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2010年11月24日 (水)

我が意を得たり ゴキブリ戦

川上弘美さんの朝日新聞の連載小説「七夜物語」を読んで、思わず嬉しくなってしまいました。
小説など全くも読まない私ですが、なぜか、気になって時々読んでいる小説です。
「さよ」ちゃんと「仄田」くんという小学生が主人公の物語です。ストーリーは全く説明しません。
シーンとしては、「ウバ」という相手と闘っているシーンです。
「懐中電灯」の光を浴びせると、ウバは縮んで消滅するのです。

(9/17 第363回)から引用
・・・
 さしむかいで戦いあうならともかく、ただ懐中電灯で照らすだけでウバをやっつけることができる、というのは、ひどく後味の悪いものだった。
・・・
(9/18 第364回)から引用
・・・
 そりゃあ、直接戦ったりすれば、さっきのようにみみず腫れだってできるだろう。もっとひどい大怪我をするかもしれない。
 でも、こんなふうに簡単にウバが消えてなくなってしまうのは、なんだかたまらない感じだった。
 (母さんが、殺虫剤でゴキブリをやっつける時みたいな気分)
 へんなたとえだったけれど、さよはそう思ったのだ。
 殺虫剤を吹きかけられたゴキブリは、足をぴくぴくさせ、やがて動かなくなり、しまいには死んでしまう。さよは決してゴキブリの味方ではないのだけれど、殺虫剤をふきつけて殺すというやり方が、いやだった。ずるいような気がした。
 もしさよがゴキブリだったら
 「そんな殺人的な武器なんかふりかざさないで、新聞紙をまるめたもので、直接あたしと戦ってよ」と願うんじゃないだろうかと、思うのだ。
・・・

まさしく、私の信条と同じなんですね。
虫好きの私とはいっても、さすがにゴキブリと一緒に生活する気はありません。
ですが、化学兵器(殺虫剤)で闘うのはなんだかフェアではない気がして、新聞・雑誌・ハエ叩きなどで闘いを挑みます。逃げられることもありますが、相手にとって不足なし、次は負けないからな、と呟いています。
最近は秘技・素手つかみを開発中です。ゴキブリの一齢幼虫はとても可愛らしい姿をしていますので、とても殺せません。「成長できるなら成長していいよ。大きくなって戻ってきたらその時はフェアに闘ってあげるからね、闘いを挑みにおいで」と屋外へ逃がしてやります。つまんだらつぶれてしまう軟らかい体ですので、傷つけずに窓の外へ放出する技も開発しました。妻には笑われます。
さすが、生物の先生だった川上さん素敵なセンスだと感動しています。

いえ、川上さんご自身が「さよ」ちゃんと同じ感覚を抱いているかどうかの問題ではないのです。
そういう感覚があり得るという想像力、それだけでいいのです。
ここからは、嫌いなものは殲滅するという考えは、生まれてこないはずです。

川上弘美さんの初句集「機嫌のいい犬」が先月10月30日に集英社から発行されました。
読んでおりましたら2006年の作で

ごきぶり憎し噴きつけても噴きつけても

という句がありました。察するに実生活では、エイヤっと殺虫剤を噴きつけていらっしゃると思います。
いいんです。それで普通。
ただ、そうしながら、どこかに「後ろめたさ」を感じる感性を持っていらっしゃる。
それを、喜んでおります。

へんなかかしですね。

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