっしゃいます。

サイエンスポータルというサイトの記事を引用します。
http://scienceportal.jp/news/daily/1011/1011171.html

【 2010年11月17日 『はやぶさ』カプセルに小惑星の微粒子確認 】
 小惑星探査機「はやぶさ」が、6月に持ち帰った回収カプセルから約1,500個の微粒子が見つかり、鉱物種の存在割合から、小惑星イトカワ由来の物質であることが確認された。宇宙航空研究開発機構が16日発表した。小惑星の岩石試料を回収したのは世界初の快挙だ。
 宇宙航空研究開発機構によると、微粒子の大きさは数ミクロンで肉眼では見えない。小さなへらでかき出した状態のまま電子顕微鏡に入れて確認したところ、かんらん石や輝石などが確認できた。かんらん石中の鉄とマグネシウムの比率や輝石中の鉄とマグネシウムの比率などを調べたところ、その成分比率が隕石(いんせき)の特徴と一致し、地球上の岩石とは異なることが分かった。この成分比率は、「はやぶさ」がリモートセンシングで推定したイトカワの表面物質の組成とも一致した。また、地球上にはほとんど存在しないトロイライトと呼ばれる硫化鉄鉱物も、今回の試料の中に存在していた。
 今回、試料が確認できたことで、数々のトラブルを克服して7年ぶりに地球に帰ってきた「はやぶさ」は、当初の目的を完遂したことになる。
 プロジェクトマネージャの川口淳一郎教授は「地球に帰ってきたことが夢のようなことだったが、今回のことは夢以上の成果」と話している。

記事中の「トロイライト」というのが歌に詠みこまれた「単硫化鉄」です。
化学屋としては「単硫化鉄」という名前にはちょっと困惑しましたが、鉱物学ではいいのかな、そっちの常識には疎いので。
化学的には「硫化鉄(Ⅱ)」でしょうね。
英語なら「Iron monosulfide」でしょうか。あるいは「Ferrous sulfide」か。
「Iron monosulfide」を直訳すれば「単硫化鉄」になるんですけれどね。

硫化鉄なんて中学高校の理科実験でも出てきそうなシンプルな化合物ですが、地球上は「酸素」がいっぱいで、トロイライトは酸素の濃い地球上では酸化されてしまうんですね。
そのトロイライトがはやぶさの持ち帰った微粒子に存在していたということは、その微粒子が酸素の存在下にさらされたことがない、ということです。

太陽系ができて以来ずっと宇宙にあったと考えられる小惑星「イトカワ」ですから、当然、酸素にさらされていないのです。これが「はやぶさ」が持ち帰った微粒子がイトカワのものだという決め手になったのだろう、と歌われました。
諏訪先生は岩波科学ライブラリー・シリーズの『科学を短歌によむ』という本も出しておられます。2007年に出版された本ですが、その前書きに「四十年間、日記のように短歌を詠み、朝日歌壇に投稿し続け、気がつくと採歌数は二百を超えた」と書いておられます。
その後3年、朝日歌壇の常連でいらっしゃいます。さすがぁ、という歌が多いので、気に留めておかれるとよいでしょう。

ところで、もう一点。
宇宙に漂う塵が集まって太陽系ができました。地球はいったんどろどろの液体になりました。この時点で重い鉄などは沈んで中心部に集まりました。ですから、固体として宇宙を漂っていた時とは、地表の元素の組成が変わりました。
これは、宇宙的なこと。

やがて、地球に生命が発生し、初めは無酸素のまま生きていましたが、やがて、酸素を作る細菌が大繁栄しました。海の中に溶けていた2価の鉄イオンは、酸化されて3価になって水に不溶性になり、沈殿しました。やがて、大気にも酸素が満ちました。
このようにして、鉄鉱石を作ったのは生物です。
トロイライトも無酸素環境下では存在し続けていたかもしれませんが、酸素の豊富な地球になり、存在できなくなっていきました。
このような変化は、生物的なものです。

生物のやることもものすごいものだということの一端です。

重機

2010.12.12付 朝日歌壇より
一歳は重機のようだ体ごと押すブルドーザー伸び上がるクレーン:(東京都)黒河内葉子
 佐佐木幸綱評:全身で押し全身で伸び上がる一歳児。比喩の意外性に感心した。

すごい「視点」を発見なさいました。私にも昔子育ての時代がありましたが、こういう見かたは全くできなかったな。
子が工事車両なんかが大好きで「コージ!」と叫んでいて、「はたらくじどうしゃ」なんて絵本を繰り返し読みましたっけね。でも、幼子そのものを重機にみたてるのはすごい。
視野が広がった気がします。

熊蜂

2010.12.12付 朝日歌壇より
勇猛を誇りし果ての熊蜂がきょう落ち柿に餌を欲る初冬:(群馬県)眞庭義夫

黒くて大型で羽音も大きいし、危険なハチと誤解されがちですが、ハナバチですからね、さほどの危険はない。ぶんぶん飛び交って近寄ってきたりするのはオスが多い。メスを探して。
オスは刺さないです。巣が攻撃されたとハチが感じるような状態になったらメスバチが刺すことはあります。ま、適度にながめていれば大丈夫。
スズメバチのことを「クマンバチ」と呼ぶこともあるらしいですね。誤解を招くので好ましくない呼び方です。
ファンタジーの世界では、黒くて大きなクマバチはどうも、悪役をしょわされがちで損をしています。ミツバチは黄色くって小さいのでかわいいハチにされていますが。

もう花も少なく、蜜源がなくって、柿の糖分にやってきたのでしょう。当座の活動エネルギーを得るために。クマバチは成虫で越冬しますが、くわしいことは知りません、オスは越冬できるのかなぁ。大体、オスというのは繁殖に必要なだけで、それ以外の役はないですからね。

泣くキャベツ

2010.12.12付 朝日歌壇より
霜の朝キュッと葉を立て泣くキャベツ葉脈に太る青虫抱きて:(宇治市)神埼政子

霜の降りたキャベツに青虫が「幼虫」として入っておりましたか。
季節を外してしまって、キャベツを出て蛹になれなかったんだろうなぁ。
キャベツの葉のキュッという音は独特なものですが、青虫とのギャップに、なんだか哀しさを覚えます。青虫の泣き声のようにも思えますね。キャベツとしては、青虫を抱いたままいてあげてもよかったのかな?優しいキャベツだから。

先日、チンゲンサイに「ヒル」のようなのがついていましたので「放逐」しましたが、生きられるかどうかはわかりません。
無農薬だなぁ、といいながら、チンゲンサイを食しました。

棺組む音

2010.12.12付 朝日歌壇より
音もなく雪の降る日は作業場にひとり来て聞く棺組む音:(八戸市)山村陽一

どのような組み方がしてあっても、誰も見はしない「棺」。
箪笥などの家具や、文箱など木の細工物なら、木を組んだだけで作ったとか、竹釘を使ったとか、これは鉄の釘が使われているとか、うるさい人はいろいろ言うんでしょうけれど。
棺の木組みを見る人はまずいない。でも、職人さんは鉄の釘など絶対使わずに組んでいく。だって、鉄だと、骨揚げの時に、全部残ってしまいますもの。
遺体に「1円玉」を持たせて下さい、という業者もいます。これは1円玉が純粋なアルミニウム製なので、660度で溶けて、白く酸化されて見えなくなるからです。

誰かに知られるでもなく、技を誇るでもなく、ただ、静かに亡くなった方の為に棺を組む職人さん。
音もなく降る雪がふさわしい。

2010年12月13日 (月)

オンブバッタ

1128onbubatta_m 11月28日
オンブバッタのオスを見かけました。
よくまあ、オスがこの時期まで生き延びたこと、とびっくり、感動。
掌に包んで、ガザニアの葉の間に送りこんでやりました。

1129_14onbubatta_f 11月29日
そのガザニアの葉の間に、オンブバッタのメスがいました。
今の時期、もう交尾なんて無理ですが、あのオスと会えたかい?と思わず聞いてしまいました。
単なる偶然です。メスがここにいるなんて知らずにオスを送りこんでやった。
仲良く最後の時を過ごして下さい。

ギンメッキゴミグモ幼体

1127_12ginmekkigomigumo1 11月27日
ギンメッキゴミグモの幼体です。2mmくらいでしょうか。すっごく小さいんです。
1127_12ginmekkigomigumo2
巣の下の方に、獲物。
翅のある小昆虫ですが何かはよくわかりません。
がんばれよ~。
冬を生き延びろよ~。

サザンカの花の前

1127_9itimonjiseseri 11月27日
日当たりのよいサザンカの花でイチモンジセセリを見かけました。
蜜を吸っているという風でもありません。
日向ぼっこの雰囲気でしょうか。
のんびりと眺めていたら、何か昆虫が左側から飛び込んで来て、この花に体当たり。
イチモンジセセリは跳ね飛ばされるように飛び去りましたが。
なんだ!?と反射的にカメラを向けてシャッターを切ったら
1127_10ebigarasuzume
これ。
エビガラスズメだと思うのですが。決定的な写真は撮れませんでした。
このエビガラスズメも、ちょっと舞って、すぐに飛び去ってしまい、後にはサザンカの花だけ。
なんだったのでしょう?
わざわざ、私がながめているそのイチモンジセセリのところへ突入してくる必然性はあったのでしょうか?サザンカの花はこれだけではなく、すぐ近くにも何個も咲いていましたのに。

これが11月27日でしょ。で、確か11月30日かな、同じ場所でサザンカの花の中のツマグロキンバエを見ていたら、翅がぼろぼろになったアオスジアゲハがその花に突っ込んできました。
http://yamada-kuebiko.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-d1a8.html

なんなんでしょうね。サザンカの花を舞台にして、私の目の前をよぎって行く虫たち。
挨拶に来てくれているような気もします。強くそんな気がします。
ファンタジーすぎるかなぁ。

ルコウソウ

1127_7rukousou 11月27日
12月の今の時点ではルコウソウは完全に終了しています。
このときも、緑の芽とはいいかねましたが、光を浴びて輝く姿に惹かれました。
動物のような、個体の死という形で死ぬわけではないのですね。
あちらが枯れ、こちらが枯れ、ここでは芽を出そうとしている。
すごいものですよ。見ていてどきどきします。
今年は終わりましたが、また来年、あの鮮烈な花を楽しみにしています。

テントウムシ

1127_5tentou1 11月27日
ナミテントウかな。よくわかりません。
それより、どうも、羽化の時にトラブルがあったみたいですね。
蛹の殻からの脱出に時間がかかりすぎたのではないか。
前の硬い翅が歪んでいます。中の柔らかい翅がどうなっているのか分かりませんが、飛べるのかなぁ。
1127_5tentou2
無事生きていけますように。祈るしかないですね。
ちょっとなぁ、ハンディキャップが大きすぎる気もするんですが。
生きろよ。

ネコハグモ

1127_2nekohagumo 11月27日
ネコハグモがハエをつかまえていました。
枯れかかったオーシャンブルーの葉の重なりの間です。
初め、ハエが見えました。おやっと思って、葉の間を覗きこんだら、ネコハグモの巣なのでした。
かなり大型の獲物ですね。
越冬前の御馳走だったのではないでしょうか。

ナツミカン

1126_12natumikan 11月26日
年を越して向こう側の準備。
ナツミカンの実が色づいています。
来年の2月3月でしょうか。収穫になるでしょう。
アゲハやナガサキアゲハを育ててくれたナツミカンの木。今度は私たちにも恩恵を与えてくれます。
じっくり熟成してください。

ツマグロヒョウモン幼虫

1126_11tumagurohyoumon1 11月26日
記事を書くのを早めないと、時間差が大きくなりすぎますね。ちょっと焦っています。
このツマグロヒョウモンの幼虫はすでに蛹になっています。
なんで、今、幼虫の写真なのかというと、体の側面を見て下さい。
1126_11tumagurohyoumon2
白い網目のような模様があるのですが、これは体表面の模様ではないという気がします。
体の中が透けて見えているのだと思います。
じゃあ、なんだろう?というとわかりません。
体節ごとに繰り返されています。突起をつなぐような感じもします。
始めて気づいたものです。今までの幼虫にもあったのかどうかもわかりません。
次の飼育のチャンスには、必ずきちんと見ます。
度の幼虫にも必ずあるものなのかどうか、確かめます。
今回は、こんなもの見ました、というご報告です。

キチョウ

1126_7kityou 11月26日
だんだんシーズン最後の姿、というのが多くなります。
花がもうないものなぁ。サザンカ、センダングサ、このあたりでは、もうそういう花しかない。
太陽光線で体を温めて、飛べるだけ飛ぶ、という状態ですね。
いい顔してるでしょ。愛でてやってください。

ヒメナガカメムシ

1126_6himenagakamemusi 11月26日
集合フェロモンでも出しているのだろうか?と書いたヒメナガカメムシの集団。
枯れたフウセンカズラの実の上です。
成虫が2匹、幼虫が4匹でしょうか、集まっています。
なんとなく成虫が幼虫の面倒を見ているように感じてしまうのは、思い入れが強すぎるんでしょうね。
社会性の昆虫でもないのに、こうやって成虫・幼虫が一緒に集まっているのは、面白いことだと思います。
カメムシに詳しい方、こういう習性があるのかどうか、教えて下さい。

ネコハエトリ

1126_3nekohaetori1 11月26日
突きあたりのビヨウヤナギの茎。日溜まり。
ネコハエトリなんですけれど、腹部の模様がちょっと違う。まだ幼体なのかな。かわいいですね。
実は、この後、こっちを向いてくれて、例の素敵な顔の写真を撮らせてくれたんですよ。で、その直後、また、後ろを向いて、ぴょん、と葉陰に去って行った。まるで、写真を撮ってくれと出てきたようなクモさんなんです。

で、人に勧められて、その、ネコハエトリの顔写真、自然誌写真のコンテストに応募してしまったんですね。ですから、今はここに出せない。
どうせ、落選しますから、その時ちゃんとお目にかけます。
素敵な笑顔(?)ですよ。

シロザ

1126_1siroza1 11月26日
派手さはないですが、シロザの実が「たわわ」。
1126_1siroza2
拡大すると結構かわいい実がぎっしり。クリスマスむけ?かな。

オンブバッタが葉を食べていた。ヒラタアブが花に来ていた。最近はツマグロオオヨコバイが茎で汁を吸っている。
私がこのシロザで見かけた虫はこんなところでしょうか。アブラムシがついたことはなかったな。カメムシが来たこともなかったな。
意外と、ひっそり、ひとり咲いていました。

訳がわかりません、ハエです。

1125_6hae 11月25日
自分でわからないもの、こんなに載せてどうすんだよ、っ!
ハエの種類を決める気にもならない。なんだか妙なものを見てしまった。キョウチクトウの葉の上。
ハエの死骸なんですけれど。どうしたんでしょう。カビかなにかの寄生を受けたのでしょうか。
腹部に白い粉状のものがついています。
甲虫の死骸なら見たことはありますが、ハエの死骸なんて普通は見ない。
この場所に、脚でつかまったままで、死んでいる。
分からなくなってしまいました。

ウスモンミドリカスミカメ(でしょうか)

1125_4sukasikame 11月25日
ウスモンミドリカスミカメではないかなぁ、という成虫を載せました。
こちらは、たぶんその幼虫でしょう。
「カスミカメ」という仲間を実際に見たのは今年が初めてなんです。で、結構それが目の前をいっぱいうろうろしてくれる。
小さいからなぁ、思ったように鮮明には写ってくれない。
同定はまったく当てになりませんのでご注意ください。(哀しいけれど)。

1126_9sukasikame 11月26日
こちらがその、ウスモンミドリカスミカメではないかというカメムシの成虫です。
すっごく写真写りの悪い虫でして、背中の模様も、複眼も、どうにも、「くっきり」写ったという気がしないんですね。不思議な奴です。

ハネカクシの仲間

1125_3hanekakusi1 11月25日
足元のオシロイバナの葉の上。
何やら、黒い虫が、ごそごそやっている。
最初はハネカクシだとは思いませんでした。なにせ、翅が長い。
近眼・老眼の目でも、そのくらいは分かる。
その「ごそごそやってる」という感じが実は大事だったようで
1125_3hanekakusi2
腹部の先端を一生懸命持ち上げてるんですね。
で、なんとか翅を内側から押し上げているようです。
何回かのその動作で、翅が畳みこまれました。
1125_3hanekakusi3
これは立派なハネカクシの姿。
そうなのか、ハネカクシといえども、翅が瞬間的に畳みこめない時もあるんだなぁ。と感心。
おそらく翅脈か何かを押すと、うまいこと畳まれるのではないですか。

ところで、このハネカクシ、何という種類なのだろう!?
アカバハネカクシ。ドウバネコガシラハネカクシ。オオズハイイロハネカクシ。・・・
わからないんですよ~。助けて下さい。
体長は1cm強。小さなハネカクシなんです。
まいったな、わからないものばっかりだ。

(多分)寄生バチ

1125_2kiseibati 11月25日
フウセンカズラにて。
寄生バチだと思うのですが、確定できません。
この日は、この場所にたたずんでいた間、この一匹だけでした。
1126_5kiseibati1 11月26日
昨日と同じ場所で、同じ種類のハチを見かけました。
今度は、ブンブンといっぱい飛び交っています。
ブンブンと形容しましたが、小さいハチで、実際に音がしたわけでは全くありません。数の形容です。
体長は1cm弱。細い体です。
1126_5kiseibati2
見事な「蜂腰」。で、この大きさ、寄生バチですよね。
アブラムシへの寄生にしては体が大きすぎますね。
何に寄生するのか?わからない。
翅に紋があるようです。
1126_5kiseibati3
さて、さらに困惑。↓
1126_5kiseibati4
脚の模様や、胸部背面、頭部の模様が、なんだか微妙に違いますよね。
25日に見かけたのと同じタイプですね。
これは雌雄の差なのか、別種をいっぺんに見ているのか。
訳が分からなくなってしまいました。
この日は、ざっと感覚的にいって、10匹を超えるハチが、この辺りを飛び交っていました。
その後は、数は減りましたが、2週間くらい、このあたりで、このタイプのハチを見かけました。

教えて下さい。

2010年12月10日 (金)

ホソヒラタアブ

1125_1hosohirataabu1 11月25日
常連ですので、なにか変ったことでもなければ載せないつもりだったのですが・・・。
ぱっと止まったこの姿、ホソヒラタアブにとってはごく普通の姿勢、落ち着きがよいと思うのですが。
1125_1hosohirataabu2
目の前で、はたっと翅を畳んでしまった。

おい、どっちが楽な姿勢なのかね?
どっちかが「気をつけ」で、どっちかが「休め」ということはあるのかね?

この後、私が見ている間はずっと、畳んだままでした。
どっちでもいいんでしょうけれど、そうなると今度は、どっちの姿勢を選択するのか、何か基準があるのか、気になってしまった。

どうでもいいじゃん、大差ないのよ、その時の気分の問題!

なんでしょうね。

シャコバサボテン

1124_10syakoba 11月24日
もう少し
1127_11syakoba 11月27日
まだ
1130_9syakobasaboten 11月30日
これで満開ですね。
毎回思うのですが、メシベの先端がおいしそうでね。
撮影時には気づいていませんでしたが、アリが来てますね。
さすがです。よく探し当ててくるものです。

この濃いピンクと青空が実によくマッチする。
門柱の上に置いてあって、いつもそのコントラストを楽しんでいます。

ツマグロキンバエ

1124_9tumagurokinbae 11月24日
前の記事のオオハナアブと違って、ツマグロキンバエはサザンカのオシベの間に潜り込めます。
口吻を振っていてぶれています。
オシベの先端にも甘い液がにじんでいるんでしょうか。
花粉を食べるのは無理だと思うんですよね。

今年はヤツデに花がついていないので、ツマグロキンバエはこのサザンカでるのが最後になるのかな、と思っています。
めぼしい花がないものなぁ。

オオハナアブ

1124_8oohanaabu1 11月24日
あまりみかけない、オオハナアブです。
サザンカの花で、吸っているというのか、舐めているというのか。
1124_8oohanaabu2
脚が花粉だらけ。オシベの林の中に潜れる体ではないし、もう、目一杯(いや脚一杯)花粉をもらってしまいました。
1124_8oohanaabu5
顔の部分のクローズアップ。
目立ちませんが、複眼に模様があるんですね。縞模様。
単眼3個。典型的な構成ですね。
1124_8oohanaabu3
この黄色い帯が特徴です。
ハナバチと間違いそうですが、顔が全然違います。
1124_8oohanaabu4_2
花を離れて上の方へ。
後ろ姿を見せてくれました。
成虫での越冬ではないと思うのですが、間に合いますように。

ルコウソウ

1124_7rukousou1 11月24日
そういえば、ルコウソの種ってどんなだったっけ?
1124_7rukousou2
こんなでした。
アサガオと基本は同じなんですね。
同じヒルガオ科だもんな。

また来年も楽しみにしています。
そういえば、このルコウソウを大量に食べていたエビガラスズメの幼虫は無事蛹になったでしょうか?
羽化したら顔見せなよ。

セイタカアワダチソウ

1124_6seitakaawadatisou 11月24日
セイタカアワダチソウが泡立っています。
ここまで来てしまうと、昆虫にとっての魅力は減ってしまって、虫を見かけることは少なくなります。
ひとり泡立って、種をまくことに専念しています。
種子は風に乗ると思いますが、花粉はあまり風には乗りません。虫媒花です。

ふかふかと暖かそうですね。

柿の落ち葉

1124_3kaki 11月24日
妻が「大きい!」といって拾ってきました。
柿落葉です。
ステンレス製の30cmものさしと一緒に写してみました。
おおよそ20cmくらいはありますね。
うむ、でかい。
ま、それだけです。

★妻の郷里には「柿の葉すし」があります。
東京にも店はありますが、やはりおおもとは奈良でしょうね。
「柿の葉すし本舗:たなか」という会社のホームページを覗いてみたら
http://www.kakinohasushi.co.jp/faq.html

もともと大和五條・吉野地方の夏祭りのごちそうとして作られていたもので、重石をして、1晩押すと、柿の葉の香りが染み、鯖の生臭み、塩辛さが抜け、風味豊かなすしとなり、夏バテの食欲をそそりました。

とありました。

柿の葉には、自然の防腐作用があり、鯖の過剰発酵を防いでくれます。また、包むことで、乾燥を防ぎ、すし飯が固くなるのを防ぐ自然のラップとしての機能を 果たします。さらに、柿の葉の薫りがすしに染み込むことで、柿の葉すし独特の芳醇な味わいを演出するなど、保存、食味の点で、「柿の葉で包む」ことは重要 な意味をもちます。昔の人の食の知恵には感心するばかりです。

こんな解説もありました。
鯖の押し寿司は大好きです。なるべく身の厚いのがいい。
若い頃は、夫婦二人で、押し寿司用の木の枠を買ってきて、サバやサケなどの押し寿司を自分たちで作って楽しみましたが、今はそういう気力も、食欲もなくなったなぁ。

柿の葉から、そういう色々な思い出が湧きだしてきます。

それにしても、でかい。青い葉を塩漬けにすればしなやかだし、たしかに押し寿司を包める広さですね。

理科話(5):水滴の影

1123_1raindrop1 11月23日
雨上がり。シロザの葉の上の水滴。
1123_1raindrops
こちらはアジサイの葉の上の水滴。
なんだ水滴か。

ところで、水って無色透明ですよね。なんで、その無色透明な水滴に「影」ができるんでしょう?
影というのは「光が来ないところ」ですよね。無色透明な水滴の後ろに、どうして光が来ないところができるのでしょう?

無色透明な窓ガラスの影ってできますか?窓枠の影の中、ガラスの影ってないですよね。

どうして、水滴には影ができるのか。
水滴がレンズになっているせいなんですね。
最初の写真の水滴のすぐ後ろのところ、暗い影の中で一点だけ明るく光っているでしょ、ここが水滴レンズの焦点。
水滴に入った光は全部ここに集まってしまいました。ですから、それ以外のところには光が来なくなってしまって、影ができているのです。

●図を見て下さい。
Shadow1
LLはレンズを示します。このレンズを通った光がどうなるか考えてみましょう。
LLをそのまま紙の上に投影した範囲がL’L’です。
LLの後ろにある点はレンズの焦点を示しています。

(1)レンズが紙からずっと遠い場合。
 いったん焦点に集まった光はその後広がります。広がって、紙に届くときにはL’L’の範囲より広がってしまいました。
AL’はレンズの外を通ってきた光とレンズで広がった光が重なるので、ただ太陽に照らされている部分より明るくなります。
L’L’では、本来ここに来るべき光が広がってしまいましたから、明るさが減っています。
↓その状態がこの写真
1124lens1

(2)レンズが少し紙に近づきました。
LLの部分に入った光が、L’L’に広がりました。これは、結局、レンズがなかったことと同じになりますから、明暗の差ができず、外から内まで、一様な明るさになるはずです。これは板ガラスに影ができないのと同じ状態ですね。
写真はこれ↓
1124lens2
厳密ではないですが、ほぼ一様な明るさになっていますね。

(3)レンズがもっと紙に近づきました。
図で分かるように、L’Aの部分には光が来ないので影になります。
AAの部分にはLLに入った光が狭い面積に集中されますから、とても明るくなるはずです。
その写真はこれ↓
1124lens3

●次の図に移ります。
Shadow2

(4)レンズの焦点が紙の上に来ました。
LLに入った光の全てが焦点に集まりますから、そこだけが明るく輝く点になります。L’L’の範囲で焦点以外には光が来ませんので真っ暗の影。
これです↓
1124lens4
理想的な点光源だと、輝く部分も点になりますが、太陽には大きさがあって、焦点のところには太陽の像ができていますので、少し広がりを持ちます。

(5)もっと近づきました。
図3と同じような状況になって、レンズの影の中に明るい部分が生じます。
これです↓
1124lens5

●いかがでしたか?図に描いたものと、実際の写真と、ほぼ一致しましたね。これが理科の楽しみ。
予想と実際がピタッと合った時の楽しさは一度経験すると忘れられないものです。

●ところで質問!
近視用の眼鏡を太陽光に垂直にさらすと、どうなりますか?
影ができますか?

★予測して下さい。
近視用ですから、凹レンズです。
レンズに入った光は広げられます。
すると、レンズそのままの範囲より広い所へ光が広がりますね。ということは、状況としては図1の紙の上と同じようになるのではないでしょうか。いったん集まって広がるのではなく、最初からLAへと広がっていくのですね。
すると図1の下の写真と同じようなことになりませんか?

★では、実験。私の近視用眼鏡です。
1124lens6
いかがですか?

理科って楽しいですね。

25万件

夕べのうちにアクセスが25万を突破したようですね。
今、自分のブログを見て確認しました。
めでたい、メデタイ。
次は、30万件の頃にアクセスカウンターを表示します。
それまで、また、消しておきます。

2010年12月 9日 (木)

クサカゲロウ

1123_9kusakagerou1 11月23日
前の記事のホソヒラタアブのいた場所のすぐそば、サザンカの葉の上。
クサカゲロウを見かけました。
1123_9kusakagerou2
こちらは、花そのものとは関係がない。
花やつぼみに来るアブラムシが狙い。
幼虫も成虫もアブラムシを食べる肉食ですから。
1123_9kusakagerou3
複眼に注目。
赤と緑、という組み合わせは補色関係ではないのか。
個眼に入射する光と反射する光の関係で、こういう色合いになっているのではないかな、と想像します。本当は真横からも撮影できれば、そのあたりの推測がもっとしやすくなるのですが、今回はこのアングルだけでした。

ホソヒラタアブ

1123_8hosohirataabu 11月23日
サザンカの花が人気です。
オシベもなにか味があるのか。
中まで潜らずに、オシベの先端を舐めている昆虫も多い。
アリなんかは中の方まで潜りこんでいます。
翅のあるタイプは、サザンカには潜りにくいんですね。
今一番大型の花です。

ヒメナガカメムシ

1123_5himenagakamemusi1 11月23日
前の記事のカスミカメなどと同じ場所にいます。
フウセンカズラやセンダングサなどが入り乱れている場所です。
上は成虫
下は幼虫
1123_5himenagakamemusi2
幼虫の方が、なんとなく、顔に愛嬌があってかわいい。
成虫はぶっきらぼうですね。
もうそろそろ草が枯れ始めていますので、季節の終わりが近づいてきました。

カスミカメの仲間でしょう

1123_4kasumikamea 11月23日
ウスモンミドリカスミカメではないかという見当をつけているのですが、確定ではありません。
1123_4kasumikameb
こっちは「ミドリ」じゃないんですけれど、色違いということで同種ではないでしょうか。

カメムシの奥は深い。
分かりやすいのに登場してもらいたいなぁ。

参考にしたのはここです↓
http://ujiharao.exblog.jp/i178/

オオタバコガ幼虫

1123_2ootabakoga 11月23日
オオタバコガの幼虫だと思うのですが、居場所が変。
庭のホトトギスの葉の上。
ここで成長したのかなぁ。
普段見かけていたのは、家の外のセンダングサなどの上でした。
このあと、見かけなくなってしまったし。
どうしてここに現れたのか、何となく不審なままです。

シャコバサボテンなど

1122_7syakoba 11月22日
私の意識としてはシャコバサボテンの蕾を撮ったものです。
ただ、パソコン画面でじっくり眺めたら、付録付き。
写真下にカタバミの実が写っています。
まだ弾けてないのと、既に弾けてしまったのが写っています。
その、まだ弾けていない実に、プチンが付いています。
これ、多分、弾けた実から飛び出した種がここに付着したのだと思います。
なんか、そういう、時間経過が写っていましたのでご紹介しました。
熟したカタバミの実を弾けさせると、痛いくらいにぷちぷち種が当たって面白いですよ。
お試しください。

ナナホシテントウなど

1122_6nanahosi 11月22日
真ん中に見えるのはナナホシテントウ。
写真の上と左にヒメナガカメムシの幼虫がいます。
植物もいろいろぐちゃぐちゃっとなっていまして、かき分けて背中見せてよ、というわけにもいきません。
テントウの方はこのまま成虫で越冬でしょうから、まあ、いいとして、カメムシの方はそろそろ成虫になってしまわなければいけないのではないかい?
せっぱつまった季節になってきました。

不安定

1122_5hamusi_ 11月22日
フウセンカズラにて。
いくら昆虫でも、これは不安定。
直後、飛び去ってしまったので、背中側を見られませんでした。
多分ハムシの仲間だと思うのですが、確定できません。
パフォーマンスだけ見てやってください。

お知らせ

さっき、アクセス解析を覗いたら、10:55現在で「249902」になっていました。
ひょっとすると、今日中に25万に達するかもしれません。

下のほ~ぅにアクセスカウンターを表示させてあります。
25万人目の方には・・・なにもしませんが、どうぞ喜んで下さい。

理科話(4):Yes

新聞記事です。

「動」の根岸、「静」の鈴木 両氏がノーベル賞記念講演
朝日新聞 2010年12月8日
・・・
 根岸さんはダークスーツに金色のネクタイ姿でにこやかに登壇。大きな身ぶり手ぶりで動き回りながら「米国留学中、テストはよくできたけど、実験が苦手な学生だったから、もっと簡便な方法はないものか、と考えた」と会場の空気をほぐしてから本題に入った。
 「収率」、「効率」、狙った物質だけを作る「選択性」の英語の頭文字にちなみ、「Yes」な反応が大事だと持論を展開した。
・・・

ノーベル化学賞:根岸氏の記念講演要旨
・・・
 木も花も人間も、ほとんどが有機化合物でできている。有機化合物の合成には高い収率、効率、(狙ったものをつくる)選択性が重要で、これらの(英語の)頭文字を取ると「YES」になる。さらに経済的に効率良く行うことがグリーンな(環境に調和した)化学につながる。
・・・
毎日新聞 2010年12月9日

根岸さんのおっしゃる「yes」は次のような単語の頭文字です。

収率=yield、効率=efficiency、選択性=selectivity

効率や選択性は、まあいいとして、収率=yield という概念は一般の方にはなじみがないかもしれないな、と思って簡単に説明します。

化学反応式 aA+bB→cC+dD において、a,b,c,dは、同じ原子の数が左辺と右辺とで等しくなるようにするための係数で、これを化学量論係数(stoichiometric coefficient)といいます。

こういう「化学反応式の通りに進む反応」を「(化学)量論的反応」といいます。
高校までの化学では、ここまでしか学びません。
で、この係数の釣り合わせに苦労したり、化学反応の量的な関係を比例で解いたり、苦労なさったかもしれません。高校化学で必要とされる「数学」はほとんど大部分比例だけなんですけれどねぇ。

2H+O→2H
水36gを作るには、酸素が32g必要だ。
これは確かなことです。化学反応式が書ければ、反応する物質の量と生成する物質の量の関係がきちっと決まるのですね。
量論的反応ですから。
ここまでだと根岸さんのおっしゃった「収率」という言葉は理解できないと思います。

「エッセンシャル 化学辞典」(東京化学同人)で「収率」という言葉を調べますと。

収率[yield]  ある化学反応において、反応式から理論的に計算される生成物の量Ycに対して実際に得られる生成物の量Yeの比率を百分率で表したもの、すなわち100ye/ycを収率という。

実は、有機化学で多いのですが、目的とする化合物のほかに、いろんなものが出来てしまうということが多いのです。実際の化学反応では、反応式通りに量的な関係が進む反応のほうがむしろ少ないのですね。
そこで、目的の化合物が得られる割合=収率、というのが大事になるのです。
複雑な化合物をつくるには、一段階の反応で出来てしまうということはまずありません。何段階も反応を重ねます。
ある反応で得られた物質を更に反応させて次の物質に変え・・・というような複数の反応を重ねていくとして、もし各段階の反応で収率が90%あっても、段を重ねるに従って掛け算で収率が落ちてしまうのです。
医薬品の合成とか、いろいろな身のまわりの物質の合成とか、いくら合成可能であっても、収率が低ければ工業化はできません。

今回のノーベル化学賞の「クロスカップリング」という反応は、結びつきにくくて収率の低い炭素-炭素間の結合を高収率でできるようにしたのですね。それによってノーベル賞に至ったのです。

高校化学は、収率概念が入ってこないように用心深く組み立てられています。やっかいですからね。
収率という概念は化学にとってとても重大なものなのですが。
元高校化学教師としては、頭の痛いことでした。

{私自身は、大学で有機物質の合成をやってましたから、収率の問題にはいつもぶつかっていました。文献を調査して、一番収率の高い方法や条件を探し、自分自身も収率を高める工夫をしました。画期的に収率を高められたら、そのことだけでも論文ものですからね。}

2010年12月 8日 (水)

紅葉

1122_2kaede1 11月22日
鉢植えの紅葉。
中央の紅葉は、妻が京都から芽生えを連れてきたものです。
左と右は、30年物のイチョウ。実生です。
同じイチョウでも、黄色くなるタイミングが違うんですね。

3色並んで目を楽しませてくれます。
1122_2kaede2
ちょっと腰をかがめて、黄色と赤の対比を狙ってみました。
ね、秋ですね。

シロザ

1122_1siroza 11月22日
シロザが赤くなりました。
これがまた鮮烈な赤でしてね。
草全体が赤くなってきたのではなく、ところどころの葉が真っ赤です。
一風変わった雰囲気の紅葉を見せています。

クルミに虫がいた

1121_2musi1 11月21日
クルミの殻を割っていた妻が、虫がいた、と連れてきました。
さっそく記念撮影。
今まで何年もこのクルミの木の実を食べてきましたが、虫にあったことはなかったなぁ。
それとも、気づかづに食べてしまっていたのか。ありうるなぁ。
1121_2musi2
こんな虫です。
少し糸を張っていますね。
1121_2musi3
これは、胸部を腹側から撮ったアングルです。
口から糸を出しているところです。頭を振って糸を張って行きます。

さて、これは何の幼虫だろう?
栗の中にこういう虫がいますよね。あれは、クリシギゾウムシの幼虫ですが。
いろいろ見ていたらオナガシジミの幼虫がオニグルミの実の中に食い入っている、という記述を見つけましたが・・・。
http://insects.life.coocan.jp/Specimens/Shijimichou.htm

しかしなぁ、ちょっと、家のあたりにいるとも思えないチョウなんですけどねぇ。

その後、実の溝に糸で網を張って閉じこもり、一カ所だけ穴を開けてあって、たまにかわいい顔をのぞかせたりしていましたが、この頃見ません。
蛹になったかなぁ。
継続して見ていきます。

(ヤブガラシ)訂正:キレハノブドウ(切葉野葡萄)

1121_1yabugarasi 11月21日
毎週行くプールの駐車場の端っこ。
まだ完全に色づいていませんが、ヤブガラシですね。

コメントにありますように「キレハノブドウ(切葉野葡萄)」ですね。訂正します。(12.9)

この周辺、雑草が多くていいですね。
ここから、1kmもないところに、多摩川台公園という公園があって、虫がいっぱいいるようですが、私の歩行能力ではなかなか行く気になりません。
歩かなくっちゃ、虫にも出会えないのですけれどねぇ。

ヒメナガカメムシ

1120_8himenagakamemusi 11月20日
熟したフウセンカズラの実の上。
ヒメナガカメムシの幼虫、成虫が集合していました。
テントウムシも来てました。

さて、ちょっと気になるのは、ヒメナガカメムシがこのように、成虫・幼虫が集合するシーンをけっこう頻繁に見るということです。
他のカメムシではあまり見たことがありません。
今年、ヒメナガカメムシで気づいたことです。
単独生活が基本だろうに、なぜ集まるのか。
ひょっとして集合フェロモンを出しているのでしょうか。
どうも日本人はフェロモンというと「性フェロモン」のことばかり思い浮かべるようですが、フェロモンというのは、動物などが体内で生成して、体外に分泌し、同種の他個体に一定の行動などの影響を引き起こす、生理的に活性な物質のことです。
集合フェロモンというのは、一カ所に集まることで生存のチャンスを増やす働きをします。
ゴキブリの集合フェロモンが有名ですね。

ひょっとして、ヒメナガカメムシも、集合フェロモンを出しているのかな、と思いました。
幼虫だけが集まって一緒に成長するのではなく、成虫も一緒だというところが面白い。
さして面倒を見てあげているようにも思えませんが、生存率が上がるのでしょうね。

{「ホルモン」もすぐ「性ホルモン」に結びつける。ホルモン焼き、とかね。人間って、やっぱり根がスケベな動物なんですねぇ。}

キチョウ

1120_7kityou 11月20日
遠くの方で、キチョウがセンダングサの花で吸蜜。
口を伸ばしているのが何とか見えます。
光線は逆光ですが、このアングルしかなくって仕方ない。

この後、キチョウはほとんど姿を見せなくなり、今のところ残って姿を見せてくれるのはヤマトシジミだけ、という状況になりました。
寒くなりましたね。
東京の今朝の気温は6℃ちょい。平年より少し高いんです、それでも。
でも、やっぱり、冬を実感します。

ハエ

1120_6hae 11月20日
一瞬のすれ違い。
交尾を求めていたのかな。シャッターに驚いて飛び去りました。
悪いことをした。

ところで、何というハエなのかがわかりません。
姿形はミバエに似ていると思うのですが、これっ、というのに出合いません。

何というハエでしょうか?
分かりませんか?

カエデ

1120_5kaede11月20日
我が家のカエデの紅葉。
あんまり「紅」にはなってくれませんでした。黄葉ですね。
猛暑でいったん、上の方の葉がひとかたまり、枯れてしまったんです。
写真で、濃い茶色に写っているのがそれ。
秋になって、緑の葉を再度出しまして、それが黄葉したのが、明るい黄色の葉です。
今年は花も咲かなかったし、ちょっと元気の出ない一年でした。
来年頑張ろうね。

ホソヒラタアブ

1120_3hosohirataabu 11月20日
遠回りして帰ったシリーズ第3弾。
なんのことはない、我が家のそばではお馴染みのホソヒラタアブなのですが。
外で虫を見かけるのはなかなかに珍しい。
手入れがよすぎるんですよね。
で、虫がいれば殺虫剤を使うのはもちろん当たり前だろうし。
翅があって、飛来して去っていくタイプの虫しかまず見ませんね。
このホソヒラタアブも、どこかアブラムシのいるところで成長して、羽化して飛来した。

コンパクトデジカメのスーパー・マクロモードです。
うまくピントさえ合ってくれれば、このくらいの画質での撮影は可能です。
人の顔を探して、ピントを合わせる場所を勝手に探してくれてしまうのが困る。
ピントは中央固定、みたいなモードがあるといいのになぁ。

黄色いセンリョウ

1120_2senryo 11月20日
前の記事のソヨゴのすぐそば。コンパクトデジカメで。
家の付近では黄色いセンリョウが見られるのはここだけだと思います。
1206_m1senryou 12月6日
一眼レフで。
ちゃんと実っていいですね。
我が家の赤いセンリョウは、少ししか残っていません。
鳥にでも食べられちゃったのか、どうしたのか。

幸せの黄色いセンリョウ
いやそれはハンカチですね。

ソヨゴ

1120_1soyogo 11月20日
駅からの帰り道。道路工事を避けてちょっと遠回り。
ソヨゴの実が熟していました。
ソヨゴはモチノキ科。風に「そよぐ」からの命名だという話ですね。ほんとかなぁ、みんなそよぐように思えますが。

そよご【冬青】モチノキ科の常緑低木。高さ約3メートル。雌雄異株、時に同株。葉は厚く、光沢がある。春、葉腋に白色で筒形4弁の小花を開き、紅色・球形の核果を結ぶ。材は器具に用い、葉を褐色の染料とする。樹皮から鳥黐トリモチを採る。フクラシバ。ソヨギ。[広辞苑第五版]

1206_m2soyogo 12月6日
最初の写真はいつもベルトにつけてあるコンパクトデジカメでの撮影。
今回はモンパルでの外出ですので、大きくて体の揺れとともに揺れるので、普通は持ち歩かない一眼レフ。
いっぱいの実。見事なものでした。
ピラカンサの密集した真っ赤な実もきれいですが、ソヨゴもいいですね。

文化の精髄

異星にも下着といふはあるらむかあるらめ文化の精髄なれば:山田富士郎

2010.12.5付の朝日新聞天声人語欄にこんな歌を見つけました。

[天声人語]方程式と異星人 2010/12/05 朝日新聞
 方程式にも色々あるが、「ドレーク方程式」というのをご存じだろうか。宇宙に知的生命のいそうな星がどれだけあるかを求める式で、カリフォルニア大教授だったドレーク氏が若いときに考えた。
 計算次第で幅が出るが、昔記事にしたとき、たしか全宇宙でざっと1万個ほどと教わった。結構あるな、などと思うなかれ。我々のいる銀河系だけで太陽のような恒星が2千億はある。そうした銀河が宇宙に約1千億という。大海で針一本を捜すようなもの、と言っても言い足りない。
 そんな奇跡でも起きたかと、米航空宇宙局(NASA)の「重大発表」を待った人もいたようだ。なにせ「宇宙生物学上の発見について」と題されていた。会見の前から「異星人の可能性」を報じた米国のテレビ局もあった。
 ふたを開けると、猛毒のヒ素を食べる細菌の発見だった。米国の湖で見つかった。なーんだ、と思うなかれ。生命に必須のリンの代わりにヒ素を食べる。それは「生命には水が必須」といった常識も覆しかねない発見なのだそうだ。
 つまり生命には、これまでの想定をはるかに超える柔軟性があるかもしれない。過酷な環境の星にも我々と異なるタイプの生命が存在する可能性がある、ということになるらしい。
 人類が「独りぼっち」ではない可能性が増したことになろうか。とともに、我々は何者か、という問いも深まりゆくように思われる。〈異星にも下着といふはあるらむかあるらめ文化の精髄なれば〉山田富士郎。パンツをはいたサルとして、夜空を仰いで思い巡らす。

いや、私は異星には下着はない可能性の方が大きいと思います。
複雑な化学反応系が「内と外」を仕切って存在し続ける、というような意味での「生命」の発生は、宇宙的な規模では多分必然的なことではないかと思っています。
その「個体」が、一から多へ、存在の形を変えることもおそらく、必然的に起こり得る。

では、人間が「衣服」を発明したのは必然だったのか?
地球上のヒトたちがそれぞれに衣服を発明したのは寒かったからでしょう。
毛を失ったから寒かったのです。
他の哺乳類たちは毛を保持して寒さに耐えてきた。
ヒトはなぜか、体毛を失った。
脳を巨大化させることに働いた遺伝子が、別の方向では体毛を失わせる方向に働いたのではないか、という説もあります。
体毛を失うと寒いので生存上の不利を招きますが、脳が大きくなって、火を使い、衣服を着、言葉によって集団生活が営めるようになった、ということのメリットの方が大きかったのではないでしょうか。
ヒトが衣服を発明したことに、生物的な必然性はないように思われます。

生命の発生、多細胞化、知性の発生、そのあたりには宇宙的な必然性があるかもしれません。
でも、衣服を着ることには必然性はないように思えるのですね。
衣服は決して「文化の精髄」ではないと、私は思っています。
たまたま体毛を失ったヒトという生物にとっては、衣服が必然となり文化となったのではあるでしょうが。

現実問題として、我々がパンツをはいたサルであること、これは認めます。

2010年12月 7日 (火)

藷畠

2010.12.6付 朝日俳壇より
一畝は園児らのもの藷畠:(直方市)清水次男
 大串章評:大勢の人がやってくる貸農園。広がる藷畠の中に園児たちの一畝がある。今年の出来栄えはどうだろう。

これ、貸農園なのでしょうか?私には必ずしもそうは思えない。むしろ自分で耕しイモを植え、世話をする農家の方なんじゃないか。近所の幼稚園と提携して、「ひとうね」だけ、開放している。
イモ植え体験。(後でちゃんと植え直しておいてあげたり)。
手入れ体験。
芋ほり遠足。

ときどき、園児がにぎやかにやって来て楽しんでくれる。
農家としては手間はかかるし儲けにはならないのだけれど、かわいい園児のためには、そんな手間も気にならない。幼稚園児と地元の農家の楽しい交流なのではないかと。
そんな風に、私は感じました。

鯛焼

2010.12.6付 朝日俳壇より
鯛焼を割って小豆をこぼしけり:(船橋市)笈川夜白
 長谷川櫂評:大粒のみごとな小豆なのだ、そうでなければ「こぼれる」というふうにはいかない。

甘いもの、就中、あんこが全く駄目な私。
匙一杯でも、胃がダウン。
上掲の作を読んだだけで、胃が酸っぱくなりそう。

昔。母がね、男の子ばっかりで面白くないわね、女の子がいたら、たまにはケーキでも買ってきてくれるでしょうにね、といいながら、時々自分で甘いものを買ってきましたね。
付き合って食べます。その時は美味しいと思って食べます。で、その日の夕方、胃がダウンして、夕食を食えない息子になっていましたっけ。

こぼれるほどの小豆、う~む。
参った。

十二月八日

2010.12.6付 朝日俳壇より
十二月八日延長線未だ:(和歌山県有田川市)上門善和
 長谷川櫂評:十二月八日は太平洋戦争開戦の日。その延長線が今もつづいている。見えないが、確かにある延長線。

現在の日本の政治状況、外交的な状況、すべて、この「延長線」をきちっと切ることが出来ていないことのつけが回って来ているのだと思います。

「端正」ということばを失いました。
端を正しく致しましょう。

政治・外交的に、きちんと端を正しくすれば、たくさんの問題がおのずと解決していくと考えています。

野兎の糞

2010.12.6付 朝日俳壇より
野兎の糞ありいつか出合ふかも:(北九州市)宮上博文

自然に親しむ方々は、山道、けもの道の糞を見て、その山の生き物たちの状況を読むことが出来るようですね。
私の住む場所では兎はおりません。
代わりに、虫がおります。
木の下に糞を見れば、だれかチョウかガの幼虫がいてむしゃむしゃ食べているな、と読めます。
「みんなうんち」です。
うんちは生きるあかし。
うんちがあれば、生きものがいる。
きっと出合いますよ。

八十二十

2010.12.6付 朝日俳壇より
露の世の我が歯八十路の二十本:(大阪市)吉岡和子

ご立派です。

平成に入ってからですかね、歯科医師会が「8020運動」を始めた。
http://www.jda.or.jp/8020/index.html
↑日本歯科医師会のホームページを見たらこう書いてありました。

「8020(ハチマルニイマル)運動」とは?
いつまでもおいしいものを食べ続けるための元気な歯は、日々の手入れから。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。ぜひ「8020」を目指してください。

口から食べる、ということは若い頃には気づきにくいことですが、とても大事なことなんです。
口からものを食べ、ちゃんと排泄できる間は元気に生きられます。
そうでなくなると、やはり「おおごと」になります。

「露の世」とおっしゃいますが、その露の世であるからこそ、世にある限りを楽しまなくっちゃ。
この世を我慢してあの世で楽しもうなんていうのはいけません。
この世をこそ楽しみましょう。

「八十二十」まさに、ご立派です。

年を重ね

2010.12.6付 朝日俳壇より
山にまた雪来て年を重ねけり:(長野市)縣展子

 稲畑汀子評:信州の冬は高い山々に雪が積もる様子で一年の経緯を知るのであろう。今年もまた一年が巡ってきたと感慨深い。

年年歳歳花相似
歳歳年年人不同

この詩では「花」ですが、雪をもって年の過ぎゆくを感じておられる。
おそらく、山に雪が降れば、「間」もなく里にも雪が降る。
そうして年齢と共に、雪に降り込められる感覚も強まっていくことでしょう。
「籠る」時間の長さが身にしむ。
「年を重ねけり」とは実感です。

山茶花

2010.12.6付 朝日俳壇より
山茶花に静かなる日のとゞまれる:(横浜市)橋本青草

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いかがでしょうか、気に入って頂けるでしょうか。
サザンカにさす日のぬくもり。背中をあたためていると、とても幸せな気分です。

落葉籠

2010.12.6付 朝日俳壇より
持ち上げて力余りし落葉籠:(八尾市)梶本佳世子
 稲畑汀子評:掃き寄せた落葉を次々と籠に詰め込んでゆく。押さえて入れた籠を持ち上げて思ったより軽いので驚く。力余りしとは妙。

要するに、いっぱいに詰め込んだ籠が落ち葉であるために、意外と軽くて力余っておっとっと、だったのでしょう。
「力余りしとは妙」とはちょっと大仰な言い方に感じられます。
あらま、ちょっと力み過ぎたわね、という軽い笑いに味わいがある、と感じました。

結婚二年目

2010.12.6付 朝日歌壇より
ティファニーよりヘンケルスとかティファールが欲しいと思う結婚二年目:(東京都)窪田貴子
 高野公彦評:欲しいのは指輪ではなく、包丁セットや鍋セット。美味しい料理を作って幸せな家庭を築きたいという気持ちであろう。

ま、昔からの言葉でいえば「所帯じみて」こられましたね。
ティファールはいいですね。フッ素加工のフライパン、何段も重ねられるフライパン、取っ手を外して重ねられるやつとか、透明な蒸し器とか、1杯分のIHポットとか、手持ちのミキサーとか・・・。欲しくなります。

夫婦の年輪を刻んでいける「よいもの」をお求めください。
私たちの場合、ホイッスル・ケトルとか、圧力鍋とか、お米をはかる「一合ます」とか、結婚以来ずっと使っている道具というものがいろいろあります。もう、40年近くなってきた。

二人で刻む年輪。
親子は遺伝的なつながりがありますが、意外と疎遠なもの。
夫婦はもとは他人でありながら、最も強い絆となりましょう。
長く「夫婦を刻んで」下さい。

木の実

2010.12.6付 朝日歌壇より
わたしたち木の実なのよと言うごとく枝葉をつけて柿が並べり:(仙台市)小野寺寿子

食料品の全てがまるで工業製品のように、形がそろい、味がそろい、衛生的で、「いきもの」のにおいを立てていない。これって、ある意味、異常なことなのではないかな。

米は稲という草の実だ、ということに驚く子もいます。
ミカンも、リンゴも、柿も、「木の実」だなんて知らない子もいるかもしれませんね。
あまりにも、きれいすぎる。あまりにもそろっている。
不揃いで、味もまちまちで、ちょっと不潔な果実を、適当にこすってかぶりつく、というようなことが、サルの親戚としては必要なんじゃないか。

いきものを食べるんですから、もっと雑然としていていいと思うんですよ。
食べる側がもっとタフにならなくっちゃいけませんね。

V字隊列

2010.12.6付 朝日歌壇より
百ほどの気球浮かべる中空をV字隊列雁翔りゆく:(明石市)竹中紀久子
 佐佐木幸綱評:熱気球の大会だろうか。気球と雁の隊列。上空に描かれた対照的な図形の面白さ。

熱気球大会を自分で見たことはありません。テレビのニュースなどで見たことがあるだけです。で、その印象からすると、気球は隊列ではないですね。図形というのもちょっと気が引ける。空に広がるランダムな気球模様。そのある意味で雑然とした空間と、きれいに組まれた雁の隊列の対比が面白いのではないかなぁ。と、思うものです。

柿の実

2010.12.6付 朝日歌壇より
柿の実がなくなり鳥が来なくなり柿の木ひとりたそがれており:(城陽市)山仲勉

こわごわと柿の実啄む目白の目上目使いに横目使いに:(城陽市)山仲勉
 高野公彦評:たえず周囲をうかがう臆病な様子がかわいい。

鳥には「渋い」という感覚はないんですかねぇ。柿は基本的にすべて渋柿。たまたま遺伝的な変異で甘い柿が出来た時に、接ぎ木のような形で増やしたのですよね。

でもなぁ、柿としては鳥に食べてもらって糞と一緒に種まきをしてほしい。でも、渋柿なんだなぁ。いいのでしょうか。
鳥と哺乳類の味覚の違い、というのもあるのかなぁ。
哺乳類は種までかじりつぶしてしまう、というようなことがありますかね。

繁殖の時を過ぎれば、次の時までひっそりと準備に入る。柿も動物も。
冬はそういう時期なのですね。

ところで、鳥の目というものは、視界が非常に広い。前方から斜め後方まで、頭を動かさなくても一挙に見えています。
そのせいでしょう、カメラを向けると確実に気づきますね。
鳥の写真は難しい。

ゴビの蟻

2010.12.6付 朝日歌壇より
長城を登り切ったるゴビの蟻八達嶺にてわが掌にあそぶ:(神戸市)内藤三男

おまえもここまで登って来たのか、と掌にのせたアリをいとしんだのでしょう。
それはそうなんですけれど、アリさんの方は、生活圏を拡大していく、という中で1000mの高さへ、少しずつ登ったんですね。
長城が出来てからアリがやってきたか、アリが住んでいたところへ長城を築いたか、どっちかなぁ。人間の方が新参者という気もしますね。

機械科教師

2010.12.6付 朝日歌壇より
分解して手入れして仕舞ふ扇風機機械科教師を父に育ちて:(仙台市)坂本捷子
 馬場あき子評:機械科教師の父の習性がじつにユニークだ。

機械というものはな、単なる命のない金属の塊の道具じゃないんだぞ。
丹念に手入れして、丹精込めてやれば、それに応えて長く一緒に働いてくれるものなんだ。

幼い日々に、父のそばでそんな言葉でも聞きながら、夏の扇風機をしまう父の手さばきを見ていた。手の小さい方がこういうところは拭きやすい、とかいって、手伝わされた。
長じて、自分が扇風機をしまうにあたって、自分の手つきが、いつの間にかあの頃の父の手つきに似ているな、と感じてしまうようになった。
自分の中に生きている父。

そういう時間の流れ、人生の変転を読み込んでほしいなぁ、選者には。
「父の『習性』」だなんて。生きる哲学なんです。人の生き方を身をもって教えてくれたんです。
「親の背中を見て」とかいいますが、別に背中じゃなくてもいいんです。「手」で生き方を教わったんです。
それはまた、教師としての信念でもあったことでしょう。生徒たちも教師の生き方に育てられるのです。父上は工業高校の機械科の先生でいらした。とすれば、教師としての父が育てた生徒の方々も、きっとこういう風に、機械を大切にしながら使っていく、よい仕事をする人、がたくさん育ったに違いありません。派手派手しい仕事とは無縁でしょうが、地道な人育てをなさったはずです。
よい父親であり、すぐれた教師だったろうと、推察いたします。

冬のカマキリ

2010.12.6付 朝日歌壇より
円空仏の笑いあう声聞こえきて祠のぞけば冬のカマキリ:(蓮田市)斎藤哲哉
 馬場あき子評:荒彫りの円空仏の寄り合う祠と冬のカマキリの共存がいかにも楽しげ。

冬のカマキリって、もう命の瀬戸際だと思います。おそらくはもう餌の昆虫も少ないし、餌を取る力も尽きかけている。飼育下なら、ピンセットで肉片を差し出してやるとかろうじてカマにはさんで食べるという状況でしょう。

いくら円空仏と一緒だからと言って、「いかにも楽しげ」というのは、虫好きの私には頂けません。
円空仏のもつ豊かな生命感、祠にさしこむ太陽の光のぬくもり、それらに支えられる命の瀬戸際のカマキリ。
去りゆこうとする命の一瞬の輝きをとらえたスナップのような歌だと私は感じます。
決して楽しい交歓とは思えません。
カマキリは間もなく去っていくでしょうが、円空仏がその命を讃えて下さるのではないでしょうか。

樹氷

2010.12.6付 朝日歌壇より
樹氷とふさんざめくもの静もるもの四十年後は無くなるといふ:(水戸市)檜山佳与子

朝日新聞でも記事になったらしいのですが、私自身は日経のサイトで読みました。

蔵王の樹氷、40年内に消滅? 温暖化の影響で、山形大  (2010/11/10)
 山形、宮城両県にまたがる蔵王連峰の冬の風物詩「樹氷」が、地球温暖化の影響で40年以内に姿を消す可能性があるとの研究結果を山形大の柳沢文孝教授(地球化学)らがまとめ10日、山形市で開かれた講演会で発表した。
 「アイスモンスター」とも呼ばれる樹氷は、針葉樹のアオモリトドマツに強風で吹き付けられた空気中の水分が凍り付き、その上に雪が付着してできる。
 柳沢教授らが大正~昭和初期の文献や写真などを基に調査したところ、樹氷は1965年まで標高1400メートル以上で観測されていた。その後観測できる地点の標高が上がり、現在は山頂に近い1600メートル付近にまで達しているという。
 樹氷が観測できる時期も1950年代までは12月だったが、現在は2月にずれ込んでいる。
 柳沢教授は、山頂付近の気温が約80年間で2度以上上昇したと推定。「このままのペースで温暖化が進めば40年以内に山頂の気温がさらに1度上がり、樹氷はなくなってしまう」と警鐘を鳴らした。

これは温暖化の影響、ということです。
更に、こんな記事もありました。

[晴れのち晴れ]減る樹氷、原因どこから:森田正光さん(2010/12/4 朝日新聞)
 温暖化の影響で、蔵王の樹氷が年々減って、ふもとから山頂に追いやられています。朝日新聞の記事によると、山形大学の柳沢文孝教授は「このままだと40年後には樹氷が消えてしまう可能性もある」と話しています。
 九州大学の竹村俊彦准教授は、温暖化の他に「黒色炭素(いわゆるスス)の増加も樹氷減少の一因ではないか」と推測しています。樹氷が出来るためには、0度以下でも凍らない過冷却水が大量に必要ですが、黒色炭素は過冷却水の増加を妨げ、結果として樹氷を出来にくくするのです。
 では、この黒色炭素はどこから来たのか。種々の状況から一番疑わしいのは西方から飛来する化石燃料の残りかすです。もどかしいのですが空に国境はなく、大気汚染の越境を確認することは出来ないのです。

「スス」の影響も指摘されているんですね。
「過冷却」というのは、清浄な状態で実現するものです。空気中の水蒸気がもう結晶になる温度なのに、結晶になる「核」がなくって結晶化できずそのまま気体でいる、というのが過冷却です。青空の上空で過冷却になっているところをジェット機が飛んで結晶化の核を蒔くと雲が出来て、飛行機雲になります。
雲の下でヨウ化銀の煙をあげたり、雲の中にドライアイスの粉を蒔いたりして、雨を降らせようという技術もありますね。北京オリンピックの時でしたっけ、話題にもなった。これも、過冷却状態を壊そうとしているのです。
「スス」があると、過冷却になりにくくなって、樹氷が出来なくなるわけです。

春先に、畑の雪をはやくとかすために、ひっくり返して土を出すと、色の黒い方が熱を吸収しやすいですから、はやくとけるんですね。
ススがあると、きっと氷が出来てもとけやすくなるでしょうね。

実はもっと前に、樹氷が汚染されている、という話もあったのです。

樹氷汚染 2007年01月18日 朝日新聞
季節風に中国の排出物 「酸性雨」懸念の声
 山形の冬の顔、蔵王の樹氷が、酸性雪の影響で汚染されていることが、柳沢文孝・山形大学理学部助教授(環境化学)の調べで分かった。樹氷を作る強い北西からの季節風が、中国で排出された汚染物質を運んで来るためだ。雪の酸性度も強くなっており、生態系への影響を懸念する声が出ている。
 柳沢助教授は94年から毎年、蔵王の樹氷を採取して、酸性の濃度を測定している。一般に、雨のpH値が5・6を切ると「酸性雨」と呼ばれる。観測を始めた当初、5・6だったpH値は、06年には4・6まで酸性化した。
 環境省が02~04年度、尾花沢市で観測した平均pH値の結果でも、4・81(02年度)、4・72(03年度)、4・65(04年度)と確実に酸性化が進んでいた。
 大規模な工業地帯のない山形で、雪の急激な酸性化が進んだのは、中国の影響が大きいことが、柳沢助教授の調査で分かった。樹氷に含まれていた硫酸イオンを分析したところ、中国東北部・山西省で生産されている石炭の成分と一致することを突き止めた。
 山西省は石炭やコークスの産地として知られる。また、省都の太原(タイユアン)市は98年、世界保健機関(WHO)が、大気汚染の深刻な世界10都市のワースト1としている。
 樹氷は、樹木に大陸から強い北西の風が吹きつける時に水滴が凍ってできる。この季節風が、中国で汚染された大気を運んできているとみられる。
 酸性化による具体的な被害はまだ報告されていないが、pH値が4以下が長く続けば生態系などに影響が出るとされる。3未満になれば樹木が枯れるなど、急激な被害が出ると言われている。
 また、春先に酸性雪が大量に解けると、中に含まれていた酸性物質が大量に地中に漏れ出す「アシッドショック」が発生する恐れもある。酸性雨より深刻な影響が懸念されるという。
 柳沢助教授は「海外の大気汚染が、自分たちの町の環境にも影響している現実を知ってほしい」と警鐘を鳴らす。

国境を超える出来事です。
「今、ここ」から「地球全体の未来」を見据える目を養いましょう。

虚数

2010.12.6付 朝日歌壇より
虚数iみたいに「はい」と言うわたしまあるくおさめたほうがいいとき:(新潟市)太田千鶴子

先日12月3日の朝日新聞科学欄に
     日本人の感情、顔より声に:「オランダは逆」両国で研究
というタイトルの記事がありました。
記事の内容は引用しませんが、感情を抑えて表情を笑顔にしておくのですね、日本人は。
上掲の歌では、表情はどうなったか分かりませんが、言葉の方を抑えられた。
その場を収めるために、言葉を抑えた。
その意味で「実がない」というイメージが「虚」を、ひいては「虚数」を、そして虚数単位は「i」ですから、言葉としての「あい=はい」に結び付けていった。
相当に、凝った言葉を組み立てられた、と感じ入りました。
そもそも、短歌を読んでいて虚数に出会うなんて珍しい。理数系の本ばかり読んでいる私には虚数は別に珍しくもないけれど、短歌では珍しい。
一瞬にして視線を捕えてしまいましたね。おみごとです。

◆江戸言葉でしょうか、「ai」という発音が「ee」になる。
「hai」→「hee」  はい→へぇ
「ai」→「ee」    あい→ええ
「daikon」→「deekon」 だいこん→でぇこん
「taihen」→「teehen」  親分大変だ→親分てぇへんだ
・・・

歌の内容とは関係はないのですが
i=あい はい へぇ
いろいろなイメージが頭の中に去来しました。

2010年12月 6日 (月)

最後の一葉

1203_2ityou 12月3日
朝、豪雨でした。激しい風も吹きました。
鉢植えのイチョウです。
「最後の一葉」だなぁ、と思いながら写真を撮りました。

12月6日付の朝日新聞・天声人語にこんな話が載りました。

100年後のO・ヘンリー
 世界に数あるクリスマスツリーのうち、一番有名なのはニューヨークのロックフェラーセンターのそれだろうか。今年は高さ22メートルの木が設(しつら)えられ、恒例の点灯式を日本の新聞、テレビもこぞって報じていた。
 ニュースを眺めながら、今年はニューヨークの庶民の哀歓を描いた作家O・ヘンリーが没して100年だったのを思い出した。残した短編は約280。何と言っても、木枯らしの吹く晩秋から年の瀬の物語がひときわ名高い。
 最も知られているだろう「最後の一葉」。クリスマスイブの「賢者の贈りもの」。路上生活者に冬が迫る「警官と賛美歌」など、繁栄からこぼれ落ちる人へのまなざしは、優しくほろ苦い。冬の夜のともしびのような珠玉の名品たちである。
(後略)

そうだったんだO・ヘンリー没後100年だったんですね、知りませんでした。好きな作家でした。

1204_4ityou 12月4日
実は、4日にはこうなっていました。
最後の一葉は散ってしまっていたのです。
絵ではないものですから、ちゃんと散りました。

大丈夫、心配しないでください、私は元気で、ここにいます。

コブシ

1119h_5kobusi 11月19日
白山神社前の歩道の街路樹。
幹から枝が出て、芽がついている。
植物というのはこういう生き方が出来るからなあ、動物たる私たちの想像を超えている。
動物で世代をつなぐのは生殖細胞だけに限定されています。
植物では、分裂できる細胞はどこにあっても、芽を出し根を出し、新しい体を作れる。クローンですけれどね。
一本の木に見えて、たくさんの個体の集合のような生き方が出来るんですね。
不思議なものです。

ハキダメギク

1119h_4hakidamegiku 11月19日
白山神社にて
ハキダメギクですね。
いっぱい群れて咲いているのをもっと早い時期に見るのですが、一輪だけ、ぽつんと咲いていました。
ちょっとかわいそうな名前をもらってしまいました。
かわいい花です。
めでてあげたいな→めでたいな

ヒイラギ

1119h_3hiiragi1 11月19日
ほのかに甘い香りを漂わせるヒイラギ。
1119h_3hiiragi2
このオシベが気に入ってしまった。
1119h_3hiiragi3
パンとか、食品を挟む「トング」という道具がありますよね。あれを思い出してしまう。
なんだか挟まれそう。
可愛いトングですね。

ところで、トングというとtongueかなと思ったんですが、tongueは舌ですよね。なんで?
と思って英和辞書を引いてみたら

tongs:{名詞} 挟み道具;火ばし,やっとこ。[学研パーソナル英和辞典]

こういう単語がありました。これですね。
やっと理解しました。
正確にはトングスというべきなんですね。
そうだったのかぁ。

ホトケノザ

1119h_1hotokenoza1 11月19日
白山神社にて。
ホトケノザの芽ですよね。
1119h_1hotokenoza2
もう花の準備も始まっているようですね。

この場所、タケノホソクロバが大量に発生してしまって、お知らせしたら、徹底的に駆除された場所です。
すかすかになっちゃったのですが、でも、来年の準備が始まったようで嬉しい気持ちになりました。
1119h_2me1
すぐそばに、こういうのもありまして。
これなんだったかなぁ。見覚えがあるような。思い出せません。
1119h_2me2
これは?
わぁ、脳がかゆい。なんだっけ?

大きくなったら、ああそうか、なのかもしれません。

ヤマトシジミ

1119_12yamatosijimi1 11月19日
いい顔してます。
今回のは翅も傷んでいません。
落ち着いた状態だったので
1119_12yamatosijimi2
真正面までは回り込めませんでしたが、正面顔に挑戦。
「いいおかお」という絵本がありますが、御存知でしょうか。
・・・「しじみちょうさんが」・・・「いいおかお」
ですね。

ツマグロキンバエ

1119_9tumagurokinbae 11月19日
今の時期、一番華やかに咲いているのはサザンカ。
そこに来る虫を眺めて、サザンカの花の前で長い時間立ち尽くしています。
ツマグロキンバエが花粉だらけになっていました。
脚の花粉をこすり落とすことは出来るようですが、背中の花粉はうまく落せないようです。
1119_10insazanka
オシベが林立する中の方に、小さな昆虫がいました。
ぼやけたシルエットしか撮れませんでした。
なんでしょうね。
ハエ、アブの仲間ではありません。
ハチでもないような気がします。
翅は透明。
さて、カメムシの仲間でしょうか。
確定できません。

ブルーサルビア

1119_7bluesalvia111月19日
まだブルーサルビアが咲いています。
一方、この写真にも写っていますが実も熟しています。
1119_7bluesalvia2
こんなふうになってきているんですね。
で、一つちぎって手のひらの上で開いてみました。
1119_7bluesalvia3
ころんと出てきた、これが実です。
初めて見ました。
風に乗るとか、けものにくっつくとか、弾けるとか、そういう工夫がないところを見ると、鳥に食べられることを期待しているのかな?それにしては、あまり「おいしいよ」というアピールはしてないですね。
近くに落ちればそれでよし、なのかもしれません。
少しずつ広がっていければよいのでしょう。

ベニシジミ

1119_6benisijimi 11月19日
線路の柵の中の方に見つけました。
常用のマクロレンズでは2~3m先の対象は、このくらが限度。
影を見ていただければわかるように、日光浴をしているところです。
背中から日を浴びて温まっているのです。
私も毎日、晴れてさえいれば昼のお散歩で日光浴。

お日さまはあったかくていいね。

走るケムシ

1119_5kemusi 11月19日
線路の柵からケムシが走り出してきました。
車を出す用事があって、車を出していたら、そこへ走ってくる。
危ないじゃないか!と落ち葉でブロックして、ゆっくり草むらへ押し戻しました。

「走る」と形容しましたが、実際、歩くという形容ではないですね。とっとこ、とっとこ、走ってます。

翌日、また車を出していたら、また顔を出した。これが可笑しいんですが、またかよ、と見つめたら、引っ込んじゃった。ヤバイと思ったかなぁ。そんなわけないのですが、確かにいったん引っ込んでしまいました。

また1日2日して、妻が、さっき真っ黒なケムシが道を走ってたわよ、と笑っていました。
やっぱり、「走っている」と見えるんだよなぁ。
そうしか見えないのです。

さて、こいつの名前ですが、確定できません。
アカハラゴマダラヒトリかキハラゴマダラヒトリかどちらかの幼虫だろうとは思うのですが。
成虫の腹部の上面が鮮やかな赤と黄色の違いで、よく似たガです。
アカハラゴマダラヒトリの幼虫の食草は「クワ科:クワ、 ミズキ科:ミズキ、多食性 」だそうです。
キハラゴマダラヒトリの幼虫の食草は「クワ科:クワ、バラ科:サクラ、アブラナ科:野菜、マメ科:マメ類」だそうで、どちらもこの近辺で可能性はあります。
困ったな。
まあどっちかでしょう。

キハラゴマダラヒトリについては
http://www.jpmoth.org/Arctiidae/Arctiinae/Spilosoma_lubricipedum_sangaicum.html

アカハラゴマダラヒトリについては
http://www.jpmoth.org/Arctiidae/Arctiinae/Spilosoma_punctarium.html

上のページをご覧ください。

フタモンアシナガバチ

1119_4hutamonasinagabati 11月19日
フタモンアシナガバチのオス。
フウセンカズラの花に。
正直なところ、このオスたちにはオスとしての仕事はもうないのです。
いつまで生きられるのか、真剣ですから、出会えば記録してあげたい。
まだこの先も登場すると思います。
たまに、私の頭にとまったりもします。
見ていてあげるよ。

2010年12月 3日 (金)

ヤマトシジミ

1119_3yamatosijimi 11月19日
オシロイバナの葉の上。
シジミチョウが休憩。
翅の枚数はありますが、ぼろぼろ。
すごいですね。

破蝶(やれちょう)の太陽光圧受けながら:崩彦

先日「やれはす」(敗蓮、敗荷、破蓮)の話を読んだもので、「やれちょう」という言葉を使ってみたくなりました。

現在、宇宙ヨット「イカロス」が金星へ向かって「太陽の光子の圧力(太陽光圧)によって加速」しています。
私たち夫婦の名前も乗っています。
「はやぶさ」も、積極利用ではないですが、太陽光の圧力を受けていました。
シジミチョウの翅に、そんなイマジネーションを重ねてみました。

「♪昔ギリシアの イカロスは」で始まる「勇気一つを友にして」という歌がありますね。あの歌大好きです。

「♪だけどぼくらはイカロスの
 鉄の勇気をうけついで
 明日へ向かい飛びたった
 ぼくらは強く生きて行く
 勇気一つを友にして♪」

ヤマトシジミ、アオスジアゲハ、アゲハ、チョウたちよ、トンボたちよ、君たちも、イカロスの子だね。

ネコハエトリ

1119_2nekohaetori 11月19日
常連。でも、一枚撮っておこう。
パソコンで見れば、おや、食事中だったんだ。
現場では気づきませんでした。
翅が見えています。アブラムシでしょう。
クモですから、「吸う」のでしょうが、大きさの関係だけ見ていると、むしゃむしゃ食べそうですね。
ネコハエトリはフレンドリーなクモで、写真写りもいいし、大好きです。

ハラビロカマキリの卵囊

1119_1harabirokamakiri 11月19日
枯れ枝などを処分していた妻が、大にこにこして現れました。
やっぱりなぁ、ハラビロカマキリの卵囊です。
記念写真撮ってあげて、というリクエスト。もちろんです。
キンカンの木でハラビロカマキリを見かけたという記事をかきましたが、あのあたりだそうです。
私たちが見えていないだけで、きっと、家の周りのどこかで、生き抜いている連中がいるんですね。うれしい。
なんたって、子らの小学生時代のメインはカマキリだったものなぁ。
家族挙げてのカマキリファンです。

シロザ

1118_siroza 11月18日
「星の砂」というのがありますが、これは「星の実」といったところですね。
伸びすぎたので、上を詰めて、下の方で稔らせています。
今年初めて出会った草ですが、私は好きだな。
はびこりすぎない限り、生えていてくれて構わない草です。

アゲハ

1118_15ageha 11月18日
アゲハが羽化しました。ちょっとだけ写真が撮れました。
このあとすぐ飛びだしていってしまいました。

1119_11agehe 11月19日
また、羽化。お腹が少し太いでしょ。この日は休ませて、翌20日に放してやりました。

季節的に厳しい時期の羽化ですが、仕方ない。
生きられる限りを生き抜いてください。
感無量です。

カメムシ

1118_14kamemusi 11月18日
わからないもの載せてどうするの?という声もかかりそうですが・・・。
玄関ドアの外側を歩いていたもので、やっぱり記念撮影してあげたくなりますよね。
何というカメムシの幼虫なのか。
この間、ナガカメムシの仲間かな、というタイトルでお目にかけたカメムシの幼虫かなぁ、という雰囲気があります。
でも、全く分かりません。
御存知のかたいらっしゃいませんか?

ラッキョウの花

1118_13rakkyou 11月18日
ずっとラッキョウの花を追ってきましたが、今回でおしまいにします。
食用のラッキョウを植えてみた、という思いつきにしては成果があったと思います。
こんなお洒落な花とお付き合いできましたし。
結実はしないようです。ちょっとな、虫さんたちがやってくる状態ではなかったからな。
ニラの花は結実しましたよ。
来年も再チャレンジします。
そのうちまた、お目にかけるチャンスもあるでしょう。

豪雨

1203ame1 12月3日
いやあ、今朝の雨はすごかった。
玄関ドアを開けて、外を見たら、線路の向こうが雨でかすんでいました。
ここは低い土地ですから、外の道が川みたいになっていました。
ベランダのプランターから水があふれそう。そんな水はけの悪い土を使っているわけではないのに、たまってしまいました。1時間雨量が30mmとか40mmとかになったのではないかなぁ。
雷も聞こえましたよ。
夏場にあまり夕立の来なかった今年。冬に入って雷鳴とは、いささか「すさまじい」。
1203ame2
西のほうから雲が切れて青空が見えてきたところ。
この線路は、新幹線、横須賀線、貨物線が走ります。
今朝は一時、新幹線が止まったようでしたね。
時々、何かあると横須賀線が徐行して走ったりして、2階から情報が見えます。

この新幹線などの下を東急多摩川線がくぐっているのですが、保線の方が3人ほど、跨線橋の点検に来ていました。
豪雨の後の点検作業でしょう。大変ですね。

今、午後になって、晴れ。
気温が上がる予報です。
つかの間の暖かさ、くつろぎ過ぎませんように。
また寒くなりますよ。

稔り

1118_12nekojarasi11月18日
全ての実が熟し切ったネコジャラシ。
なんだか、ながめていると、脱穀でもして食べたくなる感じですね。
カメムシやセセリチョウや、いろんな動物に恩恵を与えてなお、自分の稔りに至りました。

{いや、量は少ないけれど、中身は多分でんぷん質でしょうから、水にさらしてあくを抜くとかすれば、食べられないことはないだろうな。なかなか腹いっぱいにはなりそうにないですけどね。}

理科話(3):ヒ素食べる細菌

今朝の新聞やNHKニュースなどで、「ヒ素を食べる細菌」というのが取り上げられていました。朝日、毎日、読売、日経も取り上げたようです。
朝日新聞の記事を引用します。

ヒ素食べる細菌、NASAなど発見 生物の「常識」覆す
朝日新聞 2010年12月3日5時1分

 

猛毒のヒ素を「食べる」細菌を、米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが見つけた。生物が生命を維持して増えるために、炭素や水素、窒素、酸素、リン、硫黄の「6元素」が欠かせないが、この細菌はリンの代わりにヒ素をDNAの中に取り込んでいた。これまでの「生物学の常識」を覆す発見といえそうだ。
 今回の発見では、NASAが記者会見「宇宙生物学上の発見」を設定したため、「地球外生命体発見か」と、CNNなど国内外の主要メディアがニュースやワイドショーで取り上げるなど「宇宙人騒動」が起きていた。
 この細菌「GFAJ―1」株は、天然のヒ素を多く含む米カリフォルニア州の塩湖「モノ湖」の堆積(たいせき)物から見つかった。研究室で培養して調べたところ、リンの代わりにヒ素を代謝に使い、増殖していた。リンは、炭素などほかの5元素とともに、生命体が核酸(DNAやリボ核酸)やたんぱく質などを作るのに必要な元素だ。ヒ素とリンは化学的な性質が似ている。
 これまで、永久凍土や深海の熱水の中など「極限環境」で生きる微生物は複数見つかっているが、こうした性質はもっていなかった。
 地下水や土壌のヒ素汚染に苦しむ地域において、汚染環境の浄化に応用できる可能性も秘めているという。
 この発見は、生命が環境に応じて柔軟に対応できることを示しており、地球外生命体探しでの「生命に必須な水を探す」といった「常識」も覆される可能性がありそうだ。
 金沢大の牧輝弥准教授(微生物生態学)は「これまでは生物が利用できないと考えられていた物質の満ちた環境でも、微生物が増殖し生存する可能性が出てきた。この細菌の発見で生物細胞を構成する『六つの元素』の概念が変わり、生物細胞内での新たな代謝の仕組みが提唱されるかもしれない」としている。
 研究成果は2日付の米科学誌サイエンス電子版で発表される。

この内容そのものはそれでいいんです。全く新しい知見であり、私が何かをつけ加えることなどありません。

●ただ、気になったことがありまして。
どの報道も「有毒なヒ素」「猛毒のヒ素」と形容しています。それは間違いではありません。でもね、一方で、以前から、ヒ素は生物にとって「必須元素」なのではないか、ということは言われていたのですよ。
「有毒」ということは、実は生物体内で「働きをもつ」から有毒なんですね。何の働きもないものは、通過して出ていくか、出せないものは包んで隔離するかでしょう、邪魔だから。(真珠はその例ですね)。
ヒ素は元素の周期表で、リンの下にその位置を占めているのです。周期表で上下に接する元素の化学的な性質は似ているんですね。周期律の概念を確立したメンデレーエフは当時の未知元素の性質を隣り合う元素の性質から予測して予言し、その予言があたったために、周期律の概念が受け入れられたのでしたね。
ヒ素はリンと似た性質を持つ、だから、リンの働きを阻害する、だから有毒なんですね。
そういう「有毒」の概念を持ってほしいのです。

●日経新聞のサイトに「NASA論文の要旨」というのが載っていました。一部引用します。

 生命を構成する重要な元素は、炭素、水素、窒素、酸素、硫黄、リンの6つ。核酸やたんぱく質、脂質など生体の大部分を作っている。
 米カリフォルニア州にある塩水湖「モノ湖」から取ったプロテオバクテリアのハロモナス科の一種「GFAJ―1」は、リンの代わりにヒ素を使って生きる。ヒ素は細菌のDNA(デオキシリボ核酸)や、細菌が作るたんぱく質の分子内にも取り込まれていた。
 生命を構成する基本元素がほかの元素で代替できるとの報告はこれまでにない。しかし今回、ヒ素がリンに替わり得る証拠を細菌で見つけた。基本元素の1つであるリンを別の元素で置き換えられる生命の発見は、進化学や地球化学において重要な意味を持つ。
 元素の周期律表で言えば、ヒ素はリンのすぐ下にある。原子半径が近い。リンはふつう生体内でリン酸イオン(PO43-)になっている。その振る舞いはヒ酸イオン(AsO43-)でも似ている。今回、リン酸がヒ素に置き換えられるとの仮説を立て、実験で確かめることにした。

ね、ヒ素とリンが似た元素であることが指摘されていますね。で、DNAやたんぱく質にも取り込まれていた、とありますね。その点が重要なんです。使えないけれど環境にいっぱいあるから細胞内に隔離して貯め込んである、という状況ではないんですね。実際に「使っている」という点が重要です。そしてまた「使える」ということですね。
 やっぱり、オリジナルの論文はきちっと組み立てられていて、報道機関は必ずしも科学的に重要なポイントを報道していないということのようです。報道機関の「科学レベル」というのは気にしておく必要があります。

●CHONPSが生物にとっての「重要な元素」です。チョンプスと覚えて下さい。
植物の十大元素とかいって、CHOPKNSCaFeMgなんて覚えませんでしたか。
See Hopkins'  Cafe & Mg というような覚え方もあります。
あまりにありふれているので忘れがちですが、NaやClも必須です。

こういう主要元素のほかに、人間でも微量ではあるが必須の元素、というのもあるんですね。
I,Se,Zn,Cu,もちろんFe・・・
いろいろあるんですよ。

●「生体にとって有用な働きを持つ物質」と似た性質を持つ物質は、「生理活性」があって、薬になるかもしれないし、ひょっとすると毒になるかもしれない、ということについて理解があまり深まっていない気がします。
善玉・悪玉二元論に陥らないでくださいね。
絶対的な薬、絶対的な毒、というものはないのです。

今回の報道に、「あの悪玉のヒ素が・・・」という一種の「あおり」を感じたものですから、長々と書いてみました。

2010年12月 2日 (木)

ハエ

1118_11hae 11月18日
ちっこいハエです。2~3mmしかない。
赤い目が印象的。
脚の色が途中で切り変わっているのもオシャレ。
しかし、名前は分からない。ゴメン。

教えて下さい、スミマセン。

マツカサ

1118_7mtu 11月18日
長く青いままだったマツカサが、茶色く色づきました。ほぼ熟し切ったのでしょう。
2年越しですかね、ずいぶん長かった。

1124_4matubokkuri1 11月24日
上の方から開き始めました。このマツの実は風に乗るタイプでしょう。
下はアップにしたところ。

1124_4matubokkuri2

1126_2matubokkuri 11月26日
雨上がりです。閉じてしまいました。濡れると外側が膨らんで閉じるというような仕組みでしょう。

1127_3matubokkuri 11月27日
晴れました。やはり乾燥すると開くんですね。
ここで風が吹けば種が飛ぶ。うまくできた仕組みです。
引っ越していかれる方が、引っ越し先では育てられないから、育ててやって下さいと置いていかれてから何年経ったのかな、初めてここまで来ました。
目の前でマツカサが成熟していくのを見たのは初めてでした。

オオタバコガ幼虫

1118_10ootabakoga 11月18日
虫の探索中は、視線をゆっくり流しながら、意識に何か引っかかるものはないか、と見ているわけですね。
オシロイバナの実が熟していましたが、なんだか違和感がある。
よく見れば、同色のオオタバコガの幼虫でしょう。
実のパターンに乱れがあるんですね。で、気づいた。
鵜の目鷹の目虫さんの目。
さて、オオタバコガの成虫を見たことがない、というのが寂しいなぁ。
いるはずなんだけどな。

ホソヒラタアブ

1118_8hosohirataabu1 11月18日
お馴染みのホソヒラタアブ。
一応撮っておいてあげよう、とシャッターを切ったら、次の瞬間
1118_8hosohirataabu2
あれれ、たたんじゃった。
気分というものがホソヒラタアブにあるのかないのか知りませんが、どういう気分の変化なんでしょうね?
どっちが「気をつけ」で、どっちが「やすめ」なんでしょうね?
どっちも「やすめ」なのかなぁ。
どちらの状態もそれぞれに見たことはあるのですが、目の前でパタッと畳まれると、う~む~と考え込んでしまいました。

ホトトギス

1118_6hototogisu1 11月18日
ホトトギスの花はもうおしまいです。
我が家のホトトギスには実がならないなぁ、と以前書いたと思います。
よく見たら、こうなっていました。
花びらが落ちると、こうなって。
メシベの下に細長い子房があります。
1118_6hototogisu2
で、やがてこうなります。
どこかで見たことのある形ですねぇ。
そう、百合の実と同じ形なんですね。
ホトトギスはユリ科です。
でも、この実、(我が家のホトトギスでは)完全に熟すことができないようです。
1118_6hototogis3
みんなぽろぽろ落っこちて、こうなってしまうのです。
残念です。

ところで今回この記事をかくために、ホトトギスがユリ科であることを確認しましたら、面白い記述がありました。
季節の花300というサイトです。
http://www.hana300.com/hototo.html

杜鵑草 (ほととぎす)(Toadlily, Japanese toadlily)
・百合(ゆり)科
・学名  Tricyrtis hirta (杜鵑草)
          Tricyrtis : ホトトギス属
          hirta     : 短い剛毛のある
  Tricyrtis(トリキルティス)は、ギリシャ語の「treis(三)+ kyrtos(曲)」が語源。
  三枚の「外花被」というところの基部が曲がっていることから。

さて、なにが面白かったのか。
英語名です。「Toadlily」。分けて書けば「Toad lily」ですね。
toadってな~んだ?
ヒキガエル、ガマのことです。
へぇ、英語ではホトトギスのことを「ヒキガエルのユリ」「ガマのユリ」というんですねぇ。
知りませんでした。花の模様をヒキガエルにみたてたのでしょうね、多分。
う~む。

イチゴ

1118_5itigo 11月18日
四季成りイチゴの花。
年間に数えるほどしか実を食べられませんが、でも、なんだか好きなんですよね。
実がなると嬉しくなります。

ところで、一体、いつからイチゴの季節が冬になってしまったのでしょう?
春に花が咲いて、夏にみのるのが本来の姿ですよね。
クリスマスケーキにイチゴが乗っていました。子どもの頃はものすごい贅沢品でした。
季節外れ感を「売り」にしていたら、いつの間にか、冬がイチゴの季節になってしまった。本末転倒だよなぁ。
そのために、夏場、苗を寒い高原へ運び上げては下ろしてくるとか、大きな冷蔵庫を使うとか、で、みのらせるためには暖房のきいた温室を使うとか。
徹底的に「反省エネ」ですよね。
いい加減にやめませんか?
自然の恵みは太陽の恵み。
自然に任せましょうよ。

なんだか異様なことだと私は思っています。

ヒラタアブの蛹

1118_4hirataabu1 11月18日
イノコヅチの実がずらっとなっている途中に、ふと違和感。
顔を近づけてみれば、ヒラタアブの蛹。
ホソヒラタアブか、クロヒラタアブかは分かりません。
1118_4hirataabu2
春の時ほどアブラムシの存在を意識してはいないのですが、いるんでしょうね、こうやって蛹まで成長してきているのですから。
しかも、テントウムシの幼虫やクサカゲロウの幼虫などと違って、自ら積極的に活発にアブラムシを求めて歩きまわる、というタイプの幼虫ではないんです。
ハエ目ですからね、一種のウジなんでして、歩きまわりはするけれど、のそのそですね。
待ち伏せ型といっていいのかどうか、狩人という感じではないです。
それでも、充分な餌があったのでしょう、よかったね。
いつ羽化するのかはわかりませんが、思い出しては眺めています。

ハスモンヨトウ

1118_1hasumonyotou 11月18日
アジサイの葉陰へ歩み去る幼虫。
この姿はハスモンヨトウだと思います。
顔も見たかったけれども、葉の詰んだところへ潜っていってしまったので、無理やり引っ張りだすことはやめました。

幼虫や成虫の姿をきちっとご覧になりたい方は下のサイトへどうぞ。
http://www.jpmoth.org/Noctuidae/Hadeninae/Spodoptera_litura.html
いっぱい写真があります。

セイタカアワダチソウ

1116_awadatisou 11月16日
タイトルは「背高泡立草」なんですが、実は御紹介するのは「背低泡立草」なんですね。
今年は例年に比べてセイタカアワダチソウが非常に少ないということは以前に書いたと思います。
実際、目立つのは2,3株しかありませんでした。
ところが、ここへきて、遅れて成長を始め、さっさと花を咲かせ始めた株が結構現れてきました。5,6株以上あるかもしれません。もっとかな。
「矮性」とでもいうのかな、草丈が30cmを超えたくらいで黄色い花を咲かせている。
線路の柵の中、遠いので近づけないのですが、こんなふう。
で、つまらぬジョーク「セイヒクアワダチソウ」です。

サザンカ

1116_10sazanka1 11月16日
11月のちょうどなかごろ、この時期がサザンカの花のいわゆる「見頃」でした。
1116_10sazanka2
咲きかけの花から、充分に開いた花までがそろっていました。
もちろんこの後も、花は咲き続けましたが、先行する花が「くたって」くるようになります。
いいんですけど、私には、それで。
一般的には、くたった花はうけないでしょうね。
1125_5sazanka
こうなって行きます。
花びらとオシベの大部分が落っこちて、メシベと子房が残っています。
こういう姿までを「花」として楽しんでいただける方には、12月に入った今現在もサザンカは満開です。

2010年12月 1日 (水)

オオタバコガ幼虫

1116_9ootabakoga1 11月16日
オオタバコガの幼虫だと思います。
シャクトリムシに擬態しているわけではありません。一生懸命上体を振り回して、別の葉に移ろうとしているように思えます。
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ちょっと休んで、シャクトリムシスタイルになって、
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またこうなって、向こうの葉に移れないか、と試みています。
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ダメだ、歩こう、と決意しましたか、歩いていきました。
どうしたのかなぁ。おいしくなかったのかなぁ。

ふと思ったんですが、葉の上茎の上、という2次元1次元で生活している幼虫が、たとえ頭だけとはいえ、3次元空間に突入して移動を試みる、これってすごいことのような気がしてしまったのですね。
3次元空間で暮らす私は、どう頑張ったって、4次元に頭突っ込んで移動を試みることなんかできはしない。
一つ上の次元に首を突っ込むなんて、なんてすごいことだろう。
成虫になれば3次元空間を飛ぶことができるんですけどね。

アオスジアゲハ

1130tumagurokinbae 11月30日
いつものように昼食後、のんびりと散歩。
サザンカの花の前で、お、ツマグロキンバエはまだいるなぁ、とカメラを構えて見ていました。
オシベの間に潜りこんでいくのかなぁ、花びらに蜜が少しついているのかなぁ・・・。

突然、パサっと音がして左後ろから影が飛び込んできました。
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アオスジアゲハです。
わざわざ、私がツマグロキンバエを覗きこんでいるその花に突っ込んできました。
ツマグロキンバエははじき出され、私の意識は一瞬何が起こったのか分かりませんでした。
わ、アオスジだ!え、こんなに鮮やかなんだっけ、どうなっているんだ?
いやすごい勢いです。口を伸ばして蜜を吸います。
短時間で移動します。カメラを覗く暇はない。勘でレンズを向けてシャッターを切ります。
1130aosuji2
5,6枚撮りました。どれも何か写っていますが、姿としてお目にかけられるのはこの2枚。
ぶれてます。仕方ない。
左の後翅がなくなっていますね。
それでも飛べるんです。すごいです。
何秒間だったのか、1分はなかったのでしょう。
目の前を激しく舞って、やがて高~く舞い上がって去って行きました。

何だったんだろう?
無性に心揺さぶられて、感動しました。
ヒトのすることにはシラーっとしている私ですが、このアオスジの行動には参った。
心揺さぶられ、どきどきし、大きく息を吸っては吐き出し、夢か?なんだ?ありがとう、と思わず口に出してしまいました。

偶然なんです。この日、この時間、このサザンカの前に私がいた。アオスジアゲハは花を見つけて飛んで来た。
おそらくはそれだけなんです。

でもなぁ、ひょっとして我が家で羽化したアオスジかもしれないなぁ、という気持ちはあるし。
11月の末日、もう冬に入る時でもあるし。
どうしても、あのアオスジアゲハは私に挨拶に来たように思えて仕方ない。
もう命の限界にきましたけれど、翅を一枚失いましたけれど、でも、見て下さい、と訪ねてきたように思えてならない。
体のバランスは失っても、激しく飛べるんですね。生きる姿はまっすぐなんですね。
気高い、という言葉はこういう時に使うべきなんだろうな。
なんだか、心に鞭うたれたようです。

所用から帰宅した妻にこの写真を見せました。
うちから孵って旅立っていったアオスジちゃんかもしれない、挨拶に来たのねぇ、と同じことを言います。
いつも、羽化したチョウを放す時、翅がボロボロになるまで飛んで、ひたすら飛んでほしい。
と、語りあう私たちですが、実際に、このような「美しい姿」を目の当たりにして、二人して、もう、ありがたくって、なんだかジーンとしてしまいました。

虫目、聞き耳のファンタジーですね。

飛び飛びて翅失いながらなお飛びてアオスジアゲハ 別れ告げに来る
                                          崩彦
{うるうるしそうです。}

これなんだ?

1116_8huusenkazura1 11月16日
一瞬の戸惑い、です。
なんのことはない
1116_8huusenkazura2
フウセンカズラの蔓です。
のんびり眺めていて、ん?と思ったのでした。

ナガカメムシの仲間か

1116_7kamemusi 11月16日
ナガカメムシ科かなぁ、と思うのですけれど、うまく同定できません。
カメムシ好きの方、よろしく。
道路を歩いていました。
特徴的な模様なので、すぐ分かるだろうと思ったのがいけなかったなぁ。

ヒメナガカメムシ

1116_6himenagakamemusi1 11月16日
ヒメナガカメムシの活動期間は長いですね。
交尾中。
この透明な翅が光ってしまって、なかなかうまく写ってくれない、という昆虫でもあります。
1116_6himenagakamemusi2
うまく斜めのアングルにいた単独の個体。
ちゃんと見ると、こういう虫です。
実際には5mmくらいの小さな昆虫です。
ハエと間違えないでください。顔を見ればわかります。

アゲハ蛹

1116_5agehasanagi 11月16日
外猫チャコちゃんには、一応温かいねぐらを作ってあげています。古い収納棚を立てて2階建にしてあります。夏は「屋上」にいたりもします。古いタオルを入れて寝床も作ってあります。
さらに古いスノコを風よけに立ててあります。

そのスノコの内側でアゲハが蛹になってしまいました。おそらくキンカンの木で成長したのでしょう。そこからは直線距離で3mを超えた場所です。

さて、ここで蛹になってもそのこと自体は今は全く問題ないのですが。
蛹の高さが猫目線に近いんですねぇ。
もし、暖かくなって、羽化したら、その時チャコちゃんがそばにいたら、これは惨事です。
猫は動くものには興味を持ちますから「コレ、なんだ?」と絶対手を出します。
悪意はなくても、羽化したてのチョウには致命的。
ということで、この蛹、そっとこの場所から外して、ケース内のコーン状の支えの中に移しました。
無事羽化できますように。祈っています。

クロヒラタアブ

1116_2kurohirataabu111月16日
15日に同じ場所でホソヒラタアブを撮影し、それはすでにアップしました。
シロザの葉の上です。
この場所、日当たりがよいので、花にくるというより、日射しを求めて虫たちが集うようです。
翅をふるわせてすっと浮かび上がって、また降りてきました。
1116_2kurohirataabu2
今度は、じっくり。
ハエはカメラを向けると感づいて逃げることが多いですが、ヒラタアブはのんびり写真を取らせてくれることが多いです。
むしろ目の前でずっとホバリングを続けて、撮ってよ、と言わんばかりの時もあります。

虫の性格というか、性質というか、面白いものですよ。

Tigers’ leap year

今日は11月31日かな?
どうも来年は、12月1日の前に11月31日があるらしいのですよ。

(青鉛筆)来年カレンダーに11月「31日」 阪神タイガースがおわび
 ▽主力選手らの写真をあしらった阪神タイガースの2011年カレンダー(壁掛けタイプ)の11月部分に、「31日」があることがわかった。
 ▽球団子会社が作る恒例の人気商品で、15万部を印刷して20日に発売。すでに10万部以上が書店や百貨店に出回っており球団は公式ホームページにおわびを掲載した。
 ▽回収が間に合わず、「31日」の上に張るシールを配る。今季は1ゲーム差でリーグ優勝に届かなかったタイガース。「1日足りなかった」との思いが強すぎた?
2010年11月28日 朝日新聞

ね。「阪神閏年」であるらしい。
タイガースが leap する年なんでしょうね。
leap は跳ぶとかはねるとか言う意味ですよね。
タイガースファンにはうれしいカレンダーでしたね。

◆ところで、どうして「うるう年」は「leapする年」なんでしょうか?
平年は365日。365=7×52+1ですよね。
1週間は7日。
例えば4月1日がある年、日曜日だったとします。すると、次の年の4月1日は月曜日になります。また次の年の4月1日は火曜日になりますね。順に変わって行きます。
次の年がうるう年だったとしましょう。うるう年は366日。1日多いんです。
すると、一つ跳んで木曜日になってしまうんですね。うるう年には曜日が跳ぶんですね。

話が2月1日だったら?
平年は、曜日が一つずつ進みます。うるう年にも曜日が一つ進みます。でもその翌年の2月1日は跳んでしまうんですね。

要するに、2月29日が曜日を跳ばす、leap dayなんですね。

というわけで、タイガースカレンダーでは2011年には11月31日という「leap day」が入るらしいですよ。
めでたいなぁ。

◆疑問3つ。
その1:一週間の始まりって何曜日ですか?
私は月曜に始まって、週の終わりの日曜日はゆくっくり休むのだと思っているのですが、たいていのカレンダーは週の始まりは日曜ですね。
気分が悪いのでレゴブロックみたいな組み立てカレンダーを買ってきて、週の始まりは月曜日にして使っています。
みなさんは?
「ウィークエンド」って何曜日ですか?というのと同じ疑問です。

その2:曜日って、どこの国のいつから連続しているんですか?
うるう年があろうとなかろうと、年が変わろうと、曜日は連続させていますよね。
では、この曜日の連続はいつ始まったんだろう?
曜日の「名前」の由来・起源の話はあちこちにあるんですが、曜日の連続はいつ始まったのかがよくわからないのです。
教えて下さい。

その3:毎年、1月1日を月曜にしよう!というような試みをしたことはないんだろうか?
カレンダーが単純でいいという気もするんですけれど。
カレンダーが2種類でよくなるでしょ。平年とうるう年の2種類。
大晦日が変!ですか。まぁいいじゃないですか。

おまけ:カレンダーは14種類あります。14種類で充分です。
平年で、1月1日が月曜から日曜までの7種類。
うるう年で、同じように、1月1日が月曜から日曜までの7種類。
この14種類でカレンダーというものは尽くされているのです。

冬蝶

2010.11.29付 朝日俳壇より
冬蝶といへども思はざる速さ:(東京都)望月喜久代

冬の日差しになってきました。でも飛ぶからには一定以上の活動能力を持っているのです。
ふらふら、よろよろ飛ぶものではありません。
それは飛ぶものの「矜持」のようなものでしょう。
翅がボロボロになっても、最後まで飛び続ける、それがチョウです。

どん栗こ

2010.11.29付 朝日俳壇より
こま犬の開いたる口にどん栗こ:(山形県西川町)菅野哲治

情景を想像すると、にこにこ楽しくなりますね。
誰かがこま犬の口にそっとどんぐりを置いていった。
普通、こま犬の口までは覗かないからなぁ。
見つけた方も、びっくりにこにこ。
多分、置いていった方も、いたずらを仕掛けて、にこにこ。
佳い情景です。

ところで、「どん栗こ」というと童謡「どんぐりころころ」を思い出しませんか?

「どんぐりころころ ○○○○○♪」

結構、○の中「どんぐりこ」って思っていませんか?
正しくは「どんぶりこ」ですよね。
歌ってみて下さい。

庭師は

2010.11.29付 朝日俳壇より
松手入庭師は留守も預かりて:(彦根市)阿知波裕子

 稲畑汀子評:松の手入れに来ているのはなじみの庭師。留守番も引き受けているのは家人にも信用されていると想像される。

最近は「人が信じられない」などという悲しい状況になりましたからね。
私も、老人の領域に入ってきましたから、変な詐欺に遭わないよう、充分な注意が要る。
町の電気屋さん、町のガス屋さん、などの信用できる方から紹介をしていただいて、他の仕事の職人さんを紹介していただく、というよな方法をとります。
信じられた人が、その信頼を裏切るなどということは、そうめったにあることではない。
経済性より、信用が大事。
なんだか、哀しい世の中だな、とも思いながら。

すみません、ちょっと用事ができちゃって、すぐ戻りますから。
焦らなくっていいですよ、奥さん、のんびり仕事をしていますから、気になさらず。

人と人のつながりを大切にしたいですね。
こころがぬくもるようなつながりを回復したいな。
「御近所」って、死語かなぁ。

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